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2010年3月12日 (金)

テレビドラマ『不毛地帯』が最終話を迎える

 テレビドラマ『不毛地帯』が3月11日に最終回を迎えた。この作品、極めて高い水準の出演者・脚本・映像・音楽であったと思われるが、視聴率は最後まで低迷した。

 同じ原作(山崎豊子)・主演(唐沢寿明)・放送局(フジテレビ)の『白い巨塔』が成功したことと対照的である。

 この両者の相違は、『不毛地帯』が原作当時(1960年代)を再現しているのに対して、『白い巨塔』は原作を現代的に変更している。原作の財前五郎が専門とする「噴門部癌」手術が唐沢寿明では「食道癌」となり、韓国版では胆管癌などを含む臓器移植に進化している。今回の『不毛地帯』における現代的な要素不足が、現代の若い人々に広く共感を得られなかった理由のひとつであると思われる。

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 また主人公・壱岐正のモデルと言われた伊藤忠商事の瀬島龍三氏はすでに故人となってしまった。そのような人物に興味をもつ人は、やはり少数派であろう。旧ソ連のシベリア抑留者の補償問題は現代の未解決問題である。この視点からの脚本の再構成があってよかったかもしれない。

 しかしながら、すでに私は、このドラマのDVDを注文した。それほどに価値ある作品であると思っている。千里が「待っています」と言い、鮫島が「辞めるな」と叫ぶ。それらに対して壱岐がニヤッと笑顔を見せるのであるが、それぞれが微妙に異なった表情である。壱岐役の唐沢の十二分の演技力を示している。

 少なくとも何回もの鑑賞に堪えうる傑作と私は評価したい。おそらく一時の視聴率に左右されない息の長い「高視聴率」の作品になると思われる。

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