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2008年12月13日 (土)

ベトナムの国際競争力を改善する:ポーター教授の提言(1)

 米国ハーバード大学経営大学院のマイケル=E=ポーター教授が、本年12月初旬にベトナムを初めて訪問した。国際セミナー「ベトナムの国際競争力と競争優位性」の議長を務めるためである。ポーター教授に対するのインタビュー記事が、ベトナム唯一の経済専門英字新聞Vietnam Investment Review, December 8-14, 2008, p.11に掲載されている。ここでは、その内容を何回か連載して紹介する。

 ポーター教授と言えば、私の学生時代からの『競争戦略』の大御所である。30歳代で教授に就任した「天才」と言ってもよい。昨年にはマーケティングの教祖であるコトラー教授もベトナム訪問している。こういった経営理論の米国からのベトナム参入に対して、日本は「モノ作り」や「すそ野産業」といった地味な実践活動で対抗している。経営学としては松下幸之助・稲盛和夫・福沢諭吉などの「経営思想」がベトナム語で翻訳されて読まれている。

 これまでの米国の経営理論が優れているなら、自動車産業の「ビッグ3」は経営破綻しなかったのではないかという批判が可能である。今回の世界同時不況は「米国発」である。米国の経営理論の威信に対する疑問が提起されてもよい。この意味で、今こそ日本の「モノ作り」の思想や理論が世界から注目される好機である。日本にはポーター教授やコトラー教授のような「世界のスーパースター」はいないが、生産・販売などの現場における創意工夫で蓄積された「現場の理論」が存在している。

 この「現場の理論」をベトナムの現場に伝えることが、ベトナム経済の発展にとって最も有益であると私は思う。ただしベトナム人の気質は、どちらかというと、派手好きでスーパースター好みである。日本の地味な「現場の理論」を軽視する傾向があるような気がしている。そうならないようにするためには、ベトナム人と直接に接する日本人の力量を高めなければならない。ベトナム人の人材育成・技術向上・品質改善の前提として、日本人の管理者・指導者がベトナム人を理解しなければならない。そういった日本人は、米国のポーター教授やコトラー教授に匹敵する役割を果たすことが期待されている。

 では、ポーター教授のインタビュー記事を次回から紹介してみよう。

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