« 世界の経済成長率とインフレーションを見る(3):カンボジアの現況 | トップページ | テレビドラマ『不毛地帯』からビジネスを学ぶ »

2009年10月27日 (火)

世界の経済成長率とインフレーションを見る(4)

 第3表は、以上で指摘したインフレーションの状況を示している。ここで注目されるのは、2008年におけるベトナムの23.0%に達する突出したインフレである。さらにカンボジアの19.7%が注目される。

(注:ミャンマーについては、2008までの中国を上回るほどの高度経済成長と20%~30%に達する異常なインフレーションが注目に値するが、その実態は不明である。そもそも第2表と第3表のADBの統計に2009年・2010年が掲載されていない。私の経験では、ミャンマーには3種類(公式・市場・闇)の為替レートがあり、その統計の信憑性は疑問である。)

第3表 アジア諸国のインフレーション率(%)

(年)

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

ベトナム

7.7

8.3

7.5

8.3

23.0

4.06.8

5.08.5

カンボジア

3.8

5.9

4.7

5.9

19.7

7.00.8

4.35.0

ラオス

10.5

7.2

6.9

4.5

7.6

5.00.7

6.04.5

ミャンマー

3.8

10.7

26.3

32.9

26.4

---

---

ブルネイ

0.9

1.2

0.2

0.3

2.7

1.51.5

1.21.2

インドネシア

6.1

10.5

13.1

6.4

10.3

6.35.0

6.96.0

マレーシア

1.4

3.1

3.6

2.0

5.4

1.51.1

2.42.6

フィリピン

6.0

7.6

6.2

2.8

9.3

4.53.2

5.04.5

タ イ

2.8

4.5

4.6

2.3

5.5

0.5-0.5

1.52.0

シンガポール

1.7

0.5

1.0

2.1

6.5

0.50.0

2.02.0

中 国

3.9

1.8

1.5

4.8

5.9

0.8-0.5

1.03.0

インド

6.4

4.4

5.4

4.7

8.7

3.52.5

4.04.0

韓 国

3.6

2.8

2.2

2.5

4.7

2.02.5

2.02.5

(出所) ・(引用者注) 第2表と同じ。

世界同時不況のためにベトナムとカンボジアの経済成長は鈍化したが、インフレーションは抑制できたとみなされる。これは不幸中の幸いとも言うべき状況である。もっともベトナム政府は、輸出減少を補填するために低所得者向けの住宅建設など内需拡大策を推進してきた。景気刺激策とインフレ抑制策の双方に配慮してきた。この経験は今後の経済運営の貴重な教訓になったと思われる。

 ただしベトナムの2010年のインフレ予測値は、5.0%から8.5%に引き上げられている。ほかのアジア諸国の中でこの数値は最高である。インフレ対策は、今後のベトナム政府の継続した課題である。

|

« 世界の経済成長率とインフレーションを見る(3):カンボジアの現況 | トップページ | テレビドラマ『不毛地帯』からビジネスを学ぶ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/31955526

この記事へのトラックバック一覧です: 世界の経済成長率とインフレーションを見る(4):

« 世界の経済成長率とインフレーションを見る(3):カンボジアの現況 | トップページ | テレビドラマ『不毛地帯』からビジネスを学ぶ »