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2008年12月14日 (日)

ベトナムの国際競争力を改善する:ポーター教授の提言(2)

 (1)国家の競争力についてポーター教授の考えを説明して下さい。

 競争力は生産性によって測定されます。つまり、その国の人的資源・資本・天然資源の単位当たりで生産される財とサービスの価値です。
 より高い生産性によって、高い賃金、強い通貨、魅力的な資本収益率が維持され、高い生活水準が生み出されるのです。
 多数のマクロ・ミクロの経済学的な要因は競争力に影響を及ぼします。多数の事柄が、低コストの労働力の単なる提供より以上に生産性にとって問題となります。低コストの労働力に焦点を当てることは「落とし穴」です。なぜならそれは低所得を永続させるからです。

 (2)ポーター教授は初めてベトナムに来られました。ベトナムやベトナムの競争力について、どれほどご存じなのでしょうか。

 ベトナムとの私の対話は2005年から始まりました。当時のファン=バン=カイ首相と競争力について議論したのです。今回の訪問準備のために、私の研究チームはベトナムでインタビューを実施し、国際競争力報告書(Global Competitiveness Report)のデータを利用しました。この報告書は私が代表となっており、ほかの多数の国々の経験を導き出しています。
 ベトナムについてベトナム人より以上のことを私は決して知らないでしょう。しかし私には、十分に検証された概念的な枠組みや、多数の国々の競争力を探知してきた経験があります。私の訪問が、ベトナムのための的確な経済戦略の策定に役立つことを望んでいます。

flairコメントflair
 
低い労働コストだけが、生産性を高める要因でないことを最初にポーター教授は明言している。最近のインフレとそれに伴う賃金上昇に苦悩する経営者にとって、この指摘は改めて認識されるべきである。賃上げが不可避とすれば、それに対応した生産性向上の追求がベトナムの新たな課題である。
 
 そうでなければ、外国企業はベトナム撤退しかない。そして次の低コストの労働力を求めて世界を放浪する。このような企業は新興国を開発する先発者の役割を果たしている。しかし世界を一周すれば、その役割を終えることになる。次は、宇宙をめざすしかない・・・。
 
 
世界の国々の経済発展、換言すれば、世界の人々の所得向上を目標とすることが「企業の社会的責任(CSR)」である。このような日本企業であれば、それは世界から尊敬を集めるであろう。こういった理念をもった企業であれば、ベトナム人からも歓迎されるであろうし、おそらく今後に懸念されるストライキは発生しないであろう。

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