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2010年4月30日 (金)

ハノイに開店:「回転鍋」料理店キチキチ

 回転寿司はカラオケと同様に日本発のアイデアで世界に広まったと思われるが、回転鍋の店はベトナム発であると思う。店名はキチキチ(KICHI KICHI)そのキャッチコピーは、SHARE YOUR MOMENTSそしてNON STOP MOVING。なかなか気が利いている。

 日本人の経営かと思えば、そうではなく、韓国人でも台湾人でも中国人でもないらしい。純粋のベトナム人の出資と経営のようである。しかし出店が、私が食事したランハ地区のみなDsc00995_7 らず、BIG Cやヴィンコムタワーなど人気のショッピングセンター内にもあり、かなり多額の初期投資をしているように思われた。

 「回転鍋」と聞けば、果たして何が回転するか? 鍋や人間が回転すれば、これは面白いが、普通では考えられない。当然、具材が回転する。

 時間無制限の食べ放題。基本料金は1人が118,000ドン(約550円)。牛肉や鮭の特別な具材は別料金になる。スープの味は日本式とタイ式が選択できる。 

 カウンター席には1人用の電磁調理器があり、回る具材を自由に取ることができる。スープの追加はもちろん無料である。このようなカウンター席の1人鍋は日本でもあり、私は大阪・梅田の「しゃぶしゃぶ」店を何度の利用したことがあるが、それはセットでの具材提供である。キチキチのような小皿の回転は初めてである。

Dsc01001  日本のしゃぶしゃぶや焼き肉の店の食べ放題は、店員に注文するタイプと自分で具材を取りに行くタイプがあるが、1人鍋の店はない。また、ベトナムのように小皿が回転してくれると、わざわざ具材を注文したり、取りに行く手間が省ける。これが画期的である。

 1人でも食べれて、好きな具材を自由に取ることができる。そして具材が回転してやって来る。これは日本でもヒットするのではないか。私のような夏でも鍋を食べたい「鍋族」の人間は大歓迎である。それに自分の好みで野菜を大量に取ることもできる。具材がセットになっている鍋では自分の好みにはならない。また鍋料理の注文は2名様からという店が日本では多いが、これなら1人でも遠慮なしである。

 ただベトナムでの問題は、時間が無制限ということである。小皿を少しずつ取ると、いくらでも食べられる。これでは、お客の回転率は低くなってしまう。これで採算が合うのかどうか。お客として心配してしまう。

 いずれにせよ、ベトナムに来られた時は、ぜひキチキチを試して見て下さい。熱を通すので、少なくともお腹を壊す心配はない。清潔な店内と若い店員は、なかなかのものです。鍋族の私としては次回にベトナム人経営者にインタビューをしてみたい。

 この次の可能性としては「回転焼き肉」が出現するかもしれない。日本で?ベトナムで? 発展途上国と思っていたベトナムは過去となり、ベトナムは新しい時代を確実に迎えているのである。

 なお、普天間基地の移転に直面する政府首脳が基地問題をキチキチで鍋を食べながら、キチキチの予定で打開策を考えるなんていう「オヤジギャグ」は面白くないでしょうね。 

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2010年4月29日 (木)

関西空港が少し変わった

 今年の黄金週間はベトナム・ラオス・カンボジア訪問である。

 明日30日の講義は休講にした。1ヶ月以上前から休講を告知しているので学生は納得している。私見では、夏休みを1日短縮して、30日を休みにすればよいと思うのだが、そんな簡単なことができない理由が何かあるのだろうか。もちろん休講に対する補講は当然である。

 さて、関西空港は多数の旅行客で溢れている。テレビ局の取材も何社か来ているようだ。ベトナム航空の搭乗カウンターも長い行列ができている。同時刻にハノイとホーチミン市に出発するのだから混雑は納得できる。日本航空の減便に対してベトナム航空の増便は、それぞれの経済の成長力の有無を感じさせる。

 関西空港が変化した。外国為替の両替所が便利になった。出国手続きが終わってからも各所に設置されている。また会社によってレートが違っていて、競争原理が働くようになった。このレートの違いはベトナムでは当たり前である。最近は銀行よりも「チケット屋さん」で両替することが私は多くなった。1ドルで1円ほどの相違がある。

 出発ゲート付近の売店の前にテーブルがあり、ビールを飲んでくつろげるようになった。必ずしもラウンジを利用しなくても、ゆったりした時間を過ごすことができる。

 大阪府知事が話題作りをしている関西空港であるが、サービス改善は歓迎である。さて、出発の時刻となった。明日は、ハノイから報告です。

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2010年4月28日 (水)

服部寛さん(JODC専門家)と対談形式の講義

 私の担当講義である「アジアビジネス特講」にJODC(海外貿易開発協会)の専門家・服部寛氏をお迎えして、カンボジア全般について私との対談方式での講義を実施した。

 カンボジアについて初心者の学生に対して服部さんから懇切丁寧な講義を賜った。ここで改めて感謝を申し上げたい。なお、服部さんは私と同じ時期に神戸大学の六甲台キャンパスで学生生活を過ごされている。これもご縁である。

 服部さんは、カンボジアのシハヌークビル港湾公社および隣接するシハヌークビル経済特区の開発につDsc02905いて営業促進のために指導・助言されている。現在は一時帰国中である。この港湾および経済特区は両者ともに日本のODAのプロジェクトである。そして今後の株式会社化・株式公開・株式上場が計画されている。

 全面的な日本の開発プロジェクトであるから、日本からの民間出資が日本の国益に合致していると私は考えている。しかし、そういった国益(=政治的合理性)経済利益(=経済的合理性)とは別の問題である。港湾公社について言えば、プノンペン港公社が当面は好業績を達成しているという話も聞こえてくる。国益と経済利益の一致が最善であるが、必ずしもそうならないかもしれない。後者については当然、精査が必要であることは言うまでもない。

Dsc02899  写真は、左から服部さん、シハヌークビル港湾公社・総裁秘書、同総裁、私である。2009年8月の訪問時に撮影した。服部さんと私は、これ以前に日本でお目にかかっている。それがご縁でシハヌークビルで再会し、さらに大学の講義までお願いしてしまった。

 出会いは不思議である。今回の講義に出席した学生には、そういった出会いがあった。それは出席学生にとって幸運であったと私は思うが、そう考えず、ただ講義があったと認識する学生もいるだろう。出会いを幸運と認識し、その幸運を自分に呼び込むために努力・行動する。私見では、これもビジネス成功の不可欠な要諦の一つである。

 

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2010年4月27日 (火)

カンボジアの風景(4・完):倉田ペッパーの胡椒が対日輸出

 カンボジアの英文ビジネス雑誌Economics Today, Volume 3, Number 59, March 16-31, 2010、p.27によれば、カンボジア日系企業の倉田ペッパー社は、2010年に約20トンの対日輸出の契約に調印した。 倉田ペッパー社は、コッコン県の農場9haで胡椒を自家栽培している。

Dsc00564  日本の厳しい品質基準に合致した胡椒は、1トン当たり平均3,850米ドルであるが、4,000米ドルに達することもある。

 写真は、プノンペン市内の倉田ペッパーの店内である。胡椒には3種類あり、完熟・黒・白である。さらに言えば、胡椒の木から採ったばかりのがある。

 もちろん値段は完熟がもっとも高い。それだけ栽培に時間が必要だからである。

 かつてカンボジアから大量の胡椒が輸出されていたが、ポルポト政権時に栽培が途絶した。倉田さんは、その復活を期して起業された。上記の記事は、その夢を実現するための第一歩とみなされる。ますますのご発展を応援したいと思う。

 

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2010年4月26日 (月)

カンボジアの風景(3):カンボジアの働き者

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 のどかな風景。カンボジアのプランテーション内における住民の交通手段である。

 カンボジアの牛は働き者。白い牛が一般的。

Dsc00778Dsc00777

 カンボジアでは牛肉の飼育は難しいと言われている。暑すぎるからであろう。山岳高原地帯なら可能かもしれない。

 

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2010年4月25日 (日)

カンボジアの風景(2):カナディア=タワー

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 写真は、プノンペン市内のカナディア銀行の本社ビルとなっているカナディアタワーである。この最上階に閉じ込められそうになった私の冗談のような本当の話は以前に紹介した。

 これは現在、Dsc00793カンボジアにおいて最も高いビルである。この中にカンボジア証券取引所が入居する計画もあったのだが、結局は韓国が開発したカムコ-シティ内に立地することになった。



 このカナディアタワーの受付の女性である。最上階に上りたいと言ったのだが、現在は建設中でダメですと優しい返事があった。

 確かに以前Dsc00795に最上階に上った時は、受付を通さずに勝手に上ったのであった。無謀な行動にはリスクが伴う。当然のことである。しかしベトナムも同様であるが、普通の国になってしまうと、面白みがなくなることも実感である。

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2010年4月24日 (土)

カンボジアの風景(1):内閣府の建物

 今回から数回に渡ってカンボジアの状況を写真で紹介する。

 以下の写真は、中国の支援で建設されたカンボジアの内閣府(OFFICE OF THE COUNCIL OF MINISTERS)の建物である。私は簡単に「内閣府」と呼んでいるが、プノンペン経済特区の上松社長は、これを「閣僚評議会」と言っている。

Dsc00812  本来、ここに首相も入居して執務すると言われていた。外観を見ても、建物の中央の吹き抜けにはアンコールワットを思わせる褐色の建設物が位置しており、カンボジアの伝統に配慮されている。

 しかしフンセン首相は、この建物が気に入らず、この建物の向かって左手に新たに首相府を建設している。これが下の写真である。聞こえてきた話によれば、この内閣府の内部は、たとえば中国製エレベータが使用され、いかにも中国が支援したことを思わせるそうである。これにフンセン首相は不満だったと言われている。

Dsc00809

 カンボジア証券取引所の建物についても、そのデザインがカンボジアの伝統を反映していないとして、設計が再検討された。そのために建設の着工が延期された。

 このようなカンボジアのクメール文化もしくは伝統のこだわりは、クメール人の矜持を示している。経済的な支援対象国であっても、そのことと国家の文化や伝統を保持することは別問題である。それでは果たして日本はどうか。

 

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2010年4月23日 (金)

藤巻健史氏の卓見:日本の財政が破綻する

 『日経ビジネス』(2010年4月19日)は、藤巻健史氏の「日本の財政が破綻する:元凶は郵貯と円高にあり」という記事を紹介している。

 先日、カンボジアのプランテーションと日本の環境保全林の土地価格には4千倍の相違があると述べた。通常の感覚では、経済成長に貢献するプランテーションに投資するが、それができない日本の特殊性を指摘した。

 注:これは二者択一の投資を意味していない。環境保全も重要であるが、その金額が2千億円、それに対してプランテーションはわずか5億円にすぎない。その5億円の投資がなぜできないかという問題を私は提起したつもりである。

 この特殊性の内容を上記の藤巻氏は、市場原理が日本で機能しておらず、その主要因が郵貯など公的資金であると指摘している。公的資金に市場原理が働かない。これは前述の環境保全林に対する投資にも妥当する。

 藤巻氏は次のように述べている。「日本には1400兆円の巨大な個人金融資産というマグマが存在する。これが過去に海外に向かっていれば今頃、経済実態に合った円安が進行し、景気は大いに回復していただろう。」(85頁)。

 「20年間GDP(国内総生産)がほとんど成長しなかった国よりも好景気を謳歌していた海外に投資するのが市場原理である。そうならなかったのは公的金融機関が市場原理を無視したからだと私は思う。」(同上)。

 今後のハイパーインフレーションと円安を予想する藤巻氏に従うなら、ともかく借金をしてでも外国投資する。外国投資。今後の投資のキーワードである。そして当然、リスクは小さいほうがよい。将来に後悔しないために今すぐに実行することだと私は思う。これが「実学」である。

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2010年4月22日 (木)

カンボジアの政治は安定している:それに比べて

 タイの政治的混乱が続いている。友人のラオス人もタイ出張が延期になったので、この連休中にビエンチャンで会えると連絡が来た。タイの直接的・間接的な経済損失は膨大な金額に達するであろう。

 言うまでもなく、政治的安定は経済成長や投資における大前提である。この観点からカンボジアの政治状況について以下で紹介した。

 「上田義朗ベトナムレポート」http://www.iwaisec.co.jp/

 タイのタクシン元首相をカンボジア経済顧問にフンセン首相は任命した。これにタイのアビシット首相が反発し、国境での軍事紛争に続いてカンボジアとタイの政治関係は悪化したとみなされる。

 その後のタイ政情不安をみれば、カンボジアはタクシン氏の首相復帰を支援しているようにも思える。そうであるとすれば、タクシン首相時代にカンボジアとタイの間に何らかの「親密な関係」が存在したのではないかと邪推してしまう。

 上記のレポートで「フンセン首相の政治的駆け引き」という表現は、このような意味を含んでいる。カンボジアの政治的安定はフンセン首相の指導力・調整力に依存しており、それは今後10年間は継続するとカンボジア人消息筋は指摘している。

 カンボジアの政治的安定に比べて、タイの政情は問題であるが、それでは日本はどうか。けっして他国を見て顔をしかめている状況ではなく、自国の足元を見なければならない。外国人から見れば、日本の政治的な不安定性は相当なものであると自戒しなければならない。

 

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2010年4月21日 (水)

ハノイのODA橋の崩落:日本企業に油断はなかったか?

 『朝日新聞』(2010年4月20日夕刊)によれば、ベトナムに対する日本のODA案件で事故が発生した。その内容は次のようである。

 「ハノイのホン川(紅河)で18日午前、日本政府の途上国援助(ODA)の円借款で工事中の橋の一部が崩落した。けが人などはなかった。ベトナムでは2007年9月にも、円借款で南部のメコン川に建設していた橋が崩落し、54人が死亡する事故が起きている。

 日本の外務省や地元の報道などによると、事故があったのはタインチ橋(紅河橋)。環状道路と結ぶ高架橋部分の橋げた(長さ約30メートル)10本のうち4本が落下した。

 高架橋部分は、三井住友建設と地元企業が共同で工事を請け負っていた。年内に完成する予定だったという。日本政府は1999年度以降、橋全体の建設事業で合計約409億円をベトナム政府に供与しているという。 」

 以上の引用は、次のウェブサイトからである。
 http://www.asahi.com/international/update/0419/TKY201004190428.html

 ここでの問題点は、ベトナムで橋の崩落事故が2度目ということである。今回、人身事故に至らずに不幸中の幸いであったが、前回の事故の教訓は何であったのか。

 ベトナムの南北高速鉄道の建設において日本の「新幹線方式」の採用決定が報道されているが、この事故は、それに冷水を浴びせることにならないか。日本企業の建設工事監理に対する信頼性が揺らぐことにならないか。

 やや敷衍してトヨタ自動車のリコール事件を連想して言えば、日本企業において自社の品質管理さらに「モノ作り」に対する「慣れ」や「過度の安心」があったのではないか。こういう場合の一般的な対策は「初心に返る」「原点回帰」であると思う。

 ベトナムの建設工事について言えば、ベトナム人ですら施工主は工事現場に毎日必ず常駐し、工事を監視して「手抜き」を防止している。これは、私の友人が某地方都市で学校を建設する時に実行していたことで、それに驚いたことを今でも覚えている。ベトナム人もベトナム人を信用していないのである。

 この問題の本質は、ベトナム企業の組織もしくは管理体制である。ベトナム人経営者やベトナム人経営幹部と話していると、品質管理の重要性を十分に理解している。これは間違いない。おそらく今回の工事でも「前回の事故の教訓はわかっている」ということぐらいはベトナム人管理者は発言しているのではないか。そのことによって日本人は「ベトナム企業も日本企業と同じだ。そんなに変わらない。安心だ。ベトナム人は信用できる。」と思ってしまう。これが大間違いなのだ。

 ベトナム企業の幹部と一般労働者や現場監督者の意識には格段の相違があることを日本人は事前に想定しなければならない。ベトナム人経営幹部の言っていることと、実際にベトナム企業がやっていることは「雲泥の差」と最初から疑ってかかるべきである。ベトナム人幹部を信用しても、ベトナム企業の「現場」を信用してはいけない

 今回の事故について原因究明が必要であるが、当初の報道から受けた私の印象は以上である。日本人の施工主は現場に交代で泊まり込んで工事を監理する覚悟が必要である。それはベトナム人の施工主もやっていることである。それが「ベトナム流」である。

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2010年4月20日 (火)

京都洛北の桜を観賞:原谷苑

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 京都の洛北・金閣寺から北に少し入ったところに原谷苑がある。20種類もの桜の名所として有名である。その様子を写真で紹介する。

Dsc00953  Dsc00964

 以上、桜の乱舞であったが、先週末からは冬に逆戻りしたような寒さである。風邪を始めとする健康に留意しましょう。

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2010年4月19日 (月)

岩井証券:「ベトナム株取り扱い1周年記念セミナー」開催

 岩井証券が、5月11日(火)に「ベトナム株取り扱い1周年記念セミナー」を開催します。午後3時30分からの東京と大阪で同時開催です。大阪では私もお話しする予定です。

 http://www.iwaisec.co.jp/campaign/report/seminar_vn.html

 セミナーの会場やご出席の申し込みは、上記のウェブサイトをご参照ください。多数のご出席をお待ち申しあげております。

 なお、私の後に、株式市況のテレビ解説で有名な有沢正一さんがお話されます。私はベトナムに関係して16年になりますが、恥ずかしながら、ベトナム株式について有沢さんの分析力や判断力に敬服しています。株式分析に国境はないようです。やはり「餅は餅屋」と実感させられます。

 東京で講演される赤塚保さん(国際部・部長)は、今年に出版された雑誌『ベトナム株で大儲け』廣済堂(28-29頁)で有力銘柄を推奨されています。私はハノイのロータス投資運用会社で初めて赤塚さんにお目にかかったように思いますが、堪能な英語力に感心したことを覚えています。

 多数の方々と会場でお目にかかりますのを楽しみにいたしております。

 

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2010年4月18日 (日)

カンボジアのプランテーション再紹介

 『朝日新聞』(2010年4月14日、夕刊)によれば、兵庫県が「環境林」として2,941haの土地を2,000億円で取得するという計画があると紹介している。

 住民の生活環境を保全するために乱開発を防ぐことは地方自治体の役割と言えるが、金額が巨額である。当然、批判があって不思議でないが、私は別の観点からコメントしたい。

Dsc00746  先日紹介したカンボジアのプランテーションの土地は、3万haで約5億円。これは日本とカンボジアの経済成長に貢献する前向きの投資である。

 冒頭の「環境林」とプランテーションを単純に1㎡当たりの金額で比較すれば、日本で6,800円、カンボジアで1.7円となる。この差は4,000倍である。

 一方は、環境保全とは言うものの休眠する土地、他方は、農産物・木材・鉱物資源の供給が可能となる経済成長に貢献する土地。経済活動に貢献しない土地に4千倍の金額を投じる。普通では考えられないが、「日本・地元だから」・「外国だから」という理由で多数の人々が納得する。私も納得しないことはないが、それにしても、カンボジアにおける日本のビジネスチャンスの喪失が、このままでは他国に比較して極めて大きい。

 日本のグローバル化・国際化は本当に進んでいるのか。もどかしい思いがする。

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2010年4月17日 (土)

林真理子さんの愛唱歌:流通科学大学の校歌

 『週刊文春』(2010年4月22日号)の林真理子さんのエッセイ「夜ふけのなわとび」(56-57頁)のテーマは入学式。この入学式が開催された大学は、私の勤務先である流通科学大学のことである。

 このブログでも4月2日で紹介したが、流通科学大学では今年22年ぶりに校歌が決められた。作曲の三枝成彰さんと作詞の林真理子さんが入学式の舞台で挨拶され、そこで披露された。

 この校歌を林さんは「犬の散歩はもちろん、お風呂に入る時も、駅のプラットホームでも歌い続けた」そうである。

 初めて聞いた私には、とても歌えそうにない難しい歌と思ったのだが、こういった作詞家の努力と愛着の裏話を聞くと、歌う努力をしなければ申し訳ない気がしてくる。

 林さんが気に入っている歌詞を再掲載しておこう。

 「ただ歩いているだけでは高みへは行けない。可能性とは、力を尽くした人だけがもらう、黄金の翼だ。友よ、手を差しのべよ、私の手をとれ一緒に羽ばたく、流通科学大学」。

 上記のエッセイでは、この大学名が「○○○大学」となっている。

 林さんは、三枝さんが指摘された「ひとり、ものすごい音痴がいる」学生の合唱にもかかわらず、「若い人の声で聞く校歌は格別であった。・・・初めての経験尽くしで私も本当に新入生の気分になったのである」と結ばれている。

 校歌に関する秘話として、このエッセイは流通科学大学の歴史の中に刻まれると思われる。有難いことである。大学参照:http://www.umds.ac.jp/

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2010年4月16日 (金)

異例の大逆転:岩井証券のコスモ証券買収が成立

 日本で岩井証券が販売を担当している「メコンのめぐみ」は、私が顧問をしているベトナム現地法人・ロータス投資運用会社が運用を担当している。

 この岩井証券がコスモ証券の株式を100%買収するこjとで2010年4月15日に合意した。

 本ブログでは3月10日には買収合意、4月3日には買収決裂と「アップ&ダウン」の紹介をしてきた。要するに新聞報道に振り回されてしまった。

 岩井証券の沖津社長は現在、日本証券業協会・大阪地区協会の会長であるが、その前任はコスモ証券の森山社長(当時)であった。今後、この両社の経営統合が進めば、関西経済に中核となる証券会社が名実ともに成立することになる。大阪そして関西経済にとって、これは喜ばしいことである。

 4月3日の時点で買収交渉の決裂となった理由は、岩井証券よりも高額の買収提案をした中国の企業があったからだと言われている。その後、この中国の企業買収を金融庁やコスモ証券自身が好感しなかったため、岩井証券と交渉が再開されたと指摘されている(以下、参照)。 http://mainichi.jp/select/biz/news/20100416k0000m020074000c.html

 もしコスモ証券の親会社であるCSKが中国企業からの買収に応じるとすれば、「中国の日本買いが本格化」する端緒となる衝撃のニュースとして取り上げられたであろう。これは、映画「ハゲタカ」の予言の現実化である。それは、日本の世論に及ぼす刺激が強すぎると判断されたのかもしれない。そこでコスモ証券の親会社であるCSKは再び岩井証券に交渉を申し込むことになる。

 交渉決裂が、異例の大逆転で交渉成立となった背景には以上の事情があったようである。そのほかにCSKの主要な融資銀行も岩井証券との再交渉を勧めたという報道もあった。

 今回の決着は、小が大を飲む買収であるが、両社ともに関西に基盤を置く証券会社であり、統合のシナジー効果を狙ったものである。岩井証券の沖津社長とコスモ証券の金森社長が共同で記者会見した。同じ北浜の証券会社であり、気心が知れた同士である。一般に企業合併のシナジー効果の実現は難しいが、この両社であれば、またこの経営トップであれば、成功の可能性は高いと思われる。

 なお、このシナジー効果として、ネット販売・コール販売(電話)で強みを発揮する岩井証券と、全国に支店展開して対面販売に強みをもつコスモ証券が相互補完して営業力を強化できることが指摘されている。

 私見では、それに加えてコスモ証券が手がけてきたIPO(株式新規公開)業務の充実が、岩井証券で検討されてよい。関西経済の活性化のためには中堅中小企業の上場促進が不可欠だからである。またアジア株式の売買についてコスモ証券は拡充できるのではないか。

 ネット取引の低手数料競争や、古くからの顧客の高齢化によって収益構造の見直しを迫られている証券会社にとって、今回のような買収・統合によるシナジー効果の追求は当然である。その中で当然、上記のような中国企業も再び日本企業の買収また資本参加に乗り出すであろう。今後の証券業界の再編の機運は高まることが必至と予想される。

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2010年4月15日 (木)

組織力を育成する:ベトナム企業の課題(2・完)

 企業内の会議を通して従業員が考える。考えることが勉強になる。これは当然のことだが、ワンマン経営の企業の従業員は、トップダウンの指示に従うだけになる。考える必要はない。これでは人材育成や後継者養成に貢献しない。

 私見では、ベトナム企業は個人企業の段階から組織力のある企業に向かう段階にある。この段階を経過しなければ、より大きな成長は期待できない。

 たとえば仕事の都合で日本の研修に参加できない。これは経営者として失格である。事前に日程が決まっている。それにもかかわらず参加できないとすれば、それは社内に自分に代わる信頼できる人材が不在であることを意味している。

 これらのことは、優秀な経営者の企業ほど企業の組織力が育成されないことを示している。現在のベトナム企業に必要なことは、このようなことではないか。けっしてベトナム人経営者に世界に通用する経営知識が不足しているとは思われない。必要なことは、その知識の応用である。現場への適応力である。

 より具体的には、思い切って権限を委譲する。従業員を信頼して仕事を任せる。これは人材育成の効果的な方法である。これが組織力を増強する。企業が成長するためには、個人企業のままでは限界がある。より以上の成長のためには組織力は不可欠である。それを今、準備する段階にベトナム企業は来ているのではないか。

 このような話をベトナム人経営者に講義した。ノートを取る様子を見て、このメッセージは伝わったと思う。しかし彼・彼女がそれを実行するかどうか。それは別の問題である。

 前述のように、すでにベトナム企業経営者の知識は豊富である。それを実行・応用する決断力が必要とされる。経営者が自己責任で決断できるかどうか。これがベトナム企業の課題である。もっとも、このことは多数の日本企業にも妥当することかもしれない。

 ベトナム企業の課題は組織力の強化である。発展途上国から中進国に移行したベトナムの最優先の課題と言えるであろう。

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2010年4月14日 (水)

組織力を育成する:ベトナム企業の課題(1)

 12日・月曜日、東京駅に隣接するサピアタワー9階流通科学大学・東京オフィスにおいて、JICA主催・PREX実施のベトナム人研修「経営塾」の講義を担当した。

 当日は、朝からカゴメ、午後は三菱商事でお話を伺った。これまで大阪や神戸の中小企業を主に訪問してきたが、東京では超一流企業の「凄さ」を実感してもらうという狙いもあった。三菱商事では通訳抜きのベトナム語での直接の質疑応答が実現した。これこそ日本最高水準の人材を誇る大企業である。恐るべし三菱商事。これがベトナム人に伝わったかどうか。

 三菱商事は、現役のビジネスパーソンから見て「本当に働きたい企業」のランキング首位である(『週刊現代』2010年4月2日号、129-131頁)。①若手登用、②グローバル展開、③社内教育、④福利厚生という4点のいずれも最も高い評価である。なお、第2位トヨタ自動車、第3位リクルート、第4位グーグル、第5位ファーストリーテリングである。

 これまで私はベトナム研修を引き受けてきたが、今回は上記2社に同行して、それらを実例に上げて講義するという新しい試みである。受講生一般の感想は「三菱商事は大き過ぎて私の会社には参考にならない」ということであった。これに対して私は、これまでにも指摘されてきた「組織の三菱」という観点から講義した。

 三菱商事の意思決定は保守的である。何度も会議を経て最終決定される。ワンマン経営でトップダウンのベトナム企業から見れば、これは意思決定が遅いという反応になる。同様のことは韓国企業から見てもそうであろう。「日本は遅い」。これが日本企業の欠点のようにも指摘されている。

 私見では、こういった欠点は経営者の決断で克服できる。ここ一番の緊急案件は、経営者が進退を賭けて決定すればよい。それが、できるかできないかは経営者の資質の問題である。そういった経営者が日本にいないわけではないと思う。

 そういった緊急案件以外は、時間をかけて議論すればよい。そのことが、人材育成そして後継者養成になる。さらに議論の中から新しいアイデアが生まれることもある。さらに議論は情報共有を意味し、参加者の相互理解を深める。こういった議論の過程がベトナム企業では不足しているのではないか。私は、このようにベトナム人経営者に問題提起した。(以下、続く)

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2010年4月13日 (火)

ベトナムの税制:アジア主要国と比較

 岩井証券のホームページ「上田義朗ベトナムレポート」では、ベトナムの税制について簡単に紹介しています。

 ご参照下さい。http://www.iwaisec.co.jp/

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2010年4月12日 (月)

大岡昇平『レイテ戦記』を読了

 2月末のレイテ島訪問を契機に通勤電車の中で読み続けてきた『レイテ戦記』(大岡昇平)を先週末に読み終えた。久しぶりの長編の読破であった。

 生死を分ける戦争は、誰もがもっている人間の本質を鮮やかに照射する。たとえば特攻隊や「斬込み隊」は当初から死を覚悟しなければならない。このような場面に遭遇すれば、自分自身はどのように行動するか。それが感情を揺さぶる。

 私の感想は次の3点の著者の文章に集約される。総じて日本人としての誇りと憤りを私は感じた。

1.「しかしこれらの奴隷的条件(――引用者注:軍隊内のビンタや精神棒、空想的な戦争方針)にも拘らず、軍の強制する忠誠とは別なところに戦う理由を発見して、よく戦った兵士を私は尊敬する」(文庫本・下巻、289~290頁)。

2.「醜悪なのはさっさと地上に降りて部下をかり立てるのに専念し、戦後いつわりをくりかえしている指揮官と参謀である」(同上、295頁)。

3.「レイテ島の戦闘の歴史は、健忘症の日米国民に、他人の土地で儲けようとする時、どういう目にあうかを示している。それだけではなく、どんな害をその土地に及ぼすものであるかも示している。その害が結局自分の身に跳ね返って来ることを示している」(同上、323頁)。

 戦争を体験した人間の心理を『レイテ戦記』は疑似体験させてくれる。この疑似体験は、主人公に読者が感情移入するということではなく、戦場それ自体に読者を招き入れることから生じる。『レイテ戦記』に主人公は存在しない。同書の主人公はレイテ島であり、戦争それ自体である。それだからこそ、この作品の主人公であるレイテ島の微細な地形が綿密に描写されている。

 なお、同書で紹介されている大隊長の長峰秀雄少佐は、ケーブルテレビのNHKオンデマンド番組・NHKスペシャル「果てなき消耗戦 証言記録 レイテ決戦」の中で当時の体験を証言されている。『レイテ戦記』の臨場感が向上する。再びレイテ島を訪問する。今後の私の課題である。

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2010年4月11日 (日)

ベトナムの皇太子殿下とラオスの秋篠宮殿下

 3月29日にベトナムのホーチミン市にあるVJCC(ベトナム日本人材協力センター)の藤井所長にお目にかかった。

 明日12日に流通科学大学・東京オフィスで開催されるJICA主催・PREX実施のベトナム人研修「経営塾」の打ち合わせのためであった。その研修の模様は後述するとして、VJCCの掲示Dsc00836板に皇太子殿下のお写真が掲示されていた。殿下のベトナム訪問は確か昨年2009年2月であった。

 そして今年は、先日に紹介したようにラオスに秋篠宮殿下と眞子さまが訪問されている。このように考えれば、皇室外交としてベトナム・ラオスに毎年の訪問である。メコン川流域の近隣国に連続して皇族がご訪問されることは、偶然であるのかもしれないが、特別のことのように思われる。

、さらにベトナムには、この5月の連休中に仙石大臣と前原大臣が続けて訪問すると新聞報道されていた。まさに日本外交の熱い地域となっている。単純な政治家の外国訪問というだけでなく、皇室外交を含む一連の動きを考慮すれば、大きな政治的・経済的な潮流がメコン川流域国を中心にして渦巻いているように私には感じられる。

 ロータス投資運用会社のタイ社長は述べている。「高い木は森の中にいては見えない。森の外から見なければならない」。これは株式投資で一般に指摘されていることである。私見では同時に「森の外から見ていては高い木の腐った幹は見えない」とも指摘できるとも思われる。マイクロとマクロの視点、つまり航空写真と顕微鏡写真の双方が、株価のみならず社会現象の正確な分析には必要である。

 これに加えて「潮流」を読むことが社会現象にとって不可欠である。マイクロ・マクロの分析といっても、それは静態的である。これに加えて動態的な観点からの分析が求められる。それは、前述のように、単なる経済現象の分析のみならず、社会や政治全体の動向から見えてくるのではないか。

 

 

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2010年4月10日 (土)

桜井の風景:阪急電鉄100周年の春

 関西の私鉄大手企業である阪急電鉄が開業100周年を迎えている。ちょうど100年前の1910年3月に開通した路線が宝塚線と箕面線である。

100407_17160002  私の拙宅の最寄り駅である桜井駅は、この箕面線の駅である。阪急宝塚線の石橋駅で乗り換えて最初の停車駅。現在、駅前の再開発が進行中である。

 この「桜井」の地名の由来について別に調べる必要があるが、写真のような桜並木があることに関係があると思われる。この周辺には「桜ケ丘」とか「桜」という地名もあるので、おそらく当時から桜の名所だったことは間違いない。

 春になると桜が咲く。日本では当たり前のことであるが、それに季節の移り変わりを感じ、それに誘われて自己を振り返る。これが日本の四季の醍醐味であろう。

 なお、カンボジアのプノンペンを流れるトンレサップ川の沿岸にも桜に似た木があるそうである。日本人が植えたのであるが、その開花は2月または4月ということが聞こえた。年中が夏のように思われるカンボジアでも桜は早春に咲く。これは意外な発見である。

 うまく植樹の地域を調整すれば、1年の間に絶え間なく桜を見物できるかもしれない。桜を1年中見学できる世界一周の旅。私が写真家なら追求してみたい作品のテーマである。

 

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2010年4月 9日 (金)

留学生の歓迎会:タイ語とラオス語

 流通科学大学では毎年70名前後の留学生が入学する。全入学生が毎年900名を超えるから、その10%未満であるが、兵庫県下では留学生の多い私立大学となっている。

Dsc00897  中国人が最も多く、次いで韓国人・台湾人となり、今年はタイ人留学生が2名入学した。またベトナム人留学生も在学している。

 4月6日に留学生のための歓迎会が大学主催で開催された。在学の留学生・日本人学生を交えて100名を超えた。未成年者もいることからアルコールは抜きであったが、なかなか盛り上がった。

 私は、アジア流通研究センターの運営委員となっている。タイ人学生に「サバディー」と挨拶したが、残念ながら通じなかった。おそらく「タイ語」であること自体を理解できなかったに違いない。これはラオス語であるが、おそらくタイ人も理解すると思って使ってみた。

 2001年のラオス滞在当時は、かなりラオス語を話すことが出来たのだが、今ではさっぱりである。私のベトナム語も1999年当時からまったく上達していないが、私のベトナム語の先生からは「当時の会話力を維持しているだけでもエライ」と褒められている。

 なおラオス語とタイ語は類似している。タイ語の方言がラオス語という位置づけである。私が2001年にバンコック経由で4ヶ月ぶりにラオスから帰国するとき、バンコックの空港でラオス語を話したが、タイ人の職員はニヤニヤ、クスクス笑っていた。

 おそらく日本滞在の外国人が大阪弁や東北弁を話すような感じなのだと思う。時間があれば、ラオス語もタイ語もベトナム語も、もちろん英語も、もっともっと勉強したいと思うのだが・・・。

 留学生を見ていると、おそらくすぐに日本語が上達すると思う。勉強に集中できる学生時代が懐かしい。そういえば、大学当時の私はフランス語を勉強していた。大学院入試のためにフランス語を勉強したが、これも今ではサッパリである。一生懸命にフランス語の単語集を覚えたことがある。少し時間を作れば思い出すのかもしれない。

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2010年4月 8日 (木)

カンボジアのジェトロ事務所を訪問

 3月1日に開設したばかりのカンボジアの日本貿易振興機構(ジェトロ)プノンペン事務所を3月26日に訪問した。所長の道法清隆(どうほう きよたか)さんは、ホーチミン市事務所勤務後に東京に戻られ、今年になってカンボジアに赴任された。クメール語が堪能とお聞きしている。

 カンボジア特徴として政治的な安定を指摘されていたが、私も同感である。また、隣国のタイでもベトナムでもない独自の成長をカンボジア政府が考えているという道法さんの指摘も納得できる。

 たとえば現代自動車がタイ国境の工業団地に進出を決めたが、これはタイの部品産業に基づいた「組み立て工場」という位置づけであると思われる。これに対応して、カンボジアに複数の自動車会社が進出し、それに伴う国内の部品産業の育成をするというシナリオは考えられなDsc00821い。これは、すでにベトナムが採用・推進していることだからである。

 私見では、カンボジアの発展戦略は次のようであると考えられる。(1)農産物と鉱物資源の開発、(2)観光開発、(3)製造業・サービス業の育成。これら3つの戦略の最適解が、隣国タイ・ベトナム・ラオスとの相互関係の中でカンボジア独自路線を堅持するという制約条件から導かれる。

 なお、誇り高いクメールの民族意識をカンボジアの経済や企業経営の発展成長戦略を検討する場合に無視できないと思われる。

 カンボジアのJETRO事務所は、ATTWOOD BUSINESS CENTERに入居している(写真参照)。ここは、日系のプノンペン経済特区(PPESZ)の事務所もあり、空港から市内に向かう途中である。カンボジア視察において非常に便利な立地である。

 ジェトロ事務所の設置は、カンボジア情報に対する企業ニーズの高まりを反映している。他方、その設置が企業の関心を高める。この相互作用がカンボジア経済の発展を加速する。

 これは、ベトナムで1994年から三浦さん・朝倉さん・肥後さん・山田さん・石渡さん・・・と続いて現在の守部さんに至る歴代のジェトロのハノイ事務所長にお目にかかって、私が実感してきたことである。

 

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2010年4月 7日 (水)

経営学科首席卒業生・王旭さんのこと:中国ビジネスの紹介

 本年3月に卒業した王旭くんとは、私のゼミ学生ではないのだが、熱心に私の講義や学外セミナーに参加をしてくれた思い出深い関係がある。彼自身、 大学ではゼミ(研究演習)に参加してなかったので、私は自分のゼミ生と同様以上に交際していた。

 彼が、流通科学大学の商学部経営学科において首席の成績で卒業したことを卒業式前の教授会で知った。卒業式で会えることを楽しみにしていたのだが、当日は欠席。場内には「王さんは中国でベンチャー企業を創業し、そのために欠席です」と説明された。

 その前に彼とのメールのやり取りがあり、欠席は知っていたのだが、改めて残念であった。その王くんは、以下のような仕事の取り次ぎ業をしている。

  芸術工芸品サイト:書画、内絵鼻煙壺(内絵)と古月軒鼻煙壺(外絵)
http://blog.sina.com.cn/s/blog_4cc1b8cc0100gw21.html
 
 天然宝石アクセサリーサイト:ブレスレット・指輪・ネクッレス・携帯ストラップなど
http://blog.sina.com.cn/s/blog_4cc1b8cc0100gg5z.html
   
 何といっても私の教え子である。また大学で表彰された人間である。上記のサイトをご覧になって、ご関心の方はぜひ直接連絡していただきたいと思う。自営業として創業したばかりなので種々の仕事に手を広げている。「広く網を張って獲物=ヒット商品を待つ」。これは創業当初の仕事のひとつのやり方だと思う。

 私は彼にビジネスは信用が最重要であることだけは強調している。私は、こういったビジネスは素人であるが、王くんは信頼できると思う。

 「一般に日本人は中国人を信用していない場合が多い。餃子事件を考えればわかる(最近、犯人が逮捕されたが・・・)。日本との仕事の成功の前提は日本人より以上に信用・信頼を作ることだ」。「仕事は待っていてはダメ。自分から積極的に前に出ないと。何も遠慮する必要はないよ」。

 こんな一般的な助言しか私にはできないが、彼は真面目な顔つきで「はい、わかりました」と聞いていいたことを記憶している。ぜひ彼に起業家として成功することを期待したいし、日本または中国での再会が楽しみである。

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2010年4月 6日 (火)

ベトナムのファミリーマートとダイソー

 ベトナムに進出したコンビニのファミリーマートと100円ショップのダイソーのホーチミン市の店舗を3月29日に訪問しました。写真の上はファミリーマート、写真の下はダイソーの店頭です。

Dsc00848  ファミリーマートは1号店、ダイソーは7店舗をベトナムで展開しています。ダイソーの最初の進出先がカンボジア国境のモクバイということに驚かされました。ホーチミン市やハノイからの店舗展開が普通ですが、どうもダイソーは違った考え方があるようです。

 地方都市の方が注目度が高く、それに伴って大都市よりも売り上げ増が期待できるのかもしれません。これは私の推測ですから、同社に本心をお聞きしたいところです。

Dsc00866  ベトナムでは、こういった均一価格での販売は初めてではないかと思います。この販売方式がベトナム人に受け入れられるのか。これも興味あるところです。金銭感覚がしっかりしたベトナム人のことですから、最もお買い得感のある商品だけが売れたりするのではないかと想像してしまいます。

 これらの小売市場の動向については、岩井証券「上田義朗ベトナムレポート」で紹介しました。ご参照ください。http://www.iwaisec.co.jp/

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2010年4月 5日 (月)

観光地のリピーターを増やすために

 私は、ベトナム・カンボジア・ラオス訪問について重度のリピーターであるが、その理由は仕事である。それに対して一般的な観光客のリピーターの心理について以下のような分析がある。

 大方優子「観光地におけるリピーターの心理」『2009 東海大学福岡短期大学観光文化研究所・所報』第13号、2010年3月、17-22頁。

 同氏によれば、観光地を何度も訪問する旅行者には次の6つのパターンがある。

(1)ファン型: 思い入れや愛着がある等
(2)習慣型: なんとなくまた来てしまった等
(3)パズル完成型: 全部未だ見ていない等
(4)再チャレンジ型: 今度は天気や体調の良い時に行ってみたい等
(5)変化型: 今度は家族と一緒に行ってみたい等
(6)行為リピート型: ノンビリする、ボランティア活動をする等

 ここでのポイントは「心残り」ということである。「心残り」がなくても「愛着」があれば、(1)となり、「心残り」もなく「愛着」もないが、何らかの「訪問促進要因」があれば、(2)となる。

 「心残り」がある場合、(3)・(4)・(5)となる。ここで「訪問阻害要因」がなければ、再び訪問となる。(6)は、観光地訪問が主目的ではなく、行為の達成のための訪問である。おそらく私のような仕事の訪問はこれである。そこに仕事があるから何度も訪問するのである。

 このような分類が適当であるとすれば、果たしてベトナム・カンボジア・ラオス訪問の観光客リピーターを増やすためには、どうすればよいか。旅行者の心理は多様であるが、それらを刺激する工夫が必要となされる。たとえば毎年の多様なイベント開催、または新規の観光開発などが考えられる。これは(3)・(4)・(5)タイプの観光客を誘引するかもしれない。

 それ以上に「訪問阻害要因」または「不満要因」を最小にすることである。そのためには、たとえばベトナム航空のチェックインカウンターからのサービス重視が求められる。最近の実例では、フィリピンのマニラ空港の入国管理の長い行列は、私にとっては訪問不満要因であった。ベトナム・カンボジア・ラオスの円滑な入国を再確認してマニラは大変「不満」な印象であった。

 上記の論文の枠組みに基づいて、観光促進策をより具体的に検討することができるであろう。時間があれば、調査分析してみたいテーマである。 

 

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2010年4月 4日 (日)

カンボジアのプランテーションを見る(4・完):最後のチャンス

 3万ha(30㎞×10㎞)のプランテーションで何ができるか。今回の見学をお世話いただいた宮内敬司さん(マルハンジャパン銀行前頭取)は、次のように述べられている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 カンボジアにおける農地耕作・植林事業推進の特権(Economic Land Concession ELC:経済的土地コンセッション)は農林漁業省が付与しています。

Dsc00781  近年では中国・韓国勢による積極的取得が目立ち、最近では中国・ベトナムによる10万ヘクタール規模でのゴム農園用地確保が急増しています。こうした、政府による経済的土地コンセッションの付与があるのはカンボジア以外ではラオスだけで、近隣のタイやベトナムにはありません。

 最長99年のリース権とコンセッション権(土地整地・耕作・植林の権利)は登記可能で、借入の担保として金融機関へ差し入れることも転売することも可能です。カンボジア政府にとって、経済的土地コンセッションを与えることは、高度な技術と多額の初期資本投下が必要な集中的な農・林業活動を開発してもらうことで、農村地区における雇用増加と、土地使用料、税金その他の関連サービス料を通じて政府・州・村落の収入を創出することにつながるというメリットがあります。

 ところが最近では、企業が全く開発を行わない場合や、雇用を全く生み出さない場合などには、コンセッションの取り消しも行われるようになってきました。

 2008年11月末時点で、民間企業65社に対して912,275ヘクタール(約95.51km四方)の農業・林業用地がコンセッションとして認可されていますが、その多くは土地を得て、ただ樹木を伐採するだけとの批判もあるように、さほどの雇用も生み出していないことから、新規コンセッションの付与、特に外国からの投資に対してコンセッションを認可することを止め、取得済み企業に対しては、土地の開発を強制して従わない場合には権利の没収に踏み切ることを求める意見も多くなってきました。

 2012からは、タイ湾で石油生産が始まり、将来的には2009年度の国家予算約17億ドル(約1,700億円)に匹敵する石油収入が発生することもあって、カンボジア政府としても、経済的土地コンセッションを付与して付随収入を期待する必要性が薄らいでくるものと思われます。

 中国・韓国・タイ・ベトナム・カタール・クウェートなどが大々的に土地を囲い込んでいることや、今年2月には、オーストラリア前財務大臣ピーター・コステロ氏が、US6億ドル(600億円)の巨額農業ファンドを立ち上げ、カンボジアの最低10万ヘクタール(約31.6km四方)の農地で、チーク・パーム=オイル・サトウキビ・コメ・バナナなどを栽培し、15万人の雇用を生み出すと発表した現実を目の当たりにするにつけ、はるかに後塵を拝している日本にとって、今が最後のチャンスかな、という思いを強くしています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上、宮内さんの見解を紹介した。具体的にどうすればよいか。それについては、ぜひ宮内さんに問い合わせてたいだきたい。いつでも私がご紹介いたします

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2010年4月 3日 (土)

コスモ証券の買収決裂:不思議な入札?

 『日本経済新聞』(2010年3月31日)によれば、岩井証券によるコスモ証券の買収交渉が決裂した。その理由は買収価格が折り合わなかったということである。

 この買収については、『日本経済新聞』(2010年3月10日)を始め各紙で報道され、ほぼ買収は決定という論調であった。それに対して今回の決裂の理由は、前掲紙によれば「CSKは特別損失を計上する必要が出てくる」からであった。

 私が理解できないことは、入札をして岩井証券が最高価格を提示したにもかかわらず、その後に価格が折り合わないということ自体が不思議である。入札の場合、たとえば最低価格を事前に提示することが普通ではないのか。

 いずれにせよ、関西証券業界の新たな活性化の原動力になると思われた買収の決裂は残念である。大阪を基盤にする証券会社の統合が、関西経済の発展に貢献すると考えられるからである。

 この決裂で、コスモ証券は次の身売り先を探すことになるのであろう。他方、岩井証券は次の戦略が模索されるであろう。証券界に投じられた「一石」の波紋は今後も広がっていくと思われる。

 

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2010年4月 2日 (金)

林真理子+三枝成彰=流通科学大学校歌

 今日は流通科学大学の入学式が神戸ポートピアホテルで開催された。そこで校歌が披露された。

 1988年の開学以来、流通科学大学には校歌がなかった。ただし、本学卒業生のシンガーソングライター・野村佳子氏の作詞・作曲の「dream 夢を追いかけて」が大学の校歌に代わる愛唱歌となっていた。この甘い雰囲気の歌を私は好きであったが、なかなか一般に歌う機会が設定されなかった。そして今年になって校歌が決定された。注:野村佳子さんの紹介は以下を参照。http://blog.goo.ne.jp/mu_15/e/d0a7b7fc2c8df067ff90379f7a72dba8

100402_11390001  さて校歌の作詞は林真理子氏、作曲は三枝成彰氏である。入学式では両氏が挨拶をされた。三枝氏は、ご自分でも上出来の曲であると言われた。林氏は、自分で最も気に入っているのは、校歌2番の次の部分ということであった。

 ・・・・・
 可能性とは、力を尽くした人だけがもらう黄金の翼だ
 ・・・・・

 この歌詞はなるほどと思う。私見では、力を尽くしても、それは成功を意味するのではなく、ただ可能性をもらえるだけなのだ。逆に言えば、努力しなければ、可能性すら存在しないという意味である。

 夢を実現する。可能性を実現するためには、やはり努力だけでは不十分であり、才能や幸運が必要なのである。いくら才能があっても、いくら努力しても運がなければ、仕事は成功しない。運とは何か。タイミングとか出会いとか、偶然の要素に左右されることだと思う。

 では、運を呼び込むためにはどうするか? 宝くじと同じである。あきらめずに何回も何枚も宝くじを買い続けるのである。同様に、タイミングや出会いを求める行動力を失わないことである。

 校歌が出来ると言うことは学生以上に教員も励まされる。ただし私見では、全体として歌詞は長く曲も抑揚が多い。難しい校歌であると思う。とても私には歌えそうにない。

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2010年4月 1日 (木)

日本ベトナム経済交流センターの総会開催

 私は、日本ベトナム経済交流センター(http://www.j-veec.or.jp/)の仕事に関わって10年になろうとしている。

 昨年に一般社団法人(非営利型)に改組してから第1回の同センター会員総会が、堺市の在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館5階・会議室で開催された。

Dsc00886  総会後にレ・ドゥク・リュウ総領事からの講演を賜った。2009年の国内経済成長率が5.2%に達したことや、2010年の目標が6.5%であることが紹介された。それと同時にインフレを7%以下に制限するということであった。

 経済成長とインフレ抑制を同時に達成するという困難な目標に挑戦するということが、本年のベトナムの大きな課題であると理解できた。

 私は、この機会にJETROハノイ事務所で入手した次の2冊の資料や、カンボジアの馴染みの本屋で購入した世界銀行の書籍を紹介した。

◎ベトナム優良企業(北・中部ベトナム編):金型・プラスチック加工・金属加工・精密部品・機械・電子電気部品・メッキ・他、2009年11月。(100社収録)
◎ベトナム優良企業(南部ベトナム編):金型・金属・プラスティック加工・精密部品・機械・電子電気部品・メッキ・紡績・他、第2版、2009年11月。(133社収録)
◎Cledan Mandri-Perrott, Private Sector Participation in Loght Rail-light Metro Transit Initiatives, Public Private Infrastructure Advisory Facility, The World Bank, 2010.

 最初の2冊は、ベトナム会社の概要について詳細に説明されている。センターに所蔵されるので、ご関心の方は問い合わせていただきたい。

 英文書籍は、かなり大部であるが、官民連携による地下鉄整備の枠組みや実例を紹介している。これは、5兆円に達するベトナム高速鉄道建設のための資金調達について、こういった国際的な経験は参考になるであろう。日本を含めて各国とも財政逼迫のときに民間資本の導入は不可欠である。この枠組みが真剣に検討されてよい。 
 

 

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