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2008年12月31日 (水)

大晦日に年賀状を書いています:感謝です

 今年も多数の人々のご厚情を賜り感謝を申し上げます。

 年賀状を書いていますが、とても書ききれません。ご容赦ください。

 この冬休みはカンボジアとラオスについて原稿を書くことになっていますが、拙宅の少しばかりの植木の剪定もしなければならない・・・。でも原稿は頑張ります。

 それにしても、今年も多数の出逢いがあり、多数の勉強をさせていただき、感謝の気持ちで一杯です。こういった勉強の成果を整理・記録し、それを若い人々に教育し、さらに広く一般の人々に伝えることが私の使命なのだと思っています。

 今年一年を振り返って、心からありがとうございました。

 

 

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2008年12月30日 (火)

ベトナムにおける「全会一致の原則」の撤廃:少数株主の保護も必要

 ベトナムの新しい企業法では、取締役会の「全会一致の原則」が撤廃されている。これは、2003年から開始された日越共同イニシアティブの成果である。

 合弁形態で進出した日系企業が、株式所有では過半数を掌握しているにもかかわず、少数株主を代表するベトナム人取締役の反対によって取締役会で経営方針が決定できない。たとえば利益配分を決める場合、配当性向を100%にするか、一定の内部留保を保持するかという選択問題がある。さらに労働者の賃上げやボーナス額の決定などで意見が相違することもある。これらはベトナムに限らず、海外ビジネスでは一般に悩ましい問題である。

 こういう問題を回避するために外資100%の海外進出が望ましい。このアドバイスが通常である。また私見でも、これが正攻法の海外進出であると思う。

 ただし、日本企業側が少数株主になる場合が発生する。ベトナムにおいて日系企業で株式上場している企業は未だないが、将来には出てくるだろう。企業規模が大きくなれば、日本側が少数株主になるかもしれない。また上場はしなくても、現地ベトナム企業の株式の一部を日本の親会社の方針で売却する場合がある。日本側が100%もしくは過半数の株主の立場から、少数株主の立場になる。これについてはすでに複数の実例がある。

 おそらく今後、株式の取得・譲渡によるM&Aがベトナムで活発になる。そういうことが可能になるほどに株式市場がベトナムで定着していると予想される。この場合、少数株主になれば直ちに無権利状態になるとすれば、こういった「M&A市場」が活性化しない。これは経済全体として経営資源の再配分を阻害している。1960年代に指摘された「会社支配市場」の論理である。

 たとえば51%の株式の31%を売却して、その資金で新しい事業を始めたい。残り20%で既存の会社経営にも関与し続けたい。こういう事例が想定できる。この経営者は、今のままでは株式所有が51%から20%になって支配力が消滅する。それを懸念すれば、株式を売却しないであろうし、新しい事業も始まらない。これは経済成長にとって負の影響を及ぼす。

 少数株主の権利が保護されていれば、株式所有が20%でも安心できるのではないか。日本でも少数株主は保護されている。

 日本企業による「全会一致の原則」の撤廃要求は、おそらく日本側が過半数をもって当然という前提である。少し短絡的な要求ではなかったのかと私は思う。日本側が少数株主の場合、この原則の廃止は逆に日本側には不利になる。これについて少し次に検討してみよう。

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2008年12月29日 (月)

いろいろあった今年の上田教授:レイテ島は今?

 昨日、大阪の千里中央駅の阪急百貨店前で献血募集のボランティア活動をした。ポケット=ティッシュ=ペーパーを配布しながら「献血にご協力をお願いします」という仕事である。箕面船場ライオンズクラブと豊中市のライオンズクラブの共催である。豊中市のライオンズクラブからは、大村崑さんが活動に参加されていた。知る人ぞ知る大村崑さんであるが、ここでは説明を省略する。

 ポケット=ティッシュを配布していると、いろいろな人々との出逢いがある。ある初老の男性は、わざわざ献血手帳を見せてくれて、「申し訳ないが献血したばかりなので今は献血できない」と話をして下さる。さらに中年女性は「体調が悪いので・・・」と言いながら、申し分けなさそうにティッシュを受け取る。まったく無視する人々もかなりいる。しかしティッシュの受取を拒否する人は感覚的に言えば、30人に1人くらいである。

 私は大学生時代から献血を続けて、献血50回の表彰の盾を日本赤十字社から頂戴している。しかし1980何年かに英国訪問したために現在は献血禁止の状態である。また骨髄移植のドナーにも登録しているのだが、同上の理由でその本意を果たしていない。申し訳ない気持ちで一杯である。

 その後に帰宅し、入浴しながらビールを飲みながら、DVDの映画「シン=レッド=ライン:THIN RED LINE」を見た。これは、太平洋戦争時代のガダルカナル島の激戦を米国側から描いている。これを見ると、日本軍は大健闘している。日本は敗戦したとはいえ、これほどまでの脅威を米軍に与えたということが理解できる。それを私は日本人の「誇り?」に思ってもよいと思う。もちろん戦争が終われば、その教訓として、戦争の非人道性を深く反省すべきであるし、いわゆる「反戦平和」を強く世界に訴えるべきであると私は思っている。

 この映画を見ながら、私の亡き母の長兄である「みのる兄さん」のことを想起した。「みのる兄さん」は私の性格に似ていると母から何度も聞かされた未知の人である。レイテ島で玉砕した「英霊」でもある。「みのる兄さん」が生きていれば・・・と思うことが今でも私は何度かある。

 こんなことを考えていて、入浴中にDVD機器を移動させていると、それが湯船の中に落下した。これまでの私の常識では「感電死」する。 ヒエ~~!!! かつての「ジェームズ=ボンド・007映画シリーズ」の中では、敵のスパイをバス=タブで感電死させるシーンが出てくるではないか? 幸か不幸か私は死ななかった。その後、しばらくの間、私は不気味に笑い続けた。

 もはや不死身という感覚があった。これは人生初めての体感であった。「みのる兄さん」に助けられたのかもしれない。ますます元気で気力充実。このことを年末に確信できた。まあ、しかし、冷静に考えれば、単なる「思い込み」にすぎないが、それこそ「ネアカ、のびのび、へこたれず」である。感謝の気持ちを忘れずに、新しい年を迎えたいと思う。九死に一生。そのように考えている。

 注意:よい子の皆さんと普通の人々はDVDを入浴中に見ないようにしましょう。

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2008年12月28日 (日)

創立2周年を迎えたロータス証券投資運用会社:新たな発展を期待する

 2006年12月27日にベトナム国家証券委員会から「ロータス証券投資運用会社」は開業の認可を受けた。ちょうど昨日で2周年目になる。

 同社は日本の金融庁に登録されていない。したがって日本で営業できないにもかかわらず、主に「口コミ」で現在の管理資産は5億円近くに達している。その運用成績(トラッキングレコード)は、ベトナム株式が全面安であるにもかかわらず、高い業績を達成している。

 その功績は社長兼ファンドマネージャーンのタイ氏に依存する。ベトナム株価指数が今年の最高値1200から下落したとき、タイ氏の予想した底値は600ポイントであった。実際には300ポイントを割り込むまでに下落した。ここで彼は、600ポイントで保有株式を売却している。現在は現金保有で銀行の預金金利10%を享受しながら、底値の株式を仕込んでいる状況である。底値600ポイントというタイ氏の予想が実際は300ポイントまで下落したことを批判するのは簡単である。しかし彼は600ポイントで売却している。これがスゴイ

 一般に株式売買は「買う」よりも「売る」ことが難しい。多数の個人投資家は「売る」機会を見逃して、その結果として保有株式は「塩漬け」状態になる。これに対して、タイ氏は自己の信念に基づいて株式売却している。さらに言えば、今のベトナムの株価は下がり過ぎであると指摘できる。

 ロータス投資運用会社には、さらにランさんという才媛が勤務している。オーストラリアのメルボルン大学大学院で経営学修士を取得してベトナム航空に勤務し、同社で投資オフィサーとして勤務している。私は12月初旬にハノイで初対面したが、落ちついた学究肌の雰囲気の女性であった。このほかに財務経理部長のダオさんは、ベトナムのスタンダード=チャーター銀行の勤務を経て私が採用面接した。彼女は自己の将来性と自主性を重視していた。

 さらに日本に7年間滞在していたタインさんは現在「産休」中である。彼女も私が採用面接する機会があった。出産休暇と育児休暇はベトナムで1年近くあったと記憶している。タインさんは看護士の資格を日本で取得し、病院の勤務経験がある。彼女のホスピタリティは完全であるし、その日本語は検定1級取得それ以上の実力である。

 このようにロータス社は特に女性人材の宝庫である。投資運用会社は規模の大きさを競争するのではなく、その運用成績が企業評価の基準である。また人材が最重要である。この意味で、ロータス社は大健闘している。このロータス社が、ベトナムの投資運用会社の法律改正を理由として増資の引き受け先を募集している。さらなる発展に向けて私も微力ながら応援したいと思う。

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2008年12月27日 (土)

クリスマス後に残り福がやって来る

081217_185901   少し遅れてクリスマスの写真です。クリスマス前のパーティーや催しは多数ありますが、クリスマス後は皆無です。残り福を以下でどうぞ。恥ずかしいので説明は省略です。

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2008年12月26日 (金)

ベトナム語と日本語は似ている:実例集

 12月初旬のベトナム訪問で、VJCC(ベトナム日本人材協力センター)ハノイ所長の小樋山さんにお目にかかった。ベトナム語と日本語の発音が類似している語句の一覧表を頂戴した。

 このブログでベトナム語の表記ができないのが残念だが、それらには次のような語句が含まれている。ベトナム語を発音する場合の抑揚は難しいが、いろいろ発音を試してみると、勘の良いベトナム人に通じるかもしれない。ベトナム旅行の時に実験してみてほしい。

・愛国(ai quoc)  ・悪意(ac y)  ・暗殺(am sat)  ・部門(bo mon)  ・注意(chu y)  ・同意(dong y)  ・同感(dong cam)  ・同志(dong chi)  ・同盟(dong minh)  ・道理(dao ly)  ・駱駝(lac da)  ・独断(doc doan)  ・電気(dien khi)  ・英国(anh quoc)  ・外国(ngoai quoc)  ・軍備(quan bi)  ・原理(nguyen ly)  ・発電(phat dien)  ・意見(y kien)  ・意思(y chi)  ・衣服(y phuc)  ・準備(chuan bi)  ・管理(quan ly)  ・過去(qua khu)  ・研究(nghien cuu)  ・結論(ket luan)  ・孤独(co don )  ・古代(co dai)  ・公安(cong an)  ・改革(cai cach)  ・革命(cach mang)  ・過度(qua do)  ・可能(kha nang)  ・観察(quan sat)  ・感動(cam dong)  ・観念(quan niem)  ・記憶(ki uc)  ・気管(khi quan)  ・騎士(ki si)  ・記念(ki niem)  ・希望(hi vong)  ・距離(cu ly)  ・警察(canh sat)  ・結婚(ket hon)  ・堅固(kien co)  ・公開(cong khai)  ・高貴(cao quy)  ・国旗(quoc ky)  ・命令(menh lenh)  ・摩擦(ma sat)  ・年代(nien dai)  ・恩赦(an xa)  ・温帯(on doi)  ・楽観(lac quan)  ・倫理(luan ly)  ・理論(ly luan)  ・歴史(lich su)  ・連絡(lien lac)  ・浪費(lang phi)  ・論文(luan van)  ・欄干(lan can)  ・理知(ly tri)  ・砂漠(sa mac)  ・天然(thien nhien)  ・統計(thong ke)  ・宇宙(vu tru)  ・優先(uu tien)。 

 以上のほかに似た言葉を収集すると楽しい。私はいつも自動車で「注意」(chu y)と運転手に話しかける。ただし日本語の「注意」では通じないので注意してほしい。

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2008年12月25日 (木)

本格的な就職j活動を目前にした大学生に贈る

 日本の週刊経済雑誌の老舗である『東洋経済』・『エコノミスト』・『ダイヤモンド』の3誌が、世界同時不況下の2009年を予測する特集号を発売している。

 週刊・東洋経済: 2009全解明:激変する世界を先取る!
 週刊・エコノミスト: 2009年「恐慌」突入
 週刊・ダイヤモンド: 次になにが起きる?2009総予測

 本格的な就職活動が始まりつつある大学3年生には、これらの全部または少なくとも1冊の熟読を強く勧めたい。

 就職活動に当たって、まずは自己分析で自分のアピール点を絞り込む。これを年内に仕上げる。次は、最新の経済情勢を仕入れる。それが就職先の選定にも役立つ。この手段として上記3冊を推薦したい。特に『東洋経済』の付録は「経済用語集」となっていて便利だ。

 これらの基礎知識を前提にして、自分の足で集めた情報収集が必要だ。たとえば私の場合、ベトナム・ラオス・カンボジアなど外国情報を経済統計や新聞報道に依存していたのではミスリーディングな結論になる。自分の目や耳で確かめるために現地訪問が最善だが、それができなければ、現地在住の人々に質問して情報入手することが次善の策である。

 この「次善の策」を就職活動に応用するなら、希望する会社の先輩に具体的な仕事や社内の雰囲気を聞いてみることである。こういう自分だけの独自情報を利用して「志望動機」を作り込む。会社のHPを見て、それを志望の動機にするだけではアピール度は低い。採用担当者の印象に残るためには、自分だけの話題を作り上げるようにする。

 クリスマスの日に当たって、就職活動に臨む大学生に以上のメッセージを贈りたい。

 

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2008年12月24日 (水)

クリスマスイブのコンサート:バロック音楽を聴く

 モーツァルト室内管弦楽団スペシャルコンサートバロックで奏でるクリスマス2008」を夫婦で鑑賞する機会があった。会場は大阪城公園に近い「いずみホール」である。古典音楽は久しぶりだ。多忙の中でホットする時間を過ごすことができた。ご紹介をいただいた辻本社長(出演者の辻本明日香さん・辻本恵里香さんの父君)に心から感謝を申し上げたい。

081224_18530002  上記の辻本さん姉妹は双子でヴァイオリン奏者。お二人とも英国に留学されている。今日はバッハを演奏された。古典であるにもかかわらず、新鮮な感覚があった。次の公演は「新春――アンサンブルの愉しみ」2009年1月25日(日)午後2時開演。場所はザ・フェニックスホールである。詳細は以下のホームページを参照。http://www.oaa1985.com

 私が次に感心した奏者は、ヴィオラの西川修助氏である。その長身で白髪の外観も、また演奏の姿勢も余裕を感じさせるところが魅力的である。まったく偶然に会場でお目にかかった旧知の小嶋康生さん(元毎日新聞編集委員)によれば、99歳になる西川氏の父君も会場に来られていたそうだ。

 またモーツァルト室内管弦楽団のフルート奏者である大江浩志氏にも魅了された。その音色は心が安まった。秋山祐子氏のチェンバロの乾いた音色も印象深かった。ピアノの原型のようなチェンバロの足は7本であった。これも発見であった。

 さらに、この楽団の創設者であり、指揮をされた門良一氏の控えめな風格も心地良かった。第一印象として同氏の雰囲気が大学教授のようだと感じたが、ご経歴を拝見すれば、京都大学大学院理学研究科を修了され、現在は京都産業大学の教授をされている。私の直感も当たることがある。ところで何を学生に教えておられるのか気になる。

 こんな優雅なクリスマスイブは久しぶりであった。関係者すべての皆さまに改めて感謝である。

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2008年12月23日 (火)

ベトナムと中国の政治体制の比較:ベトナムの人権問題

 松尾康憲『増補改訂版・現代ベトナム入門』日中出版、2008年を読んでいる。2005年に第1版が出版され、本年に内容が改訂された。松尾氏は、共同通信の元ハノイ支局長である。その現地取材に基づく情報は説得力をもっている。

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 日本人の中に根強いと思われる「ベトナム=共産党一党独裁国家=非民主主義」という見解、その反対に「ベトナム=市場経済化=資本主義化」という指摘もある。これら2つの指摘について、同書はベトナム政治の現状を明確に語っている。中国との比較で考えれば、それは理解しやすいであろう(206頁)。

・ベトナム経済⇒社会主義指向市場経済
・中国経済⇒社会主義市場経済

・ベトナムの現状⇒「民族民主革命」から「社会主義」に進む過渡期
・中国の現状⇒社会主義の「初級段階」から「高度な段階」に進む過渡期

 以上、すでに中国は社会主義国であり、ベトナムは未だ社会主義国になっていない。このような国家体制の根本的な規定の相違が、さまざまな政策に反映されている。そうすれば、両国の民主主義=人権問題についての相違も理解できる。ベトナムは旧ソ連や中国をモデルにしない独自の社会主義を指向している。そのために中国よりも柔軟な政治行動が可能である。

 米国のピーターソン前駐ベトナム大使が、2003年に次のように述べている。「ただ人権擁護に関する知識を得ることよりも、その進歩という点を考慮すべきである。それは、人権擁護を完全に実践する能力を持っている国は存在せず、我々は絶えず努力しなければならないからである。進歩について考えるならば、ベトナムは、個々人の人権についても様々な宗教団体についても、明らかにとてもよくやってきた」(174頁)。

 ピーターソン前大使の見解に松尾氏は「まったく同感である」(175頁)と述べているが、私も同感である。完全な民主主義や完全な自由は存在しない。それに向けての努力が重要である。他国を批判する前に自国について自省することが求められる。

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2008年12月22日 (月)

株式会社ユー=エス=イー・吉弘京子副社長のご講義

 12月9日(火)の私の企業論の講義で、株式会社ユー・エス・イーの吉弘京子副社長をお招きして、ご講義を賜った。http://www.use-ebisu.co.jp/

Dsc02228  情報通信技術(ICT)会社の老舗として、同社の歴史は日本の情操産業の歴史でもある。吉弘京子副社長のお話で私が今さらながら感心したのは次の2点であった。

 1.「ビジネスは人の心を動かすことである」。

 2.「営業は断られてから始まる」。

 この2点を自らの体験を交えてお話しいただいた。以上は簡単な命題で説明の必要もないだろう。それが体験を交えて話されると説得力があり、心に響く。けっして仕事はあきらめない。ダイエーの故・中内功は「ネアカ、のびのび、へこたれず」と述べたが、同じ趣旨だ。

 貴重な時間と貴重なメッセージを学生のみならず私にも頂戴して、吉弘社長に心から御礼を申し上げたい。

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2008年12月21日 (日)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(24)」:11月の株価レポート

 11月には、VN-INDEXが9.31% 、HaSTC-INDEXが9.3%下落しました。OTC市場は比較的動きはありませんでしたが、全体的としては下落でした。

 企業254社が参加した『ビジネス環境:2008年の回顧』という企業フォーラムの調査によれば、ビジネス環境があまりよくない水準と答えた企業は30%(2007年度は5.3%)でした。しかしながら外国企業・ベトナム国内企業とも、2009年、特に2010年に向けて好転の期待を示しました。次の3年間はビジネス計画がないと答えた企業数は昨年より2倍(10%に対して22%)に増えましたが、将来のベトナムの発展を信じている企業は78%もありました。

 工業生産価値は引き続き高いスピードで上昇しています。生産価値は、昨年の同時期と比べて8ヶ月間で16.1%、9ヶ月間で15.8%、10ヶ月間で15.7%、11ヶ月間で15.6%の上昇を示しました。このように工業生産の2桁スピードでの成長は今年で18年目になると予想されています。

 さらにFDI(外国直接投資)が画期的な水準に到達しました。登録FDIは570億USDであり、前年同期の7倍になり、実行FDIは100億USDとなり、前年同期と比較して44.2%上昇しました。消費物価指数が0.76%下落した11月は、2ヵ月連続して消費物価の減少でした。11月の輸出は34%、輸入は38.4%上昇しました。この5月の貿易赤字は1ヶ月間で10億USD以下の水準を維持しています。インフレ要素を除去した11月の小売り総額は6.2%上昇していますが、昨年同期の2分の1の水準です。これは本年初年から徐々に低下傾向にあります。

 以上のように株価は下落していますが、工業生産やFDIは上昇し、インフレも収まってきています。貿易赤字ですが、輸出も輸入も好調です。ただし国内消費が落ち込んでいます。このような状況は、ベトナム経済が総じて堅調なこと示しています。

 無リスク投資利率(政府長期債権利率)は引き続き下がり、現金の魅力を下げています。(二次市場における5年間の政府債権のYTM(最終利回り)利率は2008年12月1日で10.3%です)。中央銀行である国家銀行は2008年12月1日に基本利率を12%から11%に下げ、各種預金に対する強制保有率を2%下げ、経済発展の刺激優先策を実施しました。本日(12月2日)、首相は国家銀行が12月5日から基本利率を11%から10%にさらに下げることに同意しました。

 11月は月末にアメリカ証券市場の回復傾向、ならびに様々なレベルで日本・香港・中国・オーストラリアなどの市場回復の傾向が見られました(しかし、現時点では転落しました)。ベトナム証券市場では大部分の売買が下落しました。この要因として外国人投資家が11月にも引き続き「売り越し」であったことは重要です。

 ほかの要因は、個々の上場企業が様々な困難に遭遇していることです。その中には、われわれの投資先企業も含まれていますが、その困難は短期的であり、低い水準であると考えております。長期的な競争優位性は強硬な買い要因であると認識し、ここは忍耐をもって持続することが大切だと判断しました。

 「幸福は目的地ではなく、行く道にある」という格言がベトナムにもありますが、投資分野ではそれが逆だと思っています。

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 ベトナム経済は健闘している。今後、米国向けの輸出減少さらに世界経済停滞がベトナムに対して負の影響を及ぼすであろう。しかし発展途上国の内需拡大は継続的である。年度末の銀行破綻が懸念されたが、政府の金融政策は、それを回避させたようである。
 現在の底値とみなされる時期の優良株の買い付けは好機であるが、それは日本株も同様である。しかし成長余力は彼我のいずれにあるか。なお、ベトナム投資には為替リスクの問題がある。現在の円高・ドン安は投資には好機であるが、その直近の予測は難しい。長期投資によって「ドン高」を待つという長期戦略が最善である。

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2008年12月20日 (土)

ベトナム人留学生を増やすためのビジネスモデル

 留学生と言えば、そのほとんどが中国人という大学が多いのではないか? 一国集中から分散へ。多様な国からの留学生を増やすことは、日本人学生にとっても留学生自身にとっても教育効果は大きい。異文化交流の多様化はお互いをより以上に刺激する。それだけでなく、受験生の減少を懸念する大学経営の観点からもベトナム人留学生は注目である。

Dsc02225  それではベトナムにどのように接近するか? 第1に、情報提供・広報宣伝である。写真は、ハノイのVJCC(ベトナム日本人材協力センター)の1階に設置された日本留学支援の窓口である。30校あまりの大学案内が用意され、ベトナム人学生が対応している。こういった常設の日本留学のための情報センターがベトナムに多数あればよい。同様の役割の場所は、以前から日本大使館の中にあったが、ベトナム人大学生にしてみれば、ずいぶん敷居が高くて気楽に利用できなかった。

 また、独立行政法人・日本学生支援機構が主催する「日本留学フェア」や日本留学説明会に大学が参加することも重要である。たとえば11月に開催された「フェア」では、ハノイとホーチミン市で1日に千人前後のベトナム人学生が集まるから、大学の宣伝効果は大きい。

 次に大学独自で新聞広告を掲載する。『トイチェ』・『タイニン』・『ラオドン』などベトナム語新聞に大学説明会や入試日程を公表すればよい。できれば何回か連載する。新聞の代わりに専門雑誌に広告を掲載するのもよい。さらに各日本語学校や日本語を教える高等学校を訪問する。これは日本の高等学校向けにすでにやっていることと同じである。大きな看板を立てるのも悪くない。これらの費用は、かなり必要だ。ベトナムだから安いという先入観はもたないことだ。

 第2は、学生に対する奨学金の提供である。昨日は、ベトナムの銀行と提携した奨学金貸与制度を作ることを提案した。もちろん日本政府の国費留学の拡大が正攻法である。大学独自に「呼び水」としてベトナム人向けに限定した奨学制度を設定することも良い。必ず1名は奨学金がもらえるとなると、10名の受験生が集まっても不思議でない。10分の1の確率で日本に安く行けるのだから受験の価値はある。

 第3は、こういった学生募集活動をするベトナム側の団体が必要である。私が副理事長を勤める日越経済交流センターは現在、社団法人化を進めている。その中で青少年交流の支援活動を強化することも含まれている。ぜひセンターに問い合わせてほしい。

 同センターは今年、兵庫県主催「洋上大学セミナー」のためにベトナム人学生20名を招聘する募金活動を主催した。またベトナム人留学生の研究集会を後援し、さらに独立記念日やテト(旧正月)を記念する留学生の集いも毎年支援してきた。国際ビジネスの学生交流団体であるアイセックの活動にも協力した。さらに今後は、日本の大学のベトナム人学生募集のお役に立てればと思っている。 

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2008年12月19日 (金)

ベトナムのスナップ写真:ブーバン健在

 12月のベトナム訪問について、いくつかの撮影写真を紹介する。

Dsc02188  12月6日(土)のタムさん(日越経済交流センターホーチミン市代表)の結婚式である。ワインを注ぐ儀式である。この前に結婚式場の専属ダンサーが踊るのだから、日本の演出よりも派手だと思う。

 結婚式場を示す掲示板だが、これはホワイトボードにマーカー書き。Dsc02209 これはチョット軽い。ベトナムらしい適当さを示しているのかもしれない。それにしても2人の幸せそうな雰囲気は世界共通である。特にタムさんは、しばらく前に入院をしていたが、その試練を超えての結婚だから、新郎新婦ともに感慨無量であろう。

Dsc02221   ホーチミン市のタンソンニャット空港の国内線の待合室ににMritime銀行の大きな看板があった。 外国留学のための費用を融資するという宣伝である。ニューヨークやパリのイメージ写真はあったが、残念ながら日本の写真はなかった。日本でも大学進学用の学費融資をする銀行がある。ベトナムも同様である。日本の大学と提携して、大学が金利の一部を負担するなどの提携をすれば、日本の留学生は増加するのではないか。学生不足に悩む大学に提案したい制度である。

Dsc02224  今年で82歳になったブー=バンである。今まで住んでいたチャンナントン通りのビナコントロール社(品質管理などを業務とする国営企業)のビルが解体され、高層ビルに建て替えられるために、その近くのワンルームのアパートに転居している。さすがに往年の活力はないように思うが、耳も目もはっきりしていて「ブーバン、元気」という声は健在である。でも体が一回り小さくなったように感じた。一緒にビールを飲む時間がなくて残念だった。

 彼は、元ベトナム鉄道労働組合委員長。ベトナム共産党50年党員の顕彰を受けている。以前のキエト首相とテニスをしたり、元外務大臣兼副首相のカム氏と親友であったりする人物だ。もう彼の世代の政治幹部は第一線を引退して久しいが、それだからと言って疎遠にすることはできない。私のルール違反になる。いつまでも元気でいてほしいと思う。私の懐かしいハノイ生活の思い出と共に・・・。

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2008年12月18日 (木)

「アセアン憲章」発効式典が開催:アジア諸国を先導する

 2008年12月15日に「アセアン憲章」の発効式典がジャカルタで開催された。この憲章は、2015年のアセアン(東南アジア諸国連合)完全統合(=「アセアン共同体」)の憲法に相当する。アセアンは、これまでの緩やかな連合体から法人格をもった地域機構に移行した。

 インドネシアのユドヨノ大統領は「東南アジアは、もはや1960年代・70年代のようにひどく分断され、戦争で疲弊した地域ではない」と強調した。憲章は2007年11月に採択され、2008年12月までに加盟10か国が批准して発効することになった。

 今後は首脳会議が年2回開催され、参加国はジャカルタに常駐代表、国内にアセアン事務局を設置する。憲章には紛争の平和的解決、内政不干渉、人権尊重、全会一致の原則などが謳われており、アセアンがアジアの平和に積極的に貢献することになる。

 FTA(自由貿易協定)はアセアンと中国、さらにアセアンとインド・豪州・ニュージーランドと合意されており、これらの国々の人口は合計30億人を超える。このような巨大市場の接点としての役割をアセアン諸国が果たすことになる。簡単に言えば、アセアン諸国に工場を建設すれば、その原材料を無関税で中国・インドなどから輸入し、逆にそれらの国々に無関税で商品を輸出できる。

 このようなアセアン共同体の中で、経済後発国であるCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)が注目されることは当然である。これらの国々が経済的な犠牲や不利益を受けるとすれば、共同体の存続はありえないからである。さらに、これらの国々は地理的に中国に隣接しており、中国とアセアンの「ゲートウェイ」の位置を占めている。

 インドとアセアンの関係を考えれば、カンボジア・ラオス・ベトナムの次にミャンマーが注目されるし、それら両国間に位置するバングラディッシュが今後の注目国と言えるのかもしれない。通常「成長国の周辺は成長する」からである。アセアン共同体はアジア諸国の経済発展を先導する役割を果たしている。

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2008年12月17日 (水)

ポーター教授のベトナム訪問余話

 ポーター教授のワークショップは、12月1日(月)にホーチミン市で開催され、700名の内外の聴衆があった。主催者は起業家トレーニングスクールPACEである(The Saigon Times, Weekly, December 6, 2008, pp..8-9)。

 このPACEとは米国の大学である。このような米国流の経営教育がベトナムに進出している。ただし、果たしてベトナムの現実に米国理論が適応するのであろうか? もう10年以上も前に韓国の証券会社で米国のMBA(経営学修士)取得者を採用したが、まったく業務に役立たなかったということを聞いた。韓国の証券制度は日本の制度を模倣しており、米国理論は韓国で役立たなかったのである。このようなことがベトナムでも再発するように思われる。

 企業が経営戦略をもつためには「自制」することが必要になる。すなわち儲かると思う新しい事業があっても、それが自社戦略から逸脱すると考えられれば、その事業に手を出してはいけない。経営資源が分散するからである。この自制が多くのベトナム経営者にはできない。それだけ発展を急いでいる。戦略の逸脱を自制するだけの余裕がないのかもしれない。

 ベトナムのような発展途上国では、経営戦略のない無謀な拡大路線の企業が意外と成功するかもしれない。経営環境の不確実性が高い場合、ある戦略に固執するよりも柔軟な対応が望ましい場合もある。

 ポーター教授には、さらにベトナムについて注目していただきたい。さらにベトナム企業の経営戦略の特徴に着目した研究が推進されることが期待される。

 

 

 

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2008年12月16日 (火)

ベトナムの国際競争力を改善する:ポーター教授の提言(4)

 (4)縫製・履き物・水産物のような優位性をもった分野にベトナムはもっと注目するべきであると以前にポーター教授は述べていました。しかし、これらの製品のベトナムの輸出はいくつかの主要市場において、世界経済危機に応じて厳しい保護主義に直面しています。これらの製品の競争力をベトナムは維持できると思われますか。

 ベトナムの競争モデルは、低賃金とエネルギーおよび農業の有利な基金に接近できることとに過度に依存している。ベトナムは、より高い付加価値と生産性を巡る競争に向けて移行しなければならない。これは価格圧力を削減し、貿易摩擦を軽減する。またベトナムは輸出よりも国内市場に依存する必要がある。

 (5)企業の競争戦略に関するポーター教授の概念は何ですか。また特に今日の世界経済危機において競争力をどのように維持できるのでしょうか。

 余りにも多数のベトナム企業が明確な戦略をもっていない。余りにも多数の顧客に対して余りにも多数の事柄を提供し過ぎている。機会主義的に市場機会を追求し、ほとんどの企業が価格で競争している。成功企業は、顧客に提供する価値の類型が何であるか、どのようにして差別化された商品を提供できるかを明確に認識している。

 戦略は、経済困難な時期に特に重要な役割を果たす。企業は、競争優位性を促進する方法で下降局面に向けて調整しなければならない。現在は核(=コア)に焦点を当て、企業が本当に強みをもつ領域に集中する時期である。    

flairコメントflair
 ベトナム企業の多数が戦略をもたず、付和雷同的に事業を展開するという指摘は、ポーター教授の指摘の通りである。ベトナムで何度も繰り返されてきた企業行動であるが、まったく改心の様子が見えない。こういった「懲りないベトナム人」が、昨年から今年のバブルを煽ってきたと考えられる。自業自得である。その被害者には、株式市場に縁のない多数のベトナム人が含まれることが残念である。もちろん確固とした戦略をもったベトナム企業もある。こういった企業の選別が、これからの株式投資では重要であると思われる。

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2008年12月15日 (月)

ベトナムの国際競争力を改善する:ポーター教授の提言(3)

 (3)ベトナムが社会経済の発展戦略を維持し、進行中の世界経済不況から生じる現在の問題点をうまく解決するために、ポーター教授からご助言はありませんか。

 ベトナムは、ベトナム経済発展における次の段階に移行するための統合戦略を必要としている。現在の政策は、そのいくつかは世界危機に対処しているのだが、余りにも対応が早過ぎるし、余りにも細か過ぎるので、この目標を達成できない。

 ベトナム人は低コストの労働力と天然資源を乗り越えて、ベトナムの生産性を改善しなければならない。これまでベトナムは前進してきたけれども、次のような主要な課題をもっている。すなわち物理的なインフラストラクチュアの整備、汚職の減少、金融市場の改善、規制の単純化と改善である。

 ベトナムでは、遅れている教育と技能発展のために新しいアプローチが求められている。国有企業のリストラクチュアリング(=企業組織の再構築)の前進は、もう一つの不可欠な領域である。

 クラスター展開は、コラボレーション(=協調)を通して価値を改善する主要なアプローチになるであろう。さらに前進するためにベトナムは競争力に焦点を当てた新しい機関を必要としている。私の訪問中にいくつかの機関を推薦したいと思う。

 統合戦略とは、正当な行動の優先事項に関してだけでなく、施行のための明確な構造に関してでもある。

flairコメントflair
 
すでに指摘した2015年の「アセアン共同体」成立までにベトナムは、その競争力の強化を断固として実現しなければならない。この「断固」とは精神主義的ではなく、ポーター教授の「統合戦略」として体系的・具体的に実施されることが望ましい。「かけ声」・「スローガン」・「努力目標」ではなく、「施行のための明確な構造」が必要なのである。この指摘は鋭い。

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2008年12月14日 (日)

ベトナムの国際競争力を改善する:ポーター教授の提言(2)

 (1)国家の競争力についてポーター教授の考えを説明して下さい。

 競争力は生産性によって測定されます。つまり、その国の人的資源・資本・天然資源の単位当たりで生産される財とサービスの価値です。
 より高い生産性によって、高い賃金、強い通貨、魅力的な資本収益率が維持され、高い生活水準が生み出されるのです。
 多数のマクロ・ミクロの経済学的な要因は競争力に影響を及ぼします。多数の事柄が、低コストの労働力の単なる提供より以上に生産性にとって問題となります。低コストの労働力に焦点を当てることは「落とし穴」です。なぜならそれは低所得を永続させるからです。

 (2)ポーター教授は初めてベトナムに来られました。ベトナムやベトナムの競争力について、どれほどご存じなのでしょうか。

 ベトナムとの私の対話は2005年から始まりました。当時のファン=バン=カイ首相と競争力について議論したのです。今回の訪問準備のために、私の研究チームはベトナムでインタビューを実施し、国際競争力報告書(Global Competitiveness Report)のデータを利用しました。この報告書は私が代表となっており、ほかの多数の国々の経験を導き出しています。
 ベトナムについてベトナム人より以上のことを私は決して知らないでしょう。しかし私には、十分に検証された概念的な枠組みや、多数の国々の競争力を探知してきた経験があります。私の訪問が、ベトナムのための的確な経済戦略の策定に役立つことを望んでいます。

flairコメントflair
 
低い労働コストだけが、生産性を高める要因でないことを最初にポーター教授は明言している。最近のインフレとそれに伴う賃金上昇に苦悩する経営者にとって、この指摘は改めて認識されるべきである。賃上げが不可避とすれば、それに対応した生産性向上の追求がベトナムの新たな課題である。
 
 そうでなければ、外国企業はベトナム撤退しかない。そして次の低コストの労働力を求めて世界を放浪する。このような企業は新興国を開発する先発者の役割を果たしている。しかし世界を一周すれば、その役割を終えることになる。次は、宇宙をめざすしかない・・・。
 
 
世界の国々の経済発展、換言すれば、世界の人々の所得向上を目標とすることが「企業の社会的責任(CSR)」である。このような日本企業であれば、それは世界から尊敬を集めるであろう。こういった理念をもった企業であれば、ベトナム人からも歓迎されるであろうし、おそらく今後に懸念されるストライキは発生しないであろう。

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2008年12月13日 (土)

ベトナムの国際競争力を改善する:ポーター教授の提言(1)

 米国ハーバード大学経営大学院のマイケル=E=ポーター教授が、本年12月初旬にベトナムを初めて訪問した。国際セミナー「ベトナムの国際競争力と競争優位性」の議長を務めるためである。ポーター教授に対するのインタビュー記事が、ベトナム唯一の経済専門英字新聞Vietnam Investment Review, December 8-14, 2008, p.11に掲載されている。ここでは、その内容を何回か連載して紹介する。

 ポーター教授と言えば、私の学生時代からの『競争戦略』の大御所である。30歳代で教授に就任した「天才」と言ってもよい。昨年にはマーケティングの教祖であるコトラー教授もベトナム訪問している。こういった経営理論の米国からのベトナム参入に対して、日本は「モノ作り」や「すそ野産業」といった地味な実践活動で対抗している。経営学としては松下幸之助・稲盛和夫・福沢諭吉などの「経営思想」がベトナム語で翻訳されて読まれている。

 これまでの米国の経営理論が優れているなら、自動車産業の「ビッグ3」は経営破綻しなかったのではないかという批判が可能である。今回の世界同時不況は「米国発」である。米国の経営理論の威信に対する疑問が提起されてもよい。この意味で、今こそ日本の「モノ作り」の思想や理論が世界から注目される好機である。日本にはポーター教授やコトラー教授のような「世界のスーパースター」はいないが、生産・販売などの現場における創意工夫で蓄積された「現場の理論」が存在している。

 この「現場の理論」をベトナムの現場に伝えることが、ベトナム経済の発展にとって最も有益であると私は思う。ただしベトナム人の気質は、どちらかというと、派手好きでスーパースター好みである。日本の地味な「現場の理論」を軽視する傾向があるような気がしている。そうならないようにするためには、ベトナム人と直接に接する日本人の力量を高めなければならない。ベトナム人の人材育成・技術向上・品質改善の前提として、日本人の管理者・指導者がベトナム人を理解しなければならない。そういった日本人は、米国のポーター教授やコトラー教授に匹敵する役割を果たすことが期待されている。

 では、ポーター教授のインタビュー記事を次回から紹介してみよう。

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2008年12月12日 (金)

麻生総理とチェット大統領は会っていた

 日本の報道を見ていると、麻生総理が就任して以来、日本とベトナムの首脳会談が開催されたことはないと思われる。しかし実は、ペルーのリマ市で開催されたAPEC非公式首脳会議の時に、麻生総理とチェット国家主席の二国間首脳会議が実現していた。11月21日のことである。

 この情報源は、在ベトナム日本大使館の坂場三男特命全権大使である。大使自身が、大使館のHP(ホームページ)の中で紹介している。

 http://www.vn.emb-japan.go.jp/html/ambassador%20message%2018.html

 この中には、ハノイの日本商工会が主催するチャリティゴルフに参加された話も出てくる。さすがに会場の名前は掲載されていないが、おそらく日系のハノイゴルフ場である。ハノイゴルフ場の室賀社長のことは以前に本ブログで紹介したことがある。「大使が多忙でゴルフ場に来ていただけない」と言われていたが、ようやく実現したのだと思う。

 このような大使のメッセージは異例ではないか? 坂場大使のお人柄とベトナムに対する思いが伝わってくる。在外大使館の敷居の高さを感じさせない試みとして注目されてよい。

 ただし一般的な留意事項であるが、公私混同がないかということである。このベトナムの場合、大使館の公的なHPのメニューの中に「大使からのメッセージ」が含まれている。これは公的性格が強い。したがって特定の民間ゴルフ場の宣伝になるような固有名詞が掲載されていないのだと思う。大使の高い見識を示している。

 これに対して公的なHPから私的なHPのブログにリンクしている場合は、どう考えればよいか? それぞれのHPは異なっているが、リンクしているのだから一体化している。まさに本ブログがそうである。流通科学大学の公的なHPと私的なニフティ社のブログHPとがリンクしている。私自身は、個人的な見解として本ブログを書いているが、その内容について大学に対して意見を頂戴したことがあった。

 このように公私混同の問題が、HPとHPのリンクから発生することがある。公私の区別の基準は何か? インターネットにおける新しい課題であると思う。

 

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2008年12月11日 (木)

ベトナムではM&Aファンドが有望な分野

 日本および世界では、ファンドによるM&Aが、世界金融危機の影響によって本年は減少していると報道されている(『日本経済新聞』2008年12月8日)。

 他方、ベトナムではM&Aファンドは有望な分野であると思われる。特に業績不振の企業株式を安価で買収するという手法が有効ではないか。取得した株式を他企業に転売したり、新たな経営者の下で経営再建する。経営資産の効率的な配分や、従業員の雇用維持を考えれば、会社を清算するよりも効率的な方法である。これがベトナムで法的に可能であるが、そのノウハウや手法は未経験の領域である。

 借金返済で苦しんでいる企業と融資銀行の間に入って、その企業の株式をファンド資金で取得する。その資金は銀行融資の返済の一部に使用されるが、銀行は残りの債権を放棄する。銀行にとって融資の全額回収が不可能であれば、一部の返済でも好都合である。株式上場を前にした銀行は、財務内容を改善するために、このような不良債権の処理を望んでいるはずである。

 こうした企業再建ビジネスはベトナムで必要とされていると思うが、そのノウハウがベトナムにない。ベトナムにおける外国企業のビジネス=チャンスは、この分野にも拡大している。

 

 

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2008年12月10日 (水)

少しばかりの快感:カンボジア情報

 『日本経済新聞』(2008年12月8日)によれば、カンボジア証券取引所が韓国の支援によって2009年9月に開設される。

 この「ニュース」は、このブログで何度も紹介している。さらにカンボジア証券法の紹介までしている。新聞に掲載される前の情報を紹介する。この醍醐味は快感である。

 

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2008年12月 9日 (火)

数字が違う:ベトナムでの解釈

 12月7日(日)に「日本語能力検定試験」が開催された。NHK衛星放送の報道をハノイで見た。そこでは中国会場の様子が放映されていた。

 この開催はベトナムで知ったが、その受験生の人数が情報源によって相違している。ホーチミン市のベトナム人の情報では、昨年が8千人、今年が1万人。ハノイの日本人の情報では、昨年が1万1千人、今年が1万5千人。いずれも増加していることに変わりないが、どちらが正確な数字であろうか。主催の国際交流基金の統計によれば、2007年の受験者数は11433名だから、ハノイの日本人情報が正しい。

 このような曖昧さや不確実性がベトナムにある。ベトナムは、うわさ=口コミの社会である。ただし、正確な数字や情報を知ることは重要であるが、それがなければ何もできないというのではベトナムで仕事ができない。たとえば本当にベトナムの会計情報が信用できるのかは疑問である。 しかし概要や傾向は理解できる。

 国際ビジネスの現場でベトナム人は情報の正確性や透明性が重要であることを学んでいる。また大学でもマルクスレーニン主義思想と同時に、論理実証主義の科学的分析方法を学ぶことが必要になってくる。そうでなければ、国際社会で通用しないからである。

 客観的な数字を入手し、それを分析する。ベトナムの近代化と工業化を進めるための一般的な課題であると思う。

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2008年12月 8日 (月)

やっぱりハノイは忙しい・・・

 かつての生活の場所だったハノイに帰ると、昨日の感傷に沈んでいる場合ではない。朝からブーバンに会った。82歳。元気だ。ベトナム鉄道労働組合元委員長。日越経済交流センター前ハノイ代表である。私とは「兄弟」だから、この義理を欠いてはベトナムで生きていけない。

 電話番号が変更になり、ほとんどはハノイの番号04の次に3を追加して従来の番号である。携帯電話は以前のままである。電話会社が違うと、3の代わりに2や6を追加する場合があるそうだ。

 その後に、ホライゾンホテル4階のロータス投資運用会社で「経営会議」をした。これは重要な訪問目的であった。ベトナムや日本の経済情勢の交換を始め、同社の今後の方針を話した。ソン会長・タイ社長。私の信頼できるベトナム人である。新しいスタッフも加わり、会社は活気がある。

 洋菓子店ポエメの鈴木さんと昼食。貿易大学のタム先生、VJCC(ベトナム日本人材協力センター)の小樋山所長にもお目にかかった。ホーチミン市では同じくVJCCの藤井所長にもお会いしている。また日本ベトナム友好協会の小松さんや新妻さんにもお会いした。さらに電話で何人かの人々とお話をした。

 やっぱりハノイは忙しい。ホテル近くのフットマッサージで時間を過ごして空港に今から向かう。関空到着後に神戸で講義がある。日本でも同様に忙しいが、忙しさの種類が異なっているように思われる。ハノイでは多様に変化に満ちて動いている。

 なおフットマッサージは、率直に言ってハノイよりもホーチミン市が上手だし、ホーチミン市とラオスのビエンチャンは良い勝負になる。ハノイは見よう見まねで「ツボ」を押さえていないと思う。ホーチミン市は中国=台湾式。ビエンチャンはタイ式だ。

 夕方にベトナムとマレーシア戦をテレビ中継していた。もちろんサッカーである。街の至る所で歓声が聞こえた。おそらくベトナムが勝ったのではないか? 最後に注意点として、夕方の交通渋滞はハノイも同様である。時間には余裕をもって行動することをお勧めしたい。

 

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2008年12月 7日 (日)

冬のハノイ:沈んだ色彩の街角

 ホーチミン市からハノイに移動する。この路線のベトナム航空は相変わらず満席に近い。しかし外国人が若干少ないかもしれない。クリスマス休暇・年末年始休暇前の「師走」だからやむをえないのだろうが、景気後退の気配を感じる。

 なお、タンソンニャット空港の国内線の出発ゲートと待合のレイアウトが9月の時に比べて変更された。出発便の掲示板は十分に機能していない。おそらく「まあ、いいだろう」という「いい加減さ」の反映だ。そろそろベトナム人も変わらなければならない。

 ホーチミンでは長袖シャツを着ていても汗ばむほどではないが、ハノイでは肌寒い。上着を羽織ってちょうどよい。ベトナムの冬の季節は、気候の南北格差の調整が難しいが、今日は特に気にならない。快適である。

 ノイバイ空港からTrieu Viet Vuong(チューヴィエットヴォン)通りの馴染みのホテルまで空港タクシーを利用した。運転手が市内で道を間違えた。Ba Trieu(バチオ)通りを南下して左折すればよいのに右折した。空港タクシーの料金は定額だから文句を言わなかったが、こんなことは初めての経験である。運転手が地方出身の新人なのだろうか? ベトナム人運転手は地図を全部覚えているほどに優秀なはずなのだが、明らかに勉強不足だ。

 これは労働者不足が原因ではないか? そう言いえば、ホテルの若い新顔ガードマンも近くでビールを飲ます店の場所も知らない。仕事を始めたばかりである。労働力不足はハノイ周辺で指摘されている。実際に、外国直接投資は伸びているし、輸出も好調だ。インフレは沈静化して10月と11月は前月比マイナスになった。それに応じるように金利も下がった。景気は上向きの兆候がある。

 ただし小売りの売上高は前年比で下落している。消費が落ち込んでいる。総じて株価や地価の低迷は気分を重くする。世界同時不況はベトナムの輸出や直接投資を次第に減少させる。それをODAを通した内需や周辺国に対する投資などで補完できるかどうか? 内需拡大のためにインフレに追いつく賃金上昇が必要だが、違法ストライキが再発するか? 賃金上昇に応じた生産性の向上は実現するか? これらの微妙な調整ができなければ、景気の「悪循環」に陥る。こういった不安材料が横たわっている。

 ホテル近くの紀伊(日本料理店)から道を隔てた店で「ハノイビール」を飲んだ。そこから街の往来を眺める。ハノイの冬は人々が厚着する。そのジャンバーの色合いは黒く沈んでいる。この暗さがハノイの特徴である。ごく普通のハノイの冬景色なのだが、それまでも景気後退を感じてしまう。これほどに沈んだ色彩のハノイを見るのは久しぶりだ……。

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2008年12月 6日 (土)

円高とドン安:今日の出来事

 ホーチミン市内で昨日の為替レートが1ドルが17100ドン、今日のレートは16985ドン。今年の夏が16500ドン前後であったから、若干の「ドン安」である。日本からのベトナム投資は、円高とドン安だから二重の「追い風」である。

 貿易大学ホーチミン市分校・日本語学科のハンさん・ウエンさんと再会した。彼女たちは、今年の夏の兵庫県主催「洋上大学セミナー」に参加するために来日し、私の拙宅でホームステイした。明日の日曜日に彼女たちは「日本語検定試験」を受験する。ハンさんは1級、ウエンさんは2級である。試験日の前日で多忙であるにもかかわらず、わざわざ時間を取ってもらった。

 昨年の日本語検定の受験生は8200名であったが、今年は1万人を超えているそうである。ホーチミン市の試験会場は人文社会大学である。日本語の人気は日本ベトナムの交流にとって好ましい。来年から試験制度が変更になるそうである。2人の健闘を祈りたい。

 そういえば、先月に行われた「日本留学フェスティバル」には日本から38校が参加し、わずか半日間でハノイ(メリアホテル)で800名以上、ホーチミン市(ニューワールドホテル)で1000名以上の受験生が参加したそうである。両親を伴った参加者が多く、その質問の大部分は「バオ・ニュ・ティエン?」(何ボ、イリマンネン?=お金いくらですか?)である。ベトナム人の日本留学にとって最大で唯一の障害は入学金・学費である。日本の大学側は受験生の減少に歯止めをかけたいし、また留学生の国籍を多様化したいからベトナム人留学生は大歓迎である。

 公的な奨学資金の充実にODA(政府開発援助)資金が投入されてもよいのではないか。それが結果として経済活性化にも通じるし、少子高齢化の対策にもなる。

 夕方からタムさん(日越経済交流センター・ホーチミン市代表)の結婚披露宴に出席した。案内状を見て普通のレストランで開催されると想像していたが、会場は結婚式場モールのような場所だった。真ん中にイルミネーションに彩られた大通りがあり、左右に2階建ての建物が並び、A1、A2,B1,B2、・・・ と場所が指定されている。それぞれで結婚式が行われる。それぞれの式場では専属ダンスチーム・バンドが結婚式を盛り上げる。こんな派手な結婚式は日本で見たことない。

 ベトナムの結婚式の出席は今回で3回目である。いずれも勝手に食事を開始して、勝手に帰るという方式である。もちろん入り口で本人や両親の挨拶はあるし、しっかり入場時には「お祝い」を受け取るようになっている。スピーチは最初に新郎の父親が代表して挨拶して終わりである。その後は各テーブルを新郎新婦と各両親が挨拶して回る。バンドの演奏で歌を歌うことも可能なようだが、それを必ずしも聞かなければならないという雰囲気ではない。結婚式は以上である。気楽で楽しくお祝いできるというメリットがある。

 両親と娘・息子の感情は日本もベトナムも普遍であろう。ただ面白かったことは、新郎・新婦の父親同士が手をつないでテーブルを回る場面があったことだ。特に新郎の父親が新婦の父親に気を遣うような印象であった。ベトナム人らしい心温まる光景であると思った。新しいカップルの幸福と発展を祈りたい。

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2008年12月 5日 (金)

ホーチミン市の交通渋滞に驚く:「好意的な下車勧告」

 今、ホーチミン市に来ている。日越経済交流センターのホーチミン市代表のタムさんの明日の結婚式に出席するためである。もちろんそれ以外の仕事もあって、今日は投資計画省ホーチミン市の担当者と面談もした。いろいろ忙しいのは恒例である。

 日本料理店「Kカフェ」が所有する屋形船で夕食をした。サイゴン川を屋形船で2時間ほど巡って夕食する。大きな船ではないし、お座敷なので川面からの視線が低い。ライトアップされたレジェンド=ホテルやマジェスティック=ホテルを眺める風景は新鮮である。また今年夏の「洋上大学セミナー」でサイゴン川を航行したことも思い出された。

 このサイゴン川の船着き場までタクシーを利用したが、交通渋滞に巻き込まれて動かなくなった。運転手は「下りた方がよい」と言う。これは、日本の乗車拒否ではなく、渋滞で動かないのでセオム(バイクタクシー)を使った方がよいという好意的な提案である。

 少し雨が降っていたが、タクシーを下車してヘルメット着用でバイクの後ろ座席に乗って自動車を間をすり抜けた。これは、さすがに怖かった。相手がバイクなら大丈夫だが、自動車との接触事故はより危険だ。しかしセオムのおかげで予定通りの時刻に到着できた。1994年以来のベトナム訪問経験の中で、この「下車勧告」は初めてである。それはそうだろう。これだけの交通渋滞は、ベトナムの歴史上、初めてのことなのだから。

 ベトナムでもガソリン代が高いときは、バイクを利用している学生など若者は利用を控えていたが、ガソリンの値下げが続くと、バイク利用が増える。それ以上に、自動車の台数が増えた。空港から市内の道も自動車だけで渋滞している。周辺にバイクが見あたらない交通渋滞を初めて見た。

 公共交通の整備が以前から指摘されてきたが、今回の経験で緊急課題であることが実感できた。地下鉄が完成するまで、当面は一方通行の道路規制を強化することだと思う。

 これまで30分間の行き先が2時間かかることもある。これは短期出張で多数の訪問先を予定している私のような外国人にとっては致命的なムダである。ともかく夕方の交通渋滞に十分に注意である。

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2008年12月 4日 (木)

ベトナムの「赤ひげ先生」に会う:服部先生の講話

 大阪西ライオンズクラブの例会で服部先生とお目にかかり、先生からお話を伺った。服部先生は日本ではフリーの眼科医であり、ボランティアでベトナムのハノイを中心にして、白内障の手術をされている。

 ここでのボランティアというのは、ベトナムの患者さんから服部先生自身が手術料を受け取らないということである。逆に、日本から持参する手術機器の費用が必要であるから、手術すればするほど「赤字」になるというお話であった。

 服部先生はベトナムの「赤ひげ先生」と呼ばれて、インターネット上でも多数掲載されている。ここは読売新聞の掲載記事と、前ベトナム特命全権大使の同姓の服部氏からのメッセージを紹介しておく。

 「08_07_06.pdf」をダウンロード  「hattori.doc」をダウンロード

 今回の服部先生のお話で最も印象的であったことは、「してあげる」とか「してあげている」という気持ちは厳禁と言うことであった。それが態度にも手術にも心理的な悪い効果がある。また、そういう気持ちでは、ボランティア活動は長く続けることができないということであった。

 服部先生のために何かお役に立てればと思う。「してあげる」というような気持ちではなく、ごく自然な気持ちで無理なく何か協力できればよい。私もラオスでのボランティアを続けているが、やはり継続すること、そしてラオスの人々に対して感謝の気持ちを忘れないようにしなければならないと自省した。

 ライオンズクラブは「奉仕の心」を持った人々の集まりであるが、クラブ会員以外の服部先生から改めてその心を学ぶことができた。ご多忙の中を来阪いただいた先生に心から感謝を申し上げたい。

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2008年12月 3日 (水)

ベトナム株式市場の「はしか」から回復

 ベトナムの不動産や株式は、投機的な売買によって「バブル」が発生し、その後に暴落が発生した。

 これについてシンガポールのケッペル・ランド社は「今のベトナムを『新興市場が通らなければならない現実』と認識しており、今後一層の投資を計画している」(ベトナム経済研究所編・窪田光純著『早わかりベトナムビジネス第2版』日刊工業新聞社、2008年、169頁)。

 私は、ベトナム人個人投資家の短期売買に問題があると以前から指摘してきた。たとえばIPO(新規株式公開)の入札に機関投資家が失敗するほどに入札価格が高騰していた。その後の店頭市場での売買で株価が下落することが見られた。

 その後に株式発行主体である企業側も投機的であったと認識できた。これがバブル発生を加速したのである。企業が上場・増資・株式分割を繰り返して、いわば錬金術のような行動を取ったのである。その資金が本業に使用されるなら企業成長は加速されるが、その資金が不動産や株式に投資された。

 これは、株式市場という新しい制度に遭遇すれば、ある意味で当然の行動であると思われる。詳しいことは理解できなくても、個人は株式を買えば儲かり、企業は株式公開すれば儲かるのだから、ベトナム全体がバブル状態になるのは当然であった。(今だから言えることだが・・・。)

 喫茶店が儲かる、金が儲かる、レンガ工場が儲かる、不動産投資が儲かると同じレベルで株式が考えられたのである。株式は資金調達の手段であり、その資金で企業は成長する。ベトナムにとって必要な資金使途は新工場・人材育成・技術導入・設備更新などいくらでもある。

 ベトナム株式市場のバブル崩壊。これは「新興市場が通らなければならない現実」であり、それを私は「はしか」のようなものだと指摘した。この試練を経過して、ベトナムの株式市場も成長し「青年期」に入るのだと思う。黎明期から成長期へ。ベトナム株式市場の現状であると思う。

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2008年12月 2日 (火)

私語と居眠り

 大学で講義していると、私語があれば必ず注意する。これが教員の最低限の責任である。言うまでもなく、ほかの学生に対して私語は迷惑をかけるからである。私語を無視して、講義に没頭する先生も中にはおられるだろうが、それは少数であろう。

 では、居眠り=睡眠はどうか? 誰にも迷惑をかけていないので、教員も見て見ないフリをすることが多いのではないか? ただし、イビキをかく状態(=爆睡)であるなら、やはり注意しなければならないと思うが、20年以上の教員生活の中で、これは1人だけであった。

 今年から私は、かなり意識して居眠りも注意するようにしている。「オ~イ」と声をかけて起こして「顔を洗ってきなさい」と指示する。学内教員である私は居眠りを容認できるとしても、学外講師をお招きして講義していただく時に、受講生の居眠りは失礼である。居眠りが習慣化して、どんな講義でも居眠りする学生がいたりするから、普段から居眠りを警戒しなければならない。

 このような私の方針と理由を学生に説明して、私語と同様に居眠りも注意するようにしている。「この先生の講義は私語も居眠りもNG」と学生に最初に理解させれば、その後の講義は円滑に進行する。

 先日、居眠り学生に注意したのだが、それが女子学生であった。「顔洗ってきなさい」と言ったものの、女子学生が顔を洗うと、お化粧があって大変なんだろうなと思ってしまう。特に居眠りの女子学生に言うなら、「お化粧直ししてきなさい」がよいのかもしれない。これは「セクハラ」なのだろうか? 

 ただし、男子学生の場合でも、本当に「顔を洗う」のは少数である。目を覚ました学生は「大丈夫」と応えて、そのまま講義を聴いている。「顔洗ってきなさい」は、性別に関係なく使用してよい「居眠り注意」のセリフなのかもしれない。

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2008年12月 1日 (月)

私の推奨商品を紹介します:米国商品を買おう!

 今年の夏に米国ワシントン州の友人から、BODY SENSE社のNeck Easeという商品を送ってもらった。

 商品名を意訳すれば、「首が楽になる」。確かに夏も冬も使用できて、首や肩が楽になる。ただし、この商品の形状を文書で説明するのは、かなりの文学的な能力が必要である。

 そこで以下のホームページを参照。株式会社アスティを通して日本でも購入できる。 http://www.kireikei.com/bodysence_neckease.html

 現在、この商品は定価の半額になっており、お買い得である。原価に近い価格であると思う。肩こりなどに対して夏は冷指圧、冬は温指圧のような効果がある。ハーブの香りも気分を静める。夏は冷凍庫で冷やし、冬は電子レンジで温めて何度も使用できる。

 この種の商品は、高齢化社会の日本で開発されても不思議ではないと思うのだが、原産国は米国である。米国経済を支援するために米国製品を買う。年末に帰省される人がいれば、お年寄り向けのお土産にも使える。私の推奨商品である。

 ただし、内容物は米に加えてオールスパイス・クローブ・ブラックペッパー・シナモンが含まれている。こういった香りが苦手な人は購入を避けた方がよい。

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