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2009年2月18日 (水)

中越戦争開始30周年:1979年2月17日

 ベトナム人の友人に日本ベトナム経済交流センターで会った。久しぶりだが、10年来の知人だから違和感はない。すっかり日本語も上達し、半分近くは日本人の感覚になっているように思われた。それだけ彼が成長したということである。

 その彼から、昨日が中越戦争開始30周年という話を聞いた。やはり彼はベトナム人である。当時は小学生であり、この中国との戦争について記憶に残っているという。この戦争の原因は、簡単に言って、ベトナム軍がカンボジア侵攻したので、その懲罰として中国軍がベトナムに攻め込んだということである。

 このように書くと、ベトナム軍が最初に悪いということになるが、その前にカンボジアではポルポト政権がベトナム人を含むカンボジア人を虐殺していたという事実がある。この事実が本当かどうか。ベトナム軍の侵攻を正当化するために政治的に誇張されていないのか。こういった疑問も一部にあると思われる。

 他方、日本を始めとする国際社会の大部分はベトナムのカンボジア侵攻を非難し、戦後復興のためのベトナム援助を中止した。このためにベトナム経済成長は大きく後退した。ベトナムにとってカンボジア侵攻の代償は深刻であった。この観点から言えば、この当時の「国際社会」のベトナムに対する対応が正しかったのかという疑問もある。少なくともベトナムは虐殺政権打倒のための自衛的な正義の戦いであったと考えていたはずである。

 そして今、カンボジアでは特別法廷が開廷されている。ポルポト政権の虐殺について事実を明示し、その関係幹部の責任を問う目的である。現在のカンボジア政府は安定化しており、忌まわしい過去を自らで清算する余裕が出てきたと理解できる。政権が安定していないと、被害者と加害者の対立が加熱・再燃する可能性がある。

 ベトナム・中国の戦争30周年の時期に、その原因となったカンボジアで特別法廷が開廷されている。これは偶然と思われるが、深読みすれば、このこと自体が政治的であると言えないこともない。いずれにせよ、特別法廷で真実が明らかにされることを期待したい。そのことを通して、前述のような疑問が少しでも解明されるとよい。

 なお、この裁判の開催は国連とカンボジアの合議制となっており、日本が資金的に支援している。日本人として無関係でよいという出来事ではない。それと同時にカンボジア虐殺政権の真相解明が、今後の歴史の教訓にもなるであろう。

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