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2010年4月14日 (水)

組織力を育成する:ベトナム企業の課題(1)

 12日・月曜日、東京駅に隣接するサピアタワー9階流通科学大学・東京オフィスにおいて、JICA主催・PREX実施のベトナム人研修「経営塾」の講義を担当した。

 当日は、朝からカゴメ、午後は三菱商事でお話を伺った。これまで大阪や神戸の中小企業を主に訪問してきたが、東京では超一流企業の「凄さ」を実感してもらうという狙いもあった。三菱商事では通訳抜きのベトナム語での直接の質疑応答が実現した。これこそ日本最高水準の人材を誇る大企業である。恐るべし三菱商事。これがベトナム人に伝わったかどうか。

 三菱商事は、現役のビジネスパーソンから見て「本当に働きたい企業」のランキング首位である(『週刊現代』2010年4月2日号、129-131頁)。①若手登用、②グローバル展開、③社内教育、④福利厚生という4点のいずれも最も高い評価である。なお、第2位トヨタ自動車、第3位リクルート、第4位グーグル、第5位ファーストリーテリングである。

 これまで私はベトナム研修を引き受けてきたが、今回は上記2社に同行して、それらを実例に上げて講義するという新しい試みである。受講生一般の感想は「三菱商事は大き過ぎて私の会社には参考にならない」ということであった。これに対して私は、これまでにも指摘されてきた「組織の三菱」という観点から講義した。

 三菱商事の意思決定は保守的である。何度も会議を経て最終決定される。ワンマン経営でトップダウンのベトナム企業から見れば、これは意思決定が遅いという反応になる。同様のことは韓国企業から見てもそうであろう。「日本は遅い」。これが日本企業の欠点のようにも指摘されている。

 私見では、こういった欠点は経営者の決断で克服できる。ここ一番の緊急案件は、経営者が進退を賭けて決定すればよい。それが、できるかできないかは経営者の資質の問題である。そういった経営者が日本にいないわけではないと思う。

 そういった緊急案件以外は、時間をかけて議論すればよい。そのことが、人材育成そして後継者養成になる。さらに議論の中から新しいアイデアが生まれることもある。さらに議論は情報共有を意味し、参加者の相互理解を深める。こういった議論の過程がベトナム企業では不足しているのではないか。私は、このようにベトナム人経営者に問題提起した。(以下、続く)

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