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2009年3月28日 (土)

「アメリカ社会が揺らぎ始めた」:歴史のブラックユーモア

 NHKスペシャル・映像の世紀・第9集「ベトナムの衝撃:アメリカ社会が揺らぎ始めた」。このDVDを久しぶりに見た。

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 この第9集は、1960年代から70年代におけるベトナム戦争とキング牧師の暗殺などが主要なテーマとなっている。米国の「自由と平等の国」というイメージが国内外の出来事で消え去っていった時代である。ケネディ大統領が暗殺され、黒人を差別し、その人権運動を弾圧し、ベトナム民間人を虐殺した映像が紹介されている。

 私には、この時代と現在の米国が重なって見える。「市場経済の牙城」と広く思われていた米国では、膨大な政府資金が民間企業を支えるようになっている。「市場経済の国」という米国のイメージは消え去ってしまった。まさに再び「アメリカ社会が揺らぎ始めた」と考えることができる。

 他方、オバマ大統領はイラク派兵を縮小する反面、アフガニスタンに兵力増強するという。オバマ大統領の選出によって、キング牧師が夢見た人種差別問題の解決が実現されたように思われたにもかかわらず、その大統領が、ベトナム戦争を想起させるアフガニスタン戦争に本格的に踏み出そうとしている。これは”ブラックユーモア”ではないか。

 米国は国内問題で着実に民主主義を進歩させている反面、国外問題ではベトナム戦争の経験を学んでいないのではないか。このような国内と国外における二重性が米国の特徴であるとみなされる。尊敬できる国であると同時に尊大で傲慢な国。少なくとも自国中心主義の政策や思考は当然ながら非国際的である。これは米国も例外ではない。

 なお実際は、米国は市場経済を支えるために、なりふり構わず懸命の努力をしていると考えるのが妥当である。当面の財政出動を通して、市場経済の危機を脱出することが最優先の政策と考えられている。では、その後どうなるか。そのままケインズ政策(=政府の財政政策)が継続するのか、それともフリードマン政策(自由主義経済:小さな政府)に復帰するのか。いずれにせよ、米国が「市場経済の牙城」を堅守することは間違いない。ただし、その意図の通りに、それが成功するか失敗するかは別の問題である。これが、米国について今後の注目点の一つである。

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