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2008年12月17日 (水)

ポーター教授のベトナム訪問余話

 ポーター教授のワークショップは、12月1日(月)にホーチミン市で開催され、700名の内外の聴衆があった。主催者は起業家トレーニングスクールPACEである(The Saigon Times, Weekly, December 6, 2008, pp..8-9)。

 このPACEとは米国の大学である。このような米国流の経営教育がベトナムに進出している。ただし、果たしてベトナムの現実に米国理論が適応するのであろうか? もう10年以上も前に韓国の証券会社で米国のMBA(経営学修士)取得者を採用したが、まったく業務に役立たなかったということを聞いた。韓国の証券制度は日本の制度を模倣しており、米国理論は韓国で役立たなかったのである。このようなことがベトナムでも再発するように思われる。

 企業が経営戦略をもつためには「自制」することが必要になる。すなわち儲かると思う新しい事業があっても、それが自社戦略から逸脱すると考えられれば、その事業に手を出してはいけない。経営資源が分散するからである。この自制が多くのベトナム経営者にはできない。それだけ発展を急いでいる。戦略の逸脱を自制するだけの余裕がないのかもしれない。

 ベトナムのような発展途上国では、経営戦略のない無謀な拡大路線の企業が意外と成功するかもしれない。経営環境の不確実性が高い場合、ある戦略に固執するよりも柔軟な対応が望ましい場合もある。

 ポーター教授には、さらにベトナムについて注目していただきたい。さらにベトナム企業の経営戦略の特徴に着目した研究が推進されることが期待される。

 

 

 

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