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2009年2月12日 (木)

皇太子殿下のベトナム訪問とPCI事件のベトナム人逮捕

 現在、皇太子殿下がベトナム訪問中である。テレビでハノイの様子が放映されていたが、日本とベトナム双方の特命全権大使が同席し、杉良太郎ベトナム友好親善大使が日本語教育施設などの説明をしていた。

 これまでに秋篠宮殿下夫妻はベトナム訪問されているが、皇太子殿下は初めてである。秋篠宮殿下が1999年にハノイの日航ホテルに宿泊される直前に、私は日本とベトナムの親善サッカー試合の準備のためにハノイ滞在していたことがある。また皇太子妃・雅子さまの妹は、確かUNDPかのハノイの国連機関に勤務されていたと記憶している。このように皇室とベトナムの関係は今回が初めてではない。

 果たして殿下にベトナム料理がお口に合うのかどうか? ベトナム関係者として気になることである。日本人が外国人に勧める「納豆」に匹敵するベトナムの「チュン=ヴェット=ロン」などは御食卓に絶対に出ないであろうが、あれはベトナム庶民の正真正銘の健康食品である。お見せするだけでも、ベトナムは印象深い国になるであろう。こんなことを考えながら、ベトナムに好印象を殿下に持っていただければと祈念している。

 他方、ちょうど2月12日の新聞各紙の朝刊によれば、PCI贈収賄事件の収賄側のホーチミン市幹部2名が逮捕されたという報道があった。この贈収賄事件は日本のODA資金が原資であるから、民間資金よりも重大な犯罪性を持っている。そのベトナム側の責任追求や再発防止策を求めて、日本の対ベトナムODA資金供与は停止されている。

 同日の『日本経済新聞』には、ベトナム人2名の逮捕によって日本のODAが再開されるというような観測記事が掲載されていた。それに私も同感である。皇太子殿下のベトナム訪問というような慶事があり、友好促進のムードが盛り上がっている。それに対応してベトナム側もベトナム人の逮捕に踏み切った。この局面で日本がODAを再開し、今後の収賄に対してより厳しく対応するとベトナム政府が約束する。このシナリオで一件落着となる。

 われわれ納税者としてODA資金の厳正な使用は一般に当然の要求である。日本は財政赤字や国内景気の悪化にもかかわらず、ODA資金を支出している。日本のODA受給国の汚職に日本が厳しく対応しなければ、その国との友好関係が損なわれる。これはベトナムも例外ではない。犯人の量刑の軽重にまで内政干渉できないが、再発防止が約束されない限り、新規のODAは提供しないということぐらいは納税者の感情として当然である。

 このような日本国民の感情をベトナム人に伝えることを親日・知日のベトナム人にも期待したい。ベトナムと日本の友好親善の「橋渡し」は、それぞれに耳の痛いことも言わなければならない辛い役割も含まれている。

 以上、日本独特の「皇室外交」が貴重な役割を果たしていることが、ベトナムの事例で私は実感できた。さらにPCI事件については、「雨降って地固まる」という帰結になることが望ましい。これらの出来事を通して、さらなる日本ベトナムの友好関係の発展を期待したい。

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