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2009年5月 1日 (金)

再び「実学」について考える:インターンシップの原点回帰

 関西空港からハノイの機内のビデオプログラムでNHKのテレビ番組「その時歴史が動いた:謙信、恐るべし」を見た。作家の加来耕三氏の解説によれば、上杉謙信の圧倒的な強さの秘密は、戦場での臨機応変の対応である。この対応は、前線でのヒラメキに基づくが、それを具体化して軍団を動員するための統率力やカリスマ性が謙信には備わっていた。

 その統率力やカリスマ性は、謙信が「私欲でなく義のために戦う」ことに由来していると指摘された。戦争に勝っても領土を拡張しなかったことが、その証明である。また自らを毘沙門天の化身と呼び、周囲の人々もそれを信じた。文字通りのカリスマそのものである。

 凡庸な指揮官は事前に決められた戦略通りに戦うが、謙信は現場で臨機応変に戦う。戦国時代の最強の武将の秘密である。織田信長との「手取川の合戦」の経緯が紹介されていた。ゆっくり久しぶりにテレビを見て面白かった。

 多種多様な戦略が事前に検討されても、戦場に立てば臨機応変の対応が必要とされる。その対応は、必ずしも複雑な戦略である必要はない。もちろん多数の戦略を熟知していてムダではないだろうが、余りにも知識が多すぎると、初心者の場合、どれを採用するか「迷う」のではないかと思う。

 企業経営でも、この現場での臨機応変の対応が求められることは当然である。この場合、経営者のヒラメキの有無と適否が、ビジネスの成否を峻別するのかもしれない。そうであるとすれば、「実学」は静態的な分析ではなく、動態的な分析の中でこそ学ぶことができる。

 たとえばユニクロの歴史を勉強して、現在のユニクロの現場を観察し、今後のユニクロの展開を考える。社外からの観察には限界があるだろうが、学生の場合、インターンシップという制度も活用できる。これは「インターンシップ」の意義の原点である。

 なるほど「眼からウロコ」である。「実学」とは何かと新たに考えるのではなく、本来の趣旨のインターンシップに原点回帰すればよい。

 指導教員が学生に対して、事前にインターンシップの受入企業を徹底的に調べさせる。その後に、その企業のインターンシップを経験する。これが「実学」であるとすれば、試してみる価値はありそうである。

 現在のインターンシップは、企業がアルバイト代わりに学生を利用したり、企業と学生の双方の採用就職の準備となっている場合も多い。これを「実学」の場に戻す。

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