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2010年2月24日 (水)

トヨタ自動車のリコール問題:良い会社・一流企業とは何か

 トヨタ自動車のリコール問題に関して、大部分の意見は「トヨタ自動車が利益重視よりも品質重視の「原点回帰」をすべし」ということのようである。また「モノ作り」に徹するという表現の主張もあった。

 しかし私見では、品質のみならず価格もアフターサービスもブランド育成なども顧客のためである。「モノ作り」だけで顧客のニーズがすべてが満たされる時代ではないと思われる。トヨタ自動車が、さらに顧客重視を徹底した「モノ作り」に進化することを私は期待している。そのための方向性は顧客の目線で考えれば、自然に見えてくる。

 顧客はわがままであり、低価格で高品質という「矛盾した商品」を求めている。それは自分自身を考えてみれば、そうであると納得できる。しかし同時に、良い会社・一流企業の商品を買いたいと思う。これはブランド意識の発露である。

 この「良い」とか「一流」とは何か。それは世間の大多数の評価に依存する。それは時代とともに変化するのではないか。先日に議論した韓国企業に関して言えば、サムソン・LG・現代・ポスコは、日本の評価の程度はともかく、世界から見れば総じて「良い会社・一流企業」である。

 トヨタ自動車に限らず日本企業は、さらに韓国企業の上を行く「良い会社・一流企業」を目標とするべきである。無限地獄のように思われる低価格と高品質の追求に対する限界は、この目標の設定に依存すると思われる。

 たとえば極端に言えば、長時間の児童労働や奴隷労働に依拠した企業の商品を「安いから」と言って買うことができるか。もし知っていれば、おそらく購入を躊躇する。こういった現状の情報公開が必要なのだ。そうすれば、顧客による「良い会社・一流企業」の評価が自然に決まってくる。

 おそらく顧客は気がつかないから、知らせなくてもよい。品質に影響がないから、これは顧客に知らせる必要はない。イメージダウンになるから顧客に知らせない。この意識は企業に必ず存在すると思う。しかし、もしそれを顧客が知ればどうなるかを想像すればよい。

 顧客に十分に情報開示しない企業は本当に「顧客重視の企業」とは言えない。低価格・高品質・アフターサービスというだけでは顧客重視にならない。このような情報公開に対する意識の相違が、「良い企業・一流企業」に対する顧客の評価を左右する。

 このことは、豊田社長自身が、「より一層、透明性(transparency)を高める」という趣旨の発言をしていたことに対応する。以上、トヨタ自動車のリコール問題は、日本における「良い会社・一流企業」の条件を再検討する好機といえるかもしれない。さらに検討が必要な課題である。

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コメント

■トヨタ・章男社長、感極まって男泣き―政府与党の対策は?
こんにちは。トヨタリコール問題、何か大きな問題になりそうですね。早く終息してくれればと思います。この問題の背景には今日の日米関係の悪化があると思います。日米関係が通常どおりならここまで問題は大きくならなかったと思います。豊田章夫社長の誤算は、日米関係が悪化している時のリコール問題を、通常のときの対策ですまそうとした事だと思います。これに関して民主党政権は、自分たちは全く関係がないかのように静観しています。長い間野党だったので、政権与党として何をすべきかに気づかないのだと思います。困ったものです。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2010年2月26日 (金) 10時18分

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