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2009年11月10日 (火)

カンボジアとラオスと日本を結ぶ:煙管(キセル)の起源

 日本の伝統的な喫煙用具である煙管(キセル)について、それが偶然にカンボジアとラオスに起源があることを知った。参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%85%99%E7%AE%A1

 キセルの語源は、カンボジア語で「管」を意味する「クセル」がなまったものという説がある。ただし、その語源がポルトガル語という説もあるそうである。。

 このキセルの部品は3つに区分される。刻みタバコを詰める火皿(椀型の部分)に首のついた「雁首」、口にくわえる部分の「吸い口」、それらをつなぐ管の「羅宇」(ラウ:ラオとも読む)である。

 この羅宇の語源は、ラオスの竹(黒斑竹)を使用していたからである。このようにキセルの起源は、かつてのカンボジアとラオスと日本の関係を想起させる。

 ただしインターネットのウィキペキアによると、、「キセル」またはキセルの部位の語源を東南アジアに求めることに疑問は多く、ポルトガル語にrabo(「柄」の意)、スペイン語にrabo(「軸」の意)があることから、こちらを語源と考えたほうがより自然であるとする論考もあるそうである。
 
 少し前の日本には羅宇屋(ラウ屋またはラオ屋とも読む)があった。羅宇のヤニ取りやすげ替えを生業とする露天商である。小型のボイラーから出る蒸気で羅宇を掃除し、その際に鳴る「ピー」という笛にも似た音が特徴的であった。最後の羅宇屋は、東京の浅草寺前で営業していたが2000年頃に廃業した。しかし最近、背負子スタイルの羅宇屋が復活している。

 以上は、「羅宇」の語源についても、ラオス説よりもポルトガル説を支持している。ただし次のような指摘がある。

 「日本人が海を越え東南アジア各地に住み着いたのは、17世紀の大航海時代のことだ。当時は日本人も立派な海洋民族だった。1636年の鎖国令まで約30年間に発給された朱印状の数は、計356通に達した。朱印船で渡った日本人は、タイのアユタヤ、カンボジアのプノンペン、フィリピンのルソン島などに日本人町を形成した。------(引用者略)------その中で、ここホイアンだけは、いまも日本人街の面影を残していた」(薄木秀夫『メコン発アジアの新時代』凱風社、2004年、112頁)。

 これは17世紀にカンボジアにも日本人町があり、両国の交流があったことを指摘している。そのカンボジアに隣国ラオスの羅宇が運ばれてきても不思議でないと私にには思われる。

 もはやキセルは死語になっていると思われるが、古典落語の世界では現存している。タバコ値上げが主張され、喫煙家は受難の時代であるが、日本の伝統的なキセルは古典落語や時代劇とともに永遠に残るであろう。

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