« 世界の経済成長率とインフレーションを見る(4) | トップページ | 世界の経済成長率とインフレーションを見る(5):表の再掲 »

2009年10月28日 (水)

テレビドラマ『不毛地帯』からビジネスを学ぶ

 山崎豊子『不毛地帯』がテレビドラマ化されて放映中である。主人公の壱岐正は映画では仲代達也であったが、テレビでは唐沢寿明である。以前に本ブログで大本営参謀の役柄として唐沢よりも仲代が適していると指摘したが、仲代に負けずに唐沢も好演であると思った。仲代と同様に舞台俳優を経験している唐沢の実力はさすがである。

51pw2nx78gl__sl500_aa240_  このドラマの中の興味の一つは、大本営参謀本部の「軍刀組」の頭脳が、どのようにビジネス戦争において活用されるかである。flairflair:陸軍大学校の首席卒業生は天皇陛下から軍刀が授与され、不文律として参謀本部の中枢に配属される。この超エリートを「軍刀組」と呼ぶ.(共同通信社社会部編『沈黙のファイル:「瀬島隆三」とは何だったのか』新潮文庫)。

 時々刻々に変化する戦況に対して臨機応変に対策を「創造的」に即座に発想・企画立案する。これが「軍刀組」の実力の要点であると思われた。しかし、そこには戦略がない。換言すれば、長期的な企業戦略が欠落している。また「創造的」な作戦は限定的である。大本営参謀本部の無謬性が最優先されるからである。

 かつての「軍刀組」で確固とした独自の国家戦略をもっていたのは石原完爾であったと思われる。しかし石原は陸軍内で左遷されてしまう。戦争拡大という単純な方針しかもたなかった軍部の中で、おそらく石原の戦略論は理解されなかったのであろう。

51hp8w22uul__bo2204203200_pisitbsti  また、軍隊という最も典型的な官僚組織であるにもかかわらず、その頂点が天皇であるのか、大本営であるのかが曖昧になっている実態があった。これが、日本軍隊の組織としての無責任体質の元凶であったと考えられる。flairflair:保阪正康『瀬島龍三:参謀の昭和史』文春文庫。

 女優陣も充実していてドラマとしても楽しいが、ビジネスの教訓を引き出すこともできる。不毛地帯のDVD化が待望される。何回も繰り返して見ることができるドラマであると思う。

|

« 世界の経済成長率とインフレーションを見る(4) | トップページ | 世界の経済成長率とインフレーションを見る(5):表の再掲 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/31956072

この記事へのトラックバック一覧です: テレビドラマ『不毛地帯』からビジネスを学ぶ:

« 世界の経済成長率とインフレーションを見る(4) | トップページ | 世界の経済成長率とインフレーションを見る(5):表の再掲 »