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2009年6月28日 (日)

ベトナム産「大粒枝豆」を食べる:(株)ピーコックストア

 2008年12月15日に日本とベトナムはEPA(経済連携協定)を締結した。EPAは、FTA(自由貿易協定)のみならず、人材交流・知的所有権保護・技術供与・中小企業育成などを含んだ広範な内容である。

 中国や韓国がアセアンと包括的な自由貿易協定を締結(2004年に中国とCAFTA2006年に韓国とAKFTA)していることに対して、日本はEPAという二国間協定にこだわっているように思われる。これは、日本がアジアの先進国としての独自性を発揮しようとしているかのようである。

 このEPAでは、ベトナムにおける次の2点のビジネスチャンスが注目される。

 第1は、日本からベトナムの輸出品の関税撤廃によって、ベトナムの裾野産業の不備が急激に改善される可能性がある。当面は日本の工業部品の輸出増大が予想されるけれども、そうなれば、ベトナム部品製造企業は日本の輸入品によって駆逐される懸念もありうる。

 このような「貿易摩擦」を回避するためには、今からベトナム企業が積極的に日本の生産技術とノウハウを導入しなければならない。そのためにはベトナム裾野産業分野における日本からの技術協力や直接投資の増大が期待される。それは日本の部品製造企業にとってもアジア展開の足がかりとなり、好ましいことである。

 第2は、ベトナムから日本への農産物の輸入拡大である。近年の「餃子事件」を始めとする中国産の農産物と食料品に対する不信感は日本の消費者に広まった。中国に代替する農産物・食料品の海外供給国が求められている。この背景は、ベトナムの農産物・食料品にとってビジネスの好機である。それをEPAは促進する効果をもつ。

 たまたま今日、拙宅の近所にある大丸ピーコック店でベトナム産の「大粒枝豆」を見つけた。136㌘で174円、100㌘当たり128円である。その味の第一印象は「甘い」。また、枝豆の皮が日本よりも厚いことが特徴である。

 果たして、この枝豆のベトナムの産地はどこであろうか。その出荷現場も見たくなる。このような要望に対応してこそ、その商品のトレーサビリティ」が十分と言いうる。もっとも、このような出荷地は「企業秘密」という側面があることも理解できる。

 農産物の日本への輸入は、何もベトナムに限らず、ラオスやカンボジアからも可能性がある。このような現状を日本政府は、ベトナムとのEPAそしてラオスやカンボジアとの投資協定の締結で容認しているのである。次は、それらの味と品質と価格を実際に吟味する日本の消費者の出番である。しかし、そのための情報が分かりやすく広く報道されているかどうか疑問である。

 こういう問題について、ベトナム側も積極的に情報提供してよいかもしれない。透明性・情報開示についてベトナムが中国よりも優れていることは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行時に証明された。その印象を継承・拡大することが、ベトナムの国家としてのブランド価値を高めることになると思われる。

 以上の議論はさておき、枝豆とビール。今日のような蒸し暑い梅雨の晴天時には、これが最適の組み合わせである。

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