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2008年11月16日 (日)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(22)」:10月の株価レポート

 ベトナム現地法人・ロータス投資ファンド運用管理会社の提供による10月のベトナム株式レポートを紹介する。

 10月に Vn-indexは24.01%、Hastc-indexも22.67%の下落を示し、OTC市場も同様の下落が見られました。その結果、本年6月の「底値」を下回り、新たな「底値」を探る展開となりました。10月の証券市場は多くの要因によって影響を受けましたが、その中で次の4点が注目されます。

 1.世界同時株安:特に米国証券市場の歴史的な暴落です。これはベトナムにとって突発的な外部要因でした。ここから2つのことが指摘できます。まず、米国証券市場との連動性が強いということです。米国市場の取引時間はちょうどベトナムの夜間になります。多数の投資家は翌日の投資行動を夜間に考え、結局その夜の米国市場の変動が彼らの翌朝の売買に心理的な影響を及ぼします。更に、米国市場を考慮しない人さえもこの影響を受けてしまいます。ベトナムにおける株価変動はほぼ米国の株価と同じ方向に変動しています。
 次に、この変動は売買される株式の企業価値よりも注目されています。ベトナムの短期投資家は米国の事情にかなり関心を向けています。弊社の私見では、この連動性は時間と共に不合理と認識する投資家が増え、その為この連動性も弱くなってくると考えられます。もちろん米国経済の動向に業績が大きく依存する企業には注意が必要です。

 2.上場企業の業績発表:第3四半期の予測と公表された実績との落差は、最近の株価の変動に大きな影響を及ぼしました。今後の第4四半期の業績発表の影響にも注意が必要です。

 3.外国投資家の売り越し:外国人は債券や株式を連続売り越しました(特に債券です)。弊社の私見では、株式の売却は必ずしも悪い兆候とは言い切れません。売却の目的は多々ありますから、たとえば高値や安値になったから売却するという単純な話ではないと思います。今回の外国人の売却に対しては、内部株主あるいは発行企業が自社株式を買い入れている場合は評価すべき一点と思います。

 4. 国家銀行(中央銀行)の基本金利の引き下げ:同時に調達金利及び貸出金利も下げられました。それにより信用創造が促進され、株式や債券などのようなその他の金融資産の価値も上昇させます。インフレ動向を見ながら、慎重な景気・株価対策をベトナム政府は採用しています。

 弊社の知る限り、消費需要の縮小、原材料の輸入価額の下落、輸入会社の資金不足などの困難に直面している企業が多数あります。これらの困難も株価を落下させた原因の一つです。但し、株価の上下の変動には限界があります。そのため困難を乗り越えられた時期、あるいは乗り越えられそうな時期まで投資する行為は最善の選択ではないと思います。今は待機する時期です。(ただし、これを選択した投資家も多数存在します。)

flairコメントflair
 すでに指摘したように、ベトナム金融機関の不良債権問題が噴出する時期が、上記の指摘にもあるように、本年度の第4四半期である。つまり、これから年末が問題である。さらに来年のテト前に株式売却して換金するベトナム人も多いであろう。
 他方、オバマ米国新大統領の就任が来年の1月20日であり、それ移行に新政権の経済対策が定まる。さらにヘッジファンドなどの世界的な損失が確定する時期は来春ではないか? 
 これらの悪材料が明確化されてから、いよいよベトナム株式の出番であろう。今から来年春までは、注意深く底値の株式を仕込む時期である。 

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