写真で語るメコン川流域3カ国(14):ここにラオス証券取引所ができる
2010年10月10日にラオス証券取引所が開設されることは現在も不変である。現在、証券市場設立委員会によって法整備と証券実務研修が進行中である。ラオス(中央)銀行と韓国証券取引所との合弁会社としてラオス証券取引所が設立されるが、さらに2008年7月7日にはタイ証券取引所と協力の覚書を交わしている。
ラオス政府の政策決定が一般に遅いことは定評であるが、その主な理由は政府とラオス人民革命党の二重の決定が必要とされることである。このことを考慮すれば、おそらく私見では、2010年10月10日には法整備が終わり、市場開設の宣言が行われる日となり、その時点から上場候補企業や証券会社の申請受付が始まるのではないか。実際の取引開始は2010年末になると私は予想している。
このような開設の日程が予想される理由は、カンボジア証券取引所の2009年末の開設、本格的な取引開始は2010年半ばという手順と同じであると想像されるからである。なお、カンボジアの証券取引所の設置場所は、韓国企業が開発したカンコーシティ内のファイナンシャル センターの一画ということで決定されているが、ラオスの証券取引所はどこにできるのか? ラオス消息筋によれば、それはビエンチャン郊外のラオス国際展示会議場(LAO INTERNATIONAL TRADE EXHIBIYION & CONVENTION CETER:LAO-ITECC)の前ということである。
この場所は、中国企業が取得する予定の200haの敷地(SEAゲームのメインスタジアムの建設の見返りとして中国がラオスに要求した土地使用権の一部)の近くであり、周辺は湿地帯となっている。ビエンチャン市内に比べると新しい建物の建設余地がある。この周辺に「ラオス金融センター」が形成されても不思議ではない。
すでに証券市場についてのセミナーが頻繁に開催されている。日本からは財務省の委託を受けた野村総合研究所が政府職員向けにセミナーを開催しているし、日本での研修も予定されている。前述の韓国証券取引所の支援の役割が、取引所の運営実務やコンピュータ処理などに対して、日本の支援は公社債市場を含めた幅広い証券行政の範囲に及んでいると私は推理している。
またラオスのラオス語・英語併記のTARGET誌は、2009年6月号から「2010年までに設立される株式市場」という記事の連載を始めた。このTARGET誌の連載は、これまでにも新しい企業法などが制定されると、その内容を内外に紹介する役割を果たしてきた。このよ うな公開がなされると言うことは、その開設は着実に進んでいると考えて間違いない。ただし同誌には、「2010年まで」とは明記されているが、10月10日の記載はない。このことからも上記の私の開設日程の想像が当たるように思われる。
なお、8月26日午前中にラオス国立大学経済経営学部を訪問した。ソムチット副学部長・ポーシー経営学科長・センチャン経済学科長・トンペット経営副学科長、それに流通科学大学大学院に国費留学していたカンパティップ先生など教員全員が歓迎してくれた。私がJICA短期専門家として滞在した2001年当時の同僚である。 彼らによると、その日の午後に「株式市場セミナー」が教員向けに開催される。ラオス(中央)銀行の主催である。このように株式市場の知識が周知されつつある。
写真は、日本から清掃ボランティア活動のためにラオスに来ている私のゼミ学生の小西くんと木田くんも同席した。さらにラオス日本大使館に勤務していた毛利さんも一緒であった。
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