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2009年9月25日 (金)

ベトナム・サコムバンクのカンボジア進出事情(上)

 今回から社団法人・日本ベトナム経済交流センターの『日越経済交流ニュース』第188号(2009年9月)に掲載された拙稿「ベトナム・サコムバンクのカンボジア進出の意図は何か」を以下3回に渡って転載する。

Dsc02785   ベトナムのカンボジアに対する影響力が拡大している。ベトナムの日系企業のエースコック・ベトナム社はカンボジアで即席ラーメン販売を伸ばしているし、さらに日系のプノンペン経済特区にはベトナム操業中のヤマハ・味の素が進出を決定した。そこで本号では、ベトナムにおける最大手の商業銀行サコムバンクのカンボジア進出について、その背景や意図を紹介する。

shineサコムバンクの概要
 サコムバンク(Saigon Thuong Tin Commercial Joint Stock Bank:Sacombank)は、1991年にベトナムのホーチミン市で設立された。その後の17年で同行はベトナム最大手銀行にまで成長した。今や45億9,300万米ドルの総資産、ベトナム・中国・ラオスに250行の支店網を所有する。カンボジアのプノンペン支店は2009年6月26日に開設された。

 2008年5月にサコムバンク金融グループは、ベトナムにおける最初の民間金融グループとなった。銀行が中核となり、それが子会社5社と関係会社5社の活動を調整している。サコムバンクによれば、このことは、中小企業に対するパッケージ化された金融ソリューションの新しい始まりを示している。その中には小売金融・証券・リース・送金・不動産・金取引・金融投資・ファンド運用・資産運用が含まれている。サコムバンクの使命は、中小企業が地域において最初に選択する銀行になることである(Economics Today, Volume 3, Number 44, August 1-15, 2009, p. 24)。

プノンペン進出:ベトナムとカンボジアの関係が深化
 サコムバンクは、カンボジアに支店開設した最初のベトナムの銀行となった。サコムバンク会長のDang Van Thanhは次のように述べている。「サコムバンクは2006年から外国展開を追求してきた。中国・南寧の駐在員事務所、ラオス支店、そして今日のカンボジア・プノンペン支店である。次の計画はオーストラリアと米国の支店開設である」。

 2008年にベトナムとカンボジア双方の貿易額は17億ドルであり、2009年には20億ドルに達すると予想されている。これは40%の増加である。サコムバンクの設立資本金は5兆1160億ドン(2億8,700万米ドル)、自己資本は7兆180億ドン(3億9,400万米ドル)である。カンボジアにおいて同行は競争するのではなく経済発展に協力することを考えている。サコムバンクの職員によれば、対象顧客はカンボジアで操業するベトナム企業または越僑所有の企業である。その大部分が中小企業であり、特に国境貿易に従事している。

 「サコムバンクはカンボジア市場において競争・破壊・闘争するつもりはありません。サコムバンクはカンボジアを全世界に誘導したいのです」と同行の副CEOのJohn Vongは述べる。「遅いか早いかの問題ではありませんが、サコムバンクは貿易・投資・資金移転において地球規模で他行と連携しているので、私たちはカンボジアを早く世界に導くことができます。これができる地元の銀行はありません」。

 さらにThanhは次のように述べた。ベトナムとカンボジアの経済は似ています。中小企業は金融機関からの資金援助を必要としています。

 サコムバンクの代表団は6月末にフンセン首相に面会し、カンボジアの経済環境について議論した。特に金融・銀行業そして近い将来のカンボジア証券市場が話題となった。Thanhは述べた。「われわれは長期的にここで操業します。したがって2010年の来るべきカンボジア証券市場に参加するでしょう」と。

 カンボジア国立銀行Chea Chanto総裁は、サコムバンクの開店式典において次のように挨拶した。「サコムバンクがカンボジアにお越し下さったことは、ベトナム人投資家がカンボジア銀行部門を信頼していただいた証拠です。サコムバンクに来ていただいて、新しい経験と商品とサービスがカンボジアに持ち込まれ、金融業の発展が促進されることを私は望んでおります」(Economics Today, Volume 2, Number 43, July 16-31, 2009, p. 24)。

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コメント

先ほどのコメント、セコムバンクの資産が1兆5千億ドルというのは僕の見間違いでした。4兆5千億ドルと書いておられるのですね!400兆円以上?凄いですね。

投稿: 合田 濤 | 2009年9月25日 (金) 23時00分

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