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2009年4月 7日 (火)

2009年カンボジア経済成長率の予想(上):1%~6%のどれが正しいか?

 すべての先進国の経済成長率が、2009年はマイナスの数値が予想されている。これに対してカンボジアはプラス成長である。しかし1%から6%までの幅がある。この事情を紹介する。

 現在のところ、カンボジアの経済成長率に関心をもつ日本人は極めて少数派であると思う。しかし数年後には、その関心が一気に高まるに違いない。本年末から来年にかけてカンボジア株式市場が開設され、その取引が活発化されることが予想されるからである。

 現状を比較しても、金融自由化の程度はカンボジアがベトナムよりも進行している。このことを推論すれば、カンボジアがベトナムよりも自由に株式売買ができるようになるのではないか。たとえばアンコールワット観光の旅行者が「お土産」の代わりに「アンコールビール」の株式を1株だけ購入する。こういうことが可能になるかもしれない。私見では、メコン川流域もしくはインドシナ半島の「金融センター」としてカンボジアが注目されても不思議ではない。

 なお以下の予想数値と解説は、昨日と同じEconomic Today: Cambodian’s Business Magazine, Volume 2, Number 34, March 1-15, 2009, p.14からの紹介である。

 2009年GDP成長率の予想
・ 6.0%・・・カンボジア政府
・ 4.9%・・・世界銀行
・ 4.8%・・・IMF(国際通貨基金)
・ 4.7%・・・アジア開発銀行
・ 4.0%・・・サムランシー党
・ 1.0%・・・EIU(Economist Inteligence Unit)社

 2009年2月16日にシェムリアップで開催された「ビジネス円卓会議」においてフン=セン首相は次のように述べた。「2009年に成長は低下すると予想される。それにもかかわらず、政府は約6%の成長を維持するように最善を尽くす」。

 この会議の主催者は皮肉にも、成長率1%という最も保守的な予想数値を発表して、多数の人々にショックを与えたEIUであった。(flairflairEIUは、世界有数の経済調査・コンサルティング会社であり、英国の国際的経済誌『エコノミスト』における企業部門である。参照:http://www.rayden.jp/contents/eiu/

 成長予測は、政府の政策と同様に経済現況に大きく依存する。経済成長の推定値は幅広く変動する。カンボジアの場合、しばしば信頼度の評価が異なった情報に基づく解釈の相違があったり、複数の予想に基づく情報が欠如していたりする。なお、これらの情報は悪意をもって隠蔽された可能性もある。

 ネウ=セイハ主任研究員(EIC:カンボジア経済研究所)によれば、成長率の推定値は利用可能な直近の公式経済統計を使用して計算されており、EICによる2009年の6%成長は、2008年当初から9ヵ月のカンボジア集計経済数値に基づいて予測された。しかし、その予想値は、より最近の国民統計に基づいて改訂される。(以下、続く)

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