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2009年9月27日 (日)

ベトナム・サコムバンクのカンボジア進出事情(下)

解説とコメント:ベトナムの観点から見てカンボジア経済は成長する

 ベトナム株式市場で人気銘柄であるサコムバンクが、中国の南寧とラオスに次いでカンボジアに進出した。その理由は明確である。3つの経済回廊によって物流が発展すれば、それに伴って金融サービスのニーズが高まるということである。メコン川流域の国境を超えて活動するベトナム企業にとって、サコムバンクは安心できるパートナーになるであろう。

 以上の質疑応答で「国境貿易」という言葉が出てくるが、これは通常の貿易と理解してよい。国境を超えて活動する企業をサコムバンクは支援すると述べている。

 カンボジア経済の急成長について、ベトナム大手銀行が断言していることは、もちろんカンボジアに対するベトナム側の「リップサービス」があるにせよ、日本人にとって新しい観点である。日本企業は、ベトナムとカンボジアの投資環境を比較して、ベトナムに軍配を上げることが多いが、そのベトナム自身がカンボジアの成長力の魅力を評価している。

 確かに若年層の人口比率や人口増加率についてカンボジアはベトナムよりも上回っている。この点にサコムバンクは着目している。長期的な観点からベトナム企業の労働不足は明確であり、そのためには今からカンボジアに布石を打つベトナム企業があっても不思議でない。また人口の増大は、国内消費の拡大を確実にもたらす。

 これまでの日本企業の観点や先入観や論理の枠組みから想定できないような発展がカンボジアで期待されるかもしれない。その理由は次のようである。

 日本企業とは異なった観点と論理で韓国・中国・ベトナム企業がこの地域に進出している。これらのアジア諸国が外国(=カンボジア)投資できるまでに成長したのである。これまでの日本企業は、それに無視または無関心であった。日本には日本のやり方があるという考え方である。日本と各国が活動の「棲み分け」するという考え方である。

 たとえばカンボジアと同様にラオスでも証券市場の開設が準備されているが、あるJICA関係者は「ラオスの証券市場は韓国が支援しているプロジェクト」という反応であった。それは韓国が支援しているから日本は関係ないという姿勢や意図が含まれているようであった。これではラオスの証券市場に日本企業が関与する余地はないと最初から決めている。

 この固定観念・先入観に基づく発想からは、アジアでの新しいビジネスチャンスは生まれてこない。なぜならアジア諸国の発展は、それほどに急激で変化に富んでいるからである。

 日本の想像を絶するアジア諸国からのカンボジアやラオスに対する投資活動は、全体としてカンボジアやラオスを日本の想像を絶する成長に導く可能性がある。これに対して日本が静観している手はない・・・。

 

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