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2010年3月 1日 (月)

大岡昇平『レイテ戦記』を読む

 大岡昇平『レイテ戦記(上巻・中巻・下巻)』(中央公論新書)を日本からの飛行機の中で読み始めた。フィリピンのレイテ島に行くのだから、最もふさわしいと思われた。

 故・大岡昇平の著作では、これまでに国語の教科書に収録されていた「俘虜記」か「野火」のいずれかであったかの一部を読んだだけである。戦争に関する私の読書歴は、五味川純平の『人間の条件』や『戦争と人間』である。確か高校生時代に夢中で読んだ記憶がある。

 レイテ島で戦死した伯父は奈良県吉野郡の出身である。京都を中心とした第16師団がレイテ島に派遣されていることを小説の中で知ったが、奈良出身者も編成されていたのだろう。

 ただし伯父は輸送船の撃沈で死んだと言われている。セブ島からレイテ島に向かう船上から海に向かって日本から持参した焼酎で献杯しようと思う。これが今回の主要な訪問目的のひとつである。 

 同書の最初に「死んだ兵士たちに」という献辞が書かれている。故・大岡昇平が自らフィリピン戦に従軍しているだけに、この素っ気ない言葉の内容は重く読者にのしかかる。

 本書を「小説」と思って読み始めると意外な感じがする。本書は「戦記」であって「小説」ではない。この意味で、著者自らの体験や他の資料を交えた「ルポルタージュ」に近い内容となっている。だから迫力がある。また著者の「戦争史観」や「日本人観」が明確に主張されており、それも読んでいてわかりやすい。

 以上、上巻を読んでの簡単な印象である。大著であるが、早く読み進められそうである。

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