写真で語るメコン川流域3カ国(13):ラオスの交通事情とメコン川
パツーサイと大統領官邸を結ぶビエンチャンの大通り。信号待ちの自動車の列が並ぶようになった。しかもこれは平日の昼間である。2008年のトヨタ自動車の新車の輸出台数は、ラオスが約4000台、カンボジアが1000台、ミャンマーが30台である。この突出した台数はトヨタ本社も無視できないので、ラオス戦略を見直すと言われている(鈴木基義「雇用創出につながる地域補完型工業化」『国際開発ジャーナル』2009年6月号、41頁)。
新車に加えて中古車の輸入もある。外国人は日本の中古車をそのまま持ち込めるが、ハンドルの左右を入れ替えるなら700ドル上乗せすれば、ラオスで転売できる。このハンドル位置の交換工場はラオス国内にある。このような自動車の増加が、この行列に現れている。
写真は、馴染みの運転手リエムさんである。ラオス在住のベトナム人。ベトナム語・ラオス語そして英語が少しできる。ラオスの私の訪問先について習熟しているので助かる。また帰国直前に自動車代を一括して支払えばよいので、これも簡単である。カンボジアの運転手トーチさんも同様であるが、送迎車のない外国の仕事では足回りの確保が最優先課題である。ただしベトナムではタクシーが普及しているので、特に特定の運転手は必要ないと思う。この彼の自動車もトヨタカムリの中古車であるが、以前のトヨタ車よりも新しくなった。
メコン川の夕陽である。この風景に説明は必要ないであろう。当然であるが、毎日のように変化する雲が様々な構図を描いてみせてくれるが、メコン川という大きな構図は不変である。
メコン川沿いにそびえるドンチャンパレスホテルは輝いて見える。このホテ ルに私は宿泊したことはないが、どうも宿泊するよりも見るホテルではないかとも思われる。この夕陽の光を絵画のように楽しみながらビールを飲む。この幸せを味わってこそラオスに来たという実感をもつことができる。
ラオスの経済発展は望ましいが、この自然だけは昔のままであってほしい。それは外国人のエゴというよりも、ラオス人の願いでもあると思うし、そうあってほ しい。目の前に広がる光景そのものが、ラオスの観光資源である。
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