« ラオス清掃ボランティア活動の説明会と打ち合わせを開催 | トップページ | 映画・仲代達矢版『不毛地帯』を見る;期待される唐沢寿明版のテレビドラマ »

2009年7月27日 (月)

ベトナムに対する米国の甘言を排する:サービス産業か裾野産業か?

 来日中のJICAベトナム研修生(VJCC・貿易大学教員)から先日、次のような質問があった。

 「ベトナムに対して日本は裾野産業の育成を勧めているが、米国からはサービス産業の育成をするべきだと言われている。上田先生はどう思いますか?」

 私は、「スマイル=カーブ」(部品製造とサービス提供の利益率が高く、その中間の生産過程である組み立て製造と販売の利益率が低いこと)を説明し、「米国も的確な提案をベトナムにしていますね」と余裕で答えた。

 米国製造業が競争優位性を喪失していることは明らかである。それはGMの破綻で端的に示されている。それに対してサービス産業は健在と思われるが、2008年からの世界経済危機の発祥地は、米国ニューヨークの金融サービス業であった。

 一般に言って、社会主義社会を指向する市場経済を推進するベトナムにとって、資本主義のメッカと言われる米国をモデルにすること自体が検討に値する。利益最優先の弱肉強食の市場経済が、果たしてベトナムにふさわしいのであろうか。これに対して同じアジア諸国としてベトナムと日本の極めて高い親和性・共通性・類似性は無視されえない。いったい本当のパートナーは誰なのか。

 さらに日本のサービス業は、けっして米国に優るとも劣らない。日本の「おもてなしの心」は世界に誇る水準である。このサービス精神の根源は「儒教」にあり、それは日本とベトナムに共通している。ただし日本人のアジア蔑視は、米国人以上に大きいのかもしれない。それが日本人に対する信頼を弱めているとも考えられる。 

 それにしても、日本のODA資金で日本に研修に招待されながら、米国について質問するとは、ベトナム人研修生のプライドには関心した。来日早々であるから、圧倒的な日本とベトナムの経済格差に対する「気後れ」を紛らわすための質問であったと私は理解している。

 同様にベトナム人が誇りに思っていることは、いわゆる「ベトナム戦争(抗米救国戦争)」で自国が米国に勝利したことである。「日本は米国に負けましたが、ベトナムは米国に勝ちましたから・・・」。この主張について私は、かつての帝国海軍が誇るゼロ戦・紫電改そして戦艦大和・戦艦武蔵の話をすることにしている。旧ソ連や中国の兵器を借りて米国と戦ったベトナムと、自国で開発した兵器で戦った日本では経済力と技術力に格段の相違がある。ベトナムは提供された兵器を独自に改良したという事実はあるが、開発技術と改良技術は本質的に相違している。

 なお附記すれば、けっして私は戦争を賛美しているわけではない。こういった兵器の背景にある技術力の相違を指摘している。科学力・技術力の平和利用は当然であるし、その戦争利用に私は絶対反対である。 

|

« ラオス清掃ボランティア活動の説明会と打ち合わせを開催 | トップページ | 映画・仲代達矢版『不毛地帯』を見る;期待される唐沢寿明版のテレビドラマ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/30719620

この記事へのトラックバック一覧です: ベトナムに対する米国の甘言を排する:サービス産業か裾野産業か?:

» 赤ちゃんが泣く原因と対処法 [赤ちゃんが泣く原因と対処法]
現役保育士が、子供が泣く原因と対処法を分かりやすく説明します [続きを読む]

受信: 2009年7月28日 (火) 03時05分

» 沖縄とベトナムのつながり [ベトナム投資信託]
琉球ガラス製造販売を手掛ける沖縄の企業「株式会社 森のガラス館」が、1995年に... [続きを読む]

受信: 2009年7月29日 (水) 10時57分

» 円高 円安 影響 [円高 円安 影響]
円高 円安 影響 [続きを読む]

受信: 2009年8月 8日 (土) 11時39分

» 円安 影響 [円安 影響]
円安 影響 [続きを読む]

受信: 2009年8月 8日 (土) 12時14分

« ラオス清掃ボランティア活動の説明会と打ち合わせを開催 | トップページ | 映画・仲代達矢版『不毛地帯』を見る;期待される唐沢寿明版のテレビドラマ »