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2009年2月14日 (土)

山内太地『下流大学に入ろう!:一流大学より未来が開ける』(光文社)を読む(1)

 以前に『下流大学が日本を滅ぼす!』(三浦展、ベスト新書)を紹介した。この内容に私は納得できる部分が多々あった。この著書に対して反論の書が出版された。『下流大学に入ろう!:一流大学より未来が開ける』(山内太地、光文社)である。この本は、下流大学の「頑張り」を紹介している。これにも私は共感できた。

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 これら2冊の本は、「下流大学」(=偏差値の低い大学)を題材に取り上げているが、その執筆の趣旨が異なっている。つまり著書を公刊する目的が異なっている。

 前者は、問題提起の書である。下流大学の否定的な側面を摘発し、このままでよいのかという問題を国民に提起している。私は、その現状分析に納得し、その批判に耳を傾けなければならないと思った。自分で何かをしなければならないという気になった。

 後者は、下流大学の肯定的な側面に光を当てている。下流大学でも教育熱心な大学があり、教員がいる。それに応えて大きく成長する学生がいる。その熱意や努力に焦点を当てて、その動きが拡大することを著者は期待している。そのことが日本の未来を拓くとも述べている。私は、本書で紹介されている大学や教員の努力に感心し、そして刺激を受けた。やはり、自分で何かしなければならないという気になった。

 上記の著書2冊は、立場が違うのだが、日本の高等教育の現状を改革・改善しなければならないという意欲や熱意は共通している。この点で、私は両書に共感できる。

 大学の経営者・教職員・学生が共通して両書を教科書として、そこから全学的な方針を提起しても良いと思われた。本来なら、こういう著書を大学教員自らが執筆するべきであったと思うのだが、なかなか現役教員が自分の勤務大学を含めた「自己批判」をすることは難しい。この意味で、表題の山内太地氏のような「大学評論家」ともいうべき職業が存在しても不思議でない。

 この山内氏の主張に共感したことの一部を紹介する。(以下、続く)

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