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2009年10月31日 (土)

「今こそ原点に立ち返る」(上):証券会社の社会的使命とは?

 「本来、銀行の社会的使命とは、実需のあるところに血液を送ること。マネーゲームに興じて大けがをした金融機関は、今こそ原点に立ち返るべきです。」

 これは、『日本経済新聞』(2009年10月30日、夕刊)におけるマイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)社長・枋迫篤昌(とちさこ あつまさ)氏の言葉である。枋迫氏は、東京銀行に勤務後、発展途上国の貧困を解消するためにマイクロファイナンス(少額金融)の事業を立ち上げた。

 この記事は「銀行の社会的使命」を指摘しているが、それは「証券会社の社会的使命」でもある。間接金融を銀行が担うのに対して、証券会社は直接金融の原点に立ち返るべきである。

 証券会社には4つの機能がある。引き受け(アンダーライティング)業務、売り捌き(セリング)業務、委託売買(ブローカー)業務、自己売買(ディーラー)業務である。これら4業務すべての認可を受けた証券会社を総合証券と呼んでいる。

 また証券市場には2つの機能がある。発行市場流通市場である。発行市場において証券会社は引き受け業務と売り捌き業務を担当し、流通市場において証券会社はブローカー業務とディーラー業務の担い手である。

 これこそが証券会社の社会的使命にほかならない。これが直接金融の具体的な内容であり、その経済的な役割は重要かつ恒久的である。それにもかかわらず、証券会社が投機やマネーゲームを助長し、証券市場の本来の機能をゆがめてきたことも事実である。

 米国における不動産市場のバブル崩壊、サブプライムローンの不良債権化、そしてリーマンブラザーズの経営破綻を一連の契機とした世界同時不況は、投機とマネーゲームを扇動(先導)した米国の投資銀行(日本で言う上記の①と②の業務を担当する)や商業銀行(日本で言う銀行)が主犯であることは一般に認識されている。

 それだからこそ銀行については、冒頭のような反省の指摘がある。それでは証券会社については、どのように考えればよいのか。どのような反省もしくは教訓を引き出すべきなのか。(以下、続く)。

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2009年10月30日 (金)

ベトナム大使館からの支援:岩井証券販売「メコンのめぐみ」

 岩井証券株式会社(東証・大証1部上場)が販売している追加型投資信託heart04メコンのめぐみheart04の投資セミナーには、東京では駐日ベトナム大使館のビン特命全権大使、大阪では在大阪ベトナム総領事館のリュウ総領事のご臨席を賜り、ご挨拶を頂戴した。さらに福岡の説明会では在福岡ベトナム総領事館のムン総領事からご挨拶のFAXをご恵送賜った。

 これは異例のことであると思われる。なぜ、それほどまでにベトナムの在外公館が「heart04メコンのめぐみheart04」を支援するのか。

 その理由は簡単である。第1に、「heart04メコンのめぐみheart04」がベトナム人のファンドマネージャーによって運用されるからである。これまで日本からのベトナム投資運用を担ってきた欧米系投資運用会社ではなく、ベトナム現地法人のロータス投資運用会社が運用の責任をもっている。また同社は長期的な投資戦略の採用を基本としている。

 ベトナム政府が、短期的な売買で「マネーゲーム」を助長する外国投資信託を歓迎しないことは当然である。この意味で、ロータス投資運用会社を尊重するのは当然であると思われる。

 第2に、「heart04メコンのめぐみheart04」が、ベトナムの投資運用会社からカンボジアとラオスに投資されることである。ベトナム政府にとって隣国2カ国との友好と経済関係の深化は重要課題である。ベトナムはODAで両国に対する影響を維持しているのだが、中国の資金力には及ばない。そこで日本の投資家の民間資金が動員されることは歓迎である。

 投資家と同様にベトナム政府の期待にも応えて、新発売の「heart04メコンのめぐみheart04」の成長が望まれる。

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2009年10月29日 (木)

世界の経済成長率とインフレーションを見る(5):表の再掲

 以下では第2表と第3表を再掲する。ブログ上の表示が部分的であったからである。

第2表 アジア諸国の経済成長率

(年)

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

ベトナム

7.8

8.4

8.2

8.5

6.2

4.5
4.7

6.5
6.5

カンボジア

10.3

13.3

10.8

10.2

6.5

2.5
-1.5

4.0
3.5

ラオス

7.0

6.8

8.3

7.8

7.2

5.5
5.5

5.7
5.7

ミャンマー

13.6

13.6

13.1

11.9

---

---

---

ブルネイ

0.5

0.4

4.4

0.6

-2.7

-0.4
-1.2

2.3
2.3

インドネシア

5.0

5.7

5.5

6.3

6.1

3.6
4.3

5.0
5.4

マレーシア

6.8

5.3

5.8

6.3

4.6

-0.2
-3.1

4.4
4.2

フィリピン

6.4

5.0

5.4

7.2

4.6

2.5
1.6

3.5
3.3

タ イ

6.3

4.6

5.2

4.9

2.6

-2.0
-3.2

3.0
3.0

シンガポール

9.3

7.3

8.4

7.8

1.1

-5.0
-5.0

3.5
3.5

中 国

10.1

10.4

11.6

13.0

9.0

7.0
8.2

8.0
8.9

インド

7.5

9.5

9.7

9.0

7.1

5.0
6.0

6.5
7.0

韓 国

4.7

4.2

5.1

5.0

2.5

-3.0
-2.0

4.0
4.0

(出所) Asian Development Bank, Asian Development Outlook 2009, Asian Development      Bank, 2009, Statistical appendix.  Asian Development Outlook 2009 Update.
(注)2009年と2010年は予測値である。---は不明。⇒は最新予測値(2009922日)。

第3表 アジア諸国のインフレーション率

(年)

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

ベトナム

7.7

8.3

7.5

8.3

23.0

4.0
6.8

5.0
8.5

カンボジア

3.8

5.9

4.7

5.9

19.7

7.0
0.8

4.3
5.0

ラオス

10.5

7.2

6.9

4.5

7.6

5.0
0.7

6.0
4.5

ミャンマー

3.8

10.7

26.3

32.9

26.4

---

---

ブルネイ

0.9

1.2

0.2

0.3

2.7

1.5
1.5

1.2
1.2

インドネシア

6.1

10.5

13.1

6.4

10.3

6.3
5.0

6.9
6.0

マレーシア

1.4

3.1

3.6

2.0

5.4

1.5
1.1

2.4
2.6

フィリピン

6.0

7.6

6.2

2.8

9.3

4.5
3.2

5.0
4.5

タ イ

2.8

4.5

4.6

2.3

5.5

0.5
-0.5

1.5
2.0

シンガポール

1.7

0.5

1.0

2.1

6.5

0.5
0.0

2.0
2.0

中 国

3.9

1.8

1.5

4.8

5.9

0.8
-0.5

1.0
3.0

インド

6.4

4.4

5.4

4.7

8.7

3.5
2.5

4.0
4.0

韓 国

3.6

2.8

2.2

2.5

4.7

2.0
2.5

2.0
2.5

(出所) ・(注)第2表と同じ。

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2009年10月28日 (水)

テレビドラマ『不毛地帯』からビジネスを学ぶ

 山崎豊子『不毛地帯』がテレビドラマ化されて放映中である。主人公の壱岐正は映画では仲代達也であったが、テレビでは唐沢寿明である。以前に本ブログで大本営参謀の役柄として唐沢よりも仲代が適していると指摘したが、仲代に負けずに唐沢も好演であると思った。仲代と同様に舞台俳優を経験している唐沢の実力はさすがである。

51pw2nx78gl__sl500_aa240_  このドラマの中の興味の一つは、大本営参謀本部の「軍刀組」の頭脳が、どのようにビジネス戦争において活用されるかである。flairflair:陸軍大学校の首席卒業生は天皇陛下から軍刀が授与され、不文律として参謀本部の中枢に配属される。この超エリートを「軍刀組」と呼ぶ.(共同通信社社会部編『沈黙のファイル:「瀬島隆三」とは何だったのか』新潮文庫)。

 時々刻々に変化する戦況に対して臨機応変に対策を「創造的」に即座に発想・企画立案する。これが「軍刀組」の実力の要点であると思われた。しかし、そこには戦略がない。換言すれば、長期的な企業戦略が欠落している。また「創造的」な作戦は限定的である。大本営参謀本部の無謬性が最優先されるからである。

 かつての「軍刀組」で確固とした独自の国家戦略をもっていたのは石原完爾であったと思われる。しかし石原は陸軍内で左遷されてしまう。戦争拡大という単純な方針しかもたなかった軍部の中で、おそらく石原の戦略論は理解されなかったのであろう。

51hp8w22uul__bo2204203200_pisitbsti  また、軍隊という最も典型的な官僚組織であるにもかかわらず、その頂点が天皇であるのか、大本営であるのかが曖昧になっている実態があった。これが、日本軍隊の組織としての無責任体質の元凶であったと考えられる。flairflair:保阪正康『瀬島龍三:参謀の昭和史』文春文庫。

 女優陣も充実していてドラマとしても楽しいが、ビジネスの教訓を引き出すこともできる。不毛地帯のDVD化が待望される。何回も繰り返して見ることができるドラマであると思う。

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2009年10月27日 (火)

世界の経済成長率とインフレーションを見る(4)

 第3表は、以上で指摘したインフレーションの状況を示している。ここで注目されるのは、2008年におけるベトナムの23.0%に達する突出したインフレである。さらにカンボジアの19.7%が注目される。

(注:ミャンマーについては、2008までの中国を上回るほどの高度経済成長と20%~30%に達する異常なインフレーションが注目に値するが、その実態は不明である。そもそも第2表と第3表のADBの統計に2009年・2010年が掲載されていない。私の経験では、ミャンマーには3種類(公式・市場・闇)の為替レートがあり、その統計の信憑性は疑問である。)

第3表 アジア諸国のインフレーション率(%)

(年)

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

ベトナム

7.7

8.3

7.5

8.3

23.0

4.06.8

5.08.5

カンボジア

3.8

5.9

4.7

5.9

19.7

7.00.8

4.35.0

ラオス

10.5

7.2

6.9

4.5

7.6

5.00.7

6.04.5

ミャンマー

3.8

10.7

26.3

32.9

26.4

---

---

ブルネイ

0.9

1.2

0.2

0.3

2.7

1.51.5

1.21.2

インドネシア

6.1

10.5

13.1

6.4

10.3

6.35.0

6.96.0

マレーシア

1.4

3.1

3.6

2.0

5.4

1.51.1

2.42.6

フィリピン

6.0

7.6

6.2

2.8

9.3

4.53.2

5.04.5

タ イ

2.8

4.5

4.6

2.3

5.5

0.5-0.5

1.52.0

シンガポール

1.7

0.5

1.0

2.1

6.5

0.50.0

2.02.0

中 国

3.9

1.8

1.5

4.8

5.9

0.8-0.5

1.03.0

インド

6.4

4.4

5.4

4.7

8.7

3.52.5

4.04.0

韓 国

3.6

2.8

2.2

2.5

4.7

2.02.5

2.02.5

(出所) ・(引用者注) 第2表と同じ。

世界同時不況のためにベトナムとカンボジアの経済成長は鈍化したが、インフレーションは抑制できたとみなされる。これは不幸中の幸いとも言うべき状況である。もっともベトナム政府は、輸出減少を補填するために低所得者向けの住宅建設など内需拡大策を推進してきた。景気刺激策とインフレ抑制策の双方に配慮してきた。この経験は今後の経済運営の貴重な教訓になったと思われる。

 ただしベトナムの2010年のインフレ予測値は、5.0%から8.5%に引き上げられている。ほかのアジア諸国の中でこの数値は最高である。インフレ対策は、今後のベトナム政府の継続した課題である。

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2009年10月26日 (月)

世界の経済成長率とインフレーションを見る(3):カンボジアの現況

 メコン川流域3カ国(ベトナム・カンボジア・ラオス)について言えば、カンボジアの経済成長が2007年まで好調であり、ベトナムを上回るほどであったが、第2表では2009年にはマイナス成長である。このマイナス成長の主な理由は、カンボジアの主要輸出品である米国向け縫製品が減少したことと、新型インフルエンザの世界的な蔓延で観光客が減少したことである。ただし2009年が最悪の状態であり、第2表が示すように2010年から経済は上向くと見られている。

 カンボジアにおける2009年のコメの生産は堅調であり、それが経済の安定装置としての役割を果たしている。また縫製品の主要な輸出先を米国からEU向けに転換する動きがある。また日本のユニクロ系のジーユー社のジーンズはカンボジアで生産されていて消費者に好評である。さらに韓国の現代自動車がカンボジアで自動車組み立て工場を建設すると報道されている(『日本経済新聞』20091010日)。

バンコック~プノンペン~ホーチミン市の南部経済回廊の物流インフラの整備が進展し、さらにプノンペン経済特区の進出企業が次第に増加し、またシハヌークビル港の輸出加工区の建設が開始される。これらの事実は、カンボジア経済の成長を確かなものにするであろう。

2010年に予定されている株式市場の開設は、これまで以上に外国資金の流入を拡大し、それが企業成長を強く刺激することになるであろう。この観点から言えば、政府当局はインフレーションの制御に留意すると同時に、現在でも問題視されている所得格差の解消が重要課題になるであろう。これらはベトナム株式市場からの教訓である。

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2009年10月25日 (日)

世界の経済成長率とインフレーションを見る(2)

 第2表は、ADB(アジア開発銀行)による東南アジア諸国と韓国・中国・インドの経済成長率を示している。経済成長率の高い国として2009年の数値を見れば、中国(8.2%)・インド(6.0%)・ラオス(5.5%)・ベトナム(4,7%)・インドネシア(4.3%)となる。これらは世界同時不況においてプラス成長を示している。

第2表 アジア諸国の経済成長率(%)

(年)

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

ベトナム

7.8

8.4

8.2

8.5

6.2

4.54.7

6.56.5

カンボジア

10.3

13.3

10.8

10.2

6.5

2.5-1.5

4.03.5

ラオス

7.0

6.8

8.3

7.8

7.2

5.55.5

5.75.7

ミャンマー

13.6

13.6

13.1

11.9

---

---

---

ブルネイ

0.5

0.4

4.4

0.6

-2.7

-0.4-1.2

2.32.3

インドネシア

5.0

5.7

5.5

6.3

6.1

3.64.3

5.05.4

マレーシア

6.8

5.3

5.8

6.3

4.6

-0.2-3.1

4.44.2

フィリピン

6.4

5.0

5.4

7.2

4.6

2.51.6

3.53.3

タ イ

6.3

4.6

5.2

4.9

2.6

-2.0-3.2

3.03.0

シンガポール

9.3

7.3

8.4

7.8

1.1

-5.0-5.0

3.53.5

中 国

10.1

10.4

11.6

13.0

9.0

7.08.2

8.08.9

インド

7.5

9.5

9.7

9.0

7.1

5.06.0

6.57.0

韓 国

4.7

4.2

5.1

5.0

2.5

-3.0-2.0

4.04.0

(出所) Asian Development Bank, Asian Development Outlook 2009, Asian Development

     Bank, 2009, Statistical appendix and Asian Development Outlook 2009 Update. (引用者注)2009年と2010年は予測値。---は不明。は予測の修正値(2009922日)。

 2009年における経済成長率について、第1表で先進国はマイナス成長、第2表でアジア諸国はプラス成長と特徴づけることができる。今後の日本経済の発展にとってアジアの経済成長力を無視できないからこそ、鳩山政権が「東アジア共同体」を構想していることが理解される。

 また第2表による2009年の予測修正値を見れば、それが上方修正されている国は、中国・インド・ベトナム・インドネシア・韓国である。またラオスとシンガポールの予測値に変更はない。これらの国々の強い経済成長力を示唆している。

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2009年10月24日 (土)

世界の経済成長率とインフレーションを見る(1)

 第1表は、IMFによるGDP経済成長率を示している。サブプライムローンの破綻を契機とした米国発の世界同時不況は、すべての先進国で2009年の経済成長率をマイナスにしている。特に注目されることは、不況発生源の米国を上回る負の影響を日本とドイツが受けていることである。

 

第1表 先進国の経済成長率

  (年)

2007

2008

2009

2010

日 本

2.3

-0.7

-6.0

1.7

米 国

2.0

1.1

-2.6

0.8

ドイツ

2.5

1.3

-6.2

-0.6

フランス

2.3

0.3

-3.0

0.4

イタリア

1.6

-1.0

-5.1

-0.1

スペイン

3.7

1.2

-4.0

-0.8

英 国

2.6

0.7

-4.2

0.2

カナダ

2.5

0.4

-2.3

1.6

 

(出所)  http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2009/update/02/

(引用社注) 2009年と2010年はIMF(国際通貨基金)の予測値である。

平成212009)年度『通商白書』(経済産業省、平成216月)によれば、日本企業は一般に付加価値の高い商品を米国に輸出しており、それだけでなく中国を始めとするアジア諸国の対米輸出向け商品の原材料部品もアジア諸国に輸出している。米国経済の減退によって、この両者の対米輸出が減少したのであるから、日本経済に対して二重の「負の影響」を及ぼしている。

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2009年10月23日 (金)

岩井証券「メコンのめぐみ」は「実学」の成果だ!

 このブログの副題は「大学教授:アジアで「実学」を追究する」である。この「実学」の意味は一義的に決定できないであろうが、ともかく「机上の空論」ではない実態分析もしくは実態認識を基礎した研究姿勢を私は貫いてきた。

 これは、私の大学院時代に神戸大学前教授の二木先生から学んだ「ファクト=ファインディング:事実発見」による研究の延長上にある。また本多勝一氏の著書である『事実とは何か』(朝日文庫)の影響も受けている。

 現実に根ざした思考を続けると、やがて文章だけの世界では満足できなくなった。現実から学ぶことは、同時に現実に影響を及ぼすことにもなる。さらには、そうしなければならないと私は思った。この気持ちは書物からは生まれてこないと思う。

 たとえば企業経営者から聞き取り調査をすることはあるが、その情報提供に対して聞き取り者は何を対価にすればよいのか。「取材費」や「謝金」としてお金を渡せばよいのだろうが、大学の研究者にそれほどの潤沢な資金はない。さらに「お金」の支払いは失礼ではないか。取材の協力に対する感謝の気持ちは、企業経営者に役立つことで表現されなければならない。

 このような気持ちは私の思考や行動の原点である。ベトナム・カンボジア・ラオスにお世話になれば、それらの国に何らかの貢献をしたいと思う。このような意味で岩井証券「heart04メコンのめぐみheart04」は私の感謝の気持ちが具現化したものである。その過程で、さらに多数の人々にお世話になっている。こういう皆さんの気持ちに応えるためにも、このファンドを大きく育てたいと私は思っている。このファンドは私の「実学」の成果である。

 

 

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2009年10月22日 (木)

岩井証券「メコンのめぐみ」:多すぎる10の魅力プラスワン

 岩井証券株式会社http://www.iwaisec.co.jp/)は、新発売の投資信託について個人投資家向けに投資セミナーを以下のように開催した。

 ○10月21日(水):東京証券会館、午後4時~6時
 ○10月22日(木):
大阪証券取引所ビル・岩井ホール、同上

 私は「ベトナム・カンボジア・ラオス3国成長株ファンド」(愛称:heart04メコンのめぐみheart04)の魅力について以下の10点を指摘した。多すぎて焦点が定まっていないというコメントも頂戴したのだが、それでも多数の魅力はそのまま伝えたい。

heart01魅力heart01【1】アジアの「経済成長センター」に投資する

heart01魅力heart01【2】日本とベトナムそしてカンボジア・ラオスの友好と信頼関係の促進に貢献する

heart01魅力heart01【3】新興国の発展に官民連携で寄与する「社会貢献」投資ファンドである

heart01魅力heart01【4】新興市場カンボジア・ラオスの高収益と実績あるベトナム市場の安定収益の双方が期待できるリスク分散型の投資である

heart01魅力heart01【5】カンボジアには未公開株式取得や新興市場の魅力をベトナム同様に十分に楽しめる可能性がある

heart01魅力heart01【6】ラオスでは株式市場開設時の株式を取得して長期投資を楽しむ

heart01魅力heart01【7】日本の「国益」に合致した投資ファンドとしての性格をもつ

heart01魅力heart01【8】日本のODAと中国・韓国・ベトナムの直接投資から生まれた経済成長力を日本の投資ファンドが吸収する

heart01魅力heart01【9】3カ国において為替リスクが分散される可能性がある。近い将来の「ドン高」も?

heart01魅力heart01【10】口が1万円からの新興市場の投資ファンドは、証券業界の常識を破る画期的な「新商品」である

さらに本当の魅力は、運用担当のベトナム現地法人・ロータス投資運用会社のタイ社長兼ファンドマネージャーである。おそらく私は彼に最も信用されている日本人であると思う。2006年末の創業以来、ともに苦労しながら仕事を続けてきたからである。次回から、これらの魅力について順に説明してみよう。(続く)

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2009年10月21日 (水)

カンボジア証券取引所の開設予定:『日本経済新聞』で報道される

 すでに何度が本ブログで紹介し、岩井証券が販売する投資信託「heart04メコンのめぐみheart04」でも案内されているが、来年中旬にカンボジア証券取引所が開設予定である。

 『日本経済新聞』(2009年10月19日)では、カンボジア首相の特別経済顧問を務めるリー=ヨンパット氏に対する同紙記者のインタビュー内容を紹介している。その論点は次の4点である。

 1.「早ければ年内開設だが、来年初めにずれ込む可能性がある」。
 2.電力・水道・港湾管理など国営企業が上場する見通しである。
 3.「金融危機のダメージが小さく、これから大きな市場になる道筋はできている」。
 4.経済特区でのサービスを拡充するなどし、「外資誘致に積極的に取り組む必要がある」。

 今年の夏の私の現地情報によれば、証券取引所の建物(韓国が開発中のカムコーシティ内)の建設が11月から始まるので、実際の操業開始は来年半ばになるということであった。

 それが正しいとすれば、上記の記事における「早ければ年内開設」の意味は、取引所の法人登記やそこでの上場審査などの業務が開始されるということであり、実際の本格的な株式売買は来年になると思われる。

 いずれにせよ、いよいよカンボジア経済が成長に向けて離陸してきたという印象を受ける。株式公開による資金調達の手段の獲得は、ベトナムの先例を見るまでもなく、飛躍的な経済成長の起爆材になる。

 これまでの観光・縫製業・農業・鉱物資源といった経済発展の牽引産業に加えて、韓国の現代自動車がカンボジアでの生産を始めると報道されている(2009年10月10日)。

 このタイミングで冒頭の「heart04メコンのめぐみheart04」の発売である。少しばかり神がかっている投資ファンドのように私には思われる。

 

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2009年10月20日 (火)

株式市場に上場予定:カンボジア・シハヌークビル港湾公社(下)

 シハヌークビル港(Sihanoukville Autonomous Port:SAP)の歴史は3つに区Dsc02903分される。第1段階は、1954年に建設が開始され1960年から操業している。長さ290m、幅28mの埠頭があり、6千㎡の倉庫が2つある。1万4千トンの貨物を扱える。水深は8~9mである。これは古い港であるが、現在も一般貨物と旅客船のために使用されている。

 第2段階は、1966年に建設開始、1969年に操業開始された。埠頭の長さは350m、水深は10.50mである。3つの倉庫の総面積は2万4千㎡。5万六千トンの貨物が収容できる。現在は、コンテナー貨物のために使用されている。

Dsc02899 第3段階の発展は画期的であった。フンセン首相の下で計画され日本政府が協力して、2002年に長さ400mのコンテナーターミナルの建設が始まり、2007年に完成した。このコンテナーターミナルは、水深が11.50mであり、コンテナーヤードは6.4haになる。

 写真は、SAP会長・CEOのLou Kim Chhun氏(右から2番目)である。なお左端はJODC専門家の服部さんである。Chhun会長によれば、昨日に韓国大使が港の視察に来たそうである。シハヌーク港は日本政府の援助ばかりでしょう。そこで韓国政府には発電所の設立をお願いしたいのだが・・・と会長は述べたそうである。援助慣れした提案である。

 この港の問題点は、貨物取り扱い量が少ないために、シンガポール港での積み替えなければならない。ベトナムのサイゴン港から出荷すれば、日本まで直行便があるが、シアヌークビル港では余分に3日以上必要となる。Dsc02927この問題は、かつてのベトナムでも指摘されていた。ほんの10年ほど前にハイフォン港やサイゴン港もシンガポール経由であった。 取り扱い量の増大とともに自然に解決する。

 2008年現在、総輸出入量は2兆500億トンである。その内訳は輸入1兆6800億トン(82%)、輸出は3700億トン(18%)となっている。この数値からも明らかなように、シハヌークビル港の課題は輸出量の増大である。たとえばプノンペン市にコンテナーで輸入品を運ぶとしても、その帰りのコンテナーがカラであれば、それは物流コストの上昇を意味する。そこで港に隣接してシハヌークビル港経済特区が計画されている。これも日本のODA案件である。

 この経済特区(Economic Special Zone:EPZ)の造成予定地は以上の写真のようである。総面積は70ha弱で大きくないが、港に文字通り隣接していることが強みである。さらにシハヌークビル港の周辺には、中国系を含む4カ所の経済特区が整備される計画である。これらは経済特区としてSPAと競合するが、貿易港としてシハヌークビル港を利用するだろうかDsc02943ら、SPAにとっては,顧客でもある。

   さらに現在は運休しているが、シハヌークビル空港が再開予定である。カンボジア航空機が2007年6月に墜落し、韓国人13名を含む22名全員が死亡した。これ以来、カンボジア航空は運休をしてきたが、最近になってベトナム航空の支援を受けながら運行開始の予定である。これによってシハヌークビルの利便性を高めることは間違いない。
(参考)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26620720070627

 プノンペンからシハヌークビルの道は、ベトナムで言えば、ハノイからハイフォン港の国道5号線ように思われた。現在のベトナム国道5号線の沿線は、10年ほど前と比較すれば、工場が林立するようになってきている。カンボジア国道4号線も同様になる可能性は高い。ハノイのタンロン工業団地も、1998年当時は造成を担当した住友商事の事業失敗かと思われた。それが今では大成功となり、第3次募集も完売し、国道5号線に近い第2タンロン工業団地を募集しているほどである。

 私見では、発展途上国において日本の常識は通用しない。想像を超えた急激で大きな発展をする。これまでの日本の常識が通用しなくなった最大の理由は、かつては日本だけであった途上国の進出に韓国や中国、さらにカンボジアやラオスではベトナムやタイが進出するだけの経済力をもってきたのである。この大きな投資環境の変化に早く気づく日本企業は先行者の利益を獲得できるであろう。

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2009年10月19日 (月)

株式市場に上場予定:カンボジア・シハヌークビル港湾公社(中の続き)

Dsc02890  プノンペン経済特区を過ぎると、シハヌークビルまで通行料金を支払わなければならない。1.38米ドルが3枚綴りで4.14ドルを支払う。つまり3カ所の検札所がある。表示が米ドルだから、中途半端な数字になっている。支払いはリエルである。この換算が即座にできるほどに米ドルの流通が日常化している。ベトナムやラオスは最近になって自国通貨の表示を政府が推進しているが、カンボジアは受容している。このような金融や為替の高い自由度・開放性・(悪く言えば米ドル依存性)がカンボジアの特徴である。

 国道4号線を南下すれば、左手に国軍士官学校Army Institute)の広大な敷地がある。塀の中の遠くに見える建物は立派である。現在のフンセン首相の長男は、米国の陸軍士官学校を卒業して、現在はカンボジア軍のテロ対策責任者であると聞Dsc02884いた。米国とのパイプを首相は長男を通して確保している。

 それほど高くない「山越え」をするのだが、その尾根にお寺がある。運転手のトーチさんもお線香を上げて熱心にお祈りしている。この場所をピックニルと言うそうだ。旅の安全や健康を祈る。このお寺に並んで写真のような男性のシンボル像がある。これに隣りの瓶の水をかけて、その流水をペットボトルに入れて持って帰る人もいる。これは以前の訪問時に気がつかなかDsc02879った。同様の道祖神の信仰は日本にもあるが、その由来は遠い昔に一致するのかもしれない。 

 この後には快適な走行が続く。左右には並木道や広大な植林や田園が続く。シハヌークビル港に近づくと、左手の奥にキラキラと輝く海が見える。トーチさんが教えてくれた。ここまで来ると、おそらく港を朝に出発したであろうコンテナー積載のトラックにすれ違うことも多くなる。

Dsc02896 シハヌークビル港の港湾管理事務所に到着した時刻は11時15分であった。途中の給油と参拝時間を除けば、プノンペン市内から港まで自動車で正味3時間である。おそらくトラックなら、もう少し時間が必要であろう。
 この管理事務所では、JODC(財団法人・海外貿易開発協会)専門家の服部さんにお待ちいただいていた。現在、カンボジア人職員に対して、日本のODA借款で建設される「シハヌークビル経済特別区」の販売・マーケティングについて主に指導されている。昨年に大阪でお目にかかり、カンボジアでの再会である。私と同じく神戸大 学を卒業され、三井物産に勤務されていた。また偶然にも私と同じ年齢である。

Dsc02939  私の親しいカンボジア人が言う。正しい人に正しい人が集まれば、仕事は円滑に進む。この「正しい」という英語を彼はRIGHT PERSONと表現していた。これには、いろいろな意味が含まれるが、正しい人間でなければ、カンボジアで仕事は円滑に進まないということである。そこではカンボジアで悪名高いワイロも発生する。また余分なお金を払うような詐欺にも会う。このような意味も含めて一般に、人との出会いはビジネスでは最重要の成功要因である。服部さんとの偶然の出会いで、そんなことを思い出した。

  
 

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2009年10月18日 (日)

株式市場に上場予定:カンボジア・シハヌークビル港湾公社(中)

 今年の夏に宿泊したプノンペン市内のアーモンドホテルは、広大なロシア大使館にDsc02841 面している。そこからシハヌークビル港までの路程を紹介する。午前7時40分にホテル出発。運転手はトーチさん。何でも安心して任せることができる。しばらくして王宮前の広場が右手に見える。遠くに国旗が並び、手前にはハトが群れている。

 川沿いに進んで左折するとカナディアバンク(加華銀行)の本店ビルが右手である。当初は、このビルに証券取引所が入居するはずであったが、おそらく韓国の意向があり、韓国系カンコーシティの中に新たに証券取引所が本年11月から建設着工Dsc02845 される。

 本年度末の証券取引所の開は仮の開設であり、本格的な開設は建物が竣工する2010年半ばということになる。このカナディアバンクは、不動産融資で利益を上げてきたと言われているが、最近の不動産ブーム停滞で業績が低迷しているとウワサされている。しかし、この建物はプノンペン市内で威容を誇っている。

Dsc02853  ロシア通りを進んで8時少し前には左手に税務総局(General Department of Taxation)の建物が見える。これを見ると、カンボジア政府の財政は心配ないと思ってしまう。しばらくしてプノンペン王立大学が右手にあり、CJCC(カンボジア日本人材協力センター)の建物があるそれに対抗するかのように、その向かいにはカンボジアと韓国の友好センターがある。

 ロシア通りが国道4号線となり、南下すると左のような3階建ての建物が多数建設中であった。または完成していても空室が目立つ。これは、よくベトナムでも見かDsc02868 けるが、1階が店舗で2階と3階が住居になっている。プノンペンとシハヌークビルを結ぶ国道4号線沿いの不動産高騰を見込んだ先行投資であると思われる。だれもが考えることは同じであるから、過剰な投資・供給となり、結局は共倒れする。これもベトナムで頻繁に経験するビジネス手法である。もしかして、この投資はベトナム人が主導しているのではないか? これはありうる話である。

 プノンペン経済特区(PPSEZ)の入り口が左手に見える。自動車の給油に時間を取られたが、それを除いてプノンペン市の端の方のアーモンドホテルから経済特区まで40分ほどである。市内の朝の自動車渋滞があって、この時間である。プノンペン市内から余裕の通勤圏である。この経済特区に本年8月に味の素の入居が決定したばかりである。さらなる日本の直接投資が期待される。

Dsc02870  この経済特区は、自家発電所と通関機能を供えた工業団地であり、労働者の採用から経営相談までのワンストップ・サービスを提供している。日本人社長の上松さんが常駐されているので、日本企業には安心である。またカンボジア側のパートナーはATTWOODグループであり、その女性社長の人脈も見逃せない。さらに工業団地だけでなく、住宅地とショッピングセンターや教育施設も計画されている。この分野の進出も期待される。たとえばホーチミン市のサイゴンサウス内のロッテマートのような映画館などを含んだ巨大複合ショッピングセンターも好立地になるであろう。これらについては、上松さんが執筆されている次のHPを参照されたい。http://ppsez.blog.shinobi.jp/

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2009年10月17日 (土)

株式市場に上場予定:カンボジア・シハヌークビル港湾公社(上)

 この夏に訪問したカンボジアのシハヌークビル港Sihanoukville Autonomous Port:SAP)について3回に渡って紹介する。

Dsc02903  このSAPには拡張工事の計画があり、さらに隣接する経済特区の用地買収も終わっている。これらの資金は日本のODAである。そして年度末に開設され、来年半ばから本格的に稼働する証券市場に上場する計画である。

 ここで考えてほしい。日本の税金で支援・育成した国営企業であるSAPが民営化して、その株式を中国が取得する。そしてカンボジアの港に中国の航空母艦や潜水艦が寄港するようになる。このような事態になれば、日本は「お人好し」ならぬ「お国好し」を通り越して、余りにも無策・無能ではないか。

 そういったことを回避するためにSAPの株式会社化と株式公開を日本政府が阻止するということは市場経済の観点から道理に合わない。国営企業の民営化は、経営効率の向上や競争原理の導入・強化が期待されて、それ自体は推進されるべきことである。では、どうすればよいか? SPAの株式公開において日本の民間資本が株式を取得すればよい。

 日本のODAで支援したSPAを日本の民間資本が引き継いで、その成長を次はDsc02919 株主として支援する。これが数百億円のODA資金を投入した日本にとって、その税金をムダにしないひとつの考え方である。こういった港湾会社は、その国の実物経済の成長に伴って必ず発展する。しかし時間がかかる。この状況で民間資本が単独で投資するにはリスクが大きすぎる。

 それではリスクを多数に分散すればよい。そこで投資ファンドである。投資信託の形態で小口のリスク資金を集約すればよい。それが当面に実行可能な主体は岩井証券「heart04メコンのめぐみheart04しかない。それは、以上のようなカンボジアの事情を考慮すれば、利益目的の単なる投資ではなく、日本の「国益」に合致したものである。

 これまでの欧米系投資運用会社に依存した短期利益優先のマネーゲームを繰り返すべきではない。それこそが「米国発」世界同時不況からの教訓ではないかと思われる。

 さらに言えば、このような投資信託が実現・成功するためには、その投資運用会社が長期投資の立場を取ることが重要である。短期売買を繰り返すファンドマネージャーには、こういった投資は向かない。また株価指数に連動するような成果を目標にした投資も不適当である。

 安定株主として長期保有し、場合によっては株主総会で経営改革について「もの言う株主」として発言・助言する。このような投資運用会社の存在が、以上の投資信託の要(かなめ)である。それが岩井証券「heart04メコンのめぐみ」である。(続く)

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2009年10月16日 (金)

ODA資金の限界を「メコンのめぐみ」が補完する:坪井教授の指摘に応える

 『朝日新聞』(2009年10月15日)の「オピニオン」欄で坪井善明氏(早稲田大学教授)が、ベトナム・カンボジア・ラオスにおいて中国に比較して日本の存在感が低下しており、その対応としてODA(政府開発援助)を機動性・応答性をもった運用に転換することを新政府に提案している。

 ベトナム・カンボジア・ラオスの現状を見ていると、心ある日本人はだれもが、中国の強引とも思える直接投資・ODA・株式取得による「経済侵攻」を憂慮している。坪井教授は、これらの国々における日本の存在感を増すことができるような「ODAを含めた新たな援助のシステム作り」を新政府に期待している。

 政府資金の効率的で有効な運用は当然であるが、それは公的資金であるから、その使途には限界がある。これに対して私は岩井証券の投資ファンド「heart04メコンのめぐみheart04」を対置したい。この投資ファンドは、「日本の国益」ファンドの性格をもっている。

 たとえば日本のODAによって整備され経営支援されているカンボジアのシハヌークビル港の管理会社であるシハヌークビル港湾公社は近い将来に株式公開し、上場予定である。この株式を中国が取得することも可能である。新たに創設されるカンボジア株式市場の参加者は外国人投資家にも自由である。そうなれば、シハヌークビル港に中国海軍の軍艦が寄港することにならないか

 こういった株式取得のために公的資金であるODA資金を使用することはできない。民間資本の出番なのである。そのために日本の募集資金で構成される「heart04メコンのめぐみheart04」が控えている。

 以前にも述べたが、投資ファンドと言えば「投資ファンド=ヘッジファンド=短期売買=短期利益の追求」という先入観を持つ人々が多い。しかし「heart04メコンのめぐみheart04」は長期投資であり、投資先企業の経営を支援する「もの言う株主」として機関投資家の役割を果たす。そのことが投資家の利益にも合致する。まさに日本の投資ファンドとして志(こころざし)をもった投資ファンドである。

 この意味で「heart04メコンのめぐみheart04」の成功は、日本の存在感をベトナム・カンボジア・ラオスで顕示することになる。それがODAという日本政府ではなく、投資ファンドという民間資金であることに大きな意義がある。そこには透明性があり、坪井教授が懸念するような「汚職の温床」も存在しない。金融商品取引法に則った公募の投資ファンドだからである。

  

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2009年10月15日 (木)

岩井証券「メコンのめぐみ」の特徴:長期投資の投資戦略

 ベトナム・カンボジア・ラオス3国を組み合わせた株式投資信託「heart04メコンのめぐみheart04岩井証券によって販売中である。

 この投資ファンドの説明会で私は次のような「shine魅力shine」を強調している。投資ファンドと言えば、すぐに「ヘッジファンド」などが連想され、短期売買を繰り返す利益優先の「強欲ファンド」を連想する人が多い。マスコミが作り上げた一つのイメージである。

 これに対してheart04メコンのめぐみheart04の投資方針は長期投資である。そして現在の企業価値と株価水準を評価して売買判断する運用担当責任者のグエン=ドック=タイ氏は述べている。

 新興国において株価指数に連動した投資や、たとえば5%や10%の「損切り」の売買を繰り返すことは、一般の個人投資家の「衝動買い」や「狼狽売り」に投資資産が大きな影響を受けることになる。またデリバティブや先物取引などを組み合わせたリスク管理も新興市場には無縁である。短期売買の投資方針は、投資家の負担となる売買手数料を増やすだけの結果となりがちである。

 これまでのベトナム市場の経験では、たとえばIPO(新規公開)株式の場合、入札株価が高すぎる。IPO株式を買えば、値上がり確実と思う個人投資家が入札価格をつり上げるのである。機関投資家のファンドマネージャーとしてのタイ氏が、これまで入札失敗を何度か経験していることを私は知っている。

 その時、なぜ買えないのかと私は文句を言ったこともあったが、そういう株価はその後の店頭市場で必ず下落した。たとえばベトコンバンクのIPO株式の適正価格は5万ドン程度であるし、現在価格もその程度であるが、それを10万ドンで入札した投資家がいる。「ベトコンバンクを買えば必ず儲かる。ぜひIPO株式がほしい」。このような個人投資家と機関投資家のファンドマネージャーの判断は一線を画している。

 このタイ氏の投資戦略が、岩井証券の投資セミナーで本人からビデオを通して聞くことができる。これは必見である。多数の人々の投資セミナーの参加をご案内申し上げます。

○10月21日(水)16:00~18:00 東京証券会館9階

○10月22日(木)16:00~18:00 大阪証券取引所ビル8階

 皆様に会場でお目にかかりますのを楽しみにしております。

 

 

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2009年10月14日 (水)

岩井証券「メコンのめぐみ」投資ファンド販売開始

 10月13日から岩井証券http://www.iwaisec.co.jp/)が「ベトナム・カンボジア・ラオス3国成長株ファンドファンド」(愛称:shineメコンのめぐみshine)の販売を開始した。

 岩井証券(東証1部上場)が主催した投資セミナーが13日に東京証券会館、14日に大阪証券取引所ビルで開催された。私は講師の一人として参加した。これまで私は「ベトナム株式投資セミナー」については、ユナイテッド=ワールド証券とニュース証券で講演したが、東証1部上場の企業が主催するセミナーは初めてである。

 東京では、ベトナム大使館からフィー参事官(外国投資促進部長)が挨拶された。ご出身はMPI(計画投資省)。日本に来られて1ヶ月ほどということであったが、お嬢様は日本の大学を卒業されているそうである。

 大阪では、リュウ総領事がご挨拶された。堅調なベトナム経済の要因は、輸出の減少を内需が補っていると指摘された。9月12日に開催された宝塚国際交流協会のベトナムセミナーで総領事とお目にかかったばかりである。

 東京と大阪で次回のセミナーが同じ場所で東京は21日大阪は22日に開催予定である。ベトナム・カンボジア・ラオス3国の近況を紹介するのが私の仕事である。お時間があれば、ぜひご出席を賜り、会場でお声をかけていただければ幸いである。

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2009年10月13日 (火)

「開発の三角地帯」ラオスで三井物産がボーキサイト採掘

 ベトナム・カンボジア・ラオス3国の国境を接する地域を「開発の三角地帯」として日本は積極的に支援をしている。農産物や鉱物資源の開発が有望である。

 これは先週に兵庫県立宝塚高等学校の「出張講義」で話したばかりである。その週末に三井物産が、ラオスのこの地域でアルミニウムの原材料であるボーキサイトの採掘を開始すると報道された(『日本経済新聞』2009年10月10日)。

 将来はアルミナやアルミ地金の現地生産も視野に入れるということである。ちょうど三井物産ラオス駐在の高沖さんが中心となって、ビエンチャン日本人会商工会議所の設立準備をされている。これまで日本人会はあったが、ついにラオスでも商工会が設立される予定である。

 ラオス経済において日本企業が動き始めた。商工会の設立は日本企業のラオス進出に弾みをつけることになることが期待される。

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2009年10月12日 (月)

「東アジア共同体」と「アセアン共同体」(下):共同体と同盟を混同していないか?

 アセアンにおける「アセアン憲章」は、そもそも内政不干渉が原則であるから、加盟国の独立性は高い。それだからこそ軍事政権であるミャンマーの加盟も容認されている。 

 もちろん民主主義の進展は普遍的な政治目標として世界が追求するべきであるが、その認識の程度や現状は各国で多様である。ミャンマーや北朝鮮が「独裁国家」であるとしても、その政府を他国が武力で排除してよいという理由はない。これは、1979年のベトナムのカンボジア侵攻に対して国際的な批判があったことを想起すればよい。

flairflair:このベトナムの事情と比較すれば、米国のイラク侵攻に対してより強い国際的な批判があって当然であった。米国に対する国際的な批判は大きくなかったが、国内の批判によってオバマ政権が生まれたとみなすこともできる。

 私見では、そもそも「共同体」は「緩い結合体」である。それに対して日米間は「同盟」と呼ばれる関係であり、より強い関係を意味する。それだからこそ日本は米軍基地を受け入れている。これに対してアセアンは自国内の外国基地を容認していない。このようにアセアンおよび「東アジア共同体」は「東アジア同盟」ではない。それを混同して「日米同盟」か「東アジア共同体」かという二者択一の観点からの議論があるとすれば、それは誤解に基づく結論を導きかねない。

 これは、あたかも「金融資本」に関する議論に似ている。資金力のある銀行が企業集団の中核であるとみなす見解があり、それは「銀行支配」と言い換えることもできる。これに対して企業集団における金融機関と製造企業は利害を共通にしており、相互依存の関係があるとも考えることもできる。こういった企業集団を「利益共同体」とみなす主張もある。

 日本・中国・韓国はアジアの中の経済大国であるが、アジアを支配しているのではない。そういう発想は支配権の争奪といった発想が生まれ、日中韓の友好促進にとっても好ましくない。これに対して共同体という発想は、特定の国が中核になるのではなく、相互の依存関係の存在を基礎にしている。そして相互にWIN=WIN関係を追求する。

 このような意味で、メコン川流域国について中国・韓国の民間資本が先行しているが、それを日本が、どのように補完するかという発想があってもよい。けっして競合する必要はないと思われる。みんなの利益になることを追求する。これは共同体を形成する基本的発想であろう。

 比喩的に言えば、「共同体」は「町内会」のようなものである。町内会の中には個性のある家もあるが、そういう家も忍耐と寛容で受け入れなければならない。さらに必要があれば、町内会として個性的な家に注意する場合もある。さらに必要があれば、通常は警察などに依頼する。この警察とは、国際連合に相当するとみなしてよいかもしれない。

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2009年10月11日 (日)

「東アジア共同体」と「アセアン共同体」(中):日中韓が中心になるのか?

 日中韓首脳会談において鳩山由起夫首相は、東アジア共同体構想に関して「核となるのが(日中韓の)3カ国だ。まずは経済的連携の強化からスタートしたい」と述べた(『日本経済新聞』2009年10月10日、夕刊)。

 この「東アジア共同体」が「アセアン共同体」と同一メンバー国であるとすれば、すでに共同体の形成のために先行して実績を蓄積してきたアセアンに対して僭越ではないか? 日本が米国重視の外交を勧めている間に、また中国・韓国が日本に対して「反日感情」を何度か表出させている間にアセアンは着々と「共同体」形成に向けた努力をしてきた。

 確かに日中韓3カ国はアジアにおける経済大国である。また、たとえばカンボジアやラオスでは、日本よりも中国・韓国の民間投資額が大きな地位を占めている。アジアの経済発展のために中国と韓国が日本を補完しているとみなされる。こういった意味で、東アジア共同体の経済的な「核となるのが3カ国」であることは同意される。

 他方、アセアンはアセアン友好協力条約(TAC:The ASEAN Treaty of Amity and Cooperation)を1976年に成立させている。これはベトナム戦争を教訓としている。TACは、独立・主権・平等・領土保全の相互尊重、外部からの干渉・転覆・強制を受けない権利、相互内政不干渉、紛争の平和的手段による解決、武力による威嚇・武力行使の放棄などを原則にしている。

 東アジア首脳会議に参加する条件がTAC加盟であり、アセアンが域外諸国と協力を進める前提になっている。この延長に「アセアン+6カ国のアセアン共同体」の形成が構想されている。

 この条約には2008年7月に北朝鮮が調印し、さらに2009年7月に米国も加盟した。この条約を結んだことで北朝鮮は、少なくともアセアンから一定の制約を受けることになる。北朝鮮が条約締結した当時に比べて、アセアンは「アセアン憲章」が2008年12月15日に発効し、これまでの緩やかな連合体から法人格をもった地域機構に移行したからである。

 新聞論調の中には、アセアンに含まれるミャンマーの民主化促進についてアセアンが無力であるという指摘がある。しかしアセアン自体が内政不干渉を原則にしているのだから、それはアセアンに対する「ないものねだり」の批判である。さらに言えば、そもそも共同体とはそういう性格のものではないか?

 また上記の北朝鮮のTAC加盟が同国の核兵器開発と矛盾していることは明白であり、TACの存在意味が低いという批判は当然である。しかしアセアンとの関係において、その関係を深めるための制約条件になることは間違いない。加盟しないよりも加盟したほうがよいに決まっている条約がTACである。

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2009年10月10日 (土)

「東アジア共同体」と「アセアン共同体」(上):日本の本音か?

 鳩山政権になって以来、外交政策の焦点の一つは「東アジア共同体」構想の実現である。

 10月10日の各紙報道によれば、日中韓首脳会談の共同声明において、鳩山由起夫首相・温家宝=中国首相・李明博=韓国大統領は「アジアの平和・安定・繁栄を推進」することや、「東南アジア諸国連合(ASEAN)統合東アジア首脳会議・アジア太平洋経済協力会議(APEC)をはじめとする様々な地域的協力メカニズムを強化する」ことで合意した。

 その前に岡田克也外相は、10月3日にカンボジアのシェムリアップで開催された第2回「日メコン外相会議」に出席している。その後の7日の外国特派員協会の講演で、東アジア共同体の範囲は、日中韓+アセアン+インド・オーストラリア・ニュージーランドと指摘した。これは「アセアン共同体」と同じメンバー国である。

 岡田外相が「東アジア共同体」を「アセアン共同体」と同一であることを明言したのに対して、上記の日中韓首脳会談では、APEC(米国・カナダ・ロシア・メキシコ・ペルーを含む21カ国・地域)にも言及しており、東アジア共同体の範囲を定義していない。

 このことは、米国とロシアを排除した東アジア共同体構想を明言すれば、これら両国の反発があることを懸念したのではないかと思われる。他方、日本の本音は「東アジア共同体」=「アセアン共同体」であることを想像させる。

 麻生政権においては、本年8月にバンコックで「第2回・日メコン閣僚会議」が開催され、本年秋には東京で初の「日メコン首脳会議」が開催される予定であった。この閣僚会議は総選挙のために8月が10月に延期されたものの、首脳会議は11月に開催と言われているから、晩秋ということで予定に変更はない。

 麻生政権は「東アジア共同体」に言及せず、日米関係を最優先にしていた。これに対して鳩山政権はアジア関係をより重視するようになったことは間違いない。しかし以上で指摘したように「日メコン関係」の重視は両政権に一貫した外交方針と見なされる。

 それほどに日本にとってメコン川流域国(タイ・ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー)の発展と安定が重要ということである。この不動の国策に民間企業も注目しなければならない。

 

 

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2009年10月 9日 (金)

兵庫県立宝塚西高校に「出張講義」:自信をもって頑張ろう!

 昨日、兵庫県立宝塚西高等学校で「2015年「アセアン共同体」の展望:アジアビジネス最前線」というテーマで高校生向けに講義した。台風のために午前中が休校となり、午後から授業開始という状況の放課後に20名ほどが集まってくれた。

 高校生の進路選択の参考ために、そして大学の広報と社会貢献活動のために高校で大学教員が「出張講義」する。これは、最近の大学では普通のことである。

 この講義の中で、恒例のように私はベトナム・カンボジア・ラオスの経済経営環境や「アセアン共同体」の話をした。さらに『朝日新聞』(2009年10月8日、朝刊)の「東アジア共同体」の記事についても話した。

 ここで私は、『文明の衝突』の著者であるハーバード大学の故・ハンチングトン教授や政策研究大学院大学の大野健一教授の指摘を敷衍して、国家の普遍的な価値の実現を「東アジア共同体」は目標とするべきであるし、それを鳩山首相は自信をもって提唱すべきであることを指摘した。

 この普遍的な価値とは次の5つの政策目標である。①経済成長、②富=所得の平等、③民主化=人権尊重と自由、④政治的安定、⑤外国からの自主独立

 高校生に理解してもらうためには、もっと簡単に次のように語りかけた。「だれもが納得して文句を言わないこととして経済成長があるでしょう。生活が豊かになって困る人はいない。それから・・・安心して暮らせる安定した政府も必要でしょうし、自分の国のことは自分で決めるということにも反対する人はいないでしょう」。

 講義の最後に、少子高齢化と人口減少の日本はアジア諸国とともに経済「」成長を追求するべきであると述べた。これは経済産業省の『通商白書』(2009年版)が主張することでもある。

 このようなアジアでのビジネス実践を想定すれば、経営学・商学のみならず経済学・政治学・法学・国際関係学・文化人類学・外国語など幅広い勉強が必要であると述べた。社会人として仕事をするための準備として広く大きく学ばなければならない。そのために「大学」がある。このようなメッセージが高校生に伝われば幸いである。

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2009年10月 8日 (木)

『日本経済新聞』の記事:「新興国に流れる資金」は国際金融の原点

 『日本経済新聞』(2009年10月7日・夕刊)「ウォール街ラウンドアップ」「新興国に流れる資金」という見出しで次のような記事があった。

 「米国内でも「非ドル資産」への投資が広がっている。象徴的なのが米資産運用会社、ヴァン・エック・グローバルが始めたベトナム株に投資するETF(上場投資信託)。ベトナム戦争を巡る微妙なしこりを、アジア地域の投資魅力が上回ったことを示す。米個人の間では外為取引が流行する兆しもある。ドルが「不動の基軸通貨」とみなされていたころには考えられない動きだ」。

 「「経済回復が世界に広がっている」(ニューヨーク連銀のダドリー総裁)のは間違いない。ただ、その過程で、より高い成長余力が見込まれる新興国へ資金が流入し、経済が米国に一極集中しない流れを生んでいる」。

 資金余剰国から資金不足国に資金が移動する。これは市場経済における当然の資金移動である。上記の記事のように、資金不足の新興国に対する資金流入は歓迎すべきことである。

 私見では、その次の留意点は振興国における「バブル発生」の防止である。流入した資金が「マネーゲーム」の「投機」に使用されると、実体経済における「より高い成長」は実現しない。2007年のベトナム株式市場における「バブル」の発生と崩壊を想起すればよい。ベトナム政府そして一般に新興国は、この教訓を銘記しなければならない。

 当面、株式市場の開設が予定されているカンボジアとラオスは隣国ベトナム株式市場の経験から学ぶことは多い。

 

 

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2009年10月 7日 (水)

10月29日にベトナム経済セミナー開催

 近畿大学・世界経済研究所の西澤教授と本間教授から経済フォーラムのご案内を頂戴し、日本ベトナム経済交流センターも後援させていただくことになった。以下、その案内状を紹介する。

 日本ベトナム経済フォーラム in Osaka のご案内

「戦略的パートナーとしての日越の未来を考える」

 今年10月1日から日越間で「EPA(経済連携協定)」が発効します。これを機に、日越の経済交流は一層の進展をみると思われます。このような時期に、「日本ベトナム経済フォーラム」は、民間レベルで共存共栄の立場で、両国の発展に資する活動を目指してNPO法人設立に取り組んでいます。

 この日越間の「EPA(経済連携協定)」発効を記念し、在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館の移転および日本ベトナム経済フォーラムの活動スタートへの行事として、下記の通り、シンポジウムを開催することといたします。皆様方にはご多用中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご参加いただきますようお願い申し上げます。

                  記

◆日 時:2009年10月29日(木)14:00~17:30 (受付13:30~)

◆会 場:リーガロイヤルホテル大阪 2階「菊の間」
 (大阪市北区中之島5-3-68、06-6448-1121)

◆プログラム:
 主催者挨拶:
○在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館総領事 レー・ドゥク・リュウ氏
 Ⅰ.特別講演:
○日本電産株式会社 代表取締役社長 永守重信氏
 Ⅱ.パネルディスカッション
キーノート・スピーチ:
○日本外務省 南部アジア部長 猪俣弘司氏
○ベトナム外務省 総合経済局長 ブー・クァン・ミン氏
パネリスト:
○パナソニック株式会社 代表取締役専務 大月均氏
○Vietnam-Japan Business Forum 理事長、Kinhbac City Group 会長、
○Saigon Invest Group 会長 ダーン・チャン・タム氏
○APEC経済委員会 議長 大守隆氏
○早稲田大学教授 トラン・ヴァン・トゥ氏
 コーディネーター:
○社団法人日本経済研究センター特別顧問、元日本経済新聞社論説主幹 小島明氏
 Ⅲ.質疑応答
 閉会挨拶:
○日本ベトナム経済フォーラム代表、東京電力株式会社顧問・元社長 南直哉氏

◆主 催:在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館、日本ベトナム経済フォーラム
◆後 援:ベトナム社会主義共和国外務省、(財)関西社会経済研究所、近畿大学世界経済研究所、近畿経済産業局、日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部、(財)学生サポートセンター、(社)日本ベトナム経済交流センター、関西日越協会、日越関西友好協会、他
◆協 力:(社)関西経済連合会、(社)関西経済同友会、大阪商工会議所(後援・協力は依頼中も含む)
◆参加費:無 料    
◆定 員:200名    
◆言 語:逐次通訳
◆申込方法:下記に必要事項をご記入の上、E-mail(kouenkai@kiser.or.jp)またはFAX(06-6441-5760)にてお申し込み下さい。(受付のご連絡・受講票等のご送付は致しませんので、当日、直接会場にお越し下さい。※定員に達し、ご参加をお断りさせていただく方のみ、その旨ご連絡致します。)
◆申込期限:2009年10月22日(木)  
◆問合せ先:(財)関西社会経済研究所(担当:泰中、出石)TEL:06-6441-5750
以上

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2009年10月 6日 (火)

カフェ=ラオでビアラオを楽しむ:洗練されたラオスの雰囲気

 カフェ=ラオ(Cafe Lao)に初めて訪れた。同店は、ラオスのコーヒーや雑貨、さらに自然食のお店である。

091005_151401  住所は、〒562-0036 大阪府箕面市船場西1-8-9-B1F、電話・FAX:(072)727-5840、営業時間:10時~18時、定休日:日曜・祝祭日、土曜日は予約制。HP:http://www.cafelao.jp/

 この店のキャッチコピーは「ラオスのコーヒーとスローライフな雑貨のお店」。このコンセプトに「なるほど」と納得した。ラオス一色の店なら、おそらく狭い顧客層になる。他方、スローライフとか自然食だけなら、同様の他店と差別化できない。自然志向とスローライフの象徴として「ラオス」を店名にしていることが、なかなか工夫されていると感心した。

091005_145301

 おなじみのラオスビールが680円。ラオスでは1ドル程度だから高いと思ったが、このビールの説明が魅力的なので思わず注文した。ラオスビールは国際ビールコンテストで2007年の金賞を受賞した。このことを私は知っていたが、ラオスでは気にもとめないで普通に飲んでいた。ところが、この店のメニューには「フルーティな味をお楽しみ下さい」という紹介文が書かれていた。

 実際に、そう言われて飲んでみると、確かに「フルーティ」とは言いえて妙である。ほのかに甘091005_150701 い香りと味がする。ラオスの気候の中では、あっさりと飲みやすい味としか感じないが、日本ではフルーティと表現されて、これも納得である。

 このラオスビールの総代理店が東京の寮都産業である。この寮都産業には、ラオス国立大学経済経営学部のトンペット先生とトンバン先生がJICAの研修で来日中に、私が同行して訪問したことを思い出す。これは、もう5~6年前の出来事である。

 このカフェ=ラオ、私の自宅からは自動車で15分程度の距離である。千里中央の駅からは10分もかからない住宅街の中にある。コテコテのラオスではなく、やや洗練されたラオスの雰囲気を楽しんでみたい方に広くお勧めしたい。次回は、自然食のランチを試してみようと思っている。

 

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2009年10月 3日 (土)

ベトナム・カンボジア・ラオスの為替リスクは?(下)

 ベトナム・カンボジア・ラオス3国では、購買力平価と為替レートの相対的な関係について、経済成長とともに為替レートは強くなる傾向がある。

 ベトナムの場合、これまで傾向的な「ドン安」であって、輸出を促進し、直接投資を誘導してきた。ただし2007年に一時的に「ドン高」になったことがある。株式や不動産の投資のために外国資金が大量に流入したからだと思われる。それが翌年のインフレーションの要因にもなった。

 ベトナムが長期的に見て「ドン高」に転換することは間違いない。それはいつか。これは、ベトナム株式の外国人投資家にとって最大の関心事である。「ドン高」は、特に日本人の外国投資における「円高」のリスクを軽減もしくは緩和するからである。

 ズンクワットの石油精製コンビナートが稼働開始した。鉄鋼一貫生産プロジェクトが開始された。豊富な鉱物資源を保有し、現在でも農産物は主要な輸出品となっている。さらに日本の支援によって「すそ野産業」が育成され、輸入部品や原材料が次第に国内生産に代替される。さらに南北高速鉄道、高速道路など大型インフラ整備が外国資金の支援によって進展する。

 私見では、ベトナムの「ドン高」傾向に転換する時期は近い。では、発展途上国で「通貨高」になることはあるのか? ラオスの「キープ高」が実証している。タイのバーツに対しては「キープ安」傾向であるが、米ドルに対しては「キープ高」である。これら2通貨の為替レートの動向とラオス経済の関係は別途に検討が必要である。

 結論として「円高」は外国株式投資の好機である。将来に「円安」に転換すれば、それで為替差益を獲得できる。さらに将来にベトナムで「ドン高」になり、その為替利益も受け取ることができる。単純なドル投資ではなく、これがベトナム投資の妙味である。 

 

 

 

 

 

 

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2009年10月 2日 (金)

ベトナム・カンボジア・ラオスの為替リスクは?(中)

 現在、「円高」が進行中である。その理由は投機的要因であると思われるが、それに対して政府の市場介入もありうる。要するに将来の見通しは難しい。これが本音である。

 ただし将来の動向を把握するために購買力平価(Purchasing Power Parity:PPP)を考える。購買力平価が実態経済を反映した為替水準であるとすれば、その水準と為替レートの乖離が、投機的な要素を示していると考えられる。

 2005年の購買力平価と為替レートを見れば、以下のようになる(1米ドルに対する現地通貨)。なお「倍率」は購買力平価を為替レートで除した数値である(筆者の計算)。この「倍率」が高いほど、その国の通貨が実態経済に対して高く評価されていることを示している。

 この「倍率」は、たとえば日本の場合、129.55÷110.22で計算されるが、これは為替レートでの1円の価値が、購買力での1円の価値の何倍になっているかを示している。ここでベトナムと中国を比較すれば、ベトナムが中国と同様の経済発展をするとして、このベトナムの「倍率」は将来大きくなると考えられる。

 国名    購買力平価     為替レート   倍率
 ベトナム   4712.69  15858.90     0.297
 カンボジア  1278.55     4092.50    0.312
 ラオス        2988.38  10655.20     0.280
 中国        3.45       8.19     0.421
 米国               1.00            1.00      1.000
 日本      129.55       110.22     1.175

(引用)2005年ICPの世界全体の結果:要約表。
(出所)http://www.stat.go.jp/info/meetings/icp/pdf/hyo0.pdf

 なお、倍率が1より大きい国は、日本のほかにオーストラリア・オーストリア・ベルギー・デンマーク・フィンランド・フランス・ドイツ・アイスランド・アイルランド・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ニュージーランド・ノルウェー・スウェーデン・スイス・英国である。なおカナダの「倍率」は1である。いわゆる先進国は「倍率」が高い。

 この「倍率」が大きくなる要因について言えば、為替レートが強くなる(上記の数字の減少)だけでなく、インフレーションによって購買録平価が弱くなっても(上記の数値の増加)、この「倍率」は高くなる。ベトナムでは2008年の23%に達するインフレーションが、この「倍率」を上昇させていると想像される。なお、購買力平価と為替レートについての厳密な分析は今後の課題として残される。(以下、続く)

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