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2009年6月 6日 (土)

「東アジア地域研究会」6月例会で報告:龍谷大学

 関西の大学の先生の間での自主的な研究会である「東アジア地域研究会」で「インドシナ半島3カ国の最新動向:現地調査報告」というテーマで報告した。場所は龍谷大学であった。

 私の報告に続いて立命館大学・国際関係学部の桂良太郎教授が、「アジアの高齢化問題の現状と課題:ベトナムの家族の未来像に焦点をおいて」というテーマで報告された。桂先生のご報告の中では、次の点が印象に残った。

(1)国際社会および国連において日本の「部落差別」・「同和問題」の解消が注目されていること。これは、国内の差別や偏見を解消できない限り、日本が国際的に評価されないという意味である。

 私見では、一般に言って、こういった国際的な観点からの日本の人権問題が検証される必要があるのかもしれない。特に最近ではホームレスやワーキングプアの人権問題が注目される。さらに言えば、日本では普通に考えられていることが、国際的に異常なことが多々あると私は思っている。たとえば映画『逆境ナイン』では、高校野球の甲子園出場で「坊主頭」になるのが嫌で、せっかく手に入れた出場権を辞退して、サッカー部員に転身する野球部員が出てくる。

 伝統や慣行を守ることと、それを変えることには常に対立が発生する。その解決は世論の動向に依存してきたように思われるが、国際的な常識から見た日本の特殊性を自覚・自省しなければならない。

(2)アジアにおける家族の分類として、桂先生は次のような指摘をされた。中国=孝、韓国=仁、ベトナム=義、日本=忠。これらの国々は中国の儒教の影響を受けた国である。司馬遼太郎氏によれば、この儒教の影響を拒否した国々は中国にとって「蛮族」とみなされた。モンゴル人やロシア人がそうである(司馬遼太郎『人間の集団について:ベトナムから考える』中公文庫、293-294頁)。

 私見では、文化的・民族的に類似性をもった「中国周辺国」としての日本・韓国・ベトナムまでは理解できるが、その相違点を説明できない。それを桂先生は上記のように説明されたが、この区分が単純であるという批判があった。これに対して桂先生は、この区分は象徴的であり、その特徴は重複的・重層的であると述べられた。

 このような韓国・ベトナム・日本の文化的・民族的な類似点と相違点の研究は興味深い。これらの国々の相互理解に貢献することは間違いないからである。

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コメント

ベトナム在住なので(2)の点(特に相違点)とても興味深いです。桂良太郎先生のこと知らなかったので教えて頂いて嬉しいです。Xin cam on (桂を杉にすると、「すきま風を歌う人の名前に・・)

投稿: はぐれ☆ | 2009年6月 8日 (月) 11時59分

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