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2009年2月27日 (金)

戦時下に強いベトナム:「元気」の秘密は何か?

 ホーチミン市からハノイに移動した。世界同時不況であるにもかかわらず、ベトナムは依Dsc02247 然として元気だ。不況の影響が顕著なのは、韓国企業のプロジェクトであろう。写真は、ホーチミン市のDAEWONの建設現場である。平日であるにもかかわず、工事は静止状態であった。

 この「元気」は、ハノイ在住の小松さんによれば、無法・無秩序・未経験の状態の中で自分が生きていくために、なりふり構わずに動き回っている様子が、外国人から見れば「元気」に見えるのだと言う。

 これは当たっていると思う。さらに私見では、この無秩序で混沌とした状態は「戦争状態」に似ている。そもそも市場経済を導入したこと自体が、貧しくとも安定的な計画経済の世界から、不安定・不確実な世界に移行したことである。少なくとも平和ではない。企業倒産もあれば、失業もある。

 さらにWTO加盟後のベトナム企業は国際市場競争に出陣である。その最初の洗礼が世界同時不況であった。国内市場における急激なインフレそして株価と不動産のバブル崩壊の国内状況において、さらに米国が「世界同時不況」の「爆撃」を突然に始めたようなものだ。

 ベトナムがこのような戦時下にあると考えれば、それに対してベトナム人は対応の「心構え」もしくは「精神力」をもっている。信念をもって堪え忍ぶことは、若いベトナム人であっても、ベトナムの歴史から学んでいる。さらに戦時下に相互に助け合って生きる方法を理解している。これらのことが、世界同時不況における国民や企業経営者にも活用されているのではないか。

 外国人から見て、ベトナム経済やベトナム企業が破綻すると思われても、それは、かつてのベトナム戦争でベトナムが簡単に負けると思われたことと同じだ。戦時下に強いベトナム。この伝統が「ベトナム経済の優位性」なのだと思う。

 より具体的に言えば、経済統計や財務諸表に表示されない「地下経済」の存在や、それを可能にする人間的な濃密な関係がベトナムで維持されている。これは経済の不透明性を意味し、国際的には改善されるべきこととして指摘されるが、不況期には「強さ」となって現れる。それに加えて忍耐力・辛抱強さ・信念などの国民の気質も不況期には強さを発揮する。

 不況期こそベトナム経済の真価が発揮される。このような視点からベトナムを見ることが必要であろう。

 

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