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2009年4月15日 (水)

中国雲南省の南下政策を再考する:新たなビジネスモデル構築の課題

 中国雲南省の動向は、CLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)にとって無視できない。

 私は「中国脅威論」を扇動するつもりはない。日本を始めとするアジア諸国また世界の「共存共栄」が基本的な立場である。これを最優先に考えれば、場合によっては冷静に判断して日本も譲歩しなければならないし、場合によっては冷静に判断して同盟国に耳の痛いことも言わなければならないと考えている。外交は「冷静に判断する」ことが重要だと私は思う。

 それにしても事実として、「1992年、雲南省政府は「南の門戸を開き、アジア太平洋に向かおう」というスローガンを掲げ、周辺東南アジア諸国との経済貿易協力展開の強化という対外開放戦略を決定」 している。

 引用:石田正美・工藤年博編『大メコン圏経済協力:実現する3つの経済回廊』アジア経済研究所、2007年、97頁。

 これは、中国とベトナムが国交正常化した1991年の翌年である。この迅速な決定は、港湾をもたない雲南省の「南下政策」の強い意図を示している。中国で「辺境」とみなされている雲南省の発展のために中国も重視している政策であるとみなされる。

 最近の『日本経済新聞』(2008年4月10日)によれば、日本がミャンマー軍事政権に経済援助の再開を発表したが、それは「日米欧の援助が止まるなかで、援助を続ける中国のミャンマーへの影響力が増大。日本の援助再開は中国をけん制する狙いもあるとみられる」。

 さらに同紙(2008年4月13日)は、中国がCLMに対して2億7千万元(約40億円)の特別援助を実施する方針であることを伝えている。アセアン全体では今後3~5年で総額150億ドル(約1兆5千億円)を融資するそうである。

 この中国の動向に対してCLMVはどう対処するか。特にV(ベトナム)の対応が注目される。これは重要なビジネス上の留意点でもある。

 以上の観点から考えれば、ベトナム進出企業は、ベトナムやCLMだけでなく雲南省を取り組んだ将来のビジネスを考えなければならない。これは、中国の華南地方とハノイを結び付けたキヤノンに代表されるビジネスモデルに匹敵する検討するべき新たな課題である。

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