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2009年11月 7日 (土)

日メコン首脳会議の開催:「メコン川流域国が熱い」(下)

 第1回の日メコン首脳会議(The First Summit Meeting between Japan and Mekong Region Countries)において「東京宣言」が発表された(『日本経済新聞』2009年11月8日)。以下では、それらを補足説明(『同紙』2009年11月2日・『朝日新聞』2009年11月7日)して私見を述べる。

1.「共通の繁栄する未来のための新たなパートナーシップ」を確立する。
2.経済発展を実現して長期ビジョンとして東アジア共同体の設立に貢献する。
3.「友愛」の精神に基づく互恵的関係を構築する。
4.日本はメコン地域を重点地域とし、今後3年間で5000億円以上の政府開発援助(ODA)を実施する。
5.ハード・ソフト両面のインフラ整備を継続し、官民協力を推進する。
6.2010年から「緑あふれるメコンに向けた10年」を開始する。
7.首脳会議は3年に1度日本で開催する。

 上記1は、アセアン後発国であるCLMVの経済成長を推進することを表明している。「メコン地域ではタイとミャンマーの間の1人当たり国内総生産(GDP)に約7倍の差がある。ASEAZN全体ではシンガポールをミャンマーの間で約70倍の開きがあり、地域統合を妨げる要因となっている」(引用②)。

 この「地域統合」は、狭義にはAFTA(アセアン自由貿易地域)の実現であり、さらに広義には2015年が目標とされる「アセアン共同体」を意味すると考えられる。仮に日本が上記2の「東アジア共同体」を想定しているとしても、すでにアセアンは「アセアン共同体」成立の目標をもっている。両者の性格の異同は別途に検討が必要な問題である。

 鳩山首相は「(メコン地域は)経済格差がまだ大きいが、いかに困難を克服していくかというプロセスのなかで共同体の実現につながるという考えを示した」(引用③)。

 私見では、この「困難を克服」するためにメコン流域国それ自身が主体とならなければならない。たとえばベトナムを日本が支援し、そのベトナムが周辺国カンボジア・ラオスと協力するという仕組みである。その観点から日本がカンボジアとラオスを支援する。

 このようなことを日本が主導するためには、長期的な外交戦略が必要である。そういった戦略が日本にあるのか? 上記3の「友愛」といった「精神論」ではなく、日本に必要なことは長期的な外交戦略であると思われる。

 上記5は、東西経済回廊と南部経済回廊の整備を進めるjことを意味する。「域内分業の推進に欠かせない物流インフラの効率的な利用を可能にするため、通関業務の迅速化などにも着手する。官民一体で資機材取引にかかる時間とコストを軽減し、貿易と投資の拡大につなげる」(引用②)。

 上記6は、「環境分野の協議を活性化し、緑化の推進、生物多様性の維持、防災対策の強化など」(引用②)を含むようである。「日本は温暖化ガス削減に向け資金・技術の両面で支援を打ち出す方針」(引用②)とされている。

 「日本は各国からの要請に応じていた従来の支援の仕組みを改め、流域開発を総合的に進めることを目指している」(引用②)。これが経済産業省が提唱する「メコン総合開発」のことであると思われる。

 

 

 

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