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2009年6月30日 (火)

ラオスのセポン鉱山はどうなったか?:中国の迂回した買収

 「2009年3月オーストラリア(豪)政府は、中国五鉱有色金属によるOZミネラルズの権益買収を条件付きで認可」という内容が、「ラッド政権発足後の中国勢による豪資源権益を巡る主な動き」という表中に記載されていた(『日本経済新聞』2009年6月8日)。

 このOZミネラルズとは、ラオスのセポンにおける金鉱・銅鉱の採掘をしている会社である。同社の詳細は、次のブログに詳しい。
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/oz-minerals-8d7.html

 私は以前に、ラオスのセポン鉱山について紹介したことがあるが、当時の採掘権を所有していた会社はオーストラリアのオキシアナ(Oxiana)社であった。同社はラオスの輸出増加=外貨獲得に大きく貢献し、ラオス財政に対する最大の貢献企業であるとみなされていた。

 そのオキシアナ社が2008年7月1日付でジニフェックス(Zinifex)社と合併してOZミネラルズ(OZ Minerals)となった。その新会社の誕生以降1年を待たずして中国企業に売却されたのである。

 OZミネラルズの業績悪化が中国企業に売却した理由と言われているが、ラオスのセポン鉱山の業績は好調であった。そのことを考慮すれば、中国五鉱有色金属はセポン鉱山の買収を主目的としてOZミネラルズ社を買収したとも考えられる。

 なぜなら、OZミネラルズが採鉱・開発している鉱山の中で中国の隣国はラオスだけだからである。それ以外は、オーストラリア・インドネシア・カナダである。ラオスの最有力鉱山の買収によって中国は経済的・政治的に大きな影響力を隣国ラオスに発揮できる。少なくとも中国人労働者がセポンに大量に派遣されるのではないか。

 これは、中国内陸部の南下政策の一例とみなすことができる。中国の南下政策をラオス政府が回避・懐柔しようとしても、このようにラオス政府との合弁外資企業の買収によって影響力を行使できる。しかもラオス単独の露骨な進出ではなく、オーストラリア・インドネシア・カナダも含まれているから、中国は直接的な批判を受けにくい。

 すでに日本を上回る外貨準備を保有する中国が直接に外国企業を買収するとなると、その国の国民から警戒感や反感が生じる可能性がある。それを回避するためには、以上のような迂回的・間接的な進出がありうる。中国もしくは中国企業は、そこまでの戦略をもっているかのように思われる。

 ラオスのセポン鉱山の事例は、このようなことを邪推させる中国企業の海外進出戦略である。

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