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2010年2月11日 (木)

現地化から日本化への逆行か?:エースコック・ベトナム社の今後に注目!

 拙著『乗り遅れるなベトナムビジネスがいま熱い』(カナリア書房)で紹介したエースコック=ベトナム(ACV)社が、総合商社・丸紅との資本提携関係を深め、それに伴って丸紅から役員が派遣される(『日本経済新聞』2010年2月6日)。

 エースコックが総合食品メーカーとして発展するために丸紅との関係を強化することは当然である。その起点がACV社である。他方、丸紅にしても自社が関係する食品のメーカーや流通小売り会社のアジア成長戦略をACV社を通して推進できるのだから、大きなメリットとなる。

 ただし、ここで懸念されることは、これまでに蓄積してきたACV社の成功の原動力が喪失しないかということである。すなわち「経営の現地化」ということである。

 ACV社はベトナムの会社である。したがってベトナムの「日本商工会」にも加盟しない。これは前社長の浪江さんの経営方針であった。私見では、この言明を意気に感じたベトナム人が懸命に仕事したからこそ、ベトナムにおける即席めんの市場占有率をACV社は約70%にまで到達させることができた。同社では「経営の現地化」が進展していたと見なされる。しかし丸紅からも役員派遣となると、この「現地化」に逆行したことにならないか?

 エースコックにも丸紅にも経済合理性は存在している。ただしACV社のベトナム人経営幹部や従業員にも、その合理性を納得させなければならない。そうでなければ、「われわれベトナム人の会社と思って頑張ってきたのに、やっぱり日本の会社なのか・・・」という失望が彼・彼女に生まれる。それは、仕事に対するモーティべーションの低下をもたらす。

 ベトナム国内市場で成功したACV社の今後はどうなるか? アジアにおける総合食品メーカーに変身できるのであろうか? 今後も継続して注目に値する。

 

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