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2009年4月22日 (水)

ベトナムの内需拡大は不十分?(下)

 国民の購買力の低下は生産を深刻に後退させる。景気回復のために政府は生産を上昇させようとしているが、その前に購買力を向上させるべきである。これがティエン氏の主張である。

flairコメントflair:日本も同様の政策が採用されて、同じような批判がある。ただし背景は異なっている。購買力を高めるためには、たとえば日本では、すでに分配が始まった「定額給付金」がある。この給付金と言えば、下記で紹介するように、ベトナムでも貧困層に給付金を提供するという政策がテト前に実施された。ただし給付対象は貧困層に限定されている。日本のような「バラマキ」給付はベトナムでは論外であろう。

 購買力を高める工夫は、ベトナムではインフレ抑制がある。これはデフレ傾向の日本とは事情が異なっている。そのほかに多様な手段が考えられる。減税・社会保障費の引き上げ、さらにベトナムでは汚職防止の意味も含めて公務員給与の引き上げがあってもよい。このような政策選択は、ベトナムも日本と「同じ土俵」に乗っていることを認識させる。

 社会主義を指向した市場経済の運営・管理をベトナムは実施しているはずである。そのための政権だからである。他方、日本はそうではない。社会主義を指向する政策の大部分が拒否されているはずである。いわゆる与党に社会主義を指向する発想は存在しない。しかし景気対策の効率性といった問題を考える場合、上記のようにベトナムと日本は同じ土俵に乗っている。この効率性の観点から、必ずしも日本がベトナムに「全勝」するとは限らないと思われる。日本がベトナムから学ぶことがあるかもしれない。こういった謙虚な姿勢が両国の友好関係を深化させる。

 以下では、さらに掲載記事の紹介を続けて本項を閉じる。

 計画投資省(MPI)は、2009年当初2ヵ月に次の業種の生産が下降気味であると指摘している。縫製業、鉄鋼、電気製品、建設材料である。「これらの下落は市場の狭隘性が原因である」と工商省副大臣のビエン氏は述べている。

 「消費者は将来費用のためにお金を節約する傾向がある。失業や所得減少を懸念して、現在の支出を抑制している」とティエン氏は述べる。

 政府は20万ドン(11.7米ドル)を旧正月の費用として貧困層に給付することを政府は1月に決定した。それに加えて、財務省は18種の製品について付加価値税を50%減免した。

 「より以上の財政的な支援・奨励策を消費者は必要としている」。計画投資省の社会経済情報予測全国センターのアン理事は指摘した。

 

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