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2009年12月31日 (木)

カンボジアから報告(2):日本から株式投資視察団が訪問

 「カンボジアには今でも地雷があるのですか?」「プノンペン市内は安全ですか?」

 こういった素朴な疑問の回答は「百聞は一見にしかず」である。プノンペンに来られれば、不安や疑問は一掃されるであろう。また建設中の高層ビルや悠久のトンレサップ川やメコン川を見れば、カンボジアの力強い経済発展や雄大な自然の一端を感じ取ることができる。

 さて、クメール語の現地新聞『タマリンドの木』(2009年11月29日)は、日本から株式投資の視察団が訪問したことを報道している。見出しは「日本の投資家、ソク・アン副首相に面会してカンボジアのビジネス環境を再認識」である。

 同記事は、プノンペン市に設立された初の日系商業銀行であるマルハン銀行前頭取であった宮内敬司氏が率いる21名の株式投資視察団が、2009年11月23日に閣僚評議会に副首相ソク・アン氏を訪問して、株式投資環境などについて質疑応答したという内容である。

 この視察団は、日本では高橋守氏が組織している。高橋氏は中国やインド・ベトナムにおける株式や不動産の海外投資事情に精通しており、一橋大学を卒業後、住友信託銀行で特にアジアを中心にした投資銀行業や国際業務を経験されている。

 今回の訪問では宮内氏とお目にかかって情報交換した。2008年にマルハン銀行でお目にかかって以来、これまでに何度かカンボジア金融情勢について話を伺っている。大学時代にスキー部の部長で、プノンペンに「人工スキー場」があればよいと言われていた。中東ドバイにもスキー場があるから、このアイデアは奇異ではない。

 高橋氏にはお目にかかったことはないが、たとえばベトナム投資に関しても著書を出版されている。 

ストップTHEベトナム―誰も知らなかった未公開株投資 (海外投資大儲けシリーズ) ストップTHEベトナム―誰も知らなかった未公開株投資 (海外投資大儲けシリーズ)

著者:高橋 守,黒瀬 幹夫
販売元:ブイツーソリューション
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 同書を私は未読であるが、2007年に出版された著書であることと、同書の表題を考えると、ベトナム株式市場のバブル状態を警告された内容であると想像される。そうであるとすれば、その後のバブル崩壊の事実は、高橋氏の慧眼を示していると思われる。このような宮内氏と高橋氏が、カンボジアの株式や不動産の投資に注目されていることに注目しなければならない。

 さて日本では、すでにカンボジア株式投資のために「メコンのめぐみ」が岩井証券から発売中である。海外投資の専門家と言われる人々が注目するカンボジア株式市場に対して、一般投資家が1万円から売買自由で投資できる。この投資信託は、このような意味で2009年の最も画期的な金融商品であると私は評価している。(参照 http://www.iwaisec.co.jp/

 ODA(政府開発援助)では不可能なカンボジア民間企業を支援するために、日本からの民間投資を推進したい。カンボジア経済発展のために尽力したい。この思いは宮内氏と私で共通していると思う。これは来年に向けた私の抱負でもある。

 世界遺産であるアンコールワット観光を経験された方々は多いと思うが、それはカンボジアという国の一部の「点」にすぎない。ぜひ首都プノンペンを訪問し、カンボジアの最新の経済・社会そしてポルポト政権時代の近代史についても見聞していただきたいと思う。

 flairflair:宮内氏や高橋氏が主宰する第2回「カンボジア投資視察団」が新年1月に予定されている。この詳細については、高橋氏の次のブログを参照されたい。http://blog.livedoor.jp/max_squash/

 

 

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2009年12月30日 (水)

カンボジアから報告(1):自家用自動車を買えなかった・・・

 12月29日にラオスからカンボジアに移動した。暑い。チリチリするような刺激的な暑さ。これが「たまらん魅力」である。

 数年前から私は高血圧症でサウナには入れないが、若い頃サウナは大好きだった。外にいるだけでサウナ気分なんて、これほど嬉しい国はない。

 さて、2003年当時から毎回のように利用しているタクシー運転手トーチさんに、今年の夏に会って、次回は自動車を買おうと約束していた。7千ドルから8千ドルでトヨタのカムリの中古車が買える。現在の彼の自動車は、米国製カムリであるが、もう20年以上になるポンコツである。

1  新しい自動車を買うためにトーチさんは5千ドルほど貯金していた。そこで、残金を私が出してあげるから新しい中古車を買おうということになった。私にしてみれば、カンボジアに運転手つきの自家用車を部分的にでも所有しているなんて、ちょっと良い気分になるではないか。また、私が紹介するカンボジア訪問の人々にも利用してもらえる。

 今回の訪問で、その話をしたが、トーチさんは自宅修理のために貯金を使ったそうである。雨漏りがするので補修工事をした。そうなのか・・・。それなら、もう一度、新しい中古車に向けて二人で貯金しようということになった。

 もし私が悪いカンボジア人なら、お人良しの日本人旅行者から数千ドルを受取って、次までに新しい自動車を買っておくとウソを言って、携帯電話の番号を変更して、さらに整形手術はしないまでも変装するであろう。

 正直・実直な信頼できるカンボジア人がここにいる。だから私はカンボジアを何度も訪問している。

 flairflair:冗談でトーチンさんと話した。ツクツク(バイク3輪車)なら1千ドルほどで買えるそうである。それで手を打とうか・・・。カンボジアで「自家用ツクツク」を所有するという案も、朝と午後2時と午後5時に交通渋滞が発生するプノンペン市内では、より快適に移動できる交通手段となり、現実的で悪くない。

 

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ラオスで中国「脅威論」を再考:新しい知見

 ラオスで開催されたSEAゲームのメインスタジアムの建設は中国が支援し、その代わりに中国がラオス政府に中国人移民のための敷地を要求した。これは本ブログで紹介し、その後に坪井善明教授(早稲田大学)も指摘している(『朝日新聞』2009年10月15日)。

 また中国のラオスに対する影響力が大きくなっていることは、『日本経済新聞』(2009年12月18日)でも報道されている。以下では、この問題をビエンチャン市内を紹介しながら検討する。

Dsc00075_convert_20091229090759

 ラオス証券取引所の建設サイトに市内から向かう途中に新しいアパートがほぼ完成している。おそらく数千人の住居が可能であろう。ここに中国人が入居する。おそらく1階は、商店になると思われるが、3階建てに統一された清潔感のある町の「入れ物」が出来上がった。

Dsc00093_convert_20091229090934

 左はラオス語と中国語で書かれた店舗を車窓から見た。普通にビエンチャン市内で中国人が生活している。上記のように「中国人がラオス移住」と言えば、中国に対する「脅威論」を煽ることになるし、そのように私も感じていた。しかし、その「受け皿」となる中国人がすでにラオスに定住していることに注意しなければならない。

 巨大ショッピングセンターである三江Dsc00115_convert_20091229091230国際商貿城の入り口である。その巨大さは下の写真からも分かるであろう。ビエンチャン市内では、タラートサオ(モーニングマーケット)が有名であるが、売り場面積から見れば、このショッピングセンターがより大きいかもしれない。店内は日曜日(12月27日)であるにもかかわらず、お客は閑散としている。上記の中国人住居の新たな建設は、この顧客を増やす目的があるようにも思えるほどである。

 このDsc00119_convert_20091229091323商業センター内には寝具やカーテンなど縫製品が豊富である。前述の『日本経済新聞』によれば、「約250店が入居しており、各店の経営者はほぼすべて中国人。衣料、靴、家電、食料品、食器、スポーツ用品、日用品、文具、楽器など多様な商品が広大な平屋のフロアを埋め尽くす」と説明されている。

 これまでカーテンや家電製品を購入する場合、ラオス人は友好橋を通ってメコン川を渡り、タイのノンカイ方面に買い物に行くことが多かったと思われる。事実、2001年に私がJICA専門家としてビエンチャン滞在中、ラオス国立大学経済経営学部の職員室など1階のカーテンは、ノンカイまで副学部長が自動車で買いに行った。そのカーテンは今でも使用されていて懐かしい思い出である。

 今後はタイに行かなくても、この中国人商業センターで買い物できるであろう。日用品や縫製品などについて中国製品とタイ製品の競争が開始されるDsc00109_convert_20091229091049と考えられる。これは、競争原理の導入という観点からラオス人消費者には好ましいことである。

 このバスには驚いた。ビエンチャンと中国昆明を往復している。車体には両国の国旗が貼り付けられている。このバス内の構造も注目された。座席がなく、荷台が設置されている。寝台車のようにも思われるが、荷物も同時に運搬できる構造である。南北経済回廊を使っていると想像されるが、そうなれば、実走したくなるのが人情である。しかし、このバスでは疲れるだろう・・・。覚悟と体力が必要である。

 ところでビエンチャン市からハノイまで自動車で片道15時間ほどかかる。私のなじみの運転手リエムさんの体験である。こういった陸路を実走することが来年以降の私の課題である。

 以上、今回のラオス訪問で、中国の「南下政策」の脅威論ではなく、タイに依存したラオス経済が中国の進出によって、より国際化しているという解釈もできることに気がついた。また突然の中国人の移住ではなく、すでに定住中国人がいるという土壌があることも認識できた。不必要な「中国の脅威論」は、ラオス国内のラオス人と中国人の対立を刺激すると思われた。

 中国人もベトナム人もタイ人も受け入れて、さらに韓国人も加わり、それらの国々のパワーバランスを調整する。これがラオス政府の今後の役割とみなされる。ただし、こうなるとカンボジア政府も同様のことをしているではないか。さらに言えば、それがアセアン諸国の収れんした社会構造になるとも思われた。

 それにしても、外国で日本が存在感を示すためには、外国に日本人が定住しなければならないと思われる。いくら日本政府がODAを提供しても、日本人が住んでいなければ存在感は希薄である。日本人の意識は変わりつつあるが、もっと海外にアジアに日本人が定住してもよい。それができないのは、それだけ日本が住みよい国だからである。しかし国際的に見て、大規模地震の発生確率の高い日本が、それほど安全とは思われないのだが・・・。これらが今回のラオスでの知見である。  

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2009年12月29日 (火)

フィギュアスケート安藤美姫がベトナムに登場???

 アイススケート全日本選手権では第4位であったが、来年2月のバンクーバ冬季オリンピック出場を決定した安藤美姫がベトナムニュース(Viet Nam News, December 26, 2009)に写真入りで掲載されている。安藤美姫については、安藤美姫 - Wikipedia -

 おそらく安藤自身も自分がベトナムで紹介されていることを知らないであろう。なお、この記事はAPの配信であり、先に開催されたロサンジェルス大会でのエピソードが内容となっている。

 記事のタイトルは「価値ある教訓から安藤は学んだ」。ニコライ=モロゾフコーチと安藤との間の4回転や3回転ジャンプに関する葛藤の経緯が具体的に紹介されている。「安藤美姫にとって最後に必要なものはコーチと議論である」という文章から記事は始まっている。

 そして最後の部分で安藤は次のように述べている。「私はニコライに言いました。私はあなたを信じて3回転・3回転を飛ばない」と。このような師弟の信頼関係や安藤自身の精神的な葛藤をベトナム人は好むと私は思う。

 ただし私見では、安藤美姫は話し過ぎである。今回の日本選手権においても第4位の「言い訳」をしているように思われるが、それは悪意の言い訳ではなく、彼女の素直な自己分析をサービス精神で正直に話していると私は想像している。

 しかし自己反省は内に秘めてこそ価値がある。失敗の言い訳を他人に話すと、それで精神的にはスッキリする。しかしスッキリすると、内に秘めた精神的・心理的なエネルギーが減退するのではないか。

 失敗した後に「クソ-、今に見ていろ!!」と安藤美姫が言うとは思わないが、そういったエネルギーは確かに存在する。そうであるとすれば、その敗因をペラペラと話してしまうと、その内的なエネルギーは減退すると私は思う。彼女に対する応援を、ここラオスから送りたい。

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2009年12月28日 (月)

ラオス主催・2009年第25回SEAゲームの余韻・・・・・・

 SEAゲームは、アセアン諸国10カ国と東チモールを加えた11カ国のオリンピック競技会である。SEAゲームの上位競技がアジア大会であり、その上位がオリンピックである。

 この第25回SEAゲームが12月9日から18日までラオスの首都ビエンチャンで開催された。参照: http://www.laoseagames2009.com/v1/index.aspx

 私の知る限り、SEAゲームに関する日本の報道は皆無であった。日本のODAで武道館Dsc00079_convert_20091228195257 が建設されているはずだから、情報公開の意味でも日本の報道機関が特集として取材しても不思議ではない。なお中国政府はメインスタジアムの建設を支援した。

 ラオス国立大学のドンドック校舎に隣接してに4千名収容の選手宿舎がベトナム政府の支援で建設された。そのためにビエンチャン市内のホテルがすべて満室になったというわけではなかったようである。

 国別のメダル獲得の順位は、第1位:タイ(266個)、第2位ベトナム(215個)、第3位:インドネシア(170個)であり、ラオスは第7位(110個)であったが、金メダル数は33個で第6位のシンガポール(98個)と同数である。私見ではあるが、主催国としてラオスの面目は保持できたのではないか。

Dsc00130_convert_20091228195430  ベトナム・ラオス・カンボジアにおいて最も人気のスポーツはフットボール(=サッカー)である。その順位は、男子が金メダル:マレーシア、銀メダル:ベトナム、銅メダル:シンガポール、女子が金メダル:ベトナム、銀メダル:タイ、銅メダル:ミャンマーである。ベトナム人の女性は強い・・・。この試合結果が証明しているようである。

 flairflair:上記の写真の横断幕には「東南アジアの国は1つの家族」と英語で書かれている。「アセアン共同体」を意識したメッセージである。

 これDsc00126_convert_20091228195352までメコン川の夕陽を楽しんでいたランサンホテルの前のレストランは撤去され、公園整備の工事が始まっ ている。またタットルアン寺院の広場近くにも公園が出現した。SEAゲームによってラオスのインフラ整備が確かに進展した。

 ベトナムの首都ハノイのSEAゲーム開催は2003年であった。社会経済の発展の道をラオスも着実に歩んでいることを実感した。

 

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2009年12月27日 (日)

ラオス証券取引所:開設準備が着々と進行中

 27日(日)午前にラオスに到着。午後にラオス証券取引所の建設現場を見学した。まだDsc00064_convert_20091227210520 基礎を打ち込んでいる段階であるが、日曜日にもかかわらず、工事は進行中であった。この建設資金は韓国の支援である。

 外観は、なかなか現代風である。この建設現場の向かい側が国際会議・展示場であるから、この周辺全体の雰囲気に違和感はない。周辺の敷地には余裕があるから、新しい証券会社や銀行の建物が建設されると、この地域が「金融センタDsc00067_convert_20091227210301 ー」になる可能性がある。

 この前の通りを南に進めば、自動車で数分でオートバイのスズキの工業があり、さらに10数分進めばタイにつながるメコン川の友好橋に至る。

 当然であるが、証券市場の開設に向けて「箱物」の建設だけでは不十分である。証券取引の人材育成がDsc03142_convert_20091228001209 重要である。そこでラオスでは「株式ブローカー」の資格認定証の制度を設定している。本年12月22日に株式ブローカー認定証の授与式が初めて開催された(本文の記述は次を参考にしている。Vientiane Times, December 24,2009)。

 この認定証は、「現代投資専門職認定1級」(Certificated Modern Investment Professional Level 1: CMIP 1)と呼ばれ、プーペット=カムフンヴォン氏(証券取引委員会副委員長・ラオス人民民主共和国銀行(中央銀行)総裁)が9名に授与した。

 本年7月10日から8月2日までビエンチャンで実施された株式市場の運営や専門的な行動についての訓練コースに参加したラオス人は87名であったが、その中の9名が試験に合格した。残りの受講生には参加証が授与された。なお、この訓練コースはラオスの中央銀行とタイの証券取引所が主催した。合格者が少ないのは、それだけ試験が厳格な証拠と理解するべきであろう。

 ラオスは2010年10月10日に株式市場の開設を予定しており、以上は、そのための準備である。この認定証のための訓練コースの受講料は3百万キープ(約355ドル)であるが、より多くの訓練生をラオス証券取引委員会は求めている。 

 ラオスの中央銀行によれば、すでにラオス国民は株式購買力をもっており、多数の人々は外国株式市場に投資している。私見では、これは適当な見解である。私のラオス人の友人は、すでに家族で複数の自動車を所有するまでになっている。こういう所得層が潜在的な株主になると思われる。これらの人々は、簡単に言って、外国との関係をもっている企業経営者や留学経験者である。

 ラオス株式市場の開設が、ラオス経済発展にとっても外国投資家にとっても貢献することが期待される。

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ハノイで美食を楽しむ:「一味膳」で日本食を堪能する

 26日の胃袋は多忙であった。夕食は、ハイハコトブキ元社長で現在はお菓子のポエメの店主である鈴木哲也さんとご一緒した。鈴木さんと初めてお目にかかったのはハノイで199Dsc00056_convert_20091227052049 4年。その後1998年の私のハノイ滞在時には、本当にお世話になった。

 ご一緒した店は一味膳。日本大使館の近くである。まず前菜では、梅味のフカヒレ、キュウリとミョウガ。このフカヒレは日本でも食べたことがない。キュウリとミョウガはシャキシャキ。これで、まずお客を驚かす。

 真鱈の白子の天ぷらは絶品。これをベトナム産の甘い塩で食べる。白子は生で酢の物とDsc00057_convert_20091227060710 思っていたが、この天ぷらは新鮮である。カジキのトロと昆布味の鯛が感激。カジキのトロは マグロよりも歯ごたえがあるが、トロだけに柔らかい。この食感が新鮮である。昆布味と鯛も最高の組み合わせである。

写真は、タコの中で一番美味しい頭の部分である。 それから日本でも食したことがない・・・ウナギの白焼き。これまでウナギはフワフワと思っていたが、串に刺したウナギはプリプリであった。これは最高。そして最後は、生のマグロの血合いのステーキ。血合いは通常は捨てるそうであるが、それを焼き上げDsc00058_convert_20091227052420る。生臭くないのは、冷凍でなく生だからそうである。

 締めは、ざる蕎麦でトロロ入りの付け汁。この蕎麦もコダワリである。腰がある。付け汁は濃いめで関東風。これはしかたがない。関東の人にとって関西味はもの足らないそうである。

 この店のオーナーは、加計栄治さん。若い頃に板前を東京で経験し、その後はサラリーマン。ベトナムで仕事をして、もっと美味しいものを食べたいと思って、板前のDNAが騒いだそうである。そこで自ら店舗を構えたと言われていた。私よりも1歳年下の同年配である。この店、すべてにコダワリがある。お皿も日本からの持参されたようである。ハノイの高級店として隠れ家的な日本料理店である。最後に追記すれば、、赤ナマコの酢の物も美味しかった。

 そして特筆は「塩」である。ベトナムのファンランなどの塩はミネラル豊富で東京の高級料亭が買い付ける。この一味膳の塩も「甘い」。「ベトナムの日本料理店がベトナムの塩を使わないでどうする!!」と思っていただけに、このコダワリにも嬉しくなってくる。

 いつもながら鈴木さんには感謝である。職人気質は、鈴木さんと加計さんの共通点であると思われるが、そのコダワリが人を驚かせる。人を驚かせて楽しむことは私も同類かもしれない。類は類を呼ぶ。だからベトナムは魅力である。

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2009年12月26日 (土)

カンボジア衣料品のハノイ参入:両国の交流深まる

 ハノDsc00052_convert_20091226175912イに未だ地下鉄はない。公共バスはあるが、時間もかかるし、余り便利でもない。そこで自動車・タクシーを利用することになる。

 タクシーの車窓から外を眺めていて、面白い店を発見した。そうなると「シン=ロイ、ズン=ライ!!」(ごめん、止まって!!)ということになる。

   「メイド=イン=カンボジア=ベトナム」という衣料品店である。店内に入ると意外に顧客で賑わっDsc00054_convert_20091226180032ている。想像するに値段は安いのだと思う。

 たとえばCalvin Klein、100% Cotton、Made in Cambodiaというラベルの商品が販売されている。これらの商品のルートはどうなっている のか興味津々である。おそらくホーチミン市経由であると思う。同じ店がホーチミン市にもあるのではないかと想像される。カンボジア縫製企業の対米輸出向Dsc00055_convert_20091226180128けの製品が不良在庫となり、それがベトナムに流れてきた・・・。これは仮説である。

 今後は、こういったベトナムとカンボジアそしてラオス3カ国間の物流や企業間関係の実態調査が、メコン川流域国の発展にとって有益になるであろう。

 また偶然にフエ通りを歩いていて、「カンボジア文化展示週間」の横断幕を見つけた。クメールの伝統芸術活動を紹介する趣旨である。このようにベトナムとカンボジアの友好関係は進化・深化している。ハノイですらそうなのであるから、陸路で半日で結ばれるホーチミン市とDsc00046_convert_20091226182217プノンペンでは、さらに関係は深いであろう。

 ただし私見では、ベトナム人に対するカンボジア人の根強い不信感が存在することを忘れてはならない。同様のことは、中国人に対するベトナム人の感情にも通じる。ベトナムとカンボジア間の「歴史問題」は遠い昔のことになったと思われるが、カンボジアにおいてベトナム人の傲慢さや不遜な態度が見られるとすれば、当然にカンボジア人は反発するであろう。

 ベトナム・カンボジア・ラオス3国における経済関係において、ベトナムがイニシアティブを取るだけの位置を占めていると思われるが、それが円滑に発展するかどうかは、ベトナム企業経営者の倫理や人格に依存しているように思われる。かつての日本人がアジアの人々に対して横柄な態度であったように、ベトナム人にもそういう傾向があると私は懸念している。

 そうであるからこそ、上記のクメール人の文化活動をベトナムで紹介している。ベトナム政府のカンボジアに対する配慮は理解できるが、一般の国民の反応はどうか。これが問題である。

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ヴー=バンは健在:誕生日に長寿を祈る

 Vu Ban(ヴー=バン)と久しぶりに会って一緒に食事をした。彼は(社)日本ベトナム経済交流センターの前ハノイ代表であり、ベトナム鉄道労働組合の元委員長である。

Dsc00040_convert_20091226172053  ベトナムの南北高速鉄道に日本の新幹線方式が採用されたが、それには彼も多大に貢献している。国鉄時代から彼は日本との交流の架け橋になっている。

 Vu Banは、私がハノイ滞在中の1998年以来の「兄弟」である。ベトナムでは親友の表現として「兄弟」(Anh Em)という用語を使用する。最近のベトナムでは、これは古くさい表現となっているが、私の信条として、かつてお世話になった恩人を軽視することはできない。

 彼は年金生活者である。政府首脳と同等の金額を受給している(毎月6百万ドン)。かつての外務大臣・副首相であったグエン=マイ=カム氏とは中国留学の同期生であり、故ホーチミン主席に握手をしてもらって北京に5年間留学した。

現在は82歳(ベトナムでは数え年。1928年生まれ)。そして偶然に今日1226日が誕生日である。これは驚かされた。やはり縁があると言わざるをえない。

健康の秘訣は1日に10キロ歩く。これは合理的である。ベトナム独立戦争の英雄であるヴォー=グエン=ザップ元将軍・国防大臣は現在は99歳で、来年には100歳。私見では、Vu Banなら110歳は可能であろう。ちなみにベトナムで100歳を超える人は10数名であり、女性が多いそうである。

良きにつけ悪しきにつけ兄弟は兄弟。Vu Banの健康と幸福を祈りたい。

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2009年12月25日 (金)

ロータス投資運用会社の忘年会・・・

 クリスマスの25日、ハノイのホライゾンホテルに事務所をもつロータス投資運用会社では、全社員が昼食に集まって忘年会・クリスマス会を開催した。私のベトナム訪問の歓迎会Dsc00007_convert_20091225224111 という意味もあるということだが、そういう心配りが嬉しい。

 昨年の今頃のロータス社では、私を含めて法定の増資のために資金集めに奔走していたが、それが懐かしい思い出になった。同社は本年10月、ロータスメコン川株式ファンド(LMEF)の組成に成功し、日本では岩井証券が販売している。

 こういDsc00002aう気分は、困難や苦労を経験しなければ味わえない。ロータス社の仲間の顔を見ながら、美味しいハノイビールを飲むことができた。

 このレストラン(Ngoc Mai)は、ルビープラザ(44 Le Ngoc Han)の最上階17階にある。数年前にビルは新築され、その当時に16階の日本料理店で食事した。なかなか眺望もよいし、高級感がある。

 このようなベトナムの人々の活況をみていると、日本の不況はウソのようである。今からでもベトナムでビジネスすれば、日本経済の明るい未来が拓けるように思う。

 私が子どもの頃、アジア諸国を席巻した日本企業の進出ブームの熱気や意欲はどこにいってしまったのであろうか。今こそ、アジアの人々とWIN-WINのビジネスを追求する好機である。「国内では苦境、外国では不安」というなら、少しの経営体力が残っている間に外国に出てみることである。日本経済の苦境は、時間とともに深刻化するように私には思われる。

 外国進出を決めれば、その場合、本気でなければならない。ベトナム人は日本人の本気度を観察している。国内の仕事の片手間や息抜きといった認識の外国進出は、ベトナムに限らず成功しないであろう。

 それでは、どうすればよいか。そのために外国ビジネスの相談窓口が多数存在している。またベトナムやカンボジア・ラオスについては、私に連絡していただきたいと思う。日本経済の苦境を想起するなら、支援する側も本気にならなければならない。こんなことをハノイで考えている。 

 

 

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ハノイから報告:ベトナムのビール業界(続報)

 昨夜ハノイに着いた。今日のクリスマスはハノイで過ごす。

 恒例の関空の「さくらラウンジ」からの出発報告ができなくなった。ベトナム航空のマイレージカードが、ゴールドからチタンに格下げされて、ラウンジを利用できなくなったためである。これは、かなり不満であるが、それが規則だからしかたがない。来年は、毎月1回はベトナム訪問し、ゴールドに復活してやろう。

 さてハノイのホテルでViet Nam NewsDecember 24,2009)を読んでいると、ベトナムのビール業界が記事になっていた。前日に続いて、偶然であるが、ビール業について紹介する。

 ベトナムビールアルコール飲料協会Viet Nam Beer-Alcohol-Beverage Association)の事務局長であるヒエン氏によれば、2009年のビール業会の成長率は前年比で12~15%に達する。その理由のひとつは、今年の夏が非常に暑かったことである。まDsc00042_convert_20091226172213 た、インフレーションが沈静化し、それもビール消費を押し上げた。また消費者が国内ビールを選択したからである。その味が口に合うからである。今後、テト休暇(2月14日)に向けて消費は増加するとみなされる。、

 10年以上に渡って、ベトナムのビール業界は安定した高成長を達成してきた。2007~08年に全国で151社のビール会社があり、20億リットル以上の生産量であった。それらの中で8社が、毎年1億リットル以上の生産能力があった。

 瓶ビールと缶ビールは、それぞれ毎年13%と20%の増加を示している。この生産量は東南アジアを第2位であり、日本・インドネシア・韓国・ラオス・カンボジアに輸出もされている。この成長率では、来年は31億~32億リットルの生産と消費になり、2015年に60~65億リットル、2025年に70~75億ドルになるであろう。

 この数字を達成するために同協会は、技術投資と同時に生産の拡大と改善によって競争力を強化しなければならないと各社に助言している。

 近年、サイゴンビール会社とハノイビール会社は、低価格の高品質ビールの生産のために大規模な技術投資を実施した。

 flairコメントflair日本の寡占的なビール業界(注:2010年にはキリンとサントリーの経営統合によって、さらに寡占化が進行する)に比較して、ベトナムのビール会社115社は多すぎる。業界再編成は必至であるが、他方、小規模な地ビール製造会社として生き残る方法もある。今後のベトナムのビール業界の展開に注目である。
 写真は、ハノイの代表的なブランドであるハノイビール(左)とハリダ(右)である。

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2009年12月24日 (木)

ベトナムのビール業界は?:サッポロビールの挑戦

 サッポロホールディングスの村上隆男社長が、2010年から参入する「ベトナム市場に期待を込める」というコメントを述べている(『日本経済新聞』2009年12月23日)。

 「ベトナムjのビール消費量は中国、日本に次ぐアジア第3位の規模」であり、少子高齢化の日本よりも成長性があるとみなされている。

 以下では、ベトナムのビール業界に関する私見を述べる。統計的なデータもあるのだが、ここでは私的な印象であることをお断りしておきたい。

 ベトナムのビール業界は乱戦市場である。ビアホイでは安価な生ビール系の地ビールが提供され、瓶ビールでも各地のご当地ビールがある。ハイネッケンやタイガービールなど現地生産の外国ビールに人気があり、さらに大手のサイゴンビールと、ハノイでは根強い人気のハノイビールもある。私はハノイビールが好きだが、中部のラルーも捨てがたい。南部のビジはハノイビールに似た味であるが、最近は一般に見かけなくなった。

 ハノイビールの人気の秘密は、その苦みであるが、それは確かドイツ人の技術指導に基づいている。ハノイ在住当時の1998年に私と同じホテルに彼も長期滞在していた。苦みの人気はハノイの気候に依存すると思われる。ハノイには四季があり、ハノイの今はかなり冷え込む。そういう気候だから、苦みが好まれる。

 これに対してサイゴンビール系のブランドは、あっさりとした飲み心地である。南部の暑い気候に苦みは不要であるように思われる。水代わりにビールを飲む。

 さてサッポロビールは、どのような商品戦略を採用するのか。日本のサッポロビールの特徴である苦みや渋みをベトナムで再現すれば、おそらく北部では受けるだろうが、南部では疑問である。

 もっとも日本ブランドは全国に共通して人気があるから、日本の高級ビールとしてアピールすれば一定の市場は確保できるであろう。最初は日本料理店で発売し、そこを利用するベトナム人から次第に一般のベトナム人に普及する。

 その場合、日常的に飲むビールであることを考えれば、価格に厳しいベトナム人を納得させるだけの品質と価格の「値ごろ感」が不可欠である。

 ベトナムの流通チャネルも複雑である。日本で排除されつつあるリベートが当然の世界である。若い女性のキャンペーン販売も行われる。それをやれば、日本ブランドの高級感が失われるかもしれない。

 日本料理店での普及までは問題ないが、それがベトナム人一般に普及するという段階で工夫が必要であると思われる。どのようなサッポロビールがベトナムで飲むことができるか。今から楽しみである。ビール愛飲家として同社を心から応援したいと思う。

 なお、サッポロビールの参入によって、ベトナム株式市場に影響があると思われる。上場ビール会社の株価の反応はどうなっているか。これも直感であるが、当面は大きな影響はない。外資系企業の参入といった情報は一般の投資家に普及していないように思われる。これは、ファミリーマートと提携を決めた店頭市場のフータイ社の株価がそうだからである。情報に対する反応が鈍い。以上、あくまでも私見である。

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2009年12月23日 (水)

千里阪急ホテルでクリスマス会:箕面船場ライオンズクラブ

 箕面船場ライオンズクラブのクリスマス会が千里阪急ホテルで開催された。そこでのゲストは、久間勝代さんであった。

091223_191701  久間さんは、平成8年に「美空ひばり全国大会」で優勝し、平成14年に「美空ひばりの世界を謳う」を開催し、プロとしてデビューされている。
(参照:http://www.k-hisama.jp/hisama.htm)。 

 けっして「美空ひばり」のモノマネではなく、その心情を込めて歌う。この迫力に感心した。演歌の神髄に触れたひとときであった。

091223_203602  私はトナカイに仮装したが、サンタクロースはもちろん、ハジメちゃんや天才バカボンとバカボンのパパも登場した。同じ職場内ではなく、業種や職種を超えた多様な人々が、社会貢献という同じ志(こころざし)で集まっている。これがライオンズクラブの醍醐味である。同クラブについては、以下を参照してほしい。(参照:http://www.lionsclubs.org/JA/index.php

 なお、下の写真は箕面森町に向かうトンネル入り口のクリスマスツリーである。高さは50メートル。クレーンでつり下げられている。箕面の山の麓に出現した光のシャワーは、不透明な日本の経済社会における将来の啓示のように思われた。その内容は、各自の心の中に様々に宿るものであろう。

 shineMerry Christmusshine

 

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2009年12月22日 (火)

大学教授ベンチャービジネスの失敗と成功

 国立大ベンチャー苦境、起業、ピークの4割:休止・不明116社という記事が『朝日新聞』の第1面で掲載された(2009年12月21日)。私も2006年に起業しているので、他人事とは思われなかった。

 国立86大学のアンケート調査によれば、01~08年度の起業数は1081社に達したが、廃業・倒産など休止は49社、実態不明は67社。大学全体の起業数の6割以上が国立大学が占めているそうである。

 同紙によれば、「大学発ベンチャーは国策として手厚く支援されてきた。補助金は返済不要で・・・・・・見通しの甘い起業や素人経営が目立つ」。失敗の具体的な理由の一つとして「早く実利的成果を出すことが求められ、大学での研究とはまるで違った」ことが指摘されている。

 成功例の共通点は主に次の2点である。(1)技術提供に特化し、多額の投資が必要な商品開発には手を伸ばさなかった。(2)大手商社や銀行員ら経験豊富な助言者がいた。

 以上の失敗と成功の要因は的確と思われるが、それに加えて私見では次を指摘しておきたい。それぞれに私の体験が含まれているが、それは内密にしておきたい。将来、ビジネス書を出版する時の「ネタ」にしておこうと思う。(注:こういう発想が大学教授に欠けていることもビジネス失敗の理由のひとつである。)

 大学教授のベンチャービジネスの成功と失敗の留意点
(1)小さく始める・・・過大な投資はしない
(2)御輿(みこし)に乗らない・・・途中でハシゴを外されることもある
(3)自分も投資する・・・・・・リスクのないビジネスは存在しない
(4)自分の専門分野を逸脱しない・・・自分のできないことはしない
(5)他人の知恵を借りる・・・ビジネスの素人として謙虚になる
(6)プライドを捨てる(1)・・・頭を下げることを嫌がらない
(7)プライドを捨てる(2)・・・会社の収入獲得に「どん欲」になる
(8)給与や報酬は利益が出てから受け取る・・・創業時の経営者は当たり前である
(9)覚悟を決める・・・必要があれば自宅売却・退職金の前借りを覚悟する
(10)信念をもつ・・・研究成果に社会的意義があるという信念をもつ
(11)信頼する・・・頼りないと思うパートナーでも信頼する。それしか方法がない
(12)同僚の中傷を気にしない・・・大学とビジネスの頭と態度を明確に切り替える
(13)自分の会社という意識をもつ・・・自分の子どもと同じ愛情を会社に注ぐ

 大学教授の本業以外のビジネスの基本は講演料と印税収入である。また他大学で非常勤講師をするということでも収入がある。ここでは、それ以外の新しいビジネスに挑戦する場合の留意点を指摘した。

 今までのところ、私の会社は大きな成功もしていないが、大きな失敗もしていない。業績は黒字ではないが、順調に成長していると自己判断している。来年のさらなる飛躍のために徐々に着実な戦略を検討しているところである。

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2009年12月21日 (月)

なぜ『不毛地帯』の視聴率は高くないか?

 毎週木曜日に楽しみにしているテレビ番組『不毛地帯』の視聴率が上がらないと言う。唐沢寿明・小雪・岸辺一徳・原田芳雄・天海祐希らの演技陣は文句なしに熱演である。ゾクゾクするほどに魅力的である。http://wwwz.fujitv.co.jp/fumouchitai/index.html

 かつてテレビで放映された『なにわ金融道』(DVD発売)でおなじみの泥沼亀之助氏は、結婚式のご祝儀泥棒に遭う時に証券会社に勤務していたが、その前職は商社マンであることがわかった。しかも米国近畿商事の副社長そして社長になる。この俳優は梶原善であるが、こんな連想をさせてくれることも私にとって個人的に楽しい。

 このような『不毛地帯』がなぜ一般に人気がないのか。原因はいろいろ考えられる。
1.時代背景が古いので視聴者に理解されない。
2.テレビ視聴者の「ボリュームゾーン」から逸脱している。
3.家に帰ってまで真面目な仕事の話を再び見たくない。
4.主人公の壱岐正が立派すぎて見ていて疲れる。
5.陸軍士官学校の人脈がすごいというだけの話とも解釈できる。
6.政財界の癒着は新しい問題ではなくウンザリする。

 私は、就職を前にした大学生に仕事・人生・結婚などを考える材料として『不毛地帯』を見てほしいと思う。また壱岐正の分析力や判断力を通して戦略の重要性が理解できるから若いビジネスパーソンにとっても有益である。

 『不毛地帯』を素材にして、それを現代に置き換えた作品にすれば、おそらく人気は出るだろうが、そのストーリーは難しいだろう。まったく新しい作品として書き上げなければならないからである。シベリヤ抑留や陸軍士官学校の想定を何に置き換えるか。考えると楽しいが、頭が痛くなる。

 やはり『不毛地帯』は歴史番組である。昭和史のエピソードを詳細に描いた記録的な映画である。それだけでなく、この番組には人間ドラマとしての普遍性があり、それだからこそ後世に『不毛地帯』は継承されていくと思われる。私はDVDの発売を楽しみに待っている。繰り返して見るに値する作品である。視聴率に関係なく、秀作は秀作である。

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2009年12月20日 (日)

松本清張『けものみち』を読んで就職活動を考える

 衛星放送で偶然に名取祐子が主演の「けものみち」(NHKで放映)を見た。最近では、以下のように米倉涼子が主演している。松本清張の原作を読んでみたくなって、往復の通勤時間に読んだ。私の通勤時間は片道が約90分だから、読書時間としては十分である。

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 テレビと原作では結末が異なる。いくつかの出来事や事情が省略されたテレビ番組の制約では、その集大成としての結論が異なって当然である。

 ある原作=モデルがあって、それを軸に独自の脚本=ストーリーを作る。この場合、2つの方法があることに気がついた。

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 第1は、原作の結論を優先するなら、その結論に至る必要な最低限の要素を残しておかなければならない。第2は、原作に含まれる要素を取捨選択して優先するなら結論も異なる。

 新しい脚本=ストーリーの作り手が、原作の結論に魅力を感じるか、または原作の要素を優先するか。もちろん、原作を忠実に再現するという第3の方法もあるが、新しい作り手としては独創性がなければ、少なくとも私は面白くない。

 大学生の就職の成功体験が流布されており、それを参考にして新しい道を拓いていく。さまざまな個性ある体験談や後輩に送るメッセージはあるが、その中から成功=内定という結論に至る必要不可欠の要素を吟味・選択することが重要である。

 部分的な要素だけを抜き出して模倣しても、それらが集約された結果が成功するとは限らない。成功のための全体的な構想を描き、そのための基本要素を抽出・実行する。それ以外は柔軟に対応する。

 よくある有名な話。「リクルートスーツを御社で脱いで帰ります」。この会社に対する強い就職熱意を訴えたが名台詞であるが、それが話題になれば、翌年の面接試験で頻繁に模倣された。これらの模倣は、もちろん何の効果もない。またはマイナスの効果である。

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2009年12月19日 (土)

ラオス清掃ボランティア活動の報告書を作成

 流通科学大学に久しぶりに本年9月に実施した「ラオス清掃ボランティア活動」の参加メンバーが集まった。神戸市外国語大学から楊さん・沢田くん、甲南大学から上田くんが来てくれた。流通科学大学から小西くん・木田くん・溝口くんの3名である。また流通科学大学「生涯学習の会」の中谷さんもご出席いただいた。報告書を作成する仕事のためである。その後は忘年会であった。

 このラオスのボランティア活動は7回目を迎え、本年は「エコバック」の普及活動について、ラオス商工会議所を訪問したことに意義があった。これらの活動の詳細は、すでに9月に現地からこのブログで紹介した。

 甲南大学1回生の上田くんを除いて3回生であったため、忘年会での話題は自然に就職活動になった。「戦略さえ間違いなければ、就職先は必ずある」ということが私の助言である。

 戦略を誤れば、東京大学を始めとする一流国立大学の学生でも就職内定の獲得が難しいことは明白である。理由は簡単である。いくら一流大学生であっても、一流企業ばかりを志望していては競争が激しく、就職できない可能生が高いからである。

 宇宙戦争において戦車では戦えない。地上戦で戦車は強いが、ゲリラ戦で戦車が負けることもある。自らの戦力を分析し、それに応じた勝てる戦場を選択すればよい。初めて戦場に参加することで興奮し、右往左往していては戦争に勝てない。目的は一つ。戦争に勝利することである。そうであれば、必ず勝利できる戦場を選択する。無謀な戦争はしない。戦争というと物騒であるが、まさに現在の就職活動は戦争状態である。

 企業も学生も総力戦である。このような表現をすれば、そのような戦争状態に国民を巻き込んだ政府の責任は重いし、その戦争終結に向けて政府は全力を尽くすべきである。「労働戦場」とも言いうる状況を平時の「労働市場」に復帰させる。

 学生との会話の後に以上のようなことを考えた。思考や発想に刺激を与えてくれる学生に感謝である。

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2009年12月18日 (金)

アジアビジネス交流会in東京の開催:3国を鳥瞰できる人材

 ブレインワークス社が主催する「アジアビジネス交流会in東京」で講師を務めた。約100名の方々の参加があり、盛況であった。

 私は、恒例のベトナム・カンボジア・ラオスの動向をお話しした。講演時間40分がオーバーして申し訳なかった。講演後の懇親会では、個々の国々の断片的な情報が入ってくるが、これら3国を鳥瞰した視点からの講演で視野が広がったという参加者からのコメントを賜った。

 「メコン総合開発」という国境を超えたODA支援を日本政府は決定している。これら3国の日本大使館や総領事館では、すでに人事移動によって3国に精通した専門家を育成しているように思われる。この政策の推進には不可欠の人材である。

 民間ビジネスでも、こういった人材が必要である。たとえば日本とベトナムの合弁事業という二国間ビジネスではなく、その相手先のベトナム企業が仲介してカンボジアやラオスにも進出するというようなビジネスを構想できる人材である。

  3国の経済成長の相乗効果の媒介を日本が担当する。これが理想である。たとえば日本の技術とノウハウ、ベトナムの人材、ラオス・カンボジアの天然資源や労働力といった3者が連結することがイメージできる。

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2009年12月17日 (木)

ラオスのSEAゲーム:日本の観光促進のために

 前回のブログのクイズの解答。SEAゲームは、②東南アジアのオリンピック競技大会である。この経緯やメインスタジアムが中国の支援で建設されたことは以前に指摘した。

 鳩山内閣が「東アジア共同体」構想を打ち上げても、一般の国民や報道関係者が、東南アジア諸国に無関心または無知では、かけ声だけの「絵に描いた餅」ではないか。それを「食べろ」と言われても無理である。

 観光庁が発足して1年になるが、鳩山内閣になってからその予算が4倍以上、256億円になった。この予算は観光促進に使用されるはずである。この意味では、日本が出場していないからと言って、SEAゲームを取り上げないことは報道の怠慢である。

 この観光庁の予算4倍化は、鳩山内閣の目玉でだると思われるが、観光の主体は人間である。費用対効果の見えにくい予算執行は、景気対策としては疑問があるが、長期的な日本の発展戦略として観光振興は必要であろう。

 次回のSEAゲームは、ぜひ日本のテレビで楽しみたいものである。アジアと日本の「草の根」交流が、より一層求められる。

 

 

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2009年12月16日 (水)

ラオスのSEAゲームの盛況:大健闘のラオス

 このブログは18日に書いているが、ラオスのビエンチャンでは9日~18日までSEAゲームが開催されている。

 ラオスの金メダル獲得は32個となり、予想の25個を上回ったから大健闘である。また東南アジア各国からのラオス訪問で賑わうビエンチャンを、この目でみてみたかった。

 ラオス人がラオスを応援するのは当然であるが、タイとベトナムが試合するときは、どちらを応援するのであろうか。この観客の様子を見てみたいと思った。

 ラオスに判官贔屓があるとすれば、ベトナムとの政治的な友好関係は別として、ベトナムを応援するであろう。隣国の開催であるから、タイからもベトナムからも大応援団が来寮すると思うのだが、どのような色分けであろうか。

 さて、このアセアン諸国が参加するSEAゲームとは何でしょうか。次の選択肢の中から1つ選択してください。

①東南アジアの海洋(SEA)競技大会・・・ラオスではメコン川で開催
②東南アジアのオリンピック競技大会
③東南アジアのSE(システムエンジニア)能力競技大会

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2009年12月15日 (火)

生産者の視点か? 消費者の視点か?

 「教養特講:時事問題に強くなる」という講義を私は担当している。今日の講義で、松下幸之助と中内功の「仁義なき戦いを紹介した。この「仁義」とは法律・規則・商慣行と同じ意味と考えてよい。

 この歴史問題がなぜ時事問題なのかと疑問に思われるかもしれない。その両者を結びつけるキーワードは「デフレスパイラル」である。

 ユニクロを代表とする「価格破壊」・「低価格」の追求は、消費者に好ましいように思われるが、経済全体としてはデフレスパイラルの懸念がある。低価格⇒売り上げ減少⇒給与削減⇒消費低迷⇒低価格⇒・・・・・。

 簡単に言って、定価を維持しようとした松下幸之助と、安売りするのは自由と考えた中内功の戦いは、現在では勝負がついている。もはや定価はなくなり、「オープン価格」が一般的になったことから、中内功の勝利である。

 しかしながら、生産者の労働条件が無視されて良いはずがない。生産者も消費者だからである。低価格化の歯止めはどこにあるのか。そのキーワードは「フェアトレード」であると思う。

 学園祭の模擬店で「たこ焼き」を作る。その「たこ焼き」をがゴミ箱に捨てられている。「せっかく作った僕の「たこ焼き」を何で捨てるのか?」 そして「買った物をどうしようが、買った者の勝手でしょう」と言われた時の僕の気持ちを想像できますか? こんなことも講義で話した。

 消費者の視点が優先されてきたが、生産者の視点が見直されても良いのではないか。その生産者が日本人ではなく外国人になっている現実もある。こういった問題について、教条的ではなく現実的な「大人」の議論が求められる時代である。

  

 

 

 

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2009年12月14日 (月)

ベトナムの最低賃金が上昇:その影響と効果は?

 『日本ベトナム経済交流ニュース』(2009年12月号、5頁)によれば、ベトナムの最低賃金が2010年から引き上げられる。最低賃金の引き上げは2008年に続いてである。

 国内企業・協同組合・個人経営のベトナム人労働者について、
ハノイ・ホーチミン市など第1地域: 月額98万ドン
大都市とビンズオン・ドンナイ・バリアーブンタウなど第2地域: 月額88万ドン
その他の第3地域: 月額81万ドン
第4地域: 月額73万ドン

 外資系企業・外国機関・外国組織・国際組織・個人経営のベトナム人労働者について、
第1地域: 月額134万ドン
第2地域: 月額119万ドン
第3地域: 月額104万ドン
第4地域: 月額100万ドン

 実施期日は民間が2010年1月1日から、政府機関が5月からである。

 日本においても最低賃金の引き上げが議論されているが、大部分の労働者が最低賃金以上である場合、その効果は限定的である。たとえばパートの主婦層の所得を上昇させることがあるが、それが消費に回るかどうか。また企業の立場を考えれば、コスト削減のためにパート人員の解雇が進むかもしれない。

 これに対してベトナムでは、多数の労働者が最低賃金で働いていると想像される。また最低賃金の上昇に伴って、最低賃金を超えた既存の賃金水準も上昇させる波及効果をもつであろう。このような波及効果は日本では期待できないと思われる。

 他方、最低賃金が上昇したからコスト削減のために労働者を解雇する企業は、ベトナムで少数と思われる。労働者の解雇によるコスト削減の効果は小さいからである。製造原価に占める大きな割合はベトナムでは原材料であり、労働コストではないと一般に考えられる。

 インフレに対応して最低賃金を引き上げる。これは当然の政策である。これによってベトナムの直接投資の減少という影響が次第に表面化するであろう。しかしインフラ改善、相対的に高品質の労働力、外国人生活環境の改善などを総合的に考えれば、依然としてベトナムの労働コストは低いと判断される。 

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2009年12月13日 (日)

今日は入学試験でした:流通科学大学の魅力

 流通科学大学で公募推薦入試が開催された。私は面接を担当。定員割れの大学が増えていると言われているが、本学は未だ定員以上の受験生がある。

 マーケティング・流通・実学という差別化された特徴が、本学の競争力の源泉であろう。また、かつては創業者が中内功であったために「ダイエーの大学」と言われたが、今やイオン・イトーヨーカ堂・ライフコーポレーションなどの支援もあり、「小売業界全体の大学」に変貌している。

 長期的な少子高齢化・人口減少、短期的なデフレ現象を考えれば、小売業の未来は不透明である。しかしそこで、明確にアジア重視を打ち出せば、新たな明るい未来が描けるであろう。成長するアジア諸国と共に日本も成長する。その実践の中から日本の役割も明示されるであろう。

 こういったビジョンを明確化・具体化することが、日本の小売業発展の戦略であると思われる。そうであるとすれば、流通科学大学が「小売業全体の大学」であるなら、大学自身もそれに対応しなければならない。そのために「アジア流通研究センター」が設置されている。

 以上が、流通科学大学の私的な近況紹介である。また以下のHPの充実度も、ぜひ見ていただきたい。大学の財政状況も公開されており、情報開示の透明度は高い。
参照 http://www.umds.ac.jp/ 

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2009年12月12日 (土)

松下幸之助の定価販売の信念:デフレを防止する

 松下幸之助〔述〕・PHP総合研究所〔編〕『社長になる人に知っておいてほしいこと』PHP研究所(2009年9月)を読んだ。

社長になる人に知っておいてほしいこと 社長になる人に知っておいてほしいこと

著者:松下 幸之助
販売元:PHP研究所
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 松下電器(現:パナソニック)松下幸之助とダイエー中内功の論争は今でも有益な示唆を与えてくれる。その要点は「価格決定権」はメーカーにあるか、小売店にあるかということである。現在では多数の商品が「オープン価格」となり、メーカーが定価を設定することは少数となった。この意味で、松下幸之助と中内功の論争は中内功の勝利になったと私は思っている。

 しかし上記の著書を読んで、松下幸之助の定価販売に対する思いを知ることができた。それは今日の「デフレ」を抑制する精神にもつながると思われた。

 定価販売は、その製品を作った人々に対する思いを裏切らないためである。たとえば、多数の人々の努力の結晶として発売された商品が安売りされて、その生産に関わった人々が面白いはずがない。もの作りにかけた人々の努力に報いる価格があって当然である。それが定価である。

 松下幸之助が定価販売にこだわった理由は以上のようである。私見では、松下幸之助が、そのように本当に考えているからこそ、下請けの部品製造会社との日本独特の「すり合わせ」の生産システムが発展したのである。部品納入業者と一緒になって生産性の向上やコスト削減を考える。これは、もの作りに関係する人々に対する松下幸之助の愛情の表現である。

 今日の「デフレ=スパイラル」が懸念される日本経済において松下幸之助が存命であれば、どのようにコメントしたのであろうか。低価格を消費者は喜ぶが、松下幸之助は述べている。「無理に売るな。客の好むものを売るな。客のためになるものを売れ」(同書、26頁)と。

 中国を始めとする外国企業に対する委託生産によって低コストの商品が日本で提供されている。現在の低価格の商品が、こういった外国人労働者に対する努力に報いた価格設定になっているのであろうか。外国人労働者にも思いを巡らせた価格設定になっているか? これはメーカーや小売業者のみならず、消費者も考えなければならない問題である。

 安ければよいという発想は、その安さに無理があれば、長続きしないし、その無理は必ず新たな矛盾を生む。「ぼろい話はおまへん」。これも松下幸之助の指摘である。 

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2009年12月11日 (金)

ベトナムの南北高速鉄道は日本の新幹線方式に決定

 『日本経済新聞『(2009年12月11日、夕刊)のスクープである。すでに11月6日・7日に東京で開催された「日メコン首脳会議」で来日したズン首相が、鳩山首相に新幹線方式の採用を表明していたというのだ。予算総額5兆円の大規模プロジェクトであるから、新幹線に関連する企業の株価も上昇した。

 私は、ズン首相が原子力発電所については日本に協力を依頼するが、新幹線はフランス方式の可能性も検討されているから、上記11月の首脳会議で新幹線方式の採用を言明しなかったのではないかと想像していた。しかし、それは誤りであった。

 記事によれば、鳩山首相が新幹線方式を勧誘し、それにズン首相が応えたことになっている。おそらく、そのズン首相の決断を受けてベトナム国内の根回しがあり、それが完了したから情報流出となったのではないか。

 以上の経緯を見れば、鳩山首相が立派な「セールスマン」の役割を果たしていることがわかる。日本経済の成長のキーワードは「アジアと共に成長する」であると私は確信している。これからの成長路線は、産業的には地球環境や省エネルギーなど先端技術であると思われるが、地域的にアジアである。この意味で、もっともっと日本政府はアジアでの営業活動を積極的に展開してもらいたい。

 社長間のトップで商談がまとまれば、案件所轄の営業部長クラスが話を進行させる。辻本清美・国交副大臣のベトナム訪問には、こういった意味があるとみなされる(『日本経済新聞』2009年12月12日)。

 「日本の経済成長はアジアと共に」ということを鳩山内閣は国民に強調すればよい。日本経済の将来に向けての閉塞感は少しでも解消されるのではないか。ただし、このことを本人が自覚していないのかもしれない。

 

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2009年12月10日 (木)

和田繁明・ミレニアムリテイリング元会長の慧眼

 2003年当時、NHKテレビで「そごう再建」の様子を描いたドキュメンタリー番組があった。その主人公は、和田繁明氏(西武百貨店元会長、ミレニアムリイテリング元会長)である。今日の「21世紀の業界展望」(まとめ講義)では、これを教材にして講義した。

 この番組は、これまでに何度か講義の教材に使用している。特に、そごう柏店を舞台にした詳細な百貨店の舞台裏の描写は「名優」の続出である。真実は迫真の演技に優る。

 ここで和田氏は「百貨店は存続するが、それらの再編成は必至である」と指摘している。事実、西武百貨店とそごうが経営統合し、その持ち株会社ミレニアムリイテリングは、さらにセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入ることになる。和田氏の慧眼が証明された。

 和田氏は、そごうの幹部研修で話すことは共通している。経営体質を変えるということである。換言すれば、従業員の意識を変える。このために何度も何度も繰り返して研修が開催される。それについて行けない従業員は退職していく。慣性の法則に従う組織そして人間を変えることは簡単ではない。

 指導者が何度も何度も粘り強く指導することの重要性は、プロ野球「楽天イーグルズ」前監督であった野村克也氏も指摘している(『日経ビジネス』2009年12月7日号)。このNHK特集は、何度見ても考えさせられる名作である。

 

 

 

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2009年12月 9日 (水)

株式持ち合いの国際化:フォルクスワーゲンとスズキ

 フォルクスワーゲンとスズキが相互に出資して世界最大の自動車グループが形成されるという。いわゆる株式持ち合いによる業務提携である。

 株式持ち合いは日本独特の株式所有形態であり、それは実質的な出資を相殺することを意味する。その本質は「紙のやりとり」である(故・大隅健一郎京都大学教授)。この「紙」とは株券(今では見ることもないが・・・)のことである。

 この「紙のやりとり」が国際化したことに私は当惑した。その相手が論理的な思考を国民性の特徴とするドイツだからなおさらである。

 もっともドイツは、ヒルファーディングの『金融資本論』の舞台となったように企業間結合が顕著な国である。さらに広範な株式所有や役員兼任がその紐帯として存在していた。この意味で国際的な株式持ち合いがあっても不思議ではないのかもしれない。

 大隅教授がご存命なら、どのようにコメントされるのだろうか? それにしても、今回の自動車業界のみならず、小売業界や金融業界の再編成=集中化が次々と進展している。まさに世界市場の寡占化が進行中である。その先に何があるのか。このような問題が、さらに検討される必要がある。

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2009年12月 8日 (火)

ブレインワークスのセミナーで講演

 以下のセミナーで講演をさせていただきます。

http://www.bwg.co.jp/seminar/2009/asiainosaka_1210.html

 今回は、双方向の対話式の講演に挑戦したいと思います。これは私が大学の講義で実践していることです。ワイヤレスマイクで学生の間を歩き回る。

 こういった大学での練習が一般のビジネスパーソンを対象にした講演で通用するのかどうか。私にとって新しい試みです。この反省点は、本ブログで紹介いたします。

 同様の講演会が12月17日(木)でも開催されます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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2009年12月 7日 (月)

岩井証券のホームページに連載開始

 岩井証券のホームページに先週から「上田義朗ベトナムレポート」を週に1回連載しています。参照 http://www.iwaisec.co.jp/

 本ブログとは重複しない情報提供を心がけています。ぜひ、ご覧下さい。「ベトナムレポート」という名称になっていますが、カンボジアとラオスの情報も提供したいと思います。

 岩井証券の沖津社長には、流通科学大学の開校時からの伝統の実学講義である「企業論特講」に特別講師として昨年に来ていただきました。それがご縁となって、おつきあいをいただいております。

 岩井証券が販売する「heart04メコンのめぐみheart04」(ベトナム・カンボジア・ラオス3国成長株ファンド)の説明会では私が講師を務めさせていただきました。ベトナム株式については、これまでユナイテッド=ワールド証券・ニュース証券でも講演をさせていただいております。

 これらの会社には、アジアで「実学」を追究するという私の構想にご協力を賜っていると思っております。本当に感謝を申しあげたいと思っております。 

  

 

 

 

 

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2009年12月 6日 (日)

居眠りの習慣化を防止する

 教員の忍耐力や寛容度の指標として、講義中の学生の居眠りに対する対応がある。

 居眠りをしていても、私語するよりも他人に迷惑をかけていないからよいだろうと自分を納得させる場合がある。また自分の講義は面白くないから寝てしまうのだと反省してしまう場合もある。

 これまでの私は以上のようであったが、最近は居眠りの学生を起こすようにしている。「寝たらあかん」「我慢して起きていなさい」「眠たければ顔を洗ってきなさい」と学生に注意することにしている。

 この理由の一つは、私自身が遠慮したり、我慢したりしなくなったからである。教員が思ったことを率直に学生に述べることも教育の一環である。「私は居眠りする学生は嫌いです」。このように述べて何が悪いのだろうか。

 このようにハッキリ言わないと、たとえば学生は「誰にも迷惑かけていないのに、なぜ寝て悪いのですか」という反論に合う。さらに「授業料を払っているのは私です」「講義中に寝るのも勝手でしょう」と来る。こう言われると、最近の大学は弱い部分がある。学生はお客という意識があるからである。

 これに対して私は簡単に「そういう学生は嫌いです」ということにしている。「お客だからと言って偉そうにする人を好きですか?」と質問すればよい。また第2の理由は、やはり学生の教育のためである。

 講義中に安易に居眠りすることは、それが習慣化する。就職活動や社会人になってからも居眠りをしてしまう。我慢が出来ない。少人数で企業訪問をしても、そこで寝てしまう場合がある。忍耐力や緊張感の訓練ができていない。

 大学中に寝ない訓練をする。忍耐力や緊張感の持続を大学で養成する。たかが居眠りであるが、その対応は大学での重要課題であると思う。大学生は、ここまで劣化していると言われるかもしれないが、少なくとも大多数の学生は真面目に真摯に勉強していることは間違いない。これは誤解のないように。

 

 

 

 

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2009年12月 5日 (土)

ベトナムの「優秀な人材」の過大評価

 経済産業省『通商白書』(2009年版、88頁)の第1-2-4-26図では、国際協力銀行「2008年度海外直接投資アンケート(第20回)」の調査結果「日系企業による直接投資有望国・地域の理由」が紹介されている。

 その前に今後3年程度で最も有望な国として、中国・インド・ベトナムの順になっており、その理由が上記で示されている。

 中国が有望という理由は、①市場の拡大可能性、②安価な労働力、③市場の現状規模の順序になっている。インドが有望という理由は、①市場の拡大可能性、②安価な労働力、③優秀な人材である。そしてベトナムが有望という理由は、①安価な労働力、②市場の拡大可能性、③優秀な人材である。

 この中で「優秀な人材」の項目で見れば、ベトナムが「良い」とした比率が中国やインドよりも高くなっている。この結果は、日系企業の評価によれば、ベトナムが中国やインドに比較して最も優秀な人材をもっていると解釈してもよいのであろうか。

 その解釈を私は誤りであると思う。「優秀な人材」はベトナムに限らず、中国にもインドにも同じ以上に存在していると考えられる。それにもかかわらず、ベトナムが高い比率になる理由は、アンケート調査の方法に問題があるからである。

 一般にアンケート調査は、予め選択肢が列挙され、その中から当てはまる回答を選択するという方式である。たとえばユニクロで衣料品を買う場合、その理由や魅力は何ですか?という質問があり、それに複数の回答の選択肢が設定されているとする。通常、いくらユニクロの品質や店舗の雰囲気がよいとしても、回答者の最多は低価格を選択するであろう。

 この場合、けっしてユニクロの品質が悪いということにならないが、それよりも有力な魅力としての低価格があれば、 ユニクロは低価格であり、品質はその次ということになってしまう。

 同様に中国やインドの人口はベトナムの10倍またはそれ以上である。当然、それらの国の魅力は、市場の拡大可能性という回答が最多になる。いくら優秀な人材が中国やインドにベトナム以上に存在しても、巨大市場の魅力がそれよりも優先されて選択されてしまう。

 ベトナムと言えば「安価な労働力」と「優秀な人材」ということが指摘され、それは間違いではないが、それが過大評価されてはならない。

 

 

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2009年12月 4日 (金)

カンボジア証券取引所の開設予定

 カンボジアの情報筋によれば、カンボジア証券取引所は2段階に分けて設立される。

 第1段階は、証券取引所が法人登記されて設立されるが、取引される上場株式がない。これが2010年1月の予定である。第2段階で証券取引が開始される。これが2010年の12月の予定である。

 現在、証券取引所の建物がカンコ-シティで建設中である。その竣工式を兼ねた開設が来年早々ということであろう。当初の予定よりも遅延するのは想定の範囲内である。

 現在、首相による証券法など関連法の最終の署名を待っている状態であると聞いている。もちろん証券会社や上場候補企業は準備を進めている。これらの状況を現地で調査したいと思っている。大学が早く休暇にならないかと待望している。

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2009年12月 3日 (木)

戦略の必要性

 テレビドラマ「不毛地帯」を欠かさずに見ている。総合商社の仕事や戦略の重要性が理解できる。それはともかく、1960年代の職場ではタバコを職場で吸うのが普通であったことに驚かされる。今日の常識からは逸脱した喫煙量である。

 さて学生の就職活動を見聞していると、自己分析や自己アピールそして企業研究などが就活の準備として強調される。それはよいのだが、就職の戦略をもつことも必要ではないか。

 これは具体的には、どういう企業をどのような順番で会社訪問し、また就職できなかった場合、どのようにするか。その対応策も考えておくことである。そのために最新の情報収集は不可欠であるし、戦略の適時修正もありうると考えておくべきである。

 戦略には、さまざまな定義があるが、私見では、あるべき姿に向かう大筋のシナリオである。「あるべき姿」は個人差があり、それが個性である。また「あるべき姿」が当面は、どこかの企業に就職することであるが、もっと先の人生の「あるべき姿」が構想されてもよい。将来の夢と言ってもよいかもしれない。

 そういった将来展望がないと、就職活動や人生は迷走することになる。それでもよいという人生観があってもよいが、普通の学生にはあまり勧めたくない。

  

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2009年12月 2日 (水)

ラオス建国記念日:日本とラオスの関係

 12月2日は、ラオス人民民主共和国(Lao PDR)の34回目の建国記念日である。一般紙では報道されなかったが、THE JAPAN TIMES(December 2, 2009)ではLaos national dayとして全面記事で紹介している。

 2006年から2010年の「第6回国家社会経済発展5カ年計画」においてGDP成長率は7.1%を持続し、1人当たりのGDPは2009年に924ドルに達している。

 政府は、道路と鉄道による地域的・国際的連結によって、内陸国(landlocked country)から5カ国に結ばれた国(landlinked country)に次第に変貌していく政策を追求している。

 本年1月に中曽根弘文外務大臣がビエンチャンを訪問、5月にはブアソン首相が日本経済新聞の国際セミナーに出席し、麻生首相と首脳会談を行った。その時に皇太子殿下を表敬訪問した。また10月に日本は、ラオスを襲ったケッサナ台風の被害救済のために約1千万円相当の緊急援助を実施した。また10月に原口総務大臣がビエンチャンを訪問し、ブアソン首相を表敬訪問している。

 11月にブアソン首相は東京で開催されたメコン日本首脳会議に出席し、鳩山首相と首脳会談している。この会談で、日本のODAとして15億円を貸し付けることとなり、岡田外相とトンルン外相との間で覚書が交換された。このようにラオスと日本間の要人往来は活発化している。

 同紙面には、日本ラオス協会の宮本会長の挨拶が写真入りで掲載されている。宮本会長は元ラオス特命全権大使であり、2001年12月に私は大使公邸でお目にかかったことがある。そのときに故・中内功・ダイエー創業者も一緒であった。これは懐かしい思い出である。

 

 

 

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2009年12月 1日 (火)

ちょっと書けなくなりました

 しばらくの間、お休みを頂戴しました。その間、1年生のゼミ学生のレポートと作文の添削、それにゼミ学生の修士論文を指導していました。

 自分で文章を書くのは楽しみでもありますが、他人の文章を添削するのは非常に疲れます。原文を生かしながら、それを改善しなければならないからです。現在、「力尽きた」という気分です。英語で言うなら exhausted です。

 そうは言うものの、こういう仕事は大学教員の本来の使命です。普段は話すことが得意でない学生でも、文章では自分の意見を書いてきます。学生の意外な本質に触れることがあり、それが楽しみでもあります。

 しばらく充電しないと、ちょっと立ち直れない感じがしています。

 

  

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