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2010年2月19日 (金)

留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック

 私の勤務先である流通科学大学では、大学院生の修士論文・博士論文の審査が終了し、昨日18日(木)は大学院の入学試験であった。

 日本において大学進学が次第に当たり前になっているとすれば、大学院修了が、かつての大学卒業と同程度に差別化された価値あるものとみなされる。

 この大学院における教育は、なかなか困難が伴う。留学生が多いことや、それぞれの学生の学問的な背景が不均一だからである。たとえば中国からの留学生は日本語を理解するが、英語が得意でないことが多い。そうであれば、英語の文献を頻繁に使用することができない。 

 株式市場の研究といっても、その制度的な研究もあれば、数理モデルを使用した研究があったり、計量経済学的な分析もある。分析手法の有無は、その研究の方向性に影響を及ぼす。

 このような多様な資質をもった留学生が大学院にいてもよいと私は思うが、せめて少なくともレポートや論文は的確な日本語で書くことが求められる。そのための極めて便利な書籍が出版された。

留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック 留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック

著者:二通 信子,佐藤 勢紀子,因 京子,山本 富美子,大島 弥生
販売元:東京大学出版会
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 同書は、おそらく留学生のみならず、日本人の大学院生にとっても必読書になるであろう。レポートや論文らしい格好良い文章表現が多数紹介されている。そのキャッチコピーは次の通りである。

 日本語のアカデミック・ライティング! 265の文型、78の接続表現を解説 すぐに探せて辞書のように便利 実例から書くコツがわかる

 留学生のために漢字にひらがなのルビが付いていることも親切である。まさか漢字の読めない日本人はいないだろうが、すでに周知のように日本人でも例外があるので、日本人にとっても親切である。

 本書の読者は英語圏の留学生が想定されているが、日本の大学の現状に配慮すれば、中国語圏の留学生向けの姉妹編があってもよい。たとえば私の勤務先の流通科学大学の大学院生の大多数が中国人である。同書でも十分に論文指導に役立つが、中国語版があれば、より効果的である。

 学問が世界普遍的であるとすれば、その伝達手段として、やはり英語が不可欠である。この意味では、同書は英語論文の作成にも役立つ。同書は、日本語と英語の論文執筆のハンドブックという特徴をもっている。

 外国人留学生を多数受け入れ、彼・彼女が日本のファンになって帰国もしくは日本で就職する。そして家族や親せきが日本に観光に訪れたり、さらに多数の留学生が来日する。このような意味で、留学生の増大は日本経済の成長戦略にとって重要である。

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