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2009年1月 5日 (月)

企業論では何を教えるか:反省と課題

 私が担当する「企業論」では、少し前まで日本経済において規制緩和が必要であり、グローバル=スタンダード(米国標準)の導入がグローバル経済に埋め込まれた日本では当然と講義してきた。

 ただし、それは企業側の論理であって、それは現在の一般的な主流の理屈にすぎないということを「言い訳」のように最後で付け加えてきた。しかし、それは特に強調した主張ではなかった。少数派の意見だったからだ。それが今や逆転したのではないか。規制緩和=市場競争原理=米国偏重に対する反省が2008年世界同時不況からの教訓と言われている。

 このような自己反省の結果として、企業の理論の原点に戻ることである。企業の本質は何か? 本来の企業とはどうあるべきか? この課題に答える講義が必要である。派遣・非正規労働者の大量解雇の現状を見ていると、「労働コストを固定費から変動費に変更させる」という理屈を安易に講義してきたことに深く反省させられる。

 こういった理屈は軽いが、現実は重い。現実には、「コスト」と呼ばれる人間の生活や生命がかかっている。このような講義時に必ず、人間を「コスト」扱いする企業の論理を私は批判的に指摘したつもりであるが、それが学生に伝わったかどうか。

 「歴史博物館」に収蔵されていたと思われた小林多喜二『蟹工船』が復活し、広く読まれる時代である。このことだけからも、明らかに1年前とは時代が変わった。

 変化の時代は、ともかく原点から考えることである。そもそも政治とは何か。政党とは何か。企業とは何か。銀行とは何か。証券会社とは何か。大学とは何か。大学生とは何か。 それぞれの存在意義を原点から問い直すことで、変化の中で進むべき新しい方向が見えてくるのではないか? 不易流行。 

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