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2009年3月 1日 (日)

「割り箸」の作り方:ベトナムの特性を生かした生産

Dsc02372  イエンバイ市の割り箸工場で割り箸の作業工程を見学した。日本・韓国・台湾(商談中)にも出荷されているが、この工程を見て私は割り箸を粗末に扱えないと思った。典型的な労働集約産業だからである。

 以下、作業工程を紹介する。中国製設備が中国人技術者の指Dsc02332 導によって配置されている。それをハノイ工科大学卒業のベトナム人工場長が改良した。工場長は日系製造企業数社の勤務経験があり、そこから5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾け)の導入と実践や品質管理・労務管理の方法を学んだ。

Dsc02340 (1)原材料の木材を適当な大きさに切断する。
(2)木材を蒸す(熱湯または蒸気)。
(3)木の皮を取り、割り箸の厚さのロール状に薄い木材を巻き取る。
(4)割り箸の原型に切断する。
(5)原型を削って角を丸くする。
Dsc02348 (6)形状を整える。
(7)最終検査する。この後に小袋(はかま)挿入作業をすることもある。
(8)コンテナー用に梱包する。
(9)廃材や不良品を燃料に使用する。

 割り箸の使用は森林破壊になると批判されるが、この工場では破壊ではなく植林による森林再生に配慮している。原材料は菩提である。従業員は160名おり、工場は生産設備の拡大を想定して6,000㎡。工場は拡張中であり、従業員用の食堂を建設予定となっている。平均給与は月額100万ドン。従業員は90%以上が若い未婚女性である。

Dsc02389  写真の左から、①不良品、②割り箸原型、③最終製品の順に並んでいる。①は先が曲がって開いている。②は角張っている。この角を削り取って丸くすれば、完成品③になる。

 作業工程の中における検品は、すべて人間の眼によって行われる。そして③の不良品はナイフや紙ヤスリで補修する。ベルトコンベアーを入れた「流れ作業」ではなく、人間の手渡しによる生産工程が見られた。こういった単純な労働集約的産業では、低コストを徹底するために機械設備は最少が望ましい。減価償却費が利益を圧迫しないように考えるべきである。

 この会社は、けっして日本の企業ではない。外観はコテコテのベトナム企業である。しかし日本企業で学んだベトナム人工場長が、品質管理や作業効率化について日本風の「味付け」をしている。日本企業の模倣ではなく、ベトナム企業の日本風の味付け。これが技術移転の現実なのかもしれない。

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