ベトナム株式市場は回復基調であるが、ドン安が進行中である。また、かつての高金利は、インフレの沈静化と景気刺激策のために低下している。長期持続によってリスクを低減している投資家にとっては、やや気になることである。
ベトナム現地法人・ロータス投資運用会社(http://www.lotusimc.com/)からの情報で金利と為替の動向を確認しておこう。
現在の普通預金の金利は2.5%~3.0%である。定期預金については、世界同時不況が顕在化した直後の2008年10月の利息は約15.8%であったが、現在は半減して約7.1%~7.7%と変動している。
昨年2008年10月31日付け中央銀行が発表した為替レートは、1JPY(円)=167.86VND。同じく中央銀行が発表した連邦銀行為替レートは、1USD=16,511VND。
2009年7月17日の為替レートは、1円=180.82VND。1USD=16,961VND。日本円とベトナムドンでは、約8%、USDとベトナムドンでは、約3%の下落である。米ドルに対する円高が進んでいることを反映している。
ただし、購入為替レートと売却為替レートの相違が大きいことに注目しなければならない。
例えば、2008年10月1日に1000円をベトナムドンに両替した場合(為替レートはJPY/VND=152.17)、両替後に受け取る金額は15,2170VNDである。
この金額を普通預金にすれば、金利を年間2.5%として、2009年6月には155,023VNDを受け取ることができる。現在の銀行の売却為替レート(JPY/VND=197.32)で両替すれば、785JPY(円)となる。そうすると約21%の減価となる。
このような円高による損失の影響を最小に回避するためには、VNDまたはUSD建ての資金運用を検討すればよい。
私見では、米国経済の構造的な改革と回復が近い将来に進展し、ドル安(=円高)が、ドル高(=円安)に転換することは十分に予想される。この意味で私は「円安」論者である。現代日本の政治的な低劣性も「円安」要因であると思われる。
またベトナムで2008年に見られた「ドン高」の再来もありうる。これは、外国投資の増大に対するドン通貨不足が原因であった。ドン高は輸出企業の損失を招くから、ドン安をベトナム政府は誘導したが、それによって20%を超えるインフレが発生した。ただし、このインフレは原油高という要因も加わったからである。
この事例から、ベトナム政府はインフレ抑制の重要性を学んだはずである。インフレとドン高の双方を抑制するという微妙な金融政策の舵取りの中で、将来にドン高が再来する可能性もある。