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2008年12月 3日 (水)

ベトナム株式市場の「はしか」から回復

 ベトナムの不動産や株式は、投機的な売買によって「バブル」が発生し、その後に暴落が発生した。

 これについてシンガポールのケッペル・ランド社は「今のベトナムを『新興市場が通らなければならない現実』と認識しており、今後一層の投資を計画している」(ベトナム経済研究所編・窪田光純著『早わかりベトナムビジネス第2版』日刊工業新聞社、2008年、169頁)。

 私は、ベトナム人個人投資家の短期売買に問題があると以前から指摘してきた。たとえばIPO(新規株式公開)の入札に機関投資家が失敗するほどに入札価格が高騰していた。その後の店頭市場での売買で株価が下落することが見られた。

 その後に株式発行主体である企業側も投機的であったと認識できた。これがバブル発生を加速したのである。企業が上場・増資・株式分割を繰り返して、いわば錬金術のような行動を取ったのである。その資金が本業に使用されるなら企業成長は加速されるが、その資金が不動産や株式に投資された。

 これは、株式市場という新しい制度に遭遇すれば、ある意味で当然の行動であると思われる。詳しいことは理解できなくても、個人は株式を買えば儲かり、企業は株式公開すれば儲かるのだから、ベトナム全体がバブル状態になるのは当然であった。(今だから言えることだが・・・。)

 喫茶店が儲かる、金が儲かる、レンガ工場が儲かる、不動産投資が儲かると同じレベルで株式が考えられたのである。株式は資金調達の手段であり、その資金で企業は成長する。ベトナムにとって必要な資金使途は新工場・人材育成・技術導入・設備更新などいくらでもある。

 ベトナム株式市場のバブル崩壊。これは「新興市場が通らなければならない現実」であり、それを私は「はしか」のようなものだと指摘した。この試練を経過して、ベトナムの株式市場も成長し「青年期」に入るのだと思う。黎明期から成長期へ。ベトナム株式市場の現状であると思う。

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