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2009年3月29日 (日)

ドンナイ省で低所得者層向けアパート500棟の建設計画

 ホーチミン市の隣りのドンナイ省の建設局は、低額所得者向けのアパート500棟を建設すると発表した(Viet Nam News, p.4, March 9, 2009)。

 100棟は、Long Thoに建設され予算総額320億ドンは地区人民委員会が負担する。残りの400棟は、Bien Hoa市で建設が準備される。すでに建設局の下で民間産業建設プロジェクト管理委員会は100棟について投資家に割り当てをしている。

 5階建て2区画のアパートであり、それぞれ2,521㎡2,625㎡となる。それぞれの部屋は64㎡で2ベッドルーム・1リビングルーム・1キッチンとなっている。日本流で言えば、2LDKである。販売価格は、約3億2千万ドン(1万8千ドル)となっている。駐車場・職員部屋・共有部屋は1階に建設される。

Dsc02304  建設省によれば、これらのアパートを借りたり買ったりできる権利を持つ人々は3つのグループに区分される。住宅を提供されていない政府職員、軍隊の将校、芸術・教育・科学などに顕著な成果を達成している個人である。そのほかの条件としては、持ち家がないこと、貸間に居住していること、平均給与が月額190万~400万ドンである。資格のある政府職員は少なくとも3年間は政府機関で働いていなければならない。(注:写真はハノイの高級アパートである。)

 れらのグループの人々の中で、ドンナイ省は低所得の政府およびと軍隊の職員を優先させる。その約30%が持ち家がないからである。

Dsc02254  建設局のホアン副局長によれば、他の住宅プロジェクトは工業団地内外の労働者を支援するために準備される。同様の計画は、ハノイ・ホーチミン市・南部ビンユン省でも進行中である。

flairコメントflair いわゆる公務員宿舎の建設である。その後に工業団地の労働者向けの住宅建設も計画されている。ベトナム政府の景気対策として、インフラ整備と住宅投資が発表されているが、その具体的な内容が上記の報道である。昨年までの不動産バブルが高額所得者の投機対象となったために、それに対して低所得者の住宅建設が求められていた。

 またドンナイ省は、ビエンホア市の工業団地で働く労働者の住居が不可欠であろう。労働者の確保と定着は、操業する工業団地内の企業にとっては死活問題である。この観点からも、これは時宜にかなった住宅政策とみなされる。

 低価格の住宅を購入できる条件に該当する人物に芸術家や科学者が含まれていることは、いかにもベトナムらしい。そういった階層を大切にする政府の姿勢が表明されている。

 ただし私見では、職業による入居資格を問わない低所得者向けの住宅が大量に建設されることが望ましい。職業の差別はあってはならないが、低所得者の支援は必要である。そうであるとするなら、どのような職業であっても、低所得者層に格安の住居を提供する。それが、たまたま公務員であったり、軍人や芸術家であったりするかもしれない。

 こういう基準は日本で当然と思われるが、個人所得を正確に捕捉できていないベトナムでは難しいのかもしれない。

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