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2009年3月23日 (月)

経済収縮時の雇用受け皿:サービス産業の重要性(5)・世界で最も魅力的なベトナム流通小売市場

 以下では、本ブログ(2月22日)のサイゴン= タイムズ(The Saigon Times Weekly, November 29, 2008, p.16-19)の記事を紹介し、次いで今回の調査で訪問したロッテ=マート(ホーチミン市・サイゴン南)の印象を述べる。

 世界同時不況の影響によって、世界に共通して輸出志向製造企業の経営不振が顕著になりつつある。その失業者の「受け皿」としては、政府の財政出動に伴う土木建設工事よりも、流通・サービス業など第三次産業が望ましいという指摘がある。縫製企業の労働者が建設労働者に直ちに移行できるとは思われないからである。経済学の理論では、雇用調整において労働移動が円滑にできることになっているが、現実はそうではない。

 この指摘は中国に関してであるが、第三次産業の雇用創出はベトナムで十分に可能であるように思われる。

 ベトナムの人口は8,600万人を超えているが、それは世界208カ国の中で上位13番目である。ベトナムは潜在的な大きな市場をもっており、それが外国投資家にとって魅力である。人口の半分以上が30歳未満の青年であり、GDPに対する消費比率は70%を超えている。これは2007年の数字であるが、シンガポールの57%、タイの68%、マレーシアの59%に比較して高い比率である。

Dsc02554  ベトナムの都市部では、月額所得600~1000米ドルの家庭数は急激に増加している。特にハノイやホーチミン市の大都市における1人当たり国内所得は、ベトナム全体が800米ドル超であるのに対して、その2倍以上である。

 小売市場は、インフレーションを除去して最近では12%を超えて成長している。統計総局によれば、ベトナムにおける小売業とサービス業の収入は、2005年の304億米ドルから2006年の369億米ドル(21.4%増)、2007年の452億米ドル(22.5%増)に増加している。経済停滞によって2008年の成長は低くなるであろうが、当初の10ヶ月において460億米ドルを超える収入となっており、前年比6.1%の上昇となっている。

 流通・小売市場は、GDPの15%に貢献する国内経済の重要部門である。米国の国際戦略マネージメント=コンサルティング会社AT Kearnyの調査によれば、最も魅力的な新興小売市場の順位は、次のようになっている。2008年:①ベトナム、②インド、③ロシア、④中国、⑤エジプト、⑥モロッコ、⑦サウジアラビア、⑧チリ、⑨ブラジル、⑩トルコ。

 私見では、まさに未開拓の広大な流通大陸が横たわっているベトナムというイメージである。

 その理由は、同調査によれば、①強いGDP成長、②外国投資家に好ましい規制構造、③近代的な小売コンセプトに対する消費者の高まる欲求となっている。(以下、続く)

 

 

 

 

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