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2009年10月20日 (火)

株式市場に上場予定:カンボジア・シハヌークビル港湾公社(下)

 シハヌークビル港(Sihanoukville Autonomous Port:SAP)の歴史は3つに区Dsc02903分される。第1段階は、1954年に建設が開始され1960年から操業している。長さ290m、幅28mの埠頭があり、6千㎡の倉庫が2つある。1万4千トンの貨物を扱える。水深は8~9mである。これは古い港であるが、現在も一般貨物と旅客船のために使用されている。

 第2段階は、1966年に建設開始、1969年に操業開始された。埠頭の長さは350m、水深は10.50mである。3つの倉庫の総面積は2万4千㎡。5万六千トンの貨物が収容できる。現在は、コンテナー貨物のために使用されている。

Dsc02899 第3段階の発展は画期的であった。フンセン首相の下で計画され日本政府が協力して、2002年に長さ400mのコンテナーターミナルの建設が始まり、2007年に完成した。このコンテナーターミナルは、水深が11.50mであり、コンテナーヤードは6.4haになる。

 写真は、SAP会長・CEOのLou Kim Chhun氏(右から2番目)である。なお左端はJODC専門家の服部さんである。Chhun会長によれば、昨日に韓国大使が港の視察に来たそうである。シハヌーク港は日本政府の援助ばかりでしょう。そこで韓国政府には発電所の設立をお願いしたいのだが・・・と会長は述べたそうである。援助慣れした提案である。

 この港の問題点は、貨物取り扱い量が少ないために、シンガポール港での積み替えなければならない。ベトナムのサイゴン港から出荷すれば、日本まで直行便があるが、シアヌークビル港では余分に3日以上必要となる。Dsc02927この問題は、かつてのベトナムでも指摘されていた。ほんの10年ほど前にハイフォン港やサイゴン港もシンガポール経由であった。 取り扱い量の増大とともに自然に解決する。

 2008年現在、総輸出入量は2兆500億トンである。その内訳は輸入1兆6800億トン(82%)、輸出は3700億トン(18%)となっている。この数値からも明らかなように、シハヌークビル港の課題は輸出量の増大である。たとえばプノンペン市にコンテナーで輸入品を運ぶとしても、その帰りのコンテナーがカラであれば、それは物流コストの上昇を意味する。そこで港に隣接してシハヌークビル港経済特区が計画されている。これも日本のODA案件である。

 この経済特区(Economic Special Zone:EPZ)の造成予定地は以上の写真のようである。総面積は70ha弱で大きくないが、港に文字通り隣接していることが強みである。さらにシハヌークビル港の周辺には、中国系を含む4カ所の経済特区が整備される計画である。これらは経済特区としてSPAと競合するが、貿易港としてシハヌークビル港を利用するだろうかDsc02943ら、SPAにとっては,顧客でもある。

   さらに現在は運休しているが、シハヌークビル空港が再開予定である。カンボジア航空機が2007年6月に墜落し、韓国人13名を含む22名全員が死亡した。これ以来、カンボジア航空は運休をしてきたが、最近になってベトナム航空の支援を受けながら運行開始の予定である。これによってシハヌークビルの利便性を高めることは間違いない。
(参考)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26620720070627

 プノンペンからシハヌークビルの道は、ベトナムで言えば、ハノイからハイフォン港の国道5号線ように思われた。現在のベトナム国道5号線の沿線は、10年ほど前と比較すれば、工場が林立するようになってきている。カンボジア国道4号線も同様になる可能性は高い。ハノイのタンロン工業団地も、1998年当時は造成を担当した住友商事の事業失敗かと思われた。それが今では大成功となり、第3次募集も完売し、国道5号線に近い第2タンロン工業団地を募集しているほどである。

 私見では、発展途上国において日本の常識は通用しない。想像を超えた急激で大きな発展をする。これまでの日本の常識が通用しなくなった最大の理由は、かつては日本だけであった途上国の進出に韓国や中国、さらにカンボジアやラオスではベトナムやタイが進出するだけの経済力をもってきたのである。この大きな投資環境の変化に早く気づく日本企業は先行者の利益を獲得できるであろう。

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