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2009年11月17日 (火)

ズン首相のインタビュー記事:原子力発電と南北高速鉄道についてコメント

 「日メコン首脳会議」が11月6日・7日に東京で開催された。ベトナムからグエン=タン=ズン首相が来日し、日本経済新聞の喜多社長との会談に応じた(『日本経済新聞』2009年11月8日)。そこで原子力発電南北高速鉄道の計画の進捗状況が紹介された。

 原子力発電は総額1兆5千億円、南北高速鉄道は総事業費5兆円に達する。いずれも日本が関与する大型プロジェクトである。

 中南部ニントアン省に建設予定の原子力発電は、「日本の技術や経験を高く評価しており、積極的な協力を期待する」と表明し、年内に選定作業を始めるそうである。

 他方、南北高速鉄道については「日本に規格作成とコンサルティング業務を要請し」、日本の新幹線方式について「国営ベトナム鉄道が導入に意欲を示」し、「技術も安全性も高い」と評価しているにもかかわらず、新幹線方式の採用は検討中と述べるにとどまった。

 以上のような表現からは、大型プロジェクト2件について原子力発電は日本に傾き、南北高速鉄道は検討中という印象を受ける。日本経済新聞の解説によれば、日本とフランスを競争させて有利な条件を引き出すためのベトナムの交渉術であると指摘されている。

 原子力発電所が建設予定のニントアン省は、ベトナムでも貧困な省として認識されている。数年前に私は訪問したことがあるが、カムラン空港から南に1時間ほどである。北上すればニャチャンである。またベトナムは高原都市ダラットで原子力発電の研究所をもっているが、そこからも自動車で1時間ほどである。

 このニントアン省はファンランの塩田で有名である。東京の高級料亭が買い求めると言う「甘い天然塩」は確かに驚くほどの味である。「こんな塩は始めでだ!!」。こういう海産物に対する安全性を考えれば、地震国である日本の原子力発電所の技術が選択されて当然である。

 南北高速鉄道については、カンボジアとラオスの動向に配慮しなければならない。これら両国の鉄道開発についてはフランスが支援することになっている。これに対して日本は両国に対して、東西経済回廊・南部経済回廊という陸上輸送インフラ整備に重点を置いている。

 私見では、日本のODA(政府開発援助)資金は陸路の物流インフラ支援をすることに手一杯で、それと同時にベトナムのみならず、カンボジア・ラオスの鉄道支援をする財政的な余裕はない。それをベトナムが推察して、陸路は日本、鉄道はフランスと区分して考えても不思議ではない。

 ベトナム鉄道がカンボジアやラオスの鉄道に連結することを考えているとすれば、日本よりもフランスからの鉄道建設の支援を受けた方がベトナムには好都合ではないか?

 こうなれば、鉄道は民間鉄道会社の海外進出という形態はどうか。各社が社債もしくは別会社設立などによって資金調達し、JR東日本・JR東海・JR西日本というように分担してベトナムの高速鉄道を建設支援する。それによって生じたODAの余裕資金をカンボジアとラオスの鉄道に向ける。

 限られた財政資金を民間資本が補完し、効率的に海外支援を進める。これが今後の日本の進路であろう。

 

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