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2008年12月18日 (木)

「アセアン憲章」発効式典が開催:アジア諸国を先導する

 2008年12月15日に「アセアン憲章」の発効式典がジャカルタで開催された。この憲章は、2015年のアセアン(東南アジア諸国連合)完全統合(=「アセアン共同体」)の憲法に相当する。アセアンは、これまでの緩やかな連合体から法人格をもった地域機構に移行した。

 インドネシアのユドヨノ大統領は「東南アジアは、もはや1960年代・70年代のようにひどく分断され、戦争で疲弊した地域ではない」と強調した。憲章は2007年11月に採択され、2008年12月までに加盟10か国が批准して発効することになった。

 今後は首脳会議が年2回開催され、参加国はジャカルタに常駐代表、国内にアセアン事務局を設置する。憲章には紛争の平和的解決、内政不干渉、人権尊重、全会一致の原則などが謳われており、アセアンがアジアの平和に積極的に貢献することになる。

 FTA(自由貿易協定)はアセアンと中国、さらにアセアンとインド・豪州・ニュージーランドと合意されており、これらの国々の人口は合計30億人を超える。このような巨大市場の接点としての役割をアセアン諸国が果たすことになる。簡単に言えば、アセアン諸国に工場を建設すれば、その原材料を無関税で中国・インドなどから輸入し、逆にそれらの国々に無関税で商品を輸出できる。

 このようなアセアン共同体の中で、経済後発国であるCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)が注目されることは当然である。これらの国々が経済的な犠牲や不利益を受けるとすれば、共同体の存続はありえないからである。さらに、これらの国々は地理的に中国に隣接しており、中国とアセアンの「ゲートウェイ」の位置を占めている。

 インドとアセアンの関係を考えれば、カンボジア・ラオス・ベトナムの次にミャンマーが注目されるし、それら両国間に位置するバングラディッシュが今後の注目国と言えるのかもしれない。通常「成長国の周辺は成長する」からである。アセアン共同体はアジア諸国の経済発展を先導する役割を果たしている。

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