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2009年4月 5日 (日)

ベトナム初の石油精製の概要:隣国カンボジアでも注目されている

 カンボジアの英文雑誌Economic Today: Cambodian’s Business Magazine, Volume 2, Number 34, March 1-15, 2009, p.25は、ベトナムの中部クヮンガイ省・ズンクワットの石油精製プラントが、2009年2月22日から生産開始したという記事を掲載している。以下、その要点を紹介する。

 1.この石油精製プラントは、ベトナム自身で操業管理される最初の商用石油製品を生産する。ズン首相は「これが石油精製と石油化学産業の重要な出発点となる」と讃辞を述べた。

 2.この重要な国家プロジェクトの完成は、工業化と近代化に向けた政治・経済・社会・国防・安全保障の観点から大きな意義をもっている。また、環境保護に対する厳格な条件に合致した上質の石油製品を生産するために先端技術が利用されている。

 3.原油の精製能力が年間650万トンとなるように設計され、国内石油需要の約30%を賄うことが期待されている。その施工はTechnip建設請負グループであった。それは、Technip(仏)・Technip(マレーシア)・JGC(日本)・Tecnicas Reunidas(スペイン)で構成された。

 4.2005年から始まった建設の過程でTechnipグループは、ベトナムの下請け会社や設備とサービスの関連供給会社を100社を超えて採用してきた。クヮンガイ省で数万人の雇用を創出した。最多時では12,000人以上の労働者が、ベトナムの他の地方や世界30カ国を超えた国々から雇用された。

 5.工場は2009年8月にフル生産が期待されている。この場合の月産は、ガソリンで150,000トン、ディーゼルで240,000トン、LPGで23,000トンである。さらにプロピレンが8,000トン超、ジェット燃料が30,000トン、燃料油が約25,000トン生産できる。総計、本年は約260万トンの石油製品を市場販売する予定である。

 6.フル操業に備えて2008年5月から何回か試験操業されてきた。LPG1,500トン、ディーゼル50,000トン超、バックホー(ホワイトタイガー)油田から原油160,000トンが使用された。そして1,000人を超える人々が操業・管理するために訓練されてきた。同じ2008年5月に効果的な操業・管理を目的としてBinh Son石油精製・石油化学会社が設立された。同日に最初の石油製品に対して品質証明書が品質基準委員会から手渡された。

flairコメントflair
 
原油生産国であるベトナムが、石油精製プラントをもたないためにシンガポールに原油を輸出して、ガソリンなど石油製品を輸入する。このズンクワットの石油生産開始によって、この非効率性が解消された。

 一般に、ベトナムでは工学系人材はいるが、化学系人材は不足していると言われている。こういった人材の育成も必要であろう。私は現地を訪問したことはないが、中部ベトナム固有の台風などの自然災害の影響を受けないのかどうか。また当初の計画段階から問題視されていたが、中部に立地するために南部よりも物流コストが高くなることが国際競争力を低めないのかどうか。こういった課題が直ちに思い浮かぶ。その操業を喜ぶとともに、これらの課題の検証が求められる。

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