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2009年7月31日 (金)

ダナン~ビエンチャン

 今夏の出張の中で、ベトナムのダナンからラオスのビエンチャンまで陸路で移動することを考えている。東西経済回廊を走り、2005年に訪問したラオバオ経済特区の近況を見ることが目的である。

 直接 の国際バスがあればよいが、最悪の場合、ラオス国境にラオスの自動車を待たせておいて、ダナンからはベトナムの自動車を利用する。これは実現可能である。

 2005年時点では、ラオバオで操業している工場は数社であったが、現在は30社になっているという。これを実際に見てみたい。

 早朝に出発すれば、おそらく1日でビエンチャンに到着できると思う。少しばかりの今夏の「挑戦」である。

 もし、この陸路の情報をご存じの方がおられれば、ぜひご教示を賜れば幸いである。

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2009年7月30日 (木)

草食系人間について:成熟経済の産物か?

 3回生の就職活動が始まろうとしている。大学のキャリア開発(=就職支援)課に「就職予備登録票」を提出しなければならない。

 ・家族構成
 ・ゼミを選んだ理由
 ・大学時代に熱心に取り組んだこと
 ・私の性格
 ・クラブ・アルバイト
 ・ ・・・・・・

 こういった個人情報を記載する書類である。もちろん「マル秘」扱いである。これに基づいて教職員は就職指導する。私のゼミ学生が相談に来て「私の性格」について議論になった。

 「そういえば、私には「負けん気」が強いという性格はないですね」。「・・・・・・」。

 これは現状肯定の思想を意味している。「今に見ていろ」とか「負けてたまるか」という気持ちが彼には起こらないのであるとすれば、それは向上心の欠如といえるかもしれない。

 あらゆる手段を活用して自分を常に奮い立たせてきたと私は思うが、最近の学生はそうでもないらしい。こういった学生が特殊なのか一般的なのか。一般に「草食系」人間が増えていると言われているから、ギラギラした闘争心は時代遅れとみなされるのかもしれない。

 これが、戦後に経済成長を追求してきた日本社会の到達点ともみなされる。成熟経済とは、こういう状態を意味すると理解されうる。それでは次の目標は何か。経済成長最優先からの「パラダイム転換」が検討されてもよい。

 このような大きなテーマではなく、上記の学生のような個人レベルの話で言えば、そのひとつの答えは「自分自身に負けない」ということである。柳生連也齋が述べているように、「昨日の自分と今日戦う」(とみ新蔵『柳生連也武芸帖』リイド社)。他人を相手にするのではなく、自分自身を相手にして戦う。こういう心境の人に会ってみたいし、そのような心境になってみたいものである。

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2009年7月28日 (火)

映画・仲代達矢版『不毛地帯』を見る;期待される唐沢寿明版のテレビドラマ

 山崎豊子『不毛地帯』(新潮文庫)が新たに出版されている。「2009年10月よりフジテレビ系列で開局50周年記念ドラマとして前半部分が連続ドラマ化(主演・唐沢寿明)される予定」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%AF%9B%E5%9C%B0%E5%B8%AF)だからである。そこで、かつて映画化された山本薩夫監督のDVDを見た。

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 この『不毛地帯』の映画については、かつて学生時代に映画館で見た記憶がある。しかし詳細は忘れたし、原作は未読である。主人公の壱岐正は仲代達矢が演じている。仲代の体躯は陸軍大学を首席で卒業したという設定に合致しているように思われた。またシベリア抑留の風景では映画『人間の条件』を思わせる場面もある。果たして小柄な唐沢寿明が、この仲代達矢を超えられるのであろうか。

 同じ山崎豊子原作『白い巨塔』のテレビドラマで田宮二郎と比較された唐沢は、次は映画版の仲代と比較される。さらに『不毛地帯』はテレビドラマ化されていて、平幹二郎が主人公を演じているという(私は未見である)。これらのことは、唐沢が田宮・仲代・平に匹敵しうる現代を代表する役者であることを意味している。

 このDVDを見れば、ベトナム戦争や映画『戦争と人間・完結編』の場面も挿入されている。故・山本監督らしい反戦のメッセージが伝えられている。そしてまた、八千草薫・藤村志保・秋吉久美子という女優陣の若々しさが、今から見て新鮮である。

 唐沢版『不毛地帯』をより一層楽しむためにも私は小説を読んでみたいし、また仲代版の視聴を勧めたい。

 なお、多忙・多忙といいながら、なぜ私にDVDを見る時間があるのかという疑問があると思われる。これについては、私の日本証券経済研究所時代の大先輩である故・松井和夫教授(大阪経済大学)のご教示を引用することにしている。

 すなわち故・松井教授はテレビを見る時間でさえも勉強していた。私の場合、DVDを見る時間も、それ以外の時間も常時勉強している。これは、松井教授と違って私の場合ほとんどウソであるが、このように言えば、それなりの格好がつく。 

 それにしても山崎豊子『沈まぬ太陽』も映画化されると聞いている。こういった社会派小説が広く読まれ、そして映画化されることは、現代社会に対する国民の関心の高まりを反映しているのであろうか。

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2009年7月27日 (月)

ベトナムに対する米国の甘言を排する:サービス産業か裾野産業か?

 来日中のJICAベトナム研修生(VJCC・貿易大学教員)から先日、次のような質問があった。

 「ベトナムに対して日本は裾野産業の育成を勧めているが、米国からはサービス産業の育成をするべきだと言われている。上田先生はどう思いますか?」

 私は、「スマイル=カーブ」(部品製造とサービス提供の利益率が高く、その中間の生産過程である組み立て製造と販売の利益率が低いこと)を説明し、「米国も的確な提案をベトナムにしていますね」と余裕で答えた。

 米国製造業が競争優位性を喪失していることは明らかである。それはGMの破綻で端的に示されている。それに対してサービス産業は健在と思われるが、2008年からの世界経済危機の発祥地は、米国ニューヨークの金融サービス業であった。

 一般に言って、社会主義社会を指向する市場経済を推進するベトナムにとって、資本主義のメッカと言われる米国をモデルにすること自体が検討に値する。利益最優先の弱肉強食の市場経済が、果たしてベトナムにふさわしいのであろうか。これに対して同じアジア諸国としてベトナムと日本の極めて高い親和性・共通性・類似性は無視されえない。いったい本当のパートナーは誰なのか。

 さらに日本のサービス業は、けっして米国に優るとも劣らない。日本の「おもてなしの心」は世界に誇る水準である。このサービス精神の根源は「儒教」にあり、それは日本とベトナムに共通している。ただし日本人のアジア蔑視は、米国人以上に大きいのかもしれない。それが日本人に対する信頼を弱めているとも考えられる。 

 それにしても、日本のODA資金で日本に研修に招待されながら、米国について質問するとは、ベトナム人研修生のプライドには関心した。来日早々であるから、圧倒的な日本とベトナムの経済格差に対する「気後れ」を紛らわすための質問であったと私は理解している。

 同様にベトナム人が誇りに思っていることは、いわゆる「ベトナム戦争(抗米救国戦争)」で自国が米国に勝利したことである。「日本は米国に負けましたが、ベトナムは米国に勝ちましたから・・・」。この主張について私は、かつての帝国海軍が誇るゼロ戦・紫電改そして戦艦大和・戦艦武蔵の話をすることにしている。旧ソ連や中国の兵器を借りて米国と戦ったベトナムと、自国で開発した兵器で戦った日本では経済力と技術力に格段の相違がある。ベトナムは提供された兵器を独自に改良したという事実はあるが、開発技術と改良技術は本質的に相違している。

 なお附記すれば、けっして私は戦争を賛美しているわけではない。こういった兵器の背景にある技術力の相違を指摘している。科学力・技術力の平和利用は当然であるし、その戦争利用に私は絶対反対である。 

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2009年7月25日 (土)

ラオス清掃ボランティア活動の説明会と打ち合わせを開催

 第7回目ラオス清掃ボランティア活動の最終説明会を神戸学園都市のユニティで開催した。去る7月11日の第1回説明会に参加してくれた神戸市外国語大学の学生の人徳と人脈によって参加者が増えた。

 神戸市外国語大学4名、流通科学大学3名、甲南大学1名の合計8名である。4回生が1名、3回生が6名、1回生が1名である。さらに流通科学大学「生涯学習の会」会員1名が社会人として参加される。また後半の活動では、「箕面船場ライオンズクラブ」の皆さんの何名かも参加して頂くことになっている。久しぶりに賑やかな陣容である。

 神戸市外国語大学の中には1年間のカナダ留学を終えた学生もおり、今年の現地活動は多様で深化した内容が実現できそうである。こういうボランティア活動の水準は、学生が主体であるから、ほとんどは学生の力量に依存する。それが良いとか悪いという問題ではなく、それぞれの学生が満足して、それぞれの学生が飛躍・成長すればよいと思う。

 現地集合の現地解散。自分のことは自分で責任をもつ。かなり厳しいルールのように思われるが、それは当然である。せっかくの海外旅行で自分の自由時間をもてないのは「もったいない」し、自分の責任をもてない人が、他人のためのボランティア活動などできるはずがない。

 こういう原則を納得しての参加であるから、大いに私は学生に敬意を表したい。こうなると私も俄然と元気が出るのである。今年の夏は例年になく熱くなりそうである。

 

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2009年7月24日 (金)

「企業論」の最終講義から:予想試験問題の解説

 7月24日(金)は補講日であって、「企業論」の補講2回を担当した。これで流通科学大学の講義は終了である。依然として公開講義の科目「アジアビジネス特論」という講義が2回残っているが、ほぼ「山場」を越えた。いよいよ著書の執筆に集中できる。

 上記の補講では、前回の試験問題を配付して、その解答を解説した。そして最後に「これと同じような問題が出題されるから、ちゃんと勉強してね・・・」というメッセージを学生に送った。中間試験はレポート書いてもらっているから、期末試験はマークシートによる選択式の解答である。その問題は、たとえば次のようである。

 時価会計について誤った説明は次のどれか。
①時価会計によって企業の資産評価は安定し、企業の評価に及ぼす影響は小さくなる。
②時価会計は、企業が保有する資産を決算時の時価で評価することである。
③時価会計の導入前の日本企業は、取得原価で資産を評価していた。
④時価会計の導入によって「含み益」や「含み損」が消滅した。
⑤時価会計の導入によって株式持ち合いの解消が促進された。

 この解答は①である。このような問題が50問出題されて、試験時間は60分である。大学生の学力低下が問題視される昨今、学生を厳しく指導するのは当然という風潮になっている。将来の就職は容易でないし、在学中の勉強も厳格化される。まさに学生受難の時代である。

 経済成長のための重要課題が「人材育成」ということは、特にベトナムに限ったことではなく日本も同様である。

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2009年7月23日 (木)

JICA大阪:ベトナム人研修の講師を引き受けた

 7月23日(木)は、ベトナム日本人材協力センター(VJCC)ハノイの講師候補および副所長で構成された研修生7名の講師を引き受けた。

 研修生は貿易大学(ハノイ)の若手教員であり、ともかく話すのが大好きな人々ばかりであった。一般にベトナムでは演説が長いほど有能であると評価されているので、ともかく話が長い。その調子に合わせてしまって私の話も長くなる。

 研修生のリーダー格は、銀行・金融学科学科長のトー先生、それに続いて経営管理学科副学科長、プロジェクト管理部部長、研修管理部副部長、研究協力センター所長と続く。

 いずれも日本は初訪問である。約1週間後に中間報告会に参加するのだが、それぞれの研修生の印象が楽しみである。

 この研修の実施機関は、PREX(財団法人 太平洋人材交流センター)である。約1ヵ月に及ぶ研修であるが、その主な焦点は「裾野産業育成」である。大阪のみならず東京にも足を伸ばす企業訪問は日本人研究者でも稀有の調査活動である。

 「皆さんに私が同行すれば、おそらく論文を2本は書けますよ」と研修生に刺激を与えた。おそらくテーマは「世界同時不況下の中小裾野産業企業の現状と課題」、その次は「日本における裾野産業のベトナム移転の可能性」といったことになるであろう。

 「ぜひ私に、皆さんの見聞したことを教えて下さい」と述べて研修を終えた。貴重なODA資金を使用したベトナム人向けの研修である。その大きな成果が期待されるし、そのために指導する日本人講師陣の使命も重大である。

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2009年7月22日 (水)

高く評価されてよい韓国版『白い巨塔』

 これまでにも紹介したが、韓国版の『白い巨塔』は日本の田宮版・唐沢版を超える出来映えである。私は韓国版DVDを何度も見ているが、その度に感心・感動する。

 日本語のブログの中には、また韓国の「パクリ」だというコメントがあるが、おそらく実際を見ない先入観だけの意見である。日本から正式に版権を取得している韓国版のリメイクであり、その脚本・演出・配役は日本版に優るとも劣らない。

 柳原第一外科医局員の親友であり、里見助教授に近い存在の竹内医局員が唐沢版では佐々木蔵之介であるが、韓国版では女性のハー先生になっている。彼女が魅力である。

 特に日本版の里見助教授が大学を去る場面でのハー先生は輝いている。この場面で初めてハー先生はメガネを外して涙を流す。眼鏡をかけた秀才の女性医師が、本当は情感あふれる美人であることが示される。

 少し時間を取って韓国版の評価をしたいと思うのだが、残念ながら時間がない。

 

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2009年7月21日 (火)

ルア=モイを冷凍して飲む

 先日のベトナム訪問で久しぶりにルアモイを買った。これは、ベトナム産のお米の蒸留酒(ウォッカ)で、ハノイの空港で5ドルであった。

 確か7月1日から、すべての商品の表示はベトナムドン建てに統一され、違反すると罰金ということになっている。ホーチミン市内の日本人向けの雑貨店ではドル表示のままであったが、多数の店ではドン表示である。上記のような空港内はドル表示のままでよいのだろうか。次回に確認をさらにしてみようと思う。

 それはさておき、このルアモイを冷凍室に入れて、カチカチに冷やす。アルコール45度であるから凍結しない。しかし見た目は「トロ~」とした感じになる。味わいもまろやかになる。

 この味が、あのシュタインヘーガーを彷彿させる。シュタインヘーガーはドイツの蒸留酒であり、ビアレストランのキリンケラーYAMATOで飲むことができる。この店は、大阪の梅田界隈で私の好きな場所のひとつである。http://r.gnavi.co.jp/k037600/ 

 シュタインヘーガーはもちろん瓶入りで市販もされている。YAMATOでの飲み方は、やはり冷凍しておいて、ビールを飲む間に「ぐい飲み」で1杯いただく。すると冷たく強いアルコールが口と食道と胃をシャキッとさせる。そしてまた、ビールを飲み続けることができる。

 (注:「シャキッとさせる」ということは刺激が強いということであり、あまり食道や胃に良いとは言えないのだと思う。飲みすぎに注意である。)

 ルアモイはベトナムの地酒であるが、このように冷凍して飲ませる店をベトナムで私は知らない。暑い季節には最適の飲料である。ハノイのマイウェイや、ホーチミン市のドンコイ通りのドイツビール店でも、こういった飲み方が提案されてもよい。今度、私が提案してみようかとも思う。もちろん日本のベトナム料理店でも「冷凍ルアモイ」の導入は大歓迎である。

 伝統的なベトナム酒それ自体を販売するだけでなく、その飲み方も提案する。どのように売るか、どのように買ってもらうか。ルアモイを使ったカクテルが提案されてもよい。これは、ラオスのラオラーオ(蒸留酒)も同様である。こういったマーケティング的な発想が、ベトナムやラオス・カンボジアにおける輸出・販売促進に不可欠になっているのだと実感する。

 暑い夏に「冷凍ルアモイ」をチビチビ飲みながら原稿を書く。ひと時の楽しみである。

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2009年7月20日 (月)

ベトナム料理を賞味しながらベトナムを語る会

 去る7月16日(木)に表題の会が開催された。ベトナム料理とベトナムを共通の話題として数ヶ月に1回、同好の人々が集まろうという会である。

 この会は、もう10年近く前にJETROハノイにおられた朝倉俊雄さんが提案された。もともとベトナムOB会という性格があったが、女優の三林京子さんも参加されたりして、幅広い人々の集まりとなった。

 今回は、宝塚国際交流協会やベトナム友好協会の方々が出席され、総計で16名ほどになった。前前前の宝塚市長であった庄司さんもお越しになられた。庄司市長には、前公使のリヨンさんと日本ベトナム経済交流センター理事長(当時)の人見さんと一緒に宝塚市役所に面会に伺ったことがある。その時から宝塚市とベトナムとの国際交流が始まっている。

 その当時、宝塚歌劇のベトナム公演といった話題で盛り上がったことを記憶しているが、ベトナム人にとって宝塚歌劇は時期尚早という判断であった。

 今回の「会」では、そのリョン前公使のご子息であるアイン領事(在大阪ベトナム総領事館)の出席を賜った。偶然というか、縁というか、不思議な巡り合わせである。

 ベトナム料理店は、レストラン・リヴゴーシュ。http://r.gnavi.co.jp/k208601/
大阪市営地下鉄・淀屋橋の11番出口を出て、斜め左前に見える芝川ビルの地下1階である。日本人のシェフというのだが、本場の味を維持していた。ベトナム人であろうが、日本人であろうが、美味しければよい。

 平日であるにもかかわらず、店内は若い女性が多く、ベトナム料理の人気が実感できた。このような会をまた開催したいと思う。幅広い人々の出逢いの場になれば嬉しい。

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2009年7月19日 (日)

大学教授と企業経営者:その兼務の意義を考える

 私は大学教授という肩書きを頂戴しているが、それとは別に日本とベトナムに会社を設立し、その経営者でもある。これは公言していることであり、大学の人事課にも届けている。

 経営学さらにビジネスを教育・研究している私の立場からすれば、この会社設立は、今までのところ大きなプラスの効果があると自己評価している。例えば昨年からのベトナム現地法人ロータス投資運用会社の増資募集を通して、経営者の役割の重要性を理解できた。

 それは、一般に言えば、会社の目的達成に対する「執念」が経営者にとって不可欠なことである。会社の目標の途中で従業員なら妥協してしまうことを、経営者であれば最後まであきらめない。また、あきらめてはいけない。それが目標達成の前提条件である。

 (注:上記のロータス社の増資は無事に完了し、ベトナム国家証券委員会からの認可を継続して受けて活動している。)

 経営者に「執念」がなくなれば、それは経営者として失格ではないか。経営者は、会社の理想や目標に対する強い信念や意志を保持しなければならない。このことは、従業員に経営者と共有した「執念」を持たせることによって会社の業績が左右されるということを意味する。従業員のモーティべーション向上が企業経営にとって最重要の課題である。

 このような主張は大学教授ならだれでも論理的に理解できるが、それを私は体験から実感できたことに意義を見出している。最も単純に言えば、理屈よりも体験に基づいて講義した方が、受講生にはより大きな説得力をもつという意義である。

 これは「形式知」と「暗黙知」という知識の特性の相違という観点からも説明できる。前者が論理的・演繹的な知識であるとすれば、後者は体験的・帰納的な知識である。両者の相互補完・相互作用の中で事実に対する認識が深まり、その理論化が進展する。この双方の知識の提供が大学でも企業でも望まれる。

 これが経営学=ビジネスの教育と研究の本質ではないかと私には思われる。この観点から言えば、学生の企業実習であるインターンシップは、大学での「形式知」と企業での「暗黙知」の交差点の役割を果たさなければならないと思う。他方、企業人=ビジネスパーソンの研修(ビジネススクール)は、こういった観点からのカリキュラムが望ましい。

 流通科学大学でも実施しているが、昨今のインターンシップは学生と企業の双方にとって就職のための事前活動になってしまっている。本来のインターンシップは、大学と企業の双方に知的な刺激と前進をもたらすはずである。

 こういったインターンシップの実施が「実学」に通じるとみなされる。その実現に向けて徐々にではあるが努力してみようと私は考えている。そのためには、双方に通じた調整者が求められる。私の「兼務」は、そのノウハウ蓄積に貢献するかもしれない。 

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2009年7月18日 (土)

ベトナム為替レートの疑問点

 昨日、最近の為替レートの動向を紹介した。その数値と、ベトコムバンクのHPに記載されているレートが相違しているという以下のようなご指摘を頂戴した。

 ベトナムバンクによれば、7月17日のレートは、1円=192.28ドン、1米ドル=17,809ドンである。この1週間ほどは、ずっと円高で190ドン台となっている。この為替レートの相違の理由は何か?

 この回答は単純である。私の為替データは中央銀行(ベトナム国家銀行)のレートであり、それ以外の為替レートは、各銀行によって数値は様々である。これは日本も事情は同じであろう。基準レートは公表されているが、実際のレートは銀行・チケットショップ・旅行会社などによって為替レートは一律でない。ベトナムも同様である。

 為替レートの相違の理由は、以上の通りである。ただし、ここで私自身の疑問がある。

 この相違は、手数料の多寡による相違なのか、それぞれの外貨販売店の外貨需給量の相違なのかという問題である。 

 例えばベトナムの場合、取引先に輸入企業が多い銀行ではドンから米ドルへの転換が活発である。したがって他銀行に比較して「ドン安」にレートが設定される。実際に、こういうことが行われているのであろうか。

 一般に言って、ベトナムの銀行は、自行内の外貨を管理するために、その手段として為替レートを自由裁量で決定しているのかどうか。この問題について、現地に問い合わせてみたい。その回答は、後日に報告いたします。

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2009年7月17日 (金)

ベトナムの金利と為替相場に関する私見

 ベトナム株式市場は回復基調であるが、ドン安が進行中である。また、かつての高金利は、インフレの沈静化と景気刺激策のために低下している。長期持続によってリスクを低減している投資家にとっては、やや気になることである。

 ベトナム現地法人・ロータス投資運用会社http://www.lotusimc.com/)からの情報で金利と為替の動向を確認しておこう。

 現在の普通預金の金利は2.5%~3.0%である。定期預金については、世界同時不況が顕在化した直後の2008年10月の利息は約15.8%であったが、現在は半減して約7.1%~7.7%と変動している。

 昨年2008年10月31日付け中央銀行が発表した為替レートは、1JPY(円)=167.86VND。同じく中央銀行が発表した連邦銀行為替レートは、1USD=16,511VND。

 2009年7月17日の為替レートは、1円=180.82VND。1USD=16,961VND。日本円とベトナムドンでは、約8%、USDとベトナムドンでは、約3%の下落である。米ドルに対する円高が進んでいることを反映している。

 ただし、購入為替レートと売却為替レートの相違が大きいことに注目しなければならない。
例えば、2008年10月1日に1000円をベトナムドンに両替した場合(為替レートはJPY/VND=152.17)、両替後に受け取る金額は15,2170VNDである。

 この金額を普通預金にすれば、金利を年間2.5%として、2009年6月には155,023VNDを受け取ることができる。現在の銀行の売却為替レート(JPY/VND=197.32)で両替すれば、785JPY(円)となる。そうすると約21%の減価となる。

 このような円高による損失の影響を最小に回避するためには、VNDまたはUSD建ての資金運用を検討すればよい。

 私見では、米国経済の構造的な改革と回復が近い将来に進展し、ドル安(=円高)が、ドル高(=円安)に転換することは十分に予想される。この意味で私は「円安」論者である。現代日本の政治的な低劣性も「円安」要因であると思われる。

 またベトナムで2008年に見られた「ドン高」の再来もありうる。これは、外国投資の増大に対するドン通貨不足が原因であった。ドン高は輸出企業の損失を招くから、ドン安をベトナム政府は誘導したが、それによって20%を超えるインフレが発生した。ただし、このインフレは原油高という要因も加わったからである。

 この事例から、ベトナム政府はインフレ抑制の重要性を学んだはずである。インフレとドン高の双方を抑制するという微妙な金融政策の舵取りの中で、将来にドン高が再来する可能性もある。

 

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2009年7月16日 (木)

学生からの講義アンケート

 学生にする講義アンケートを実施することが多数の大学で普通になっている。私の勤務先の流通科学大学では、その講義アンケートの結果も「年収査定」の項目に含まれている。

 大学建学の理念として「実学」の追求する大学では、こういった評価も必要なことであり、それは文部科学省の方針でもあるようだ。

 さて、そのアンケートの中に「先生は、自分の意見を言いすぎる」という自由意見があった。講義の内容が偏向することは問題であるから、当然、標準的な教科書を私は使用している。その教科書をそのまま講釈すれば、わざわざ講義を受ける必要もないと思って、自らの意見を私は述べているのだが、それが気になる学生もいると解釈される。

 最近、こういった大学生が多いのではないか。自分の意見ではなく、大勢の意見に順応する。それで安心する。もちろん、この風潮に反対する学生も存在するが、その割合は時代の趨勢と共に変化する。

 教授とは英語でProfessorである。この語源のprofessとは、「公言・明言・告白」するという意味である。自分の意見を「profess」できてこそ教授なのである。私は、このことを前理事長の中内功から聞いた。「流通革命」の指導者であった中内功だからこその指摘である。

 常識的なことをしていて利益はない。創意工夫が必要だ。これはビジネスの鉄則と思われるし、それを私は指導してきた。しかし、それを理解しない学生がいる。これは私の力量が不十分と反省しなければならない。もっとも私の講義は毎回の出欠を取っていない。部分的に私の講義を受けた学生が、上記のように思っても不思議ではないとも思われる。

 

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2009年7月15日 (水)

「大阪府港湾協会」総会で記念講演する

 大阪府港湾協会http://www.osakaprefports.jp/index.php)の平成21年度通常総会が7月14日(火)にリーガロイヤルホテル堺で開催され、私は記念講演として約1時間ほど「2015年アセアン共同体に向けた現状と展望」というテーマでお話をさせていただいた。

 アセアン憲章が2008年12月15日に発効し、さらに「アセアン諸国+6カ国」のFTA(自由貿易協定)によって32億人の経済統合が実現するという大きな動きを紹介した。さらに中国の「南下政策」は、メコン川流域国に及んでいることも指摘した。本ブログで取り上げたラオスのセポン鉱山の開発権利が、オーストラリアから中国に移転したという記事は本ブログから引用した。その後にベトナム・ラオス・カンボジアについて各国の経済事情をお話した。

 ベトナム・ラオス・カンボジアの中では、当然と思われるが、港を持たない内陸国ラオスの情報については大阪府港湾協会の会員の皆さまは寡聞であったようである。しかし港をもった国々(ベトナム・カンボジア・タイ・ミャンマー)を結ぶ東西経済回廊を始めとする陸路の整備が進展すれば、けっしてラオスも無視できない。

 なお今回、港湾協会の方々の前でお話しするということで、JETRO『ASEAN物流ネットワーク・マップ2008』JETRO(日本貿易振興機構)の一部を参照した。この書籍は秀逸である。その具体的・実証的なデータ提供は敬服に値するとともに、それだからこそ実務に有益である。

 私は来年にメコン川を雲南省・昆明からベトナム・カント-まで「川下り」することを計画している。これは私の時間と資金に依存する課題であるが、その可能性を追求したいと思っている。この場合の着眼点を上記の著書から頂戴することができた。

 大阪府港湾協会の皆さまには、私の研究対象であるベトナム・ラオス・カンボジアのビジネス環境について、広く紹介させていただける機会を頂戴したことに感謝を申し上げます。それと共に最後になりましたが、同会のご発展を心からお祈り申し上げます。

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2009年7月14日 (火)

三重苦はちょっと辛い

 ベトナム訪問前から「五十肩」のようだった。最初に左肩が痛くて、筋肉痛のように思ったが、どうもそうではない。その後に右肩も違和感が出てきた。帰国後には「歯痛」が発生した。さらに軽い「ぎっくり腰」になった。まさに今は三重苦である。

 この中で歯痛の原因は虫歯ではなく、歯の摩耗による噛み合わせ不良ということであった。左右で歯の形状が異なっており、左側が尖っていて痛みが伴うようだ。

 五十肩はだれもが経験し、整形外科で治療すれば治ると聞いた。ぎっくり腰は次第に痛みは軽くなってきた。

 これまでの「疲れ」が蓄積しているのだと思う。こういう場合に、いつも思い出すのは和倉温泉の加賀屋である。「温泉に入ってゆっくりしたい」。最近の『日経ビジネス』によれば、この加賀屋が台湾進出するそうである。

 加賀屋に初めて宿泊したのは30年以上も前である。私が大学生の時であった。金沢市出世員の収納くんと一緒だった。大学の学部1年生の時から彼は親友だったが、大学院生の時に他界した。彼のために遺稿集を出版し、その中で「彼の分まで頑張る」と書いたことを今でも鮮明に覚えている。

 「彼の分」まで頑張ってきたかどうかは証明不能だが、通常よりは少し頑張ったのだと思う。ゆっくり加賀屋で時間を過ごす。身体が辛いときに常に思うことである。

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2009年7月13日 (月)

ベトナムの経済成長:日本の「いざなぎ景気」との比較

 戦後日本は数回の経済成長の時期を経験している。その最も高い成長は、1965年~1970年の「いざなぎ景気」である。年平均の成長率が10%を超えた。今から思えば、夢のような好景気である。物価も高くなったが、賃金も増えた時代である。

 ちょうど、この日本の時期が現代のベトナムに類似していると単純に考えることがある。当時の日本ただし、この時期の日本と現代のベトナムでは大きな相違がある。、

 当時の日本の経済成長に寄与した主要な要因は、個人消費、民間の設備投資、政府需要であった。それが2002年から最近までは、輸出が大きく経済成長に寄与してきた。経済成長を輸出に依存するようになれば、世界経済の動向に緊密にリンクし、経済が不安定化するのは当然である。

 これに対して現代ベトナムの経済成長はどうか。経済成長の要因を分析した計量経済学的な分析を私は知らないが、おそらくはODA(政府開発援助)FDI(海外直接投資)に依存しているのではないか。

 輸出も経済成長に貢献しているように思われるが、ベトナムは貿易赤字であるから、輸出が増えれば、輸入も増加する経済構造である。その典型は「委託加工」(CMT:Cut, Make and Trim)型の輸出産業である。完成品の輸出が増加すれば、その原材料の輸入も増加する。これは、経済成長に大きく寄与しない。

 以上のようにODA・FDIという外国経済に依存した経済成長は不安定であり、経済成長を単純に喜べない。日本の「いざなぎ景気」の時期のように、国内需要が経済成長を牽引することが理想である。これは、いわゆる堅実・確実な経済成長とみなされる。

 実はベトナムにも、こういった機会があった。2001年に株式市場が開設されて以来、民間企業が増加し、それらの上場によって調達された膨大な資金が存在した。その資金が、設備投資・技術革新・技術導入・人材育成に使用されていれば、ベトナム経済は今以上に飛躍的に発展したはずである。

 しかし現実は、不動産投資や証券会社設立などの投機的な投資に直接金融による調達資金が使用されたと概観されうる。これを単純に言えば、調達資金が本業ではなく、投機的な多角化のための投資されたのである。多角化された分野は企業間の競争が激化し、結局は撤退・廃業となる。

 このようなことがベトナムで発生した理由は、政府が市場経済化を意識する余り、民間投資の自由に任せ過ぎたからであると思われる。ベトナム政府は、かつての日本のように産業政策を確定し、民間投資を誘導すればよかった。これは今からでも間に合う。この意味で、ベトナム政府は市場経済の運営について、次第に経験を積んでいるとみなされる。

 

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2009年7月12日 (日)

「メコン総合開発」推進のために求められること

 『日本経済新聞』(2009年7月11日)によれば、東アジアの広域開発計画「産業大動脈構想」が実現に向けて動き始める。インドシナ半島5カ国(タイ・ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー)と日本が参加する閣僚会議が8月にバンコックで開催される。また秋には東京で初の「日メコン首脳会議」が開催の予定という。

 メコン川流域国の開発については、15年以上も前からCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)の支援がアジア発展の「要(かなめ)」として認識されてきた。その後の東西経済回廊・南北経済回廊・南部経済回廊のインフラ整備と共にインドシナ半島全体の「メコン総合開発」が浮上してきた。

 そこでは「産業集積の厚みを増すため、部品産業の育成なども検討課題となる」と指摘されている。各国が別々に産業政策を策定することの非効率を避けるために日本が調整役を果たすことが意図されているように思われる。

 この場合、2015年の「アセアン共同体」成立が考慮されることは当然である。たとえばベトナムでは部品産業=裾野産業の育成が課題となっているが、そのすべてを担うのではなく、いくつかの分野はラオスやカンボジアに配置されてもよい。このような「棲み分け」が実現するためには、各国における産業的な競争優位性が各国相互に理解されなければならない。

 そのためには客観的・論理的かつ総合的な経済・産業分析に基づく提言が必要とされる。私見では、この「総合的」とは、各国別の産業政策の提言ではなく、ラオス・カンボジア・タイさらに中国を視野に含めた地理的な総合性と、経済のみならず政治・社会・文化的な要因を考慮した総合性を兼備した意味でなければならない。

 この総合的な政策提言が論理的・説得的であることが、「メコン総合開発」の成否を左右するであろう。この計画・構想を提案・主導する日本の役割は重要である。

  

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2009年7月11日 (土)

いよいよ原稿の完成間近:「メコン川流域ビジネスが熱い」

 昨年からの懸案であったカナリア書房近刊の拙著『メコン川流域ビジネスが熱い』の原稿の脱稿が近い。

 拙著は、3部構成である。ベトナム編・ラオス編・カンボジア編。見開き2頁に1つの項目という読みやすいビジネス書になっている。また最後に、カンボジアとラオスの証券取引法の全文を付録にしている。

 メコン川流域3カ国については、いくつかの著書が出版されているが、いずれも編著であって、簡単に言えば「論文集」である。これに対して拙著は、少なくとも私自身が3カ国について五感と時間とお金を駆使して収集した情報・データに基づいている。

 各国の専門家からのコメントを受けるためにも早く出版しなければと気になっていた。この夏休み前に脱稿することを決めている。

 メコン川流域ビジネスが熱い。現実は、その通りである。ご期待とご購読とご批判を歓迎いたします。おそらく8月末から9月上旬に店頭に並ぶと思います。

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2009年7月10日 (金)

なるほどベトナム:目からウロコの新ビジネス

 ホーチミン市滞在中にベトナム在住の梅田伸之さんと電話でお話しした。ブレインワークス社・近藤社長のご紹介である。梅田さんは、株式会社マグエックス社から出向されており、ベトナム現地法人:QUICK QUICK Co.,LTDで.海外購買を担当されている。

 株式会社マグエックス(http://www.magx.co.jp)は、プラスチックマグネット(自動車の初心者マークなどに使用)の製造会社であり、ベトナムではアマタ工業団地(ホーチミン市郊外)に8年前から現地法人を設立・操業している。

 その後の2007年に、文具・生活用品など各種オフィス・工場で必要な製品のカタログ通信販売会社(QUICK QUICK Co.,LTD.)を新たに設立して現在に至っている。

 このQUICK QUICK社は、まさにベトナムにおけるベンチャー事業である。その発想は顧客の価値を創造することである。この顧客とは親会社のマグエックス社も含まれている。つまり、先に進出したマグエックス社自身が遭遇した不便や不都合を解消するための工夫をビジネスまでに発展させたのである。

 具体的に同社の業務内容は、在ベトナム企業に対して様々な消耗品(文具・コピー用紙・ホワイトボード・トイレットペーパー・シュレッダー・清掃用品・コーヒー紅茶・水など)を配送することである。日本企業で言えば、「アスクル」や「たのメール」等のオフィス・工場用カタログ通信販売が業務である。カタログから様々な物を選んでFAXで簡単に注文できるシステムとなっている。

 このような事業創造は、ベトナムにおける次のような消耗品購入時の問題解消が契機となっている。

① ベトナム人購買担当者がメーカーからリベートを受け取っていたりするために購買価格が不透明になる。
② ベトナムの消耗品の相場が不透明である。
③ 消耗品の購入ロットが大きいので不良在庫が増え、キャッシュフローに影響する。
④ 必要な探し物が簡単に見つからない。

 QUICK QUICK Co.,LTDでは、このような問題を解消するために、予め価格がカタログに明記されている。また商品は全て写真付のカタログに収められており、簡単に見つけられる。さらに全ての商品は最低ロットで配送されるので、不良在庫を極限にまで圧縮することができる。そして価格設定は、現地サプライヤーよりも安価であり、価格優位性が存在している。

 マグエックス社は、ベトナムにおける製造業としての実績を積みながら、その間の経験を生かし国内販売の新会社を立ち上げた貴重な事例と考えられる。ベトナムは製造業のみならず、国内販売市場としての魅力も増大している。同社の事例は、今後のベトナムビジネスの将来の可能性を提示している。

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2009年7月 9日 (木)

A Witty Conversation in Vietnam

When I was in Hanoi on 6 July, I visited Lotus IMC Co. Ltd. (http://www.lotusimc.com/) to talk with Mr. Son, chairperson, and Mr. Tai, president.

During that conversation, Mr Tai said, "SUCCESS cannot be spelled without U (you)." I replied, "CHANCE can be turned into CHANGE with T (meaning teamwork)."(The capital letter G is C with a small T)

Vietnamese people like these play on words, but it is difficult to give a witty reply. I had another experience during my stay in Vietnam. I said to my former colleague at the National Economics University in Hanoi, "Recently I feel like I need more vitamine C." She replied, "I always need vitamine A (Anh meaning man)." So I said, "I also need vitamine E (Em meaning young woman)."

In doing business in Vietnam, such a witty conversation may be the key factor to success.

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2009年7月 8日 (水)

企業論:株式会社ACSH曹社長の特別講義

 昨日、7日午後に私が担当する企業論の講義では、学外の特別講師の講演会を開催した。その概要は以下の通りである。

 講師 曹 一道(ちょう はんぎる)氏 株式会社ACSH代表取締役
 会社概要 http://acsh.jp/corp/index.html
 論題 なぜ起業=ビジネスするのか?
   ――レンタルサイクル業からIT・金融・環境ビジネスへ――

 曹氏は在日韓国人として生まれ、立命館大学を卒業後、コンピュータ会社に内定するも辞退し、フリーター、京都の劇団員、そして自転車レンタル会社経営、株式投資売買ソフトの販売、そして現在はバイオエネルギーの栽培ビジネスをラオス・カンボジアなどで展開されている。現在、36歳の新々の若手経営者である。

 曹氏のご講義で最も納得し感激したことは、次の文言である。

 何が「かっこいい姿」かという美意識=人生観を明確に持ち、理想の姿に素直に憧れ、そのために学び、そして行動レベルで実践に移すことを私は心がけています。

 曹氏は30歳代半ばであるが、こういうことを言えるからこそ企業経営者=起業家として成功しているのだと実感した。

 この「美意識」とは、自分の理想または夢であると思う。ただし、たとえばサッカー選手になりたいとか、高校野球の監督になりたいとかいうことも「夢」であるが、それは単なる職業の夢である。そうではなく、美意識とは人間としての気概・矜恃・信念という範疇に含まれる夢であると思う。簡単に言えば、曹氏の指摘するように何が「かっこいい」かである。

 私は学生に「夢を持ちなさい」と言ってきたが、それを「美意識をもちなさい」と言い換えた方が学生には伝えやすいと思われた。

 また「下りのエスカレーターを昇るために頑張るのではなく、上りのエスカレーターを昇る方が速度は速くなる」。これも至言である。経済停滞する日本を含む先進国よりも、経済成長するアジア諸国のビジネスで頑張ることが楽しい。

 ビジネスそして人生には「メンター」(良き助言者、指導者、顧問)が必要である。人生には人生の師匠が必要である。その出逢いを求めなければならない。これも感動の名言である。

 そして最後に、自分が今、何をしているかということを問い、その自覚を持って生きる。「いったい私は何をしているんだろう?」。こういった自省がなければ、人間は進歩しないであろう。

 さらに言えば、過剰なまでの「自省」は「インテリ」の証明である。これは私の恩師の一人である故・松井和夫氏(日本証券経済研究所主任研究員,大阪経済大学教授)の遺訓でもある。

 曹氏から多くのメッセージを賜った。貴重なご講義に感謝を申し上げたい。

 

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2009年7月 7日 (火)

関空に帰ってきた

 7月7日早朝に関空に戻ってきた。今日は午後に講義が2つある。以上、終わり。

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2009年7月 6日 (月)

ベトナムでの成功要因と贈り物・・・・・・

 今、ハノイである。日曜日の夕食ではハノイ国家大学のマイ(Nhuan Truong Mai)学長ご夫妻とご一緒した。新任の教育訓練省次官の就任パーティーと掛け持ちで顔を見せていただいた。

 マイ学長とは4,5年前にお目にかかり、家族で食事をしたことがある。その時のマイ氏は学長になる前の副学長になる前の立場であった。正直に言って、こんなにエライ人になるとは思わなかった。気さくで柔和な表情は昔のままである。日本では神戸大学大学院の自然科学系の研究科で勉強されたこともあり、かなり日本語も話される。

 ベトナム人から以前に聞かされたことであるが、ベトナムで成功するためには「友人に恵まれる」ことと「賢明な夫人」が必要だそうである。これはマイ学長ご夫妻にも妥当するように思われたが、日本でも同様であろう。友人と家族は仕事において重要な成功要因である。

 なおベトナムのお土産で「ペーパーナイフ」などは厳禁ということを聞かされた。日本でも結婚のお祝いに「包丁」が「縁も切る」という意味から嫌われたりするのと同じである。これは勉強になった。率直に助言をしたいただける友人に恵まれて嬉しかった。

 たとえば日本でも贈り物としての「ネクタイ」は「クビを絞める」という意味からと嫌われたりする場合がある。これまで私は多数のネクタイをベトナム人からもらったことがあり、私自身は気にしないが、それを不快に思う日本人がいるのかもしれない。

 私見では、ネクタイは「縁を結ぶ」に通じて贈答品に最適と思うのだが、忌み嫌う人は何人ぐらい日本人にいるのだろうか。

 日本では「お中元」の時期である。今だからこそ、この質問を複数の百貨店の販売員に質問してみるとよい。納得できる説明をしてくれる販売員が働く百貨店は、人材教育が十分な信頼できる店であると判断できる。

 最後に、昨日紹介したラオスの清掃ボランティア活動については、流通科学大学のHPで、これまでの参加学生の紹介も含めて紹介されている。参照していただきたい。http://www.umds.ac.jp/news/2009/jun/0626_01.html

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2009年7月 5日 (日)

ハノイに移動:ビッグCの活況に驚く

 土曜日の午後にドンズ-日本語学校のホエ校長先生・伊藤先生のご厚意によって、流通科学大学の入試説明会を同校で開催した。40名を超える学生が集まってくれて熱心に話を聞いてくれた。ここでの最大の問題点は、入学金や学費の納入の不安である。

 日本には各種の奨学金制度があるが、入学前に納入しなければならない学費までをカバーするような奨学金は国費を除いて存在しないようである。入学後に4月から遡って奨学金が給付されるのだが、それでは遅すぎる。入学前に納付しなければならない入学金や前期学費は、やはり自分で用意しなければならない。

 ベトナムのような発展途上国の大部分の学生にとって日本は、奨学金の受給生の便宜を考慮した制度になっていないことは確かである。それでも留学生は来ているから問題ないという現状肯定の発想では、「顧客価値の創造」はできないであろう。この場合の「顧客」とは、もちろん留学生のことである。

 日曜日の午後にホーチミン市からハノイに移動した。ハノイは朝から雨だそうで、かなり涼しく感じた。午後からケーキ店ポエメの鈴木さんにお世話になり、市内を視察した。ビッグCのスーパーを訪問したが、その来客数と品揃えに驚かされた。

 私は、在日ベトナム人女子留学生用に「オーマイ」を買った。また自分用には、ビールの「おつまみ」のピーナッツを1㎏、また海老の塩辛も買った。さらにビッグC専用の「エコバック」も購入した。

 この「エコバック」もしくは「マイバック」の普及運動は、今年で7回目になるラオスの清掃ボランティア活動の昨年からの課題である。そのサンプルを8月に訪問するラオス訪問で持参するという購入目的である。

 これまで私は、宿泊ホテル近くのビンコムタワー内のスーパーで買い物を済ませていたので、ビッグCの店内に入るのは初めてであった。ホーチミン市のロッテマートよりも活気があり、品揃えも豊富である。雨の日曜日であるから、通常よりも人出が多いのだと思われるが、それでもベトナム人の消費意欲の旺盛さは実感できた。

 かつてのチャンティエンプラザが完成したときは、新しいショッピングセンターとして見物客は多かったが、実際の買い物客は少数であった。その後にビンコムタワーができて、やはりホーチミン市からの企業は営業が上手いと感心もした。その時に既にMETROもあったが、同店は卸売りであるから品揃えが必ずしも豊富ではなく、大量買いが原則であった。

 今回のビッグCを見て、ベトナムの消費市場の着実な成長と今後の拡大を確信した。東南アジア最大の消費市場としてベトナムは確実にその歩みを始めている。 

 

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2009年7月 4日 (土)

ロッテマートも確実に来店客が増えている

 土曜日の午前中に南サイゴンに位置するロッテマートを訪問した。兵庫県が主催する「大学洋上セミナー」に昨年参加したタム(Tham)さんと、タムさんの友人のフォンさんが同行してくれた。

 昨年8月に大学洋上セミナーで私は神戸からホーチミン市まで「ふじ丸」に乗船した。その船上講義の間に私と一緒に撮影した写真をタムさんは見せてくれた。ベトナム人にとって日本を訪問したということは、今さらながら大きな影響を及ぼしていることを実感した。

 私の自宅にホームステイした2人のベトナム人学生のハンさんは仕事が忙しく、またウェンさんはダナンで働いており、今回は会うことができなかった。以上の4名は貿易大学(ホーチミン市分校)の4年生であり、卒論を書いてその審査を待っている状態である。すでに仕事を始める学生もいるし、適当な仕事を探している学生もいる状態である。

 なお昨日から7日までベトナム全土で大学入試の日である。大学の教室が不足しているために小中学校の会場も借りて試験を実施するそうである。特にハノイでは全国から受験生が集まり、騒然とした雰囲気になっているということである。

 さて今年3月に訪問したロッテマートは全体として閑散とした様子であったが、今日は特に食品売り場が賑やかであった。何人かの来店客のカートの中には生鮮食品が積まれていた。曜日と時間帯によって来店客は相違するから正確ではないが、昨年12月の開店以来、確実に来店客が増えているように思われた。

 フォンさん家族はロッテマートの近所に住んでいる。ということは「お金持ち」ということである。彼女のお母さんもロッテマートで買い物をするそうである。

 世界同時不況と言うけれども、ここホーチミン市の消費需要は旺盛である。ベトナム全体として経済停滞は事実であるが、ベトナム国民の活力は不変である。この活力の尺度は何か。ある人は飲食店の周辺が賑やかなことが指標になると指摘した。いずれにせよ、より実態に近い経済社会の成長力を示す尺度があれば、ベトナムは依然として健在である。

 

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2009年7月 3日 (金)

ホーチミン市の活況は健在:濃厚なスープは元気の素

 昨日、ベトナム大手企業社長と夕食をご一緒した。ベトナム料理の入門編を私は卒業しているというご配慮を賜り、新鮮な感動を覚える店であった。

 通常、ベトナム料理の入門編では外国人観光客が多い。次にベトナム人と外国人が混じり合う。新しい美味しい安い店はベトナム人だけである。

 Yeebo http://www.yeebo.com.vn 01 Le Thanh Ton,Dist.1,HCNC,Vietnam

上記の店は鍋料理が主であるが、お客のほとんどがベトナム人。この通りはサイゴン=スカイガーデンという日本人た多数在住するアパートがあり、日本料理店が軒を並べている。その中で、同店は日本人の少ない店と言える。

 この鍋料理が最高のスープである。太い豚骨の入ったスープの鍋が出てきて、その豚骨から肉の部分をそぎ落として、それをスープに戻して食べる。豚のなまこなどコラーゲンが豊富な食材を今回は注文したが、そのほかにお気に入りの魚介類や野菜を注文できる。

 最後は濃厚なスープに何種類か麺を選ぶ。また特別に、ご飯と卵を依頼して雑炊を作ることもできる。ビールを飲んで満腹して予算は1人2千円から3千円ほど。おそらく、これだけの食材が提供されれば、日本なら最低でも6千円以上の感覚である。

 この店は中国系と思われるが、その味と値段に自信があるからこその出店である。こういった発展と進歩を食事からも実感できる。世界同時不況がベトナムに負の影響を及ぼしていることは間違いが、ホーチミン市の活況を実際に見れば、ベトナム経済の発展は不変である。

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2009年7月 2日 (木)

関空から

 ベトナム訪問の主要目的は、ベトナム人留学生の入試説明会である。流通科学大学のアジア流通研究センターの山崎課長と一緒である。同センターはアジア流通の研究と同時に留学生の入試や入学後の相談などの窓口となっている。

 今日の関空の「さくらラウンジ」では、いつものインターネットの座席が満席であった。それが10時を過ぎると、いつもの静寂に戻る。午前10時前後に北京や上海の出発が集中しているからである。関空から中国という路線は活況という印象を受けた。

 今回のベトナム訪問は山崎課長のサポーターという立場である。自分の仕事・研究も同時に行う。この夏休みには長期のベトナム・ラオス・カンボジア滞在を予定しているが、その準備という意味もある。

 それにしても、朝から生ビールを飲んでゆっくりした時間を過ごす楽しみは格別である。仕事は山積して残されているが、少しばかりの休息である。ベトナムは私にとってそれ自体が安息の場所である。

 なお昨日の衆議院の外務委員会で、ハノイ日本語学校の問題が笠井議員によって質問されていた。これは、インターネットで閲覧できる。ハノイでの生情報も収集したいと思っている。

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2009年7月 1日 (水)

ベトナムでスクーターが販売好調:都市部の高額品に需要が拡大

 『日本経済新聞』(2009年6月27日)では、ベトナムの高度経済成長に陰りが見られると「暗い」報道があったが、その2日後の同紙(6月29日)では、ベトナムで「都市部を中心に所得水準が向上し、高額だが運転操作が楽なオートマチック型(引用者注:スクーター)の需要が増加している」と「明るい」報道がされた。

 一般に賃金上昇は2つの効果をもつ。一つはコスト効果であり、もう一つは需要効果である。

 最近の賃金上昇はベトナム進出企業にとってコスト増加を意味するが、それは短期的な企業レベルでの認識である。これに対して長期的には、賃金上昇は労働者の所得向上を意味し、それは全体として需要を拡大する。

 スクーター販売好調という報道は、賃金上昇の需要効果の具体的な表現である。ここで注意を要することは、賃金上昇が需要効果を経済全体に及ぼすためには、一定数の賃金労働者の存在が前提になるということである。たとえば自給自足的な農業従事者は、賃金上昇しても、その恩恵をうけない。

 ここでベトナムが農業国であることを想起すれば、農業分野において世界不況の影響が最も大きいと言えるかもしれない。農産物の輸出が停滞するからである。また、農村からの海外への出稼ぎ労働者の帰国が目立っているそうである。出稼ぎのために借金をしている場合は、その借金だけが残ることになる。

 このような農村の困窮対策が政府には緊急に求められる。ただし農村の労働力が都市部に異動すれば、農村部にも賃金上昇の効果が及ぶ。かつての高度成長時代の日本と同様である。

 それぞれの局面で経済的な困難があって当然であるが、全体としてベトナムの経済成長の潮流は不変である。こういった観点からの個々の事実の紹介が、報道機関には求められる。そうでねければ、一般読者をミスリードすることになるからである。深いまた広い事実認識のためには、大局観が必要であるということが私の主張である。

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