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2010年6月20日 (日)

これだけは言いたい(1):ベトナム新幹線が国会で否決される

 ベトナム国会で新幹線建設が反対多数で否決された(2010年6月20日、新聞各紙)。これをどう考えるか。私はベトナム新幹線の推進派であるが、今回の国会決議について2つのコメントをしたい。

 第1に、5月4日に前原大臣と仙石大臣がベトナム訪問し、原子力発電や新幹線の日本受注について「営業=売り込み」のためにベトナムを訪問しているが、その時の対応はズン首相ではなくて、ハイ副首相であった。これは、ズン首相が「逃げた」という意味づけをすることもできる。ズン首相が面談し、それで国会が否決すれば、首相の面目は丸つぶれだからである。

 この当時から、ベトナム国内で余りにも膨大な投資資金の調達が懸念されていた。冷静に考えて、新幹線よりもハノイやホーチミン市の交通渋滞の解消や、近郊を結ぶ地下鉄や通勤鉄道の整備が優先されてよい。

 第2に、ベトナム国会が民意を反映する機能を正常に果たしていることを示したと評価できる。推進派の私としては個人的に残念であるが、ベトナムに対する信頼性は、この国会の否決で増えることはあっても減じることはない。政府の施策を国会がチェックする。この当然のことがベトナムで行われていることが内外に証明された。

 このようなチェック機能の有効性の観点から見れば、最近の日本の方がベトナムよりも劣っているのではないか。ベトナムの政治的安定性は高く評価される。

 ベトナムが限られた予算内で優先順位を的確に考慮した政策を実施する。これが、新幹線の推進派の立場以上に、ベトナムを愛する立場から見て好ましいことであると私は考えている。

 私見では、都市と近郊の住宅地を結ぶ私鉄=民間鉄道がベトナムで設立されても不思議でない。こういった総合的な都市計画・住宅計画が存在しているとは聞いているが、その資金調達を考えれば、ベトナムや外資の官民が連携したプロジェクトとして再検討されてもよいであろう。賢明なベトナム人であれば、当然、こういった枠組みが計画実現を容易にすると考えるに違いない。

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コメント

こんにちは

 ここは、ベトナムという国のしたたかさを感じます。本当に、必要なものと考えたときに、新幹線よりも、都市と近郊の住宅地を結ぶ私鉄のほうが、絶対的に必要です。新幹線を作るためには、サイゴン、ハノイの間の都市が、もっと充実してこないといけないでしょう。

投稿: spirits | 2010年6月23日 (水) 09時47分

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