« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月30日 (火)

ラオスのセポン鉱山はどうなったか?:中国の迂回した買収

 「2009年3月オーストラリア(豪)政府は、中国五鉱有色金属によるOZミネラルズの権益買収を条件付きで認可」という内容が、「ラッド政権発足後の中国勢による豪資源権益を巡る主な動き」という表中に記載されていた(『日本経済新聞』2009年6月8日)。

 このOZミネラルズとは、ラオスのセポンにおける金鉱・銅鉱の採掘をしている会社である。同社の詳細は、次のブログに詳しい。
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/oz-minerals-8d7.html

 私は以前に、ラオスのセポン鉱山について紹介したことがあるが、当時の採掘権を所有していた会社はオーストラリアのオキシアナ(Oxiana)社であった。同社はラオスの輸出増加=外貨獲得に大きく貢献し、ラオス財政に対する最大の貢献企業であるとみなされていた。

 そのオキシアナ社が2008年7月1日付でジニフェックス(Zinifex)社と合併してOZミネラルズ(OZ Minerals)となった。その新会社の誕生以降1年を待たずして中国企業に売却されたのである。

 OZミネラルズの業績悪化が中国企業に売却した理由と言われているが、ラオスのセポン鉱山の業績は好調であった。そのことを考慮すれば、中国五鉱有色金属はセポン鉱山の買収を主目的としてOZミネラルズ社を買収したとも考えられる。

 なぜなら、OZミネラルズが採鉱・開発している鉱山の中で中国の隣国はラオスだけだからである。それ以外は、オーストラリア・インドネシア・カナダである。ラオスの最有力鉱山の買収によって中国は経済的・政治的に大きな影響力を隣国ラオスに発揮できる。少なくとも中国人労働者がセポンに大量に派遣されるのではないか。

 これは、中国内陸部の南下政策の一例とみなすことができる。中国の南下政策をラオス政府が回避・懐柔しようとしても、このようにラオス政府との合弁外資企業の買収によって影響力を行使できる。しかもラオス単独の露骨な進出ではなく、オーストラリア・インドネシア・カナダも含まれているから、中国は直接的な批判を受けにくい。

 すでに日本を上回る外貨準備を保有する中国が直接に外国企業を買収するとなると、その国の国民から警戒感や反感が生じる可能性がある。それを回避するためには、以上のような迂回的・間接的な進出がありうる。中国もしくは中国企業は、そこまでの戦略をもっているかのように思われる。

 ラオスのセポン鉱山の事例は、このようなことを邪推させる中国企業の海外進出戦略である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月29日 (月)

恐るべき怪作「ふくすけ」を見た:関西大学「学園座」2009年夏公演

 先週の土曜日、関西大学で演劇部「学園座」2009年夏公演「ふくすけ」を鑑賞した。この舞台劇は、松尾スズキ(大人計画)を原作としており、すでに一般公演されている。それを関西大学の学園座が再演した。

 私は、この原作者も作品も知らなかったが、その内容の過激さと大胆さに新鮮な感動を覚えた。ここでは表現できない「放送禁止用語」が連発される舞台は、それだけでも刺激的である。その陰湿で不快な感覚が、あたかも「ギリシャ悲劇」を思わせる母子相姦や親殺しから生じる暗澹たる感情を増幅させる。

 さらに歌舞伎町を舞台にした暴力団と新興宗教の葛藤や、和歌山ヒ素事件を想起させる物語の展開は現代的であり、一般に受け入れられる内容となっている。このような松尾スズキ氏の革新的な発想は、まさに怪挙である。

 それにも増して、関西大学「学園座」の演技力にも感心させられた。特に1年生の部員の熱演には感服である。この作品には異常なまでの狂気=凶器が含まれているが、それを大学生として十分に消化・表現できていると私は思った。

 もう30年も前から私は文学座・劇団民芸などを見てきた。それ以前には母親に連れられて宝塚歌劇を見た。その中で特に故・滝沢修の「セールスマンの死」に歓喜したことは、まるで昨日のようである。

 かなり以前のブログでも紹介したが、アカデミー賞の名優ダスティン=ホフマンがニューヨーク・ブロードウェイで演じた「セールスマンの死」よりも、滝沢修の演技は、その抑制の効いた深い内面的な心理状態の表現においてダスティン=ホフマンを凌駕していた。この両者の演技を比較できる機会を得たことは私の自慢でもあるし、それ以上に鮮明な想い出である。

 今回「ふくすけ」を鑑賞させて頂いて、このような感傷にふけることができた。関西大学「学園座」の一層の発展を祈念して、その感謝の気持ちを表明したいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年6月28日 (日)

ベトナム産「大粒枝豆」を食べる:(株)ピーコックストア

 2008年12月15日に日本とベトナムはEPA(経済連携協定)を締結した。EPAは、FTA(自由貿易協定)のみならず、人材交流・知的所有権保護・技術供与・中小企業育成などを含んだ広範な内容である。

 中国や韓国がアセアンと包括的な自由貿易協定を締結(2004年に中国とCAFTA2006年に韓国とAKFTA)していることに対して、日本はEPAという二国間協定にこだわっているように思われる。これは、日本がアジアの先進国としての独自性を発揮しようとしているかのようである。

 このEPAでは、ベトナムにおける次の2点のビジネスチャンスが注目される。

 第1は、日本からベトナムの輸出品の関税撤廃によって、ベトナムの裾野産業の不備が急激に改善される可能性がある。当面は日本の工業部品の輸出増大が予想されるけれども、そうなれば、ベトナム部品製造企業は日本の輸入品によって駆逐される懸念もありうる。

 このような「貿易摩擦」を回避するためには、今からベトナム企業が積極的に日本の生産技術とノウハウを導入しなければならない。そのためにはベトナム裾野産業分野における日本からの技術協力や直接投資の増大が期待される。それは日本の部品製造企業にとってもアジア展開の足がかりとなり、好ましいことである。

 第2は、ベトナムから日本への農産物の輸入拡大である。近年の「餃子事件」を始めとする中国産の農産物と食料品に対する不信感は日本の消費者に広まった。中国に代替する農産物・食料品の海外供給国が求められている。この背景は、ベトナムの農産物・食料品にとってビジネスの好機である。それをEPAは促進する効果をもつ。

 たまたま今日、拙宅の近所にある大丸ピーコック店でベトナム産の「大粒枝豆」を見つけた。136㌘で174円、100㌘当たり128円である。その味の第一印象は「甘い」。また、枝豆の皮が日本よりも厚いことが特徴である。

 果たして、この枝豆のベトナムの産地はどこであろうか。その出荷現場も見たくなる。このような要望に対応してこそ、その商品のトレーサビリティ」が十分と言いうる。もっとも、このような出荷地は「企業秘密」という側面があることも理解できる。

 農産物の日本への輸入は、何もベトナムに限らず、ラオスやカンボジアからも可能性がある。このような現状を日本政府は、ベトナムとのEPAそしてラオスやカンボジアとの投資協定の締結で容認しているのである。次は、それらの味と品質と価格を実際に吟味する日本の消費者の出番である。しかし、そのための情報が分かりやすく広く報道されているかどうか疑問である。

 こういう問題について、ベトナム側も積極的に情報提供してよいかもしれない。透明性・情報開示についてベトナムが中国よりも優れていることは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行時に証明された。その印象を継承・拡大することが、ベトナムの国家としてのブランド価値を高めることになると思われる。

 以上の議論はさておき、枝豆とビール。今日のような蒸し暑い梅雨の晴天時には、これが最適の組み合わせである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月27日 (土)

「ベトナム、高成長に陰り」(日本経済新聞)についてコメント

 『日本経済新聞』(2009年6月27日)によれば、ベトナムのGDP経済成長率が2009年上期(1月~6月)に前年同期の3.9%となった。これは当初の年間成長目標の6.5%を下回り、その後の修正値である5.0%の達成も難しいとみなされている。

 その原因は、輸出と外国投資(FDI)が低迷していることであり、さらに6月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.55%となり、5月時の0.44%を上回っていることが紹介されている。このインフレ傾向が継続すれば、景気減退とインフレの悪循環の懸念があると指摘される。

 私見では、こういった景気の上下動は許容の範囲内である。ベトナム経済成長は着実に進展する。特に国内消費市場の拡大傾向は継続する。要するに当面の経済成長率の高低は、輸出と外国投資の減少を国内需要の増加が、どれほど補填できるかという問題である。国内需要は堅調に増加しているのであるから、外的要因である世界経済同時不況の影響が軽減されれば、再び高度経済成長の路線に復活すると考えられる。

 発展途上国であるベトナムについて短期的な経済成長率に一喜一憂することは視野狭窄である。発展を継続するから「発展途上国」なのである。かつての韓国・台湾・香港がそうであったし、シンガポール・マレーシア・タイ・中国がそうである。

 たとえばWTO加盟後のベトナムの外資導入の方針は不変である。日本のファミリーマートはベトナム進出を決定したが、高島屋は進出を断念した。これは、その進出の是非の問題ではなく、そのタイミングの問題と私は考えている。

 ベトナム進出の流通小売企業が黒字化するまでに一定の時間が必要であり、そのための忍耐力が求められる。コンビニ業界には、その余力があり、百貨店業界にはそれが不足しているとみなされる。日本の百貨店業界の当面の最優先課題は、国内市場の競争優位の確保であろう。

 一般に新聞記事は「良いこと」よりも「悪いこと」を優先して報道する傾向がある。これは、先日紹介した元産経新聞編集委員の竹原信夫氏(『日本一明るい経済新聞』代表取締役・編集長、http://www.akaruinews.com/)が述べられたことである。私は竹原氏と2回お目にかかっているが、私は「ご同慶の至り」と常に思わせていただいている。  

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2009年6月26日 (金)

公務員の志望動機は安定志向でよい?

 公務員を志望する場合、その動機として「経営破綻しない安定性」を述べることは避けた方がよい。それが本音であっても、安定性では前向きな積極性をアピールしないからである。

 私は、これまで大学生にこのように指導してきた。しかし、やはり「安定性」を述べた方がよいそうである。面接担当者は、そのことで志望者が本音を正直に語っていることを確認できるために安心する。もちろん安定性だけでは志望の動機としては弱い。いくつかの動機の中に安定性を入れることが好ましい。

P1030390  兵庫県警察本部・警察官採用センター長の田瓜聖一警視から、このようなご指摘を頂戴した。流通科学大学の「実学」講義の一環である「21世紀の業界展望」の中での一場面である。

 また一般市民が警察に期待することは何か。市民との交流や親しみやすさと答える志望者が多いそうであるが、それなら市役所の職員の仕事と変わらない。警察の独自の使命は、犯罪者の検挙・逮捕ということになる。かつて日本警察の絶頂期には60%を超えた検挙率は、今では30%前後になっている。

 犯罪の防止および抑止のためには、犯罪の高い検挙率が必要である。「検挙に優る防犯なし」。私見では、他方、「無謀な検挙は犯罪である」とも指摘できる。現実問題として、この両者は難しいと思われる。

 ご多忙の中でご講義を頂戴した田瓜さんに感謝を申し上げたい。冗談を交えたお話は、そのお人柄を感じさせる。テレビに出てくる「人情デカ」は、こういう人なのかと想像していた。なお「デカ」とは、昭和初期の警察の制服が「カクソデ」(角袖)であり、それを逆に読んだ符帳から「デカ」となったそうである。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年6月25日 (木)

ファミリーマートと提携したベトナムPHU THAI社について

 日本のコンビニ大手のファミリーマートが、ベトナム・ハノイの物流卸会社のPHU THAI社と提携したと報道されて久しい。年内にホーチミン市でモデル店が出店されるそうである。

 このフータイ社は物流に集中しながら多角的な分野で活動している。同社は、ハノイのTruong Chinh通りにあり、代表取締役社長のPham Dinh Doan氏は、ロータス投資運用会社のタイ社長が何回か面会している。

 タイ社長によれば、他のOTC株式と同様に取引高は比較的小さい。額面1万VNDの株価は、たとえば2007年4月末に9万VNDにまで上昇したが、2008年4月末に3万2千VND,直近の6月23日では3万VNDである。

 このように株価は大きく動いていない。ファミリーマートと提携したことが好材料であると思われるのだが、そういった情報がベトナム人投資家に伝わっていないのか、またはOTC株式であるから流動性が低いことが原因であろう。

 フータイ社のHP(www.phuthaigroup.com)を見れば、「ベトナム最大の物流会社になる」ことが目標とされている。ハノイ訪問時にはドアン社長と面会し、ファミリーマート提携の経緯や意図をお聞きしてみようと思う。間違いなく投資対象の有力な企業である。近い将来の上場が期待される。

 いよいよベトナムも流通近代化の本番の幕が開かれた印象を受ける。ファミリーマートに対してKマート、G7マートなど先発のコンビニは、どのように対応するのであろうか。現在は、都市部の好立地の奪い合いになるであろうが、近い将来には、こういったベトナムのコンビニが主要な幹線道路に沿って国境を超えて店舗展開されるであろう。

 当然、これに対してカンボジアのガソリンスタンに併設されているタイ資本のコンビニも動き出す。ベトナム・ラオス・カンボジアを舞台にしたコンビニやスーパーマーケットの陣取り合戦は、ワクワクするような予兆を感じさせながら今、始まろうとしている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月24日 (水)

ラオスの第7回ボランティア活動の募集

 2003年から第7回になるラオスのボランティア活動の参加者を以下のように募集する。若干の選考をすることもあるので、ご了承を賜りたい。

国際環境ボランティア活動
第7回ラオス・クリーンアッププロジェクト
2009年度参加者募集:説明会

日時:2009年7月11日(土) 14:00~

場所:神戸学園都市UNITY 2F セミナー室(1)

対象:高校生・大学生・社会人

【活動例・・・】
*現地の小中高校生と交流
*ラオス人大学生・日本語学習者とディスカッション
*北部シェンクワンの旅
*現地企業・NGO訪問
*「エコバック」普及活動の提案など(できることを相談して決めます)

【予定】
9月3日(木)~9月9日(水)の活動を予定しています。現地集合・現地解散が原則です。

【活動のカウンターパート】 
ラオス国立大学経済経営学部 科学技術環境庁・青年同盟

連絡先:流通科学大学教授 上田義朗 http://www.umds.ac.jp Yoshiaki_Ueda@red.umds.ac.jp

 今回の社会人の方の参加では、箕面船場ライオンズクラブの会員の方々が参加を予定されている。これまで毎年、この活動のために同クラブからご寄付を賜っているが、今回は初めて参加をしていただけることになった。 ラオスにもライオンズクラブが設立されていると聞いている。交流ができればと思う。以上、ご案内をさせていただきます。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月23日 (火)

ベトナム料理店:これは美味しい

 これまで日本のベトナム料理店を何度も訪問したが、ベトナムの味のベトナム料理店にはなかなか出逢わなかった。

 神戸の以下の店は最高の部類に入る。多数のベトナム人の若者が元気よく働いているのもよい。私はフォー=ヴォー750円を注文した。これがフォー=ガーなら600円。

 ThangCafe (タン=カフェ)
 神戸・三宮駅前 サンプラザ地下1階 月曜日が定休日。
 電話:078-391-0335

 スープが合格。ハノイの味である。残念なことは、ライムがないことだ。今度は別途に注文してみよう。また、ブン=チャー(焼き肉付きつけ麺)があるのも本格的だ。このメニューを提供するベトナム料理店は極めて少数である。

 以上、お勧めの店である。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年6月22日 (月)

農産物の貿易自由化に対応する

 先週の(財)神戸国際協力交流センターの研修では、複数の国の受講生から自国の農産物の対日輸出の可能性・潜在力が指摘された。

 たとえばベトナムと日本はEPA(経済連携協定)が締結された。これが完全実施されると、日本の工業製品がベトナムに無税で輸出できるし、その反対にベトナムの農産物が今よりも多様に大量に日本に輸入される可能性がある。

 農産物貿易の自由化は時間の問題となっているのに、日本の対応は定まっていないように思われる。より正確には、政府レベルではEPAを締結するぐらいだから、その自由化は決定されているとみなされる。現在の課題は、農産物の輸出入に関する国民の合意形成や認識向上である。

 私見では、市場ルールを政府が決めれば、その後は市場原理に任せればよい。原産地証明の表示や、食品安全基準の徹底、使用した農薬や化学肥料の公開などのルールを政府が決定すれば、その後は消費者の購買判断に任せる。

 現在も、このような仕組みになっていると思われるが、消費者の意識を高める教育活動をさらに充実させる必要がある。たとえば現在、タバコの有害性の啓蒙活動が大学内でも実施されている。同様に食料品に関する意識を高める活動が実施されてもよい。

 すでに実施されている「食育」が、大学の高等教育を含めた各教育課程で「必修科目」になってもよいと思われる。それが国民の健康維持に貢献し、医療費負担の軽減にも役立つであろう。

 農産物の貿易自由化の進展に対する国内体制の整備が国民レベルで求められている。次の総選挙では、このような争点の提起も不可欠であると指摘したい。

 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年6月21日 (日)

箕面市のカラス騒動:発想の転換は可能か?

 大阪府・箕面市(http://www.city.minoh.osaka.jp/)。私が住んでいる大阪府北部の人口13万人弱の自治体である。有名人として西川きよし・上沼恵美子が在住である。故・みやこ蝶々さん宅はご近所であって、現在は記念館になっている。また故・笹川良一さんの生家も箕面にある。

 かつての西国街道が通り、織田信長が「箕面の滝」を見学したという逸話もあると記憶している。阪急電鉄の箕面線は同電鉄の開業当初から敷設されており、箕面駅の山側には動物園があった。私が小学生の頃は餌付けした「箕面の猿」が有名であったが、現在の猿は野生に返っている。

 この箕面市の阪急・桜井駅の周辺では、最近テレビ局の取材場面を頻繁に見かける。カラスの大群が生息しているからである。このカラスは生ゴミの袋を食い破るし、上空からのフン害もある。このカラス対策は箕面市の最優先課題の一つとなっている。

 現在の対策は、カラスを追い払うことが主眼であるが、それが成功したとしても、そのカラスは別の場所に移動するだけではないか。

 ここで逆転の発想。積極的にカラスを養殖し、カラスの焼き鳥や羽毛の製品開発をする。こんなことを考えるのだが、カラスは一般に不吉な印象を与えている。この発想には、いろいろクリアしなければならないハードルがありそうである。

 それなら全国からカラス退治のアイデアを募ればどうか。カラスの街=箕面市。これは現在は「悪評」であると判断されているが、それを積極的な「町おこし」の手段に利用できないのであろうか。日本のみならず世界から「カラス退治」の専門家を集めて、それぞれの手腕を競争することも面白い。

 最後に今、この文書の文字変換中に気がついたのであるが、「カラス」は「枯らす」に通じる。やはり、その漆黒の姿からの印象は良くない。また荒俣宏『帝都物語』には、故・三島由紀夫がカラスの眼を食べて、市中を徘徊する「霊」を見るという場面が出てくる。カラスの神秘性や不気味さには説得力がある。今後のカラス問題の進展が注目される。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009年6月20日 (土)

就職先の紹介:これなら私は本気で世話する・・・

 大学4年生の就職が難しい。世界同時不況を理由として、どの企業も採用を抑制している。こういう時には「コネ」が有力な就職の手段になることが多い。

 これまで私は、いろいろな就職の事例を直接・間接に見聞してきたが、次のような状況の就職先の紹介なら、おそらく私は全身全霊で取り組むだろう。

 山崎豊子『白い巨塔』の里見脩二先生(前浪速大学医学部助教授)の再就職である。田宮二郎版では山本学、唐沢寿明版では江口洋介、韓国版で言えばイ=ソンギョンが演じるチェ先生である。

 ドラマ/白い巨塔1 ドラマ/白い巨塔1
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する
 里見先生の再就職を世話するのは、かつての恩師である病理学の大河内教授である。田宮版では加藤嘉、唐沢版では品川徹が演じた。大河内教授は、自らの弟子である里見先生の学問的能力と人間性を高く評価しているが、それを暖かく見守るという姿勢を貫いている。

【七夕セール!】 白い巨塔 DVD6(DVD) ◆25%OFF! 【七夕セール!】 白い巨塔 DVD6(DVD) ◆25%OFF!

販売元:ぐるぐる王国 楽天市場店
楽天市場で詳細を確認する

 自分の弟子に対して、まるで「親分」と「子分」の関係を強制する先生が一般に多い。私の体験でも、たとえば東京で「○○学会」があるとなれば、大先生を中心にして同じホテルに宿泊し、大先生を中心にした集団で学会に出席する。こういう行動をしていると、大学院の弟子は就職を世話してもらえ、さらに次第に「○○学会」の理事や理事長の席に近づく。親分・若親分・組長・舎弟・子分・・・といった関係なのであろうか?

白い巨塔

提供:@niftyコンテンツ
 幸か不幸か、私の恩師である神戸大学の故・松田和久教授も二木雄策教授も、そういったこととはまったく無縁の人であった。それだからこそ私は自由を謳歌させていただいている。改めて感謝をしたい。おそらく大河内教授も同様である。そうなると、なかなか里見先生の次の就職先を見つけることは難しい。

 国立大学の医学部助教授であった里見先生の次の仕事として、田宮版の「近畿がんセンター」は適当のように思われるが、唐沢版の「千成病院」や韓国版では、かなり研究機関として貧弱である。それは、大河内教授の「コネ」の貧弱さを意味しているのだが、そのことが同教授の「学問一筋」の高潔さを示している。

 山崎豊子全集 7 白い巨塔 2 山崎豊子全集 7 白い巨塔 2
販売元:セブンアンドワイ
セブンアンドワイで詳細を確認する
 大河内教授は、優秀な弟子であっても通常は就職の世話をしない人であると思われる。その教授が里見先生のために就職を紹介する。これは、極めて特別なことなのである。それほどに教授は里見先生に共感と同情と愛情をもっている。

 田宮版では、大河内教授が就職先の話をもって里見先生の自宅を訪問する場面は出てこないのだが、唐沢版と韓国版では師弟の愛情が控えめではあるが情感豊かに描かれている。これは唐沢版も韓国版も優劣がつけ難い。大学教員の立場から見れば、最も感動する場面の一つである。

 こういう弟子に出逢いたいし、こういう弟子のためなら、どんなことをしても就職先を世話すると思うのだが、その前に自分が、こういう教授にならなければならない。また実際には、余分な苦労を弟子もしない方がよいに決まっている。

 大学生の就職難の今日、いろいろな問題が見えてくるように思われる。それからの将来の教訓を導出することが前向きで生産的であろう。 

| | コメント (0) | トラックバック (5)

2009年6月19日 (金)

ベトナムの本を2冊読んだ:ベトナムとヴィエトナム

 自宅から大学まで往復で3時間である。自動車での所要時間は、中国縦貫道路と阪神高速北神戸線を通って1時間未満であるが、この1年ほどは電車通勤である。

 この電車の中で本が読める。最近は次の2冊を読んだ。

41be8c8qp4l__sl75__2  平岩弓枝『風よヴェトナム』新潮文庫(2000年)福地曠昭『美し国ベトナム:日越友好30周年』琉球新報社(2003年)である。
 美し国ベトナム 日越友好30周年

美し国ベトナム 日越友好30周年
販売元:セブンアンドワイ
セブンアンドワイで詳細を確認する
 
 この2冊の内容よりも、その解説および挨拶文・推薦文に私は注目した。前者の解説の執筆者は井川一久氏(元朝日新聞サイゴン・支局長)であるし、後者の挨拶文には石川文洋氏(写真家)、その推薦文には筑紫哲也氏(ジャーナリスト)が執筆している。いずれもベトナムには長く関係されてきた人々ばかりである。

 前者は、ほのかな男女の思いが「残り香」のように漂う恋愛紀行文である。これを読むと、ベトナムに行ってみようと思う。後者は、ベトナムと沖縄の友好関係を長く発展させてきた福地氏の記念碑的な著作である。沖縄復帰運動と沖縄でベトナム反戦運動を主導してきた福地氏が、沖縄とベトナムは似ていると指摘されると、それはそうだと納得してしまう。

 ここで気になったことは、前者の解説者である井川氏の指摘である。VIET NAMの日本語表記が、「ベトナム」か「ヴェトナム」かという問題である。

 井川氏は、本来の単語がで始まるのだから、「ヴェが適当と指摘されている。言い換えれば、「」これを「とすれば、Biet Namになるという意味である。

 私は「ベトナム」を使用している。その理由はまず、日本の外務省がそのように表記しているからである。また私の表記は。元朝日新聞編集委員の本多勝一氏の『日本語の作文技術』の主張を踏襲している。

 本多氏も、「ヴェ」ではく「を使用している。もともと外国語の発音を正確に日本語で表記できないのであるから、それについて「ヴェ」が「」よりも優れているという論争は余り意味がないという主張であったように思う。(注:この本多氏の著書が大学の研究室にあるために今すぐに確認できない。私の誤解があるかもしれない。)

 このようなベトナム関連の著書が多数出版されることは、ベトナムが日本にとって親近感がもたれるようになっている証左である。おそらく次はラオスであり、カンボジアであろう。私もラオスについて小説を書くだけの材料はある。今の2倍の体力と時間と能力があればと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月18日 (木)

講演会『ASEAN諸国の最新経済情勢報告―メコン川流域国の経済情勢に注目』の開催

 表題の講演会が、6月18日(木)午後2時から5時まで「マイドームおおさか」8階で開催された。主催は、大阪府・(財)大阪産業振興機構・(株)日本政策金融金庫国際協力銀行西日本国際営業部・ジェトロ大阪本部である。

 私の講演は「メコン川流域国の経済発展と企業環境:ベトナム・ラオス・カンボジア」というテーマであって、これまでの別の機会の講演に若干の追加と訂正をした内容である。

 何度かご出席を賜った方もおられたし、わざわざ横浜から新幹線で来ていただいた方もいた。ひたすら恐縮である。また、多数の方々からのご挨拶を頂戴した。これらの方々を始め主催者・参加者の皆さまに最初に感謝を申し上げたい。

 私に続いての後半のご講演は圧巻であった。小林淳氏(山喜株式会社・取締役管理部門長)が、ラオスのビジネス事情を当事者の立場からお話くださった。テーマは「当社の海外展開と戦略」であった。

 山喜は、ファッションシャツ(=ワイシャツ)の日本で最大手企業であり、ラオスに2005年に進出し、現地で操業中である。これまでのラオス進出企業は、どちらかと言えば、ひっそりと成功を謳歌している企業が多かった。その理由は、ラオスで成功していると公開すれば、同業者を含めて日系企業が多数ラオスに進出し、それに応じて労働力が不足する懸念があったからである。

 しかし、そういった懸念を払拭するかのように、ジェトロ主催の「ラオス経済・投資セミナー」が、大阪商工会議所で6月30日(火)に開催される。これにはラオス経済研究の世界的な第一人者である鈴木基義氏(広島大学大学院)と、2007年8月にラオスに縫製工場を設立された(株)ヤギの山田恭正氏(海外事業部海外総括室室長)がご講演される予定である。

 いよいよラオスも一般に注目される時代になった。それと同時にカンボジアも同様であろう。中国とベトナムに次いでラオス・カンボジアという投資の注目される対象国が拡大している。この場合、以上の私の講演では、各国を「点」として見るのではなく、各国を結ぶ「線」そして「面」として見ることが強調された。

 ベトナム・ラオス・カンボジア。私の体力と時間と能力が今の3倍あればと思う。

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月17日 (水)

ベトナム株式投資「JAM詐欺事件」についてコメント

 NHKテレビのニュースを見ていると、東京の投資会社JAMが、ベトナム未公開株に投資するなどとして1万人から200億円以上を集めたという詐欺事件が報道された。事件の全貌を未だ知ることができないので、以下では、こういった事件の一般的な背景を検討する。

 ベトナムで「投資ファンド」を運用するためには、ベトナム証券法に従わなければならない。投資運用会社の設立と操業は、国家証券委員会の認可を必要としている。それによって投資家は法的に保護されるし、証券売買に伴う不正防止となっている。他方、日本の「投資ファンド」ビジネスは、金融商品取引法の規制下にある。

 ただしベトナムでは、国家証券委員会の認可をもたない日本人の投資会社が「投資ファンド」の運用をしている事例がある。ベトナムの証券会社に売買注文を出す場合、その口座を開設するために名義人に関する面倒な申請書が求められるが、その口座を通した資金の出所までは問われない。それが日本の「投資ファンド」資金であっても問題視されない。

 以上の日本人の「投資ファンド」はベトナムで合法である。しかし、その投資ファンドの受益者である日本の投資家はベトナム法の保護は受けていない。ベトナムから見れば、日本人が勝手にベトナムで株式売買しているという位置づけである。このことを日本の投資家は自覚しておくべきである。

 もし今回の詐欺事件の投資ファンドが、こういった無認可の投資会社ではなく、ベトナムで認可を受けた投資運用会社を通していれば、そのベトナムの投資運用会社は、国家証券委員会や顧客に投資運用の報告書を提出する義務がある。また投資資金を保管する預託銀行は預託した現金と株式の証明書を投資ファンドの受益者に提出しなければならない。受益者である日本の投資家は、少なくとも自分の投資した資金が、どのように運用されているかを知ることができる。

 ベトナムの投資運用会社を通さない投資ファンドに投資しても、おそらく運用成績は日本の投資家に通知されるであろう。しかし、それはベトナム法で規定された報告義務を果たしているのではなく、日本の投資ファンド運用者が恣意的に知らせているに過ぎない。日本の担当者によって運用成績の報告に不正や中断があっても、それはベトナム法では問題とされない。あくまでも「日本人が勝手にベトナムで株式売買している」にすぎないとベトナムでは認識されるからである。他方、もしベトナムの国家証券委員会の認可を受けた運用会社を使用した投資ファンドであれば、こういった報告の不正や中断は違法である。

 日本とベトナムにおける投資ファンドの法的規制の双方に合致していれば、投資ファンドの受益者である投資家は日本とベトナムの法律の両方から保護される。この意味で二重に安心」である

 なお今回のJAM詐欺事件の場合、運用手数料や成功報酬は、どの程度だったのであろうか。これらが通常よりも安いとなれば、それだけ「リスク」は高いと考えることもできる。換言すれば、高い手数料という意味は、それに応じた「リスク低減」という理由が含まれていると考えられる。投資ファンドにおいて手数料が安い場合、その運用体制の「リスク」が通常よりも高くないかどうかを疑ってみなければならない。

 投資ファンドの各種手数料や報酬は、安ければ安いほどよいというものでは必ずしもない。「安かろう悪かろう」とまでは言わないが、安いということは、その投資スキーム全体の一部の「チェック機能」が削減されていることもある。投資家は、こういった事情を自覚しなければならない。

| | コメント (1)

2009年6月16日 (火)

イラン選挙の開票結果に対する信頼性:カンボジアそして日本

 イランで大統領選挙における開票に不正があったとして、大きな抗議運動や暴動事件が発生している。

 民主国家として選挙は不可欠な手段であるが、その結果それ自体に不満であるからといって、その度毎に抗議をしていては選挙を実施した意味がない。イランの場合、その選挙の開票それ自体の信頼性に対する抗議である。さらに大きな騒乱を回避するには、再選挙するが、開票のやり直しをする以外にないのではないか。

 こういった選挙に関する懸念が、昨年7月27日のカンボジア総選挙にも存在したが、不正防止のために日本人を含む外国人の監視が選挙中に行われたし、開票も慎重に時間をかけて公開で行われていた。

 その監視体制の成果として、複数の野党が選挙において不正があったという抗議を発表し、それが新聞報道されたものの、それに広い国民の支持が集まらなかった。総選挙は平穏に行われ、カンボジアの政治的安定が世界に示された。この選挙時点に現地に滞在していたことが、私にとって印象深い。

 日本も総選挙が近い。政権交代の攻防になる選挙であると指摘されているが、これまでの経験で言えば、戦後の選挙それ自体の不正を疑問視したような問題は、国政レベルで発生していないのではないか。

 選挙結果の賛否はともかく、その結果を受け入れるという日本は、日本人の温和な国民性の影響もあると思われるが、その民主主義の成熟度が相当高い反映である。イランやカンボジアの選挙を見聞して、日本の選挙に思いが移った。

 

 

| | コメント (0)

2009年6月15日 (月)

朝から終日の講義:JICA研修「貿易促進コース」

 JICA(国際協力機構)が主催し、(財)神戸国際協力交流センターが実施機関となっている「平成21年度貿易促進コース」の講師を終日務めた。

 研修生は合計8名。その内訳は、アルゼンチン1名・バングラディッシュ2名、・ドミニカ共和国1名・モンゴル2名・ラオス1名・パキスタン1名である。いずれも各国の貿易促進を担当する若手官僚である。

 今回の研修では、私の大学の講義を受講している神戸市外国語大学2名、それに流通科学大学のESS所属で私のゼミ生2名が聴講した。なかなか英語に実際に触れる機会がないというので、この研修を聴講してもらうことにした。こういった学生と私の希望に対応していただいた主催者や研修生の皆さんに感謝を申し上げたい。

 この研修では、Emerging Business Opportunities in Japan Composite Edition 2009,MIPRO(Manufacturing Imports & Investment Promotion Organization)を教科書に使用した。これが研修生に好評であった。参照:http://www.mipro.or.jp

 同書は、最近の日本経済の特徴やアパレル・家具・物流など国内市場の動向が最新の資料で紹介されている。こういった英語資料は外国人にとって歓迎されると思うのだが、なかなか普通では入手困難である。私は、たまたま東京のベトナム研修で入手し、MIPROに連絡して送っていただいた。

 同書の中に「OTAKU」と「MOE」が紹介されてる(17頁)。「オタク市場」は4110億円、「モエ市場」は888億円の市場規模があると指摘されている。研修生は東京に今週移動するが、その間の秋葉原の訪問で、このMOEの実態を見聞することを勧めた。研修では、流通科学大学の学生2名はオタクとモエについて映像を交えて立派に説明してくれた。

 日本の主要産業は製造業というイメージを日本人自身がもっているが、こういった文化を世界に発信している。これは外国人のみならず、日本人にも広く理解してほしいことである。「漫画博物館」を建設する計画があると言うが、それを世界の人々が見学に来るようになるかもしれない。たとえばニューヨークの「メトロポリタン博物館」や「現代美術館」に「漫画博物館」は匹敵するかもしれない。ただし立地は必ずしも東京である必要はないと思われる。

 研修生との再会を約束した。モンゴルの温泉にも行ってみたいし、バングラディッシュは、ベトナム・ラオス・カンボジアに次ぐ生産拠点としてミャンマーと並んで注目である。アルゼンチンの「マテ」は健康飲料として一度は飲んでみたい。私にとって未知の国パキスタンはどうなっているのか。ドミニカ共和国のコーヒーはどんな味だろう。興味は尽きない。

| | コメント (0)

2009年6月14日 (日)

カンボジアの有力企業:ACLEDA銀行の概要(4)

 カンボジア株式市場における有力な上場企業の有力候補として、ACLEDA(エーシーレダ)銀行が指摘されうる。これまでの連載の記述でも、その健全な企業経営は証明されていると思われる。以下では同行について、さらに情報を提供する。

 株主: ①AC LEDA・NGO トラスト、②ASA Inc.、③IFC(世界銀行の一部門・国際金融公社)、④DEG(ドイツ・KFGの一部)、⑤FMO、⑥Stiching Triodos-Doen、⑦Triodos Casotdy B.V.(Triodos Fair の預託銀行)。

 支店網: プノンペン本店:ACLEDA銀行は6,500名以上の従業員を雇用し、全国227支店網を保持している。その支店の地域は次のとおりである。
 (1)プノンペン・(2)カンダル・(3)バンテアイ=メアンチ・(4)シェムリアップ・(5)オトダー=メンアンチ・(6)マッタムバン・(7)ペイリン・(8)カンポンチャム・(9)クラティエ・(10)カムポット・(11)ケップ・(12)タケオ・(13)シハヌーク・(14)コーコン・(15)プルサット・(16)カンポントム・(17)プレアビヘア・(18)カンポンスプ・(19)カンポンチュナング・(20)スレイ=リエング・(21)プレイ=ヴェング・(22)スタング=トレング・(23)ラッタナキリ・(24)モンダルキリ。
 すべての主要な支店では現在、オンラインで「リアルタイム」処理がなされており、すべてのサービスが顧客に提供されている。

 商品とサービス: 
 ☆預金: 普通預金・当座預金・定期預金・要求払預金・法人定期預金・法人普通貯金。
 信用供与: 零細事業融資・小口事業融資・中規模融資・個人小売融資・当座貸越・預金者向け貸越・リボルビング式与信枠・与信枠・取引融資・住宅融資。
 送金: 国内・外国送金(SWIFT:国際銀行間金融通信協会)・ウエスタンユニオン国際送金。
 現金管理: 普通小切手・外国小切手購入・旅行小切手・銀行為替手形・現金配送=回収・現金連結口座・仕入れ先支払い・給与計算・継続発注=自動引き落とし・銀行確認・外国為替・貸金庫サービス。
 貿易金融: 入札保証・業績保証・預金残高保証・前金保証・支払い保証・船積み保証・LC(輸出=輸入信用状)・荷為替手形取り立て(輸入=輸出)。
 電子銀行業サービス(EBS=Electronic Banking Service): ACLEDAカード(7時~24時ATM)・POS(販売時点情報管理)・携帯電話トップ=アップ・ACLEDA=ビザ=デビット=カード(VISA即時決済カード)。                    (以下、続く)

| | コメント (0)

2009年6月13日 (土)

遠賀タクシー「事件」について:タクシー業界の経営革新と中内功

 『日経ビジネス』(2009年4月13日号、100~102頁)に、「敗軍の将、兵を語る――木原圭介氏(遠賀タクシー社長) 格安運賃、期限切れ無認可に」という記事が掲載されている。

 これについて先週・金曜日の私のゼミの3年生の間で討論した。「いずれ認可されるか、行政処分を受けるか、どちらとも言えないか」という3つの選択について、学生の意見は3等分となった。

 この「事件」は、要するに、顧客の利便ために新しいタクシー料金制度を考案した遠賀タクシーに対して、既存の同業者や監督官庁が反発したという内容である。

 この「事件」については、この記事の掲載後に結論が出ている(『毎日新聞』(西部)2009年5月9日、『朝日新聞』(西部)2009年5月29日)。 遠賀タクシーが行政処分を受けることで九州運輸局の面子(メンツ)を立てながら、実質的には同社の再申請を認可するという「玉虫色」の解決である。

 数年前からの規制緩和の趣旨を受け入れたタクシー業界の改革であったにもかかわらず、遠賀タクシーの新しい料金制度が認可されないことは矛盾している。それは学生にも理解できることであった。顧客と世論の支持を背景にした遠賀タクシーは、まさに規制緩和の精神を体現している。

 本来は行政処分を受けること自体が理不尽なことである。それを甘受された木原社長の「大人の対応」に敬意を払いたいと思う。それは、ますます利用者の支持を高めることになると思われる。

 なお遠賀タクシーについては、ウィキペディアに掲載されているし、この事件の詳細は以下の『西日本新聞』が詳細に報道している。さらにインターネットを通して各種の情報を検索をしていただきたい。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20090417/20090417_0001.shtml

 私が、この遠賀タクシーを教材にとして取り上げた趣旨は、このような革新的なアイデアをゼミ学生に理解して欲しいということであった。それと同時に、遠賀タクシーの木原社長の起業家精神が、ダイエー創業者・流通科学大学初代理事長の中内功氏のそれに共通していることを認識して欲しかったことである。

 ダイエー創業者の故・中内功氏は、パナソニックの創業者・松下幸之助氏に対して「喧嘩」を挑んだことで有名であるが、今の若い世代はそれを知らない。私は、流通科学大学の学生に、自らの大学の創設者が単に「エイライ人」ではなく、革新的な挑戦者または改革者であったことを知って欲しかった。

 流通科学大学の学生になったからには、この中内功氏の革新的な精神を継承してほしい。少なくとも私は中内功氏から、この精神と矜恃を継承したつもりでいる。その認識は私の自己本位の曲解であると思うが、そうであってもよい。

 そのことが、私の発想と行動の「元気」な原動力になっている。中内功氏との出逢いがなければ、おそらく今の私は「平凡」な大学教授であったと思う。そもそも流通科学大学の教員という仕事をしていなかったと思われる。

 最近になって、この中内功氏の精神を受け継ぐ若手経営者が、私の周辺に集まっているような気がする。そういった人々を流通科学大学の学生に紹介することも私の使命である。学生向けの講義の特別講師として世界の金融ファンドについて中内丈慈氏が昨年度に講演してくれたし、それに続いて来月7月には人材育成や中小企業を支援する近藤昇氏、そして学生時代からの起業家として活躍されている曹一道氏が、挑戦的・革新的な経営者として本年度の学生に対して講義していただく予定である。

 既存・規定の秩序や発想を打破する気概のある学生を教育・輩出することが、流通科学大学の建学以来の使命であると思うし、それが中内功氏に対する残された私の役割であると考えている。大学の偏差値は、あくまでも入学時点の話である。少なくとも私のゼミの卒業生は、以上のような気概をもった学生であってほしい。

| | コメント (0)

2009年6月12日 (金)

「あ・い・う・え・お」・「け・け」:成功する社長の条件と評価

 流通科学大学の「実学」講義の一環として、竹原信夫(『”日本一”明るい経済新聞』代表取締役・編集長)をお招きした。この新聞については、http://www.akaruinews.com/ を参照。

 この不況下にも成功している中小企業の社長は多々おられるという講義であった。そして結論として、そういった社長の成功の条件は「あ・い・う・え・お」と指摘された。

 これに加えて、私は「け・け」を加えたい。「あ・い・う・え・お」という表現は一般的であるが、それを「あ・い・う・え・お」・「け・け」とした方が、より印象的?で覚えやすいというのが「上田流」である。

 happy01 あ: 明るい性格。常に前向きの性格ということである。たとえ泣きたい時でも笑うのが大人である。これは、ダイエー創業者の故・中内功氏が好んで色紙に書いた「ネアカ、のびのび、へこたれず」と共通している。

 heart01 い: 意志が強い。粘り強い。簡単にあきらめない。パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、「松下さんの事業成功の秘訣は何ですか?」と質問されて、「成功するまであきらめないことです」と応えたそうである。

 heart04 う: 運が強い。これは自分で思い込めばよい。たとえ交通事故に遇っても、「何て運が良いんだろう。死なないだけ運が良かった」と考える。「有り難いことだ。これは安全運転しろという警告なんだ」と思う。「運が強い」と思うことは「プラス志向」の基礎である。

 lovely え: 縁を大切にする。いわゆる人脈を作ることである。この場合、自分だけよかったらよいという人の縁は広がらない。「情けは人のためならず」。他人にできるだけのことをしてあげると、それは自分に返ってくる。これを当然のことと思って自然体で実行する。

 annoy お: 大きな夢を持つ。夢が実現することは難しいが、その夢自体が小さければ、その夢よりも大きく自分は絶対に成長できない。小さな夢は、それで自分の成長を制限してしまう。夢は大きい方がよいに決まっている。たとえば私の夢なんて、もう50歳を超えているというのに、恥ずかしくて言えないほどに超巨大である。何と言っても私は少なくとも100歳まで生きると宣言している。100歳まで生き延びるようなら、次は120歳まで生きると決めている。私の夢は「生涯現役」である。

 以上の「あ・い・う・え・お」が、竹原氏の講義の中での指摘である。それに加えて以下を私は強調したい。

 heart02 け: 健康であること。、これまでに私も多数の経営者の方々にお目にかかってきた。また自分自身も2006年に会社を設立した。それらの経験を想起すれば、やはり健康でないと社長は成功しない。「英雄、色を好む」というが、それと同時に「英雄、美食を好む」と私は思う。そういった基本的な好奇心と欲望がビジネスの成功欲にも通じる。その原点は、何よりも健康でなければならない。

 thunder け: 決断ができること。決断=意思決定できない社長は、社長としての存在意味がない。この場合の決断とは当然、それに対する責任が伴う。自分が責任を取らないで部下や集団に責任を押しつける。こんな自己保身の社長には誰も従わない。おそらく部下は面従腹背になるであろう。まさにリーダーシップの欠如である。

 以上、社長の成功の条件は「あ・い・う・え・お」・「け・け」である。そして最後に、作家の藤本義一氏が別の意味で述べていたが、それを借用すれば、社長の成功の評価は「あ・い」から始まるあ・い=愛。現在放映中のNHK大河番組ではないが、愛がなければ、社長は務まらないと私は思う。さて何を、または誰を愛するのか。お金? 従業員? 自分自身? 正義? 社会的弱者? 権力? 「あ・い・う・え・お」・「け・け」によってビジネスが成功するとしても、その評価は「愛」によって左右される。

| | コメント (1)

2009年6月11日 (木)

今日はお休みなさい・・・

 心身ともに今日はお休みです。ただし夏向きに散髪しました。

|

2009年6月 9日 (火)

就職活動で未内定の学生に贈る

 真面目な女子大学生なのだが、就職は未内定。おそらく彼女にとって初めての挫折ではないかと想像される。だから落ち込んで、就職活動から逃避したい。しばらく活動を中断している。

 他方、あまり深く考えないで生きてきた男子大学生。なんとなく大学に入学した。真面目で素直な性格だが、就職は未内定。就職したいのだが、この情勢だからやむをえないと思っている。

 今日、大学は異なるのだが、上記のような2つのタイプの4年生に会った。2人とも悪い学生ではない。むしろ好印象の青年である。おそらく例年なら就職は決まっていたと思われる。大学に関係なく、今年の就職難は深刻である。

 何とかしてあげたいと私は思うのだが、就職は本人次第。強制的に就職させるというわけにはいかない。やはり「自然の流れ」が必要である。この「流れ」を作るのは、やはり本人である。就職活動の主体は本人である。待っていれば会社が向こうからやって来るわけではない。自分でチャンスを自分に呼び込む外向きの積極性が必要である。

 では具体的に何をすればよいか。少なくとも履歴書を3通は常に持参することである。私は今日、上記の2人の学生に「就職はどう?」と質問して、以上のような返事であった。その時に「先生、内定は未だです。もしお知り合いの企業があれば、よろしくお願いします」と言って、私に履歴書を渡されるとどうだろう。何とかしてあげようと思うのが人情である。

 このような対応で彼女または彼の「流れ」が変わったかもしれない。最後まで可能性を追究して積極的に粘り強く営業することはビジネスパーソンの成功要因だが、厳しい就職活動の時期には、その資質の発揮が就職前の今に求められているとみなされる。

 就職未内定の学生は、気持ちを入れ替えて、これからが「本番」と考えることである。今後に内定を獲得した学生は、おそらく将来の仕事で成功するだろう。人間にとって苦労はムダではない。就職してから待ち受ける苦労を学生時代の今に経験しているのだから、社会人として自信をもって仕事に臨める。このように考えれば、現在の就職難は学生にとって「逆境」ではなく、むしろ自分を鍛え成長させる「好機」である。

 すべての就職活動中の学生の健闘を祈りたい。積極的で前向きで粘り強い学生が最後に勝利する。また同時に、そういった苦労を経験している学生を企業は受け入れて欲しい。就職難を経験した学生は、入社後も仕事で頑張るに決まっている。このような採用の好機はめったにないと採用担当者は考えるべきである。

| | コメント (0)

2009年6月 8日 (月)

カンボジアの有力企業:ACLEDA銀行の概要(3)

 2007年1月16日ACLEDA銀行は、もう1つの「カンボジア初」を記録した。ロンドン証券取引所に上場している英国最大の保険仲介会社であるJardine Lloyd Thompson Asia(”JLT”)およびAsia Insurance(Cambodia)と包括的な総合保険を締結したのDsc01174 である。保険契約には次の各項が含まれている。すなわち銀行包括保証、電子コンピュータ 犯罪、取締役・経営幹部の債務、会社の払い戻し保険である。それらは、現金や他の有価証券の盗難、詐欺・横領、重要書類の偽造や偽金作り、コンピュータ詐欺や銀行システムに対する悪意の攻撃、取締役・上級経営者の第3者に対する債務などのリスクを補償している。

 2007年2月1日ACLEDA銀行は、国際金融公社(IFC)の世界貿易金融プログラムに加盟した。その協定の下で国際金融公社は、銀行の貿易金融サービスが国内外の実業界により広範に拡大するように銀行の貿易債務を保険で保証し、それによって全世界の貿易の機会を顧客に提供する。

Dsc01175  2007年12月3日ACLEDA銀行は、「カンボジアにおける全国銀行支店網の展開に対する貴重な貢献」に対してカンボジア国立銀行から表彰を受けた。

 2007年12月31日ACLEDA銀行は、Standard & Poor’s Corporation(S&P)から第1回目の格付けを受けた。それは国際信用格付けを受けた最初のカンボジアの銀行であった。

 2008年1月4日ACLEDA銀行は、資本金を5000万米ドルにまで増資し、カンボジア最大の支払い済み資本金をもった最初の銀行となった。

 2008年1月ACLRDA銀行は、外国投資した最初の銀行になった。ラオス人民民主共和国に3支店を構えたラオACLEDA銀行の営業を開始したからである。

 2008年12月12日ACLEDA銀行は、カンボジア国立銀行から表彰を受けた。カンボジア全土の村々のすべての分野に金融サービスを普及させる顕著な貢献があったからである。

 2008年12月19日ACLEDA銀行は、ドイツ復興金融公庫(KfW)から61万ユーロに相当する米ドルで資金提供を受けた。それは、ACLEDA銀行によって運営管理されるアセアン地域マイクロファイナンスセンターを支援するために使用される返済不要の資金である。(以上、会社沿革は終了。以下、続く)

flairflair:上記の写真2枚は、ACLEDA銀行のプノンペン市本店である。

| | コメント (0)

2009年6月 7日 (日)

調査研究:「メコン川下り」の企画

 土曜日の研究会で「メコン川下り」の企画が出た。中国・雲南省の昆明からベトナムのメコンデルタのカントーまでメコン川を下る。

 川下りをしながら、各国の周辺都市の現状を調査する。すでにメコン川については何冊かの出版物がある。これらから新しい調査項目を抽出しなければならない。

Dsc01614  今から準備して来年の夏に実施する。テレビ取材班も同行してもらう。かつて流通科学大学では、中国~ソ連そして中国~ベトナムの流通調査を実施したことがある。故・中内功氏が総隊長であった。

 今回の企画は、中国~ラオス~カンボジア~ベトナムを移動することになる。学生を同行するとなると、すべてを水路では無理であろうと想像される。

Dsc01643  当面、いくつか思いつくことを列挙した。昨年、海路で神戸からホーチミン市を訪問した。サイゴン川を海から遡上してホーチミン市に向かう。あの新鮮な景色は目に焼き付いている。メコン川から見る両岸の風景が楽しみだ。この夢を実現してみたいと思っている。

| | コメント (0)

2009年6月 6日 (土)

「東アジア地域研究会」6月例会で報告:龍谷大学

 関西の大学の先生の間での自主的な研究会である「東アジア地域研究会」で「インドシナ半島3カ国の最新動向:現地調査報告」というテーマで報告した。場所は龍谷大学であった。

 私の報告に続いて立命館大学・国際関係学部の桂良太郎教授が、「アジアの高齢化問題の現状と課題:ベトナムの家族の未来像に焦点をおいて」というテーマで報告された。桂先生のご報告の中では、次の点が印象に残った。

(1)国際社会および国連において日本の「部落差別」・「同和問題」の解消が注目されていること。これは、国内の差別や偏見を解消できない限り、日本が国際的に評価されないという意味である。

 私見では、一般に言って、こういった国際的な観点からの日本の人権問題が検証される必要があるのかもしれない。特に最近ではホームレスやワーキングプアの人権問題が注目される。さらに言えば、日本では普通に考えられていることが、国際的に異常なことが多々あると私は思っている。たとえば映画『逆境ナイン』では、高校野球の甲子園出場で「坊主頭」になるのが嫌で、せっかく手に入れた出場権を辞退して、サッカー部員に転身する野球部員が出てくる。

 伝統や慣行を守ることと、それを変えることには常に対立が発生する。その解決は世論の動向に依存してきたように思われるが、国際的な常識から見た日本の特殊性を自覚・自省しなければならない。

(2)アジアにおける家族の分類として、桂先生は次のような指摘をされた。中国=孝、韓国=仁、ベトナム=義、日本=忠。これらの国々は中国の儒教の影響を受けた国である。司馬遼太郎氏によれば、この儒教の影響を拒否した国々は中国にとって「蛮族」とみなされた。モンゴル人やロシア人がそうである(司馬遼太郎『人間の集団について:ベトナムから考える』中公文庫、293-294頁)。

 私見では、文化的・民族的に類似性をもった「中国周辺国」としての日本・韓国・ベトナムまでは理解できるが、その相違点を説明できない。それを桂先生は上記のように説明されたが、この区分が単純であるという批判があった。これに対して桂先生は、この区分は象徴的であり、その特徴は重複的・重層的であると述べられた。

 このような韓国・ベトナム・日本の文化的・民族的な類似点と相違点の研究は興味深い。これらの国々の相互理解に貢献することは間違いないからである。

| | コメント (1)

2009年6月 5日 (金)

カンボジアの有力企業:ACLEDA銀行の概要(2)

 1998年までにMFI(Micro Finance Institute:マイクロファイナンス機関)は、事業の継続可能な水準の利益で活動をしていた。このことによって、MFI理事会と国際的パートナーの双方はMFIが商業銀行に転換するべきであると決断した。

 USAID(United States Agency for International Development:米国国際開発庁)・MPDDsc02644F/IFC(国際金融公社・メコン民間セクター開発ファシリティ)・UNDP(国連開発計画)からの技術支援について実例を提示すれば、1998年に開始された3カ年の転換計画が、2000年10月に「特殊」銀行業の認可を受けたことで完了した。

 2000年末までにACLEDA銀行は支店網を14県・68店舗・772名に拡大した。貸し出し顧客数は60800人超、融資残高は1600万米ドル超となった。零細小口金融に加えてACLEDA銀行は、WesternUnion銀行の代理店に指定され、今や海外からの家族送金件数では最大となっている。

 2003年12月1日に資本金は3倍の1300万米ドルとなり、ACLEDA銀行は、カンボジア国立銀行からすべての商業銀行業務の認可を受け、社名をACLEDA Bank Plc.とした。(引用者注:Plc.は、Public limited company=公開有限会社のことであり、いわゆる株式会社である)。

 2004年12月20日にACLEDA銀行は、Moody’s投資サービスによって最初の格付けされ、国際的な信用格付けを受けたカンボジアで最初の銀行となった。

 2005年9月21日にHSBCは、ACLEDA銀行に対してカンボジアの最大手商業銀行として最優秀証明書を授与した。

 2006年12月にACLEDA銀行は、資本金を3000万米ドルにまで再び増資し、カンボジア国立銀行から無期限認可証を受領したカンボジアの最初の銀行となった。
(以下、続く)

| | コメント (0)

2009年6月 4日 (木)

6月4日「企業収益、アジア依存最高」報道で株価動く

 『日本経済新聞』(2009年6月4日)は、「日本企業の収益のアジア依存が高まっている」ことを報道した。2008年度下期に限れば、「日欧米が赤字となる一方、アジアだけが黒字を確保した」と指摘されている。

 この報道に敏感に株価も反応したはずである。おそらく今後、アジアにビジネス展開しようとしている企業が有望である。将来を見通す株式投資家と同様に大学生も、こういった報道には敏感に反応することが求められる。

 現在、就職活動している学生は、自己の将来を会社とともに過ごすことになる。このように考えれば、将来を見通すことが学生にも求められている。そのためのキーワードのひとつは、明らかに「アジア」である。

 日本の小売業は、その売り上げ停滞の活路をアジア進出に見いだしている。業績好調のユニクロですら、生産のみならず販売拡張を世界そしてアジアに求めている。アジアの成長とともに日本そして自らも成長する。この「切り口」で企業を見れば、就職希望となる新しい企業が発見できるかもしれない。

 成長する企業は、これまでの規模や歴史に無関係である。これから何をするかである。投資先は中国からベトナムそしてカンボジア・ラオス、さらに次はミャンマーが控えており、これらのメコン川流域国にタイが含まれ、それらに中国・韓国そして日本が影響力を深めている。そしてインドがこれに参入する。

 たとえばラオスのビエンチャン市内を歩いてみればよい。この数年でインド料理の店が増加した。インドも着実にメコン川流域に関心を示している。

 こういった将来のアジアを見通すことができるかできないか。株式投資家や就職活動の学生の今後の明暗を分けることになるかもしれない。

| | コメント (0)

2009年6月 3日 (水)

カンボジアの有力企業:ACLEDA銀行の概要(1)

 カンボジア国内では、マイクロファイナンス(零細小口金融)に特化して成功したACLEDA(エーシー・レダ)銀行が、遅くとも来年の第1四半期に開設される株式市場における上場企業候補として注目されている。同行も自ら上場に意欲を示しており、そのための増資を計画している。カンボジア国内最大の24県・都市に支店網があり、さらに2008年には隣国ラオス3県にも支店を開設した。

 このACLEDA銀行の2009年3月末時点の最新の企業概要を入手することができた。以下では、それを次の順序で紹介する。同行の沿革、株主、支店網、金融商品、外部監査と顧問弁護士、標準的な通貨決済手段、そして財務内容である。

 ACLEDA(Association of Cambodian Local Economic Development Agencies:カンボジア地方経済発展機関協会)は、零細・小規模企業の発展とクレジットのためのマイクロファイナンス機関(Micro Finance Institute:MFI)の仲間の間で1993年1月に設立された。

 ACLEDAは、1970年代・80年代・90年代の困難な時期にお互いに偶然に出会ったMFIの仲間が最初の職員となり、1993年の28名・5支社から1998年の330名・27支社にまで急速に発展した。1998年末の貸し出し債権は、活動融資先数が約6万件、その金額は1千万米ドルを超えた。

 注:ここで紹介する会社沿革は、同社の以下のホームページにおいて掲載されている。http://www.acledabank.com.kh/EN/FF_history.asp (以下、続く)

| | コメント (0)

2009年6月 2日 (火)

ラオス証券市場の開設は順調に進行している(2)

 証券市場設立委員会のデフヴァン=ムララ委員長は、ラオスには金融市場の整備が必要であると述べた。それは大別して貨幣市場と資本市場で構成される。貨幣市場には銀行と金融機関が関与するが、資本市場においてはビジネスパーソンが長期で大量の投資資金に接近できる。

 「ラオスは30年間片足で立ってきた。今こそ2本の足が必要だ」と委員長は述べた。さらに次のように指摘する。約30社が証券市場の上場に関心を示しているが、上場のために5社だけが管理担当者によって選択される。市場参入を希望する企業は経営を改善し、その透明性の基準を確保しなければならない。そのことによって投資家は熟慮・熟知した決定を下すことができる。

 市場に投資を希望する外国金融機関に対しては一定の規制があうだろうが、詳細は未定である。ラオス経済は証券市場が設立されると、特に世界金融危機の時期においては、より強固になるであろう。

 経済環境は市場の強み損なうことがある。世界危機はラオスに対する外国投資を減少させる。そこで国内資本を動員し、国家を発展させるために市場が必要とされている。

 flairコメントflair:以上では、ラオス証券市場の設立に対するラオス銀行総裁および証券市場設立委員会委員長の決意が表明されている。

 私見では、ラオス国内の潜在的な資金は都市部に集中しているが、かなりの金額に達すると予想される。カンボジアのような「財閥」形成まではいかないが、国内富裕層が存在していることは事実である。こういった人々の資金が、証券市場の設立によって国内企業に投資されることはラオス経済の発展にとって望ましい。

 その場合、外国人投資家の規制が注目される。カンボジア株式市場では外国人100%の所有を容認し、ドル建ての取引を想定している。ラオスで最初から同様のことをすれば、大きな混乱が生じるであろう。徐々に市場を開放する。ベトナム式の証券市場の導入が現実的である。

 より具体的には、債券市場の開設によって資本市場の扉を開き、次の段階で株式市場の知識を民間に普及させながら株式売買を開始する。このような手順が望ましい。そうでなければ、2006年から2007年に見られたベトナム市場のように「衝動買い」と「狼狽売り」の短期売買のマネーゲーム市場の再現となるであろう。これが懸念される。もっとも上場企業数は急に増えないだろうから、ベトナムと状況は異なっている。
 
 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 1日 (月)

なるほど、これが3億円か・・・:カードビジネスを考える

090601_15480002  大阪・梅田の宝くじ売り場の前で3億円が展示されていた。1千万円の束が30ある。私も周辺の人々も感想は同様であり、「これ本物?」ということであった。「本物なら、もっとガードマンがいないと危ないのではないか?」という感想も同様であった。

 新型インフルエンザも終息に向かっており、大阪でマスクを着用している人は少数になっている。そうでなければ、多数の人々がマスクをしていて、その隣に3億円が展示されていることになる。想像しただけで異様090601_15490002な風景である。

 私は東京出張用にSUICAをもっており、大阪ではPITAPAを常用している。この2枚のカードがあれば、もはや現金所有は次第に不要になっているように思われる。そうは言うものの、まだまだ複数のカードや現金の所有が必要である。

 複数のカードを所有する不便が顧客の側に存在しているにもかかわらず、それが改善されないのは各カード発行会社の怠慢であるように思われる。複数のクレジットカードを集約するカードビジネスがあっても不思議でないし、それは顧客から支持されるであろう。

 私は「住民基本台帳カード」を所有している。このカードも利用範囲が狭い。身分証明としては、自動車免許証よりも価値があるように思うのだが、実際はそうでない。この「住民基本台帳カード」の普及のために多額の税金が使用されているはずであるが、普及率はどうなっているのであろうか。税金の無駄遣いが、ここにもあるように思われる。

 身分証明用カードと商品購入用の決済カードを一体化した「総合カード」があれば、どれほど便利かと思う。カード1枚あれば、すべての生活を維持できるよになれば、現金が不要になり、紙幣や貨幣の生産コストが省略できる。役所の証明書などの発行コストも節約できる。さらに、すでに実験が始まっていると聞いているが、各店舗のレジも不要になる。

 私見では、こういったシステムは技術的に可能である。さらにカード紛失のリスクを回避するためには、たとえば指紋認証の本人確認を普及させればよい。より効率的な社会運営システムは人類の進歩である。個々人のプライバシー保護や人権擁護の問題は、そういった技術進歩とは別の政治問題に含まれる。

 おそらく3億円は見るだけで、手にすることはないと思うが、目の保養はさせていただいた。

  

  

 

| | コメント (1)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »