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2009年3月17日 (火)

華南の次は雲南に注目:中国の南下政策と新たな対応

 メコン流域国と言えば、今回の訪問国であるベトナム・ラオス・カンボジア3カ国にタイと中国(雲南省)を加えなければならない。このような視野から日本企業の東アジア戦略の策定が求められる。これが今回の調査旅行の成果である。

 日本企業のベトナム進出という観点から見て、ベトナム北部ハノイの経済発展に貢献したとみなされるのは住友商事のタンロン工業団地とキャノンの進出であった。このことは、ベトナム北部と中国華南を経済的に結ぶ契機となった。広州とハノイの間を原材料部品と組み立て完成品が往復する陸路が開発された。

 これに対して雲南省の南下政策が顕著になってきている。これまで中国製品がベトナム・ミャンマー・ラオス北部に大量に流入していた。10年ほど前のミャンマーの首都ヤンゴンの日用品や食料品は中国製があふれていた。これは、中国の雲南省からの商品の流入であり、それを中国は国境貿易と呼んでいる。

 また同時期で私がハノイ滞在中の1998年も中国製品がハノイで氾濫していた。私のホテルの受付のランさんのお父さんは、トラック運転手で中国国境からハノイに荷物輸送をしていた。「私の父は国境貿易をしている」。確か、こんなことを言っていたことを思い出す。

 これらは単なる貿易の話であるが、今日では、中国の南下政策という戦略的な意図を感じる。なぜならラオスに対する中国浸透が最近に顕著になっているからである。ラオス北部は中国一色という話も聞く。次は、この実態を調査したいという好奇心が湧くほどだ。

 雲南省は中国内陸部であり、そこから中国沿岸部までの陸路は原材料の輸入や生産物の輸出にとって容易でない。そうなれば当然、ベトナムやラオスを通した陸上交通の発展が期待される。中国・雲南省の経済発展にとってメコン川流域国との緊密が関係が不可欠な状況がある。

 この観点から、ベトナムのみならず、ラオス・カンボジアさらにミャンマーにとって中国の雲南省の経済的な関係を重視しなければならない。中国の影響力の増大を甘受するのか、中国との共存関係を発展させるのか。これらの国々は、超大国である中国に対して、この問題に直面している。

 もちろん後者が望ましいのであって、そのためには中国の広州との関係から雲南省との関係に視点を移行したビジネスモデルが、日本企業においても検討されてよい。アジアにおけるもう一つの超大国である日本が、雲南省の南下政策とベトナム・ラオスカンボジアの間のビジネスに布石を打つことが期待される。

 先日に提案したベトナムのイエンバイ省の工場進出は、その一つのアイデアである。またラオスにおける企業進出も、このような大きな視野から捉え直す必要もある。

 

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