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2009年11月11日 (水)

鈴木俊(2009年)『途上国はいま』東京農大出版会を見る(上)

 表題の著書は、東京農業大学教授(国際食糧情報学部・国際農業開発学科)の鈴木俊氏が、ラオス・ネパール・ミャンマー・カンボディア:ヴェトナムの農業事情を写真で紹介している。同書は写真集として楽しく見ることができる。その中で印象に残ったことを以下で紹介してみよう。

途上国はいま―ラオス・ネパール・カンボディア・ミャンマー・ヴェトナム 途上国はいま―ラオス・ネパール・カンボディア・ミャンマー・ヴェトナム

著者:鈴木 俊
販売元:東京農業大学出版会
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 「農業は風土の産業である。したがって、その土地々々の自然条件の上に農業技法が考案され改善されて延々と伝えられてきたわけであるから、農家がなくなれば技術もその時点で消えてしまう。”農業力”の喪失である」(115頁)。

 「農業は単に経済的収支のみを考える産業ではなく、社会的意味合いをもつ産業で、競争原理では測るべきではない”人類生存的産業”であるという認識を持つ必要がある」(同上)。

 「国際協力は単に途上国の人々のためだけではない。協力・支援の結果として、日本を好意的に見てくれる友人や手をさしのべてくれる隣人を獲得するという、いわば明日の日本にとっても不可欠な重要課題であることを忘れてはならない」(同上)。

 以上は、「あとがき」で述べられている著者の考え方である。最後の「日本を好意的に見てくれる友人や手をさしのべてくれる隣人を獲得する」という主張は、鳩山首相の先の国会演説の「友愛」の考え方に近似している。

 私見では、確かに「友愛」思想・概念・理念は確かに理想であろうが、現実に冷徹な経済法則が存在していることも事実である。農業問題に限らず、あらゆる分野で経済法則に「友愛」思想が対抗できるのか? 鈴木教授の著書を読んで、そんなことを考えた。(以下、続く)

 

 

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