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2009年7月19日 (日)

大学教授と企業経営者:その兼務の意義を考える

 私は大学教授という肩書きを頂戴しているが、それとは別に日本とベトナムに会社を設立し、その経営者でもある。これは公言していることであり、大学の人事課にも届けている。

 経営学さらにビジネスを教育・研究している私の立場からすれば、この会社設立は、今までのところ大きなプラスの効果があると自己評価している。例えば昨年からのベトナム現地法人ロータス投資運用会社の増資募集を通して、経営者の役割の重要性を理解できた。

 それは、一般に言えば、会社の目的達成に対する「執念」が経営者にとって不可欠なことである。会社の目標の途中で従業員なら妥協してしまうことを、経営者であれば最後まであきらめない。また、あきらめてはいけない。それが目標達成の前提条件である。

 (注:上記のロータス社の増資は無事に完了し、ベトナム国家証券委員会からの認可を継続して受けて活動している。)

 経営者に「執念」がなくなれば、それは経営者として失格ではないか。経営者は、会社の理想や目標に対する強い信念や意志を保持しなければならない。このことは、従業員に経営者と共有した「執念」を持たせることによって会社の業績が左右されるということを意味する。従業員のモーティべーション向上が企業経営にとって最重要の課題である。

 このような主張は大学教授ならだれでも論理的に理解できるが、それを私は体験から実感できたことに意義を見出している。最も単純に言えば、理屈よりも体験に基づいて講義した方が、受講生にはより大きな説得力をもつという意義である。

 これは「形式知」と「暗黙知」という知識の特性の相違という観点からも説明できる。前者が論理的・演繹的な知識であるとすれば、後者は体験的・帰納的な知識である。両者の相互補完・相互作用の中で事実に対する認識が深まり、その理論化が進展する。この双方の知識の提供が大学でも企業でも望まれる。

 これが経営学=ビジネスの教育と研究の本質ではないかと私には思われる。この観点から言えば、学生の企業実習であるインターンシップは、大学での「形式知」と企業での「暗黙知」の交差点の役割を果たさなければならないと思う。他方、企業人=ビジネスパーソンの研修(ビジネススクール)は、こういった観点からのカリキュラムが望ましい。

 流通科学大学でも実施しているが、昨今のインターンシップは学生と企業の双方にとって就職のための事前活動になってしまっている。本来のインターンシップは、大学と企業の双方に知的な刺激と前進をもたらすはずである。

 こういったインターンシップの実施が「実学」に通じるとみなされる。その実現に向けて徐々にではあるが努力してみようと私は考えている。そのためには、双方に通じた調整者が求められる。私の「兼務」は、そのノウハウ蓄積に貢献するかもしれない。 

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